はしがき | ||
「ホームページみてます」と声を掛けてくださる方の多くが、このコーナーを利用されているようです。 大分大学に着任した2004年4月にスタートさせたこのコーナーは、ご好評をいただき、8年目を迎えました。 私家版の貧困・福祉政策関連図書データベースといえば大げさですが、ただいまの掲載文献は、621件となっています(08年6月3日)。 ※追記: その後、700件に(08年11月)。804件に(09年11月)。921件に(13年5月)。 |
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■ 近刊の情報 | ||
◆立岩真也,2013,『私的所有論』第2版、上・下、生活書院。 ◇〔出版社HPより〕この本はたしかに長くはある。ただ、基本的な「動機」「主題」はいたって単純なものだ。この社会は、人の能力の差異に規定されて、受け取りと価値が決まる、そしてそれが「正しい」とされている社会である。そのことについて考えようということだ、もっと簡単に言えば、文句を言おうということだ。そして、人々は実は別の価値を有してもいるとも言ってしまい、そして別の社会を示そうということだ。(「それから――第2版に」より )。立岩社会学の主著、文庫版となって待望の第2版刊行! 解説=稲葉振一郎 |
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■ 新刊の情報 | ||
◆厚生行政出版会,2013,『ガイドブック厚生労働省 平成25年4月版』厚生行政出版会。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕厚生労働省4月1日付人事異動収載。最新の厚生労働省の組織図・所掌事務・各分掌事務・各フロア平面図・ 各課座席表・直通電話番号・内線番号・幹部名簿・関係機関の電話番号等を掲載。お問い合わせ、訪問に便利です。(年2回発行予定) ◆中筋直哉・五十嵐泰正編著,2013,『よくわかる都市社会学』ミネルヴァ書房。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕1980年代の新しい都市社会学や都市論ブームのインパクトの後に展開した新たな都市研究の諸領域から,建築学,文学,政策科学など隣接分野の都市研究までをカバーするあたらしい時代の都市社会学テキスト。 ◆二木立,2013,『福祉教育はいかにあるべきか――演習方法と論文指導』勁草書房。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「優秀な人が入るんじゃなくて、入ってから優秀になる二木ゼミ」。28年間の教育の経験と工夫から生まれた教育・学習メソッドを、社会福祉学部の専門演習指導と大学院での研究論文指導を中心に紹介。情報収集能力、作文能力、スピーチ能力など、基礎力を着実に身につける方法とは。推薦図書リスト、論文添削例も巻末に収録、社会福祉教育の改善に資する1冊。 ◆岩田正美・杉村宏編著,2013,『公的扶助論――低所得者に対する支援と生活保護制度』ミネルヴァ房。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕今注目をあびる最低生活の保障に対し、必要な支援を行うための基礎的な知識を網羅。 ◆丸山里美,2013,『女性ホームレスとして生きる――貧困と排除の社会学』世界思想社。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕女性ホームレスの知られざる生活世界に分け入り、個々の生活史や福祉制度の歴史から、女性が社会的に排除される過程を浮き彫りにする。路上にとどまる人びとの声に耳を傾け、自立を迫る制度の前提にある主体とは何か、意志とは何かを問い直す。 ◆町村敬志編著,2013,『都市空間に潜む排除と反抗の力』明石書店。3月刊行。 ◇〔日販MARCより〕1990年代以降の政治経済や社会の変化は、人々の生活条件・労働条件を悪化させてきた。その中で都市空間は支配的影響を及ぼすと共に、反抗の力をも埋め込んできた。空間に潜む重層的なダイナミクスを読み解く。 ◆埋橋孝文編著,2013,『生活保護』ミネルヴァ書房。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「生活保護」の改革にとどまらず、生活困窮者の生活支援のあり方を見直し、社会保障制度の抜本的な再編の方途を探る。 ◆西村周三監修、国立社会保障・人口問題研究所編,2013,『地域包括ケアシステム――「住み慣れた地域で老いる」社会をめざして』慶應義塾大学出版会。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「医療・介護・福祉」一体型の地域づくりへ――人々が住み慣れた地域で、親しい人々に囲まれながら、充実した医療・ケアを享受できる社会、それが本書の提案する「地域包括ケアシステム」である。本書は、社会保障・税一体改革、多職種協働体制の確立と人材育成、中央地方・官民の連携のあり方など重要課題を考察し、高齢社会・日本の新たな姿を描く。 ◆庄司洋子・菅沼隆・河東田博・河野哲也編,2013,『自立と福祉――制度・臨床への学際的アプローチ』現代書館。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕障害者、高齢者、ひとり親家庭等の福祉対象者が、パターナリズムの下に置かれ、自律性を奪われてきたことを規範・制度・臨床面から検証し、福祉がどう自立/自律支援に向き合うのかを展望する。 ◆三品桂子,2013,『重い精神障害のある人への包括型地域生活支援――アウトリーチ活動の理念とスキル』学術出版会。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ストレス脆弱性モデルからストレングス・レジリアンスモデルへの転換を目指して――重い精神障害のある人の地域生活を、アウトリーチという手法を用いて、24時間・365日リカバリー志向で支援する「包括型地域生活支援プログラム」(Assertive Community Treatment:ACT)の実践スキルを、イギリス・アメリカ・日本での調査に基づき体系化する。日本初の民間ACTチームの理事長であり、日本で最も精神科病床数の多い鹿児島県で精神障害者アウトリーチ推進事業に取り組む支援チームのコンサルタントでもある筆者が、日本の専門職のスキルアップと精神保健福祉システムの変革を試みる。 ◆山田明,2013,『通史 日本の障害者――明治・大正・昭和』明石書店。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕明治以降の近代化政策から戦時体制へと国家が突き進むなかで、障害者の権利とその保護はどう展開していったのか。当時の障害者の生活を具体的に描写しながら、障害者政策の変遷をたどる。 ◆猿田正機,2013,『日本的労使関係と「福祉国家」――労務管理と労働政策を中心として』税務経理協会。3月刊行。 ◆河合克義・ 菅野道生・ 板倉香子編著,2013,『社会的孤立問題への挑戦――分析の視座と福祉実践』法律文化社。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会的孤立は日本社会が構造的に生みだしている病理であり、生きづらさである。その実態と論点を多面的に検証し(T部)、問題解決に挑む実践者を中心に、取り組みの現状と課題を報告(U部)。 ◆ランドル・コリンズ著、井上俊・磯部卓三訳,2013,『脱常識の社会学――社会の読み方入門』第2版、岩波書店(岩波現代文庫)。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕なぜ我々は疑いもせず取引ができるのだろう.なぜ結婚するのだろう.なぜ宗教を信じるのだろう.なぜ権力が生まれるのだろう.当たり前のこと,合理的なこととして片づけられている日常の生活をめぐる「常識」にひそむ深層構造を,儀礼と象徴の理論を通して脱常識化し解明してゆく社会学入門の定番.新たに1章が書き足された原書第二版. ◆副田義也編,2013,『闘争性の福祉社会学――ドラマトゥルギーとして』(シリーズ福祉社会学 2),東京大学出版会。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕闘争の理論は社会学の主戦場のひとつである.貧困問題とそれへの抗議,当事者運動,認知症ケア,ターミナルケアなどにおける葛藤,東アジア社会における不平等とそれへの対抗など,さまざまな論争的テーマをとりあげる.博愛と受容の社会福祉論は,闘争と主張の福祉社会学へとその姿を変える. ◆武川正吾編,2013,『公共性の福祉社会学――公正な社会とは』(シリーズ福祉社会学 1),東京大学出版会。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕公共性に関わる領域は,福祉社会学の重要な研究分野のひとつである.とりわけ労働・家族・ジェンダーなど,社会学固有の領域と交錯させながら社会政策の問題をとりあげながら,ワークフェア,ジェンダー・エクイティ,グローバル化などのイシューをとおして,公正な社会のありかたを探究する. ◆上野谷加代子・松端克文・山縣文治編,2012,『よくわかる地域福祉』第5版,ミネルヴァ書房。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕地域福祉の理念、歴史、概念など、主要な知見と考え方を、豊富な実践事例とともに解説した、地域福祉を学ぶ学生や実践者のための入門書。孤立死と地域福祉、震災と地域福祉など最新のトピックと、近年の法改正を踏まえた改訂版。 ◆小寺全世・岩田泰夫・眞野元四郎・小西加保留編著,2012,『ソーシャルワーク論』(岡村理論の継承と展開 第4巻),ミネルヴァ書房。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ソーシャルワークにおいて、人権の擁護、生命や健康の維持、人間の尊厳等を守ることが重要であり、その根拠は価値や倫理原則である。本書では、この岡村重夫の主張を継承しつつ生活支援としての観点から、ストレングスモデル等の方法論、障害者の就労支援等の実践例を踏まえ、単に制度を適用してサービスを提供するだけではない、価値と倫理を基盤としたソーシャルワークとは何かについて考察している。 ◆山縣文治・松原一郎・大塚保信編著,2012,『社会福祉における生活者主体論』(岡村理論の継承と展開 第3巻),ミネルヴァ書房。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活者主体が社会生活を営む上で生じる問題の解明とその解決枠組みを提示しているのが、岡村理論の特徴の一つである。本書では、主体について高齢者、障害者、児童等の各領域から、岡村理論の中で主体は如何に捉えられてきたか、主体に生じる問題について社会福祉はどのように向き合うべきかについて、近年の動向を踏まえ考察した一冊。 ◆牧里毎治・岡本榮一・高森敬久編著,2012,『自発的社会福祉と地域福祉』(岡村理論の継承と展開 第2巻),ミネルヴァ書房。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕岡村地域福祉論は、自発的社会福祉、住民主体を重視し、実践の中心に社会福祉協議会を位置づけている。しかし「NPO法」制定以降、民間社会福祉に期待が集まり、実践の主体者はより多様化しているのが現状である。本書は、このような状況の変化の中で、自発的実践において重要な「社会福祉固有の視点」を如何に捉えていくべきかについて考察した一冊。 ◆武川正吾,2012,『政策志向の社会学――福祉国家と市民社会』有斐閣。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕個人化する社会において,公共政策の役割はますます大きくなっている。公共政策の企画・実施・評価という過程で,積極的な貢献を求められている「政策志向の社会学」の確立を提起する書。政策理念と個別政策に焦点を当て,福祉社会学の第一人者が解説する。 ◆二木立,2012,『TPPと医療の産業化』勁草書房。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本経済に大きな影響を与えた東日本大震災とTPP参入問題。これらは日本の医療政策にどのような影響を与え、この先どんな展開があり得るか。11年2月以降の医療政策の動向を最新の資料を用いて複眼的・批判的に分析、今後を予測する。社会的関心を呼んでいるTPPの医療への影響と医療の産業化を包括的に論じた初の書。 ◆松本英孝・永岡正己・奈倉道隆編著,2012,『社会福祉原理論』(岡村理論の継承と展開 第1巻),ミネルヴァ書房。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会生活の基本的要求、社会関係、基本的社会制度という概念を基に、独自の社会福祉理論と社会関係の二重構造を論理的に提示し、日本の社会福祉学の基礎を作ったのが岡村重夫である。本書では、今後、ますます予防的社会福祉が重要となり、専門分業が進展する状況の中で、岡村理論を如何に継承、展開していくかを、さまざまな観点から考察している。 ◆近藤克則,2012,『医療・福祉マネジメント――福祉社会開発に向けて』改訂版、ミネルヴァ書房。228頁、2730円。3月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「PDCAサイクルを回せ」「問題指向から目標指向へ」などのマネジメントの原則と方法論は、医療・福祉の領域にも適応可能である。 臨床レベルの「医療・福祉の統合」から、事業レベルの「サービスの質向上と経営の両立」、「持続可能な社会」を目指す政策レベルまで、マネジメントを科学する。 全体を捉えたい人、10年単位の大きな流れを知りたい人、新しい研究の視点を求める人に必読の1冊。 初学者・実務家向けのコラムも充実。 改訂版では、「第11章 保健・医療・介護の半世紀」を新たに収録。 ◆外山義・野口定久・武川正吾編,2011,『居住福祉学』有斐閣。360頁、2625円。12月下旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕人が安心して暮らすために必要な居住環境のありようを追究する居住福祉学の入門テキスト。住居や福祉施設,まちづくりや地域福祉などの居住福祉の基礎について,生活者の視点に立って解説する。居住空間,コミュニティ,公共政策という3つの視点から整理する。 ◆阿部彩,2011,『弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂』講談社(講談社現代新書)。12月刊行予定 ◇〔出版社HPより〕生活崩壊、格差拡大がますます進むいま、貧困問題を考えるための、新しい基本書。 〈社会的排除〉とは「社会から追い出されること」。〈社会包摂〉とは「社会に包み込むこと」。 まだ聞きなれない言葉ではあるが、この二つの視点なしに、これからの社会保障政策は語れない。そのキーワードは、「居場所」「つながり」「役割」―。 『子どもの貧困』(岩波新書)で注目された気鋭の研究者が、熱く語る。 ◆平岡公一・杉野昭博・所道彦・鎮目真人,2011,『社会福祉学』有斐閣。500頁、3360円。12月下旬刊行予定。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化や社会的排除などの現代的課題に,社会福祉学はどのように向き合うのか。制度・政策と援助実践の両面から成り立つ社会福祉学の理論枠組みを解説し,「社会福祉学とは何か」という問いを考える。現在学ぶべき基礎知識・考え方の枠組みがこの1冊に。 ◆宮本みち子・小杉礼子編著,2011,『二極化する若者と自立支援――「若者問題」への接近』明石書店。192頁、1890円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕二極化する社会の中で排除され貧困化する若者たち。学校、就職、終身雇用というこれまでのレールが機能しなくなった今日、若者の自立はいかにして可能か。教育、企業、地域社会のさまざまな現場にひそむ問題を明らかにし、今後の具体的な解決策をさぐる。 ◆中川清・埋橋孝文編著,2011,『生活保障と支援の社会政策』(講座 現代の社会政策 2)、明石書店。280頁、4310円。11月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活保障と生活支援のあり方と拡がりを、あらためて社会政策として位置づけ展望する。公的扶助、公的年金、医療保障、介護保険、社会福祉改革、自殺対策、救護施設、障害者の就労支援、ベーシック・インカム、ディーセントワークといった課題を丹念に検証する。 ◆玉井金五・佐口和郎編著,2011,『戦後社会政策論』(講座 現代の社会政策 1)、明石書店。244頁、4310円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の社会政策はどのように位置づけられ展開されてきたのか、戦前の歩みから戦後の日本的労使関係や雇用政策、教育・福祉政策の定着を経て、今また大きく変貌し社会問題化している雇用不安や貧困層の拡大まで、日本の社会政策論史を新たに再構成する。 ◆見田宗介,2011,『現代社会の理論』(定本 見田宗介著作集 第1巻)、岩波書店。200頁、2205円。11月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕すでに古典となった名著が,最新データと新たな考察を増補し,新展開への構想を示す論考を加えて生まれ変わった決定版.「光」と「闇」に彩られた現代社会の基本構造をつかみだす統合的な理論が打ち立てられる.収録作品:『現代社会の理論』[増補版],「現代社会はどこに向かうか」 ◆山村りつ,2011,『精神障害者のための効果的就労支援モデルと制度――モデルに基づく制度のあり方』ミネルヴァ書房。380頁、6825円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、精神障害者の就労を実現するための方策を具体的かつ実施可能なものとして提示するために、(1)精神障害者の就労の実現に必要な支援の具体的条件の明示、(2)その条件に基づく支援モデルの提示、さらに(3)その支援モデルについて、その効果を保持したままで実施するための制度モデルとそのために必要な現行制度上における修正点の提示を行う。 ◆米澤旦,2011,『労働統合型社会的企業の可能性 ――障害者就労における社会的包摂へのアプローチ』ミネルヴァ書房。240頁、6300円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家の再編の中で、NPOや協同組合などのいわゆるサードセクターへの関心が高まりつつある。なかでも近年では社会的企業と呼ばれる社会的な目的をもつ事業体が注目されている。本書は障害者雇用について取り組む社会的企業である共同連を対象事例として、労働市場から排除される人々の包摂へと取り組む、社会的企業の性格を、欧州のサードセクター論を用いて分析した実証研究である。 ◆清水教恵・朴光駿編著,2011,『よくわかる社会福祉の歴史』ミネルヴァ書房。240頁、2730円。9月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書では、社会福祉史上、重要な役割を果たした人物、画期となった事項とそれらの後世への影響について解説している。現在の社会福祉ならびにそれを取り巻く状況の形成過程を掴むのに最適な一冊。 ◆野口友紀子,2011,『社会事業成立史の研究――防貧概念の変遷と理論の多様性』ミネルヴァ書房。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕当時の人々が社会事業の対象範囲をどのように捉えていたのかを探り,「救済」という概念が「防貧」という形態に制度化されていく過程を整理することで社会事業の再カテゴリー化を行い,新たな社会事業史の描き方を提案する。 ◆新川敏光編著,2011,『福祉レジームの収斂と分岐――脱商品化と脱家族化の多様性』ミネルヴァ書房。360頁、6300円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現在、グローバル化の深化が、脱商品化の抑制圧力として各福祉レジームに影響を与え、脱家族化を進展させている。本書では、代表的な自由主義国、保守主義、家族主義国を取り上げ、グローバル化、高齢化などから、いかなる脱商品化と脱家族化が存在するのかを検討する。その上で比較研究から福祉国家再編の文脈を明らかにする。 ◆神野直彦・山本隆・山本惠子編,2011,『社会福祉行財政計画論』法律文化社。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「3つの政府」体系構想を軸に、福祉サービスと財政を考える。福祉行財政の実施体制や実際を概説、計画を支える理念や目的を解説。領域別の事例を参考に政策力・計画力を養う。 ◆笠原英彦・小島和貴,2011,『明治期医療・衛生行政の研究――長与専斎から後藤新平へ』ミネルヴァ書房。250頁、5250円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕コレラで年間10万人が死んだ時代――近代化の重要課題である医療・衛生行政のモデルを巡る議論と試行錯誤の全過程に迫る。本書は、明治期の日本における医療・衛生行政の誕生の過程を追いかけたものである。衛生行政の父・長与専斎から第三代衛生局長・後藤新平へと改革が引き継がれるなかで、衛生についての考え方はどう変わっていったのか。徹底した資料分析に基づく研究の成果が、今明らかになる。 ◆結城康博,2011,『日本の介護システム――政策決定過程と現場ニーズの分析』岩波書店。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕2000年に始まった介護保険制度を基軸とする日本の介護システム.しかし,未だに「介護難民」「高齢者虐待」「使えない介護保険サービス」「行き場のない低所得高齢者」「慢性的なマンパワー不足」といった問題が後をたたない.介護保険制度の創設経緯から現在に至るまでの介護システムの変遷を検証し,制度・政策が介護現場のニーズから乖離している現実を体系的に分析.社会保障制度上のさまざまな客観的事実を踏まえつつ,真に介護現場に沿った介護システムをいかにして構築するかを経済学,政治学の議論をも視野に入れつつ論じる.ケアの現場を実践的に知悉する著者ならではの本格的考察であり,タイムリーな問題提起の書. ◆大牟羅良,1958,『ものいわぬ農民』岩波書店(岩波新書)。756円。2011年6月21日復刊。 ◆埋橋孝文,2011,『福祉政策の国際動向と日本の選択――ポスト「三つの世界」論』法律文化社。6月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕エスピン-アンデルセン後の動向を検討し、新しい政策論を提示する。南欧、アジアの政策の考察や「雇用と福祉の関係の再編」に注目し、日本の位置確認と政策論議の場を提供。 ◆齋藤純一・宮本太郎・近藤康史編,2011,『社会保障と福祉国家のゆくえ』ナカニシヤ出版。312頁、2940円。6月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障の理念と制度構想を総合的に解説。社会保障の理念と歴史、理論から、財政、年金、雇用、住宅、医療、若者など、各政策分野ごとの現状と課題をトータルに解説。社会保障・福祉国家について考えるための格好のガイドブック。 ◆垣田裕介,2011,『地方都市のホームレス――実態と支援策』法律文化社。200頁、3150円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕支援資源が乏しい地方都市のホームレスの実態と支援策を分析し、支援のあり方や社会保障の抱える課題を明らかにする。アクションリサーチという手法で実態解明と提起を行う。 ◇本書の特設コーナーはこちら→垣田裕介『地方都市のホームレス――実態と支援策』 ◆五石敬路,2011,『現代の貧困 ワーキングプア――雇用と福祉の連携策』日本経済新聞出版社。480頁、2520円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕深刻化する失業・雇用不安。デフレの背景にはセーフティネットの機能不全がある。生活保護を受給できない貧困世帯、失業すると住居もなくなる非正規職、増加する長期失業者。今日本に必要な雇用と福祉の連携。 ◆初田香成,2011,『都市の戦後――雑踏のなかの都市計画と建築』東京大学出版会。404頁、7560円。5月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕終戦から60年代までを軸に,「戦災復興」「不燃化運動」「都市再開発」の3つの主題から,インフラ整備だけではなく,一元的な視点には還元できない多様な主体が交錯する社会的運動として都市計画と建築建設を描き出し,そこから浮かび上がる戦後「都市」の可能性に迫る. ◆吉永純,2011,『生活保護の争点――審査請求、行政運用、制度改革をめぐって』高菅出版。493頁、5775円。4月刊行。 ◆島崎謙治,2011,『日本の医療――制度と政策』東京大学出版会。448頁、5040円。4月下旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化や医療の進歩により医療費は増加する一方,経済の低迷が続くなかで,日本の医療制度は変革の岐路に立たされている.国民皆保険や民間セクター中心の供給体制など日本の医療の構造を歴史分析と国際比較により浮き彫りにし,今後の制度と政策のゆくえを展望する. ◆大谷まこと,2011,『渋沢栄一の福祉思想――英国との対比からその特質を探る』ミネルヴァ書房。532頁、6300円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕明治・大正時代における日本経済界を導く一方で、社会事業に深く携わり、最期まで情熱を注ぎつづけた渋沢。本書は豊富な資料からその歩みと業績を明らかにするとともに、英国、特にチャールズ・ブースと対比させることで、渋沢の活動を評価し、日本社会事業の特質を明らかにしようと試みている。 ◆李 蓮花,2011,『東アジアにおける後発近代化と社会政策――韓国と台湾の医療保険政策』ミネルヴァ書房。310頁、6825円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年、東アジア地域の工業化や少子高齢化とともに、社会政策への関心が高まっている。本書では、東アジアにおける社会政策の歴史的発展およびその革新的な特徴を把握するために、韓国と台湾における国民皆保険を事例として取り上げ、後発近代化と民主化が東アジアの社会政策にもたらした特徴を明らかにし、日本をも含む東アジア社会政策論の可能性を展望する。 ◆ルース・リスター著、松本伊智朗監訳、立木勝訳,2011,『貧困とはなにか――概念・言説・ポリティクス』明石書店。317頁、2520円。4月10日刊行。 ◆中川清,2011,『現代の生活問題』改訂版,放送大学教育振興会。280頁、2625円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現在,我々が直面している生活問題は,21世紀に入って突然引き起こされたわけではない。これまでの日本の経験を振り返ることによって,現代の生活問題を次の3つの視点から考えていく。@伝統的な貧困問題の系譜と現状である。貧困の捉え方や貧困をめぐる社会構図の変化に注目する。A近代以降の激しい生活変動にともなう生活問題である。20世紀の生活モデルが成り立たなくなる事情を明らかにする。B生活モデルの喪失に伴う新たな生活課題である。誕生から死にいたる生涯のいくつかの局面を手掛かりに検討する。 ◆姜 克實,2011,『近代日本の社会事業思想――国家の「公益」と宗教の「愛」』ミネルヴァ書房。304頁、5250円。3月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近代日本の社会事業はどのように形成され、どのような特徴があったのか。本書では、国家と宗教の関係を基本視座にして、宗教的愛により自発的・散発的に起こった慈善事業が、国家の政策介入によって組織化され近代的社会事業に変貌していった過程を明らかにする。宗教と国家両者の緊張、協力関係の分析を通じて、「愛」(宗教)と「公益」(国家)の思想の特徴をそれぞれ明らかにし、そのあるべき姿を追求する。 ◆二木立,2011,『民主党政権の医療政策』勁草書房。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕不安定な民主党政権下、日本の医療政策はどうなるのか。自公政権からの流れを踏まえて、実証的な分析でその現実をあぶり出す。疲弊する医療現場を支える医療改革ができるのか? 財源はどこに? 医療ツーリズムの見通しは? 「公平・良質・効率的な医療」を提唱する著者が、民主党の医療政策について、初めての包括的議論を繰り広げる。 ◆岩永理恵,2011,『生活保護は最低生活をどう構想したか――保護基準と実施要領の歴史分析』(現代社会政策のフロンティア 1),ミネルヴァ書房。5250円。2月28日刊行。 ◆内田扶喜子・谷村慎介・原田和明・水藤昌彦,2011,『罪を犯した知的障がいのある人の弁護と支援――司法と福祉の協働実践』現代人文社。224頁、2940円。2月刊行予定。 ◇〔出版社HPより〕罪を犯した知的障害のある人たちに対して、被疑者・被告人の権利を擁護する弁護人と、 生活等の立て直しを支援する福祉専門職は、刑事弁護活動を通じて何をどのように行うべきか、 そして、両者はどのように協働すべきか。 司法と福祉の協働実践を独自に行ってきた弁護士とソーシャルワーカーによる実践的ガイドブック。 ◆岩田正美監修、野口定久・平野隆之編著,2011,『地域福祉』(リーディングス日本の社会福祉 第6巻),日本図書センター。3990円。1月刊行。 ◆岩田正美監修、岩崎晋也編著,2011,『社会福祉とはなにか――理論と展開』(リーディングス日本の社会福祉 第1巻),日本図書センター。3990円。1月刊行。 ◆伊藤周平(2010)『医療・福祉政策のゆくえを読む――高齢者医療・介護制度/障害者自立支援法/子ども・子育て新システム』新日本出版社。224頁、1680円。12月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕新自由主義路線へ完全回帰した民主党政権。「強い社会保障」の名のもとに進む高齢者医療制度、介護保険制度、障害者自立支援法、保育制度改革の諸政策を横断的に総検証し、そのねらいと課題を明らかにする。その上で、安心してサービスを利用でき、医療・福祉労働者が安心して働ける社会保障制度を再構築するため、政策的な展望を示すとともに、社会保障運動の連携を呼びかける。 ◆鈴木優美(2010)『デンマークの光と影――福祉社会とネオリベラリズム』リベルタ出版。248頁、1890円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕小さな国だが、きらりと光る存在感で世界に知られるデンマーク。年間6週間の有給休暇、失業時の手厚い保障、無償の医療費・教育費といった福祉社会に、新たな波が押し寄せている。市場原理の席巻は世界的な傾向であり驚きに値することではないが、福祉社会に見られる新自由主義の台頭は、「世界一幸福な国」を格差と競争原理の国に変えつつある。 ◆貧困研究会編(2010)『貧困研究』5号(特集:日本の貧困は「地方」にどう立ち現れているか)、明石書店。155頁、1890円。11月10日刊行。 ◆青木秀男編著(2010)『ホームレス・スタディーズ――排除と包摂のリアリティ』ミネルヴァ書房。330頁、3150円。10月刊行。 ◆『ホームレスと社会』編集委員会編(2010)『ホームレスと社会』3号、明石書店。128頁、1680円。10月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代のホームレス問題を考える専門誌(年2回刊)の第3号。特集では、「多様な就労支援が生み出す新しい公共」として、ホームレスの人々を就労へと結びつける民間および公共の様々な取り組み・実践について多角的に取り上げる。 ◆三富紀敬(2010)『欧米の介護保障と介護者支援――家族政策と社会的包摂、福祉国家類型論』ミネルヴァ書房。400頁、6850円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕介護者支援の制度化を進めるために、欧米の動向と日本の調査史を踏まえながら,政策の形成と効果について跡付ける。 介護者に関する研究は,介護者の負担への着目から始まった。その後,負担の軽減による介護者の健康維持と社会参加の促進を目的に,要介護者への支援とあわせて介護者を直接の対象にする支援について論じられるようになる。そこで本書では日本における介護者支援の制度化を進めるために,欧米の動向や日本の介護者調査の蓄積を踏まえながら,介護者支援の形成と効果について跡付け,今後の政策展開に欠かすことができないと考えられる内外の論点について独自に検討を加える。 ◆立石宏昭(2010)『地域精神医療におけるソーシャルワーク実践――IPSを参考にした訪問型個別就労支援』ミネルヴァ書房。380頁、6300円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕障害者の就労支援という課題を検証する。わが国の地域精神医療・保健福祉領域に対する新たな個別就労支援プログラム導入の試み。 ◆小久保哲郎・ 安永一郎編(2010)『すぐそこにある貧困――かき消される野宿者の尊厳』法律文化社。270頁、2415円。10月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕いまや貧困問題は「すぐそこにある」ものになった。しかし、どこか他人事とされがちな野宿者問題。代表的な訴訟を当事者・弁護士の視点から描き、リアルな現実として再構成する。 ◇コルナトウスキ・ヒェラルド/垣田裕介「香港におけるホームレス問題――支援システムの展開と課題」を収録。 ◆石井寛治・原朗・武田晴人編(2010)『日本経済史研究入門』(日本経済史 6)、東京大学出版会。392頁、5775円。9月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本経済史とはどのような研究分野か,実証の基礎となる資料とはどのようなものか,論文を書くときにはどのようなことに注意すべきかなど,経済史研究のあり方の現在について研究を志す次世代に紹介する入門的なガイドブック. ◆奥井智之(2010)『社会学の歴史』東京大学出版会。308頁、2100円。9月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕古典社会学から現代社会学へいたる,長い旅路.社会学者たちはどう時代を生き,どう現実と切り結んできたのか.この創造のドラマを透徹した筆致で描き,読者を「社会学の闘技場」に誘うガイドブック.社会学史の教科書として,また社会学の概説書として好適. ◆鈴木 亘(2010)『財政危機と社会保障』講談社(講談社現代新書)。256頁、798円。9月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の財政危機はどのくらい深刻か、医療・介護は成長産業なのか、少子高齢化・人口減少の影響とは、待機児童問題はなぜ解決しないのか。借金日本で安心して暮らすための社会保障入門。 ◆橘木俊詔(2010)『安心の社会保障改革――福祉思想史と経済学で考える』東洋経済新報社。224頁、1890円。9月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕先進国において人々が福祉をどう理解し、国民がどう対処してきたかを福祉思想という観点から総合的に社会保障制度を評価。日本における望ましい改革案を大胆に主張する。 ◆本田良一(2010)『ルポ 生活保護――貧困をなくす新たな取り組み』中央公論新社(中公新書)。288頁、819円。8月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕現在、生活保護受給者は全国平均で八〇人に一人。雇用、教育、年金制度など社会のさまざまな矛盾が貧困の連鎖を生み、厳しさを増す地方財政がその困難な生活に拍車をかける。しかし今、生活保護こそを貧困から抜け出すステップにしようとの動きが生まれている。自立プログラムの「先進地」釧路など数多くの例を引きながら、経済偏重に陥らない、本来の自立とは何かを問い、貧困をなくすために何が必要かを探る。 ◆副田義也編(2010)『内務省の歴史社会学』東京大学出版会。394頁、6510円。8月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕近代化と神国化――.戦前期日本,たがいに排斥し,また依存しあうふたつの大きな社会変動の流れを推し進めた巨大官庁・内務省.官僚たちや組織,制度のあり方はどのような特徴をもったのか.現代日本社会になお影響をとどめる内務省の歴史社会学的研究. ◆立岩真也(2010)『人間の条件――そんなものない』理論社。394頁、1575円。8月16日刊行。 ◇〔amazon「内容紹介」より〕人間がただそのままのすがたで生きているということ、そのことの価値を、立岩本史上、はじめてやさしく語る、驚きの1冊!全く画期的な、立岩学入門!成果主義、能力主義、自己決定、安楽死、介護、格差、貧困、税。 著者のライフワークとしてのテーマを、いまほど待ったなしに再検証すべき時代、またそれが可能である時代は、かつてなかったはず。それらをいま、広く多くの人たちに向けて、著者がはじめてやさしく、ていねいに書き下ろしました。100%ORANGE/及川賢治のイラストとマンガでさらに楽しく魅力的な本に。いままでどこにも語らなかった、みずからの研究の源泉を語る、インタビュー&対談(山田真ほか)なども収録。 ◆直井道子・平岡 公一編(2010)『福祉』(講座社会学 11)、東京大学出版会。270頁、3990円。8月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会構造の変化と国民生活の変貌は,生活問題や,その対応としての福祉政策をも大きく転換させてきた.社会の変化と福祉政策の転換の関連を解明し,これからの福祉社会のあり方を構想する. ◆杉田菜穂(2010)『人口・家族・生命と社会政策――日本の経験』法律文化社。300頁、5880円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦前日本の少子化論を掘り起こし、児童政策や優性政策など社会政策論の系譜を整理し、再構築を試みる。現代的な議論に新たな角度からの問題提起となる一冊。 ◆橘木俊詔(2010)『日本の教育格差』岩波書店(岩波新書)。256頁、840円。7月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕所得格差が広がるなか,教育の機会も不平等化している.高学歴を目指す塾や私立学校が隆盛する一方,経済的理由で高校を中退する者なども目立つ.格差問題の第一人者である著者が豊富なデータによって,親の所得の影響,公立・私立の差,学歴と進路の関係など,教育格差の実態を検証.社会と教育の関係を問い直し,打開策を探る. ◆森嶋通夫(2010)『なぜ日本は没落するか』岩波書店(岩波現代文庫)。240頁、1008円。7月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕このままだと日本は必ず没落する…….1999年に刊行された本書は,2050年を見据えて書かれているが,驚くほど現在の日本の現実を予見している.なぜそうなるのか,日本人の精神性と日本の金融,産業,教育の荒廃状況を舌鋒鋭く指摘し,その救済案「東北アジア共同体構想」を示し,救済案への障害となるものをも示す.(解説=中村達也) ◆デイヴィッド・バーン著、深井英喜・梶村泰久訳(2010)『社会的排除とは何か』 ◇〔出版社HPより〕イギリス労働党(ニューレイバー)の「社会的包摂」政策はいかに瓦解したか。菅直人民主党政権の政治理念の源流「第三の道」論が破綻する必然性を明らかにする! ◆岩田正美編著(2010)『貧困と社会福祉』(リーディングス日本の社会福祉 第2巻)、日本図書センター。3990円。6月刊行。 ◆秋元美世編著(2010)『社会福祉の権利と思想』(リーディングス日本の社会福祉 第5巻)、日本図書センター。3990円。6月刊行。 ◆伊藤周平(2010)『雇用崩壊と社会保障』平凡社(平凡社新書)。256頁、819円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年の雇用崩壊によって日本の社会保障の脆弱性が明らかになってきた。社会保障の機能不全がなぜ生じたのかを追究し、雇用・社会保障の再構築の処方箋を提示する。 ◆埋橋孝文・連合総合生活開発研究所編(2010)『参加と連帯のセーフティネット――人間らしい品格ある社会への提言』ミネルヴァ書房。 338頁、3360円。6月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕参加保障・社会連帯型社会政策の実現に向けて―― いま必要なのは、生活上のリスクに直面しても、すべての人びとが必ずいずれかのセーフティネットで受け止められ、ディーセントな(品格ある)労働と生活に参加できるようなしくみではないだろうか。 本書は、参加保障・社会連帯型社会政策の実現に向けて、中長期的な視点から新たなソーシャル・セーフティネットのあり方を検討した、第一線の研究者らによる共同研究の成果。 ◆久本憲夫(2010)『日本の社会政策』ナカニシヤ出版。344頁、2940円。5月刊行。 ◆大沢真理(1986)『イギリス社会政策史』東京大学出版会。312頁、7140円。2010年5月下旬復刊。 ◇〔出版社HPより〕従来,過酷なシステムと見られてきた19世紀イギリスの救貧法について,当時の判例,議会報告,行政資料を駆使してその相貌を写しだす. ◆中村 剛(2010)『社会福祉学原論――脱構築としての社会福祉学』みらい。298頁、2520円。5月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、著者が、前作『福祉哲学の構想』の中で明らかにした人間理解および社会福祉の原理や本質を基盤とし、倫理と正義を軸に体系化した社会福祉学原論である。2009年度からの新・社会福祉士養成カリキュラム全体の根源にあるものを学ぶことができ、社会福祉教育の導入科目のテキストとして最適。著者積年の研究成果の集大成。 ◆大沢真知子(2010)『日本型ワーキングプアの本質――多様性を包み込み活かす社会へ』岩波書店。254頁、2520円。5月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕世界的な不況の影響を受け生まれた「年越し派遣村」は非正規労働とワーキングプアとが背中合わせにあることを明らかにした.同じ深刻な問題を抱える韓国などとの比較を通じて,「標準世帯」を前提とした日本の社会制度が機能不全に陥っており,社会に多様性を導入することが解決すべき本質であることを,豊富なデータと取材から浮き彫りにする. ◆『現代思想』2010年6月号(特集:ベーシックインカム――要求者たち)、青土社。5月27日刊行。 ◆マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳(2010)『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』早川書房。380頁、2415円。5月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕金持ちの税金を貧者に分配するのは公正か。前の世代が犯した過ちについて、私たちにつぐないの義務はあるか。個人の自由と社会の利益はいかにして両立可能か──豊富な実例で古今の哲学者の思想を解きほぐす。アメリカ現代思想界の雄による、ハーバード大学史上最多の履修者数を誇る超人気講義。 ◆川北稔・玉木俊明(2010)『私と西洋史研究――歴史家の役割』創元社。271頁、2625円。4月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕西洋史研究の碩学として知られる著者の個人研究自伝。計量経済史および生活史(社会史)の開拓、世界システム論の紹介・考察など数々の画期的業績を築きあげた著者の研究スタンスや思考を詳説するとともに、学界研究動向の推移や位置づけ、歴史研究の意義とあり方、歴史家の役割など、歴史を学ぶうえで必須の観点を対談形式で平易に説き明かす。研究の背景や意味を解説したコラム、詳細な脚注入り。 ◆駒村康平編(2010)『最低所得保障』岩波書店。240頁、1995円。4月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困問題が深刻化する今,現状に即した所得保障制度の再考が喫緊の課題である.生活保護,児童扶養手当,老齢・障害・遺族基礎年金,最低賃金,雇用保険の失業手当,課税最低限を取り上げ,社会保険,公的扶助,社会手当,最低賃金,税制の組合せによって最低限の所得保障をおこなう制度全体の実態と,これからのあり方を検討・提言する. ◆大熊由紀子(2010)『物語 介護保険――いのちの尊厳のための70のドラマ』上、岩波書店。264頁、2310円。4月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕急速に進展する高齢社会──長い間,日本型福祉では,高齢者はすべて家族で面倒を見るのが当然とされてきた.そのあり方を抜本的に改め,介護の社会化への道を切り開いた新しい制度誕生の背景と導入の過程を,さまざまな人間のドラマとして描く.介護問題の諸相,日本の福祉が直面する現実を浮き彫りにし,高齢時代の日本人の生のありかたを問う. ◆神野直彦(2010)『「分かち合い」の経済学』岩波書店(岩波新書)。224頁、756円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕深刻な経済危機が世界を覆っている.不況にあえぐ日本でも失業者が増大し,貧困や格差は広がるばかり.この「危機の時代」を克服するには,他者の「痛み」を社会全体で分かち合う,新しい経済システムの構築が急務だ.日本の産業構造や社会保障のあり方を検証し,誰もが人間らしく働き,生活できる社会を具体的に提案する. ◆猪飼周平(2010)『病院の世紀の理論――日本の医療を理論的・歴史的に解明する』有斐閣。336頁、4200円。4月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕20世紀の日本の医療システムを理論的・歴史的に位置づける力作。現代人がイメージする「病院」での治療などの価値,機能,制度は,20世紀に導入され,作られたものであることを明らかにし,これからの医療に必要な歴史的視野にたった政策展望を提示する。 ◆石井まこと・ 兵頭淳史・ 鬼丸朋子編著(2010)『現代労働問題分析――労働社会の未来を拓くために』法律文化社。320頁、3150円。4月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕学生が誤りがちな労働問題に関する「常識」の非常識を正す。「賃金・労働時間」「雇用」「労働組合・労使関係」の3部17論考構成で各章にキーワードと推薦図書を付す。新自由主義的潮流に一線を画し、論争の磁場を提供。 ◆高橋進編著(2010)『包摂と排除の比較政治学』ミネルヴァ書房。240頁、3675円。3月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日米欧先進社会での雇用、教育、福祉、住宅、医療、移民などさまざまな政策領域における包摂と排除を分析する。 ◆宮本太郎編(2010)『社会保障――セキュリティの構造転換へ』(自由への問い 第2巻)、岩波書店。210頁、2100円。3月24日刊行。 ◇〔出版社HPより〕新自由主義的な諸政策のもと,社会保障の抑制と信頼の衰退は社会に不安とリスクを増大させた.監視や安全保障によるセキュリティ強化から,人々のライフチャンスと自由を拡げる社会保障としてのセキュリティへの構造転換はいかに可能か.20世紀型の福祉国家の限界をふまえ,より広い合意にもとづく具体的な制度構想を探る. ◆立岩真也・齋藤拓(2010)『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』青土社。348頁、2310円。3月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕所有・労働・分配の未来。 貧困・格差・医療福祉など現下の諸問題を解決し、きたるべき社会を構想 するにあたって大きな注目を集める 「ベーシックインカム(基本所得)」。 それは、何を、どうやって分けるのか? 近年の錯綜する議論を精査し、理念と政策を丹念に検証。社会の根底まで 掘り下げて考えなおすことによって、ベーシックインカムをめぐる議論を 新たな次元に導く、画期の書。 ◆小松理佐子編(2010)『よくわかる社会福祉運営管理』ミネルヴァ書房。2675円。3月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉士国家試験科目「福祉サービスの組織と経営」に対応したテキスト。社会福祉運営管理の基盤となる理論を体系的に整理し、地域を主体とした最新の実践にも言及。 ◆埋橋孝文・ 同志社大学社会福祉教育・研究支援センター編(2010)『新しい福祉サービスの展開と人材育成』 法律文化社。290頁、2940円。3月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大学院教育における国際的な「理論・実践循環型」教育システムの構築を目的とした共同研究の成果。「新しい福祉サービスの展開」「明日の福祉を担う人材育成」「日韓中の国際比較」の3部11章にわたり福祉教育に示唆を与える。 ◆松本伊智朗編著(2010)『子ども虐待と貧困――「忘れられた子ども」のいない社会をめざして』明石書店。256頁、1995円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕子ども虐待の背景としての貧困は現場ではかねて認識されてきたが、様々な偏見への懸念からその関係を問うことはタブー視されてきた。子どもの貧困が可視化され始め、今ようやく子ども虐待と貧困の関係が問いかけられる。どちらをもなくすことを願う待望の書。 ◆宝月理恵(2010)『近代日本の衛生の展開と受容』東信堂。336頁、3990円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「衛生」による住民の国民化は貫徹されたか。 近代国家において展開・普及されてきた衛生制度や衛生規範、それは博愛という非政治的戦略を通して、住民全体を──時に生産者として時に兵士として──国家に貢献しうる国民へと陶冶・管理する強力な政治技術でもあった──学校衛生をはじめ、近代日本における「衛生」の概念・制度・実践の歴史を詳細に検証・考察するとともに、多くの聞き取りによって、必ずしも政策意図とは合致しない住民側の受容の様相を浮き彫りにした、充実の歴史社会学研究。 ◆金成垣編著(2010)『現代の比較福祉国家論――東アジア発の新しい理論構築に向けて』ミネルヴァ書房。560頁、8400円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「武川−田多論争」=日韓比較の方法論争をベースにヨーロッパ発の福祉国家論についての理論的検討、さらに日韓福祉国家の現状分析を行うとともに、新しい東アジア福祉国家論への展開を試みる。 ◆藤田菜々子(2010)『ミュルダールの経済学――福祉国家から福祉世界へ』NTT出版。3990円。2月11日刊行。 ◇〔出版社HPより〕スウェーデン生まれの経済学者、グンナー・ミュルダール(1898-1987)は、貨幣理論家から研究キャリアを開始し、経済学説史・方法論研究、スウェーデンでの政治活動(失業・福祉政策への関わり)、アメリカ黒人問題調査、国連欧州経済委員会活動、インドの貧困問題調査などを次々にこなし、1974年、ノーベル経済学賞を受賞した。 本書は、この多様性に富むミュルダールの諸研究について、その全体像を明らかにする。中でも、ミュルダールにおける福祉、あるいは福祉国家論の展開に注目し、ミュルダールが思索と行動の先に見出したものが現代にあって、いかなる意味と価値を持つかを問い直す。1930年代スウェーデンの人口問題から、第二次世界大戦後のスウェーデン福祉国家の経済的・社会的成功、先進諸国の繁栄とは対照的な低開発諸国の状況、そして「福祉国家を越える」という提言まで、ミュルダールが提起した問題を、現代のグローバル化の中で再検討する。 ◆堤未果(2010)『ルポ 貧困大国アメリカII』岩波書店(岩波新書)。224頁、756円。1月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済危機後のアメリカでは,社会の底割れが加速している.職がないにもかかわらず,学資ローンに追い立てられる若者たち.老後の生活設計が崩れ,絶望の淵に立たされた高齢者たち.いまや中間層の没落が進んでいるのではないか.オバマ登場で状況は変わるのか.人びとの肉声を通して,アメリカの今をビビッドに切り出すルポの第二弾. ◆大杉由香(2010)『日本経済史の諸側面――過去・現在をどう捉えてきたか』学文社。198頁、2625円。1月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本経済史研究が、その独自性確立のためだけでなく、日本経済史に対する期待に真に応えるためにはどのような視点が必要か。 本書では、経済史の分析視角を多面的に再考し、特に一般の人々の関心が高い分野でありながら日本経済史が軽視しがちであった生活の視点を取り入れた。これらを通じて主流研究の問題点を明らかにし、学問を担う将来世代をどう養成するかを考える意味で歴史教育にも切り込む。 ◆室田保夫編著(2010)『人物でよむ社会福祉の思想と理論』ミネルヴァ書房。276頁、2940円。1月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今日の社会福祉理論の構築に貢献した人物だけでなく,内村鑑三,河上肇,北一輝等の分野は異なるが社会福祉に多大な影響を及ぼした人物30名を取り上げ,その思想の形成過程から理論の特色ならびに後世に与えた影響を分かりやすく解説した一冊。 ◆宮島洋・西村周三・京極宣編(2010)『財政と所得保障』(社会保障と経済 2)、東京大学出版会。296頁、4410円。1月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化の急速な進展により医療や年金制度への不安がひろがり,また景気変動や雇用環境の変化により人びとの生活のセーフティネットもおびやかされている.給付・負担のバランスを保ちながら社会保障を維持していくためには何が必要なのか.経済・財政の視点から社会保障の現在とこれからを分析する. ◆倉田聡(2009)『社会保険の構造分析――社会保障における「連帯」のかたち』北海道大学出版会。386頁、5250円。12月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、著者が生前に北海道大学法学研究科研究選書の1冊として出版すべく、準備を進めていたもので、亡くなる直前まで構成と収録論文についての推敲を行っておりました。それらをもとに、加藤智章先生(北海道大学大学院法学研究科教授)と菊池馨実先生(早稲田大学大学院法学学術院教授)の手により編集作業をすすめ、このたび刊行のはこびとなりました。 ◆宮島洋・西村周三・京極宣編(2009)『企業と労働』(社会保障と経済 1)、東京大学出版会。320頁、4410円。12月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障は単なる法律・制度・行政・サービスであるだけでなく,人びとの就労や企業活動と密接に関係し,また経済成長とも深く関わり合っている.「企業と労働」という視角から,経済と社会保障を結びつける新たな理論と政策課題を明らかにする. ◆橘木俊詔・山森亮(2009)『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』人文書院。306頁、2100円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の論点! 今、最も熱い貧困問題を討議する。格差、貧困、福祉、労働…、いま日本において緊急かつ最重要の問題をめぐる、ベテランと新鋭、二人の経済学者による白熱の対話。徹底した議論の先に見える未来とは何か!! ◆下村恭民・小林誉明編著(2009)『貧困問題とは何であるか――「開発学」への新しい道』勁草書房。296頁、3360円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「われわれは貧困について、どれだけのことを理解しているだろうか」。貧困に関して、語る、問う、調べる、学ぶ、気づく、知る、行動する、実践する、現場に行く、展望する、提案する──「貧困の社会科学」が必要だ。途上国の経済社会には、固有の「成果をあげるしくみ」が埋め込まれている。貧困な国々、人々が「もっているもの」の力。 ◆榎本泰子(2009)『上海――多国籍都市の百年』中央公論新社(中公新書)。288頁、840円。11月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕アヘン戦争後、一八四二年の南京条約によって開港した上海。外国人居留地である「租界」を中心に発展した街は、二〇世紀前半には中国最大の「華洋雑居」の地となり繁栄を極める。チャンスと自由を求めて世界中からやって来る移民や難民たち、英米日の角逐、勃興する中国の民族運動。激動の時代のなかで人々はいかに暮らし、何を思ったのか。本書は国籍別の検証を通じ、上海という都市独特の魅力を余すところなく伝える。 ◆萩原康生・松村祥子・宇佐見耕一・後藤玲子編集代表(2010)『世界の社会福祉年鑑 2009年版』旬報社。520頁、15,750円。11月25日刊行 ◇〔出版社HPより〕いま、NGOやNPOが注目されている! 市民社会組織は福祉の担い手たりうるのか? ◆小幡道昭(2009)『経済原論――基礎と演習』東京大学出版会。384頁、3570円。11月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕マルクス経済学を初学者向けに解説するテキスト.東京大学で長年にわたって経済原論を講義してきた著者が,ユーモアを交えた記述で「資本論」とその基礎理論を平易に説明する.150以上の問題と解説も掲載し,試験対策にも役立つ一冊. ◆宮本太郎(2009)『生活保障――排除しない社会へ』岩波書店(岩波新書)。224頁、840円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕不安定な雇用,機能不全に陥った社会保障.今,生活の不安を取り除くための「生活保障」の再構築が求められている.日本社会の状況を振り返るとともに,北欧の福祉国家の意義と限界を考察.ベーシックインカム(所得保障)などの諸議論にも触れながら望ましい労働政策,社会保障のあり方を示し,人々を包み込む新しい社会像を打ち出す. ◆本間義人(2009)『居住の貧困』岩波書店(岩波新書)。224頁、798円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕職を失い,住まいを奪われる人びと,団地で進む高齢化と孤独死,規制緩和がもたらしたいびつな住環境…….人権としての居住権が軽視され,住まいの安心・安全が脅かされている日本の現状を詳細に報告.社会福祉政策から経済対策へと変容した,戦後の住宅政策の軌跡を検証し,諸外国の例などをもとに,具体的な打開策を提言する. ◆小笠原喜康(2009)『新版 大学生のためのレポート・論文術』講談社(講談社現代新書)。222頁、756円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕誰でも絶対書ける超入門・25万部大ロングセラーが大きくアップデート! 「見かけが大事」「まず検索」「コピペはダメか」「読まれる文章ルール」基本一歩前からやさしく教えます! ◆ナシア・ガミー著、村井俊哉訳(2009)『現代精神医学原論』みすず書房。496頁、7770円。11月13日刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代精神医学においては「生物・心理・社会モデル」の理念をはじめ、操作的診断基準、精神薬理学、認知行動療法など、20世紀の後半から興隆し、今日ではもはやメインストリームとも言うべき流れが、多くの場面で存在する。そのなかで当然のごとく用いられている概念を根源的に再検証するために、ナシア・ガミーは精神医学者・ヤスパースの『精神病理学総論』(1913)に立ち戻り、精神医学の現状を理解するための理論を組み立ててゆく。 ◆羽仁五郎(1979)『明治維新史研究』岩波書店(岩波文庫)。1260円。2009年11月11日重版再開。 ◇〔出版社HPより〕明治維新史に初めて世界史的観点をうちたてた「東洋における資本主義の形成」など維新史研究の基調をなす論文五篇を収録.幕末の人民大衆闘争の革命的意義を指摘したこれらの論文は,治安維持法下のきびしい制約のなかで書きつがれた.「生きた日本人民の生活とたたかいの歴史」が躍動する不朽の名著.(解説 井上清・芝原拓自) ◆湯浅誠(2009)『岩盤を穿(うが)つ――「活動家」湯浅誠の仕事』文藝春秋。240頁、1260円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕活動家・湯浅誠のできるまで。全記録。生活保護申請付添い、仕事づくり、保証人引受、ホームレス炊き出し。生々しい社会活動の現場で見てきたこと、経験してきたこと。 ◆柴田謙治(2009)『地域福祉』ミネルヴァ書房。292頁、2520円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕地域福祉の全体像を初学者にわかりやすく解説。 ◆道中隆(2009)『生活保護と日本型ワーキングプア――貧困の固定化と世代間継承』ミネルヴァ書房。216頁、2320円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕行政に管理され外部に公表されることのなかった生活保護者たちの情報。行政の立場にいる著者であるからこそ入手できたデータと経験をいかして、被保護世帯の実態を明らかにする。資料的価値も備えた一冊。 ◆関千枝子(2009)『ルポ 母子家庭――「母」の老後,「子」のこれから』岩波書店。160頁、1680円。11月6日刊行。 ◇〔出版社HPより〕多くの母子家庭は,長年,経済的に厳しい状況におかれてきた.そしてこの不況下,さらに生活保護世帯の母子加算がなくなったことは,厳しさに追いうちをかけている.著者は当事者として,母子家庭の制度改善に尽力してきたが,同時に,老いをむかえた「母」たちの現在の年金生活についても取材を続けた.「子」の教育費なども含めて,現状を活写する. ◆稲葉剛(2009)『ハウジングプア――「住まいの貧困」と向きあう』山吹書店、228頁、1890円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「ホームレス」「ネットカフェ難民」「派遣切り」「たまゆら火災」「宿泊所ビジネス」「追い出し屋」・・・みんな「住まいの貧困」が問題だ! ワーキングプア(働いても働いても抜け出せない貧困)と手をたずさえて、ハウジングプア(住まいの貧困)が、生活を不安定で困難なものにしている。 〈もやい〉で生活困窮者の自立支援を続ける筆者が、ハウジングプアという概念で貧困の実態をとらえ、解決への展望を語る。 ◆河合克義(2009)『大都市のひとり暮らし高齢者と社会的孤立』法律文化社。360頁、5670円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕東京港区と横浜鶴見区での大規模かつ精緻な調査をもとに、ひとり暮らし高齢者の生活実態と孤立状況をあぶりだす。特に親族・地域ネットワークに焦点をあて、その質と量を分析。「全市区町村別ひとり暮らし高齢者出現率」など興味深い資料付き。 ◆ヘンリー・メイヒュー著、松村昌家・新野緑編訳(2009)『ヴィクトリア朝ロンドンの下層社会』ミネルヴァ書房。282頁、4780円。10月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕風刺漫画誌『パンチ』創設者、ヘンリー・メイヒュー。一九世紀ロンドン下層社会を描いた彼のルポを『モーニング・クロニクル』通信、著書『ロンドンの労働とロンドンの貧民』から選び紹介する。大英帝国のもう一つの歴史。 ◆中村健吾編著(2009)『古典から読み解く社会思想史』ミネルヴァ書房。320頁、3150円。10月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近代から現代に至るまで、思想家たちは「社会」に関してどのような問題意識をもってきたのか。本書は、社会思想の様々な古典を読み解くことによって、現代的課題の解明を試みる。 ◆岡部卓・森川美絵・新保美香・根本久仁子(2009)『生活保護の相談援助活動――自己点検ワークブック』中央法規出版。82頁、1680円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉事務所の生活保護ワーカーが、自らの相談援助活動のふりかえりを行うための自己点検ツール。生活保護における相談援助業務をチェックリスト化し、3つのワークを通しながら、学びや気づきを深めることができる。研修担当者にも役に立つ、生活保護ワーカーへの応援書。 ◆生田武志(2009)『貧困を考えよう』岩波書店(岩波ジュニア新書)、224頁、819円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大阪のある中学では,2割の生徒の家庭が生活保護を,6割が就学援助を受けているという.学校へ行けるならまだいい,経済的理由で進学できなかったり,中退する生徒も各地で急増している.家庭の貧困は子どもの将来に重大な影響をおよぼしていく.その実態,国・自治体や民間の対策を見つめてみよう. ◆塩野谷祐一(2009)『経済哲学原理――解釈学的接近』東京大学出版会。456頁、5880円。10月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済とは,財貨・サービスを通じて,望ましい人間や社会のあり方を実現する活動といえる.そのあり方と現実が異なるならば,いったい何によるのか.これまで見落とされてきた価値・歴史・精神活動などに着目し,それらを経済学に基礎づけることを試みる.解釈学という方法に拠った,経済哲学の大胆な構想を描く. ◆トーマス・ラインズ著、渡辺景子訳(2009)『貧困の正体』青土社。270頁、2520円。10月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕いま世界から貧困をなくすために。 世界銀行やIMFが推進したグローバルな政策が、実際には貧しい人たちをさらなる貧困へと追いやった。その実体を明らかにし、現代の貧困を地上からなくすために、いまなされるべき農業や貿易政策を提言する。 ◆子どもの貧困白書編集委員会編(2009)『子どもの貧困白書』明石書店。360頁、2940円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代日本の子どもの貧困の実態をデータと事例で明らかにする初めての白書。病院・保育園・学校・乳児院・児童相談所・福祉事務所・母子生活支援施設等子どもを援助する広いネットワークから生まれた本。子どもに関わる人・子育て政策を担う行政担当者必携。 ◆寄川条路(2009)『ヘーゲル哲学入門』ナカニシヤ出版。212頁、2730円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕壮大な思想の要所を学べる骨太の入門書。 今なお深化し続けるヘーゲル哲学のエッセンスを凝縮。現代に至るまでのヘーゲル研究の成果と現状を概観し、壮大な思想の要所を学べる骨太の入門書。学習に役立つ「用語解説」と、コメント付き「文献案内」を併載。 ◆森川清(2009)『権利としての生活保護法――その理念と実務』あけび書房。224頁、2310円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困の急激な広がり。最後のセーフティネットである生活保護にワラをもつかむ思いの人々。しかし、行政はあれこれの理由で生活保護制度を使わせようとしない。元生活保護ケースワーカーで、現在、弁護士として生活困窮者救済のために奔走する筆者が、「生活保護は国民誰もが人間らしく生きるための権利」と説き、その制度を利用するための実務を綿密に解説する。判例・事例満載。権利と救済のための実務、決定版! 関係者必携の書。 ◆スティーヴン・M・ボードイン著、伊藤茂訳(2009)『貧困の救いかた――貧しさと救済をめぐる世界史』青土社。262頁、2520円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困はどのように生み出され、定義づけられ、克服されてきたのか。大航海時代をさかいに世界経済が統合され、貧困はその姿と意味を変えた。グローバリゼーションが拡大するプロセスとともに、貧困の変貌とその救済の歴史をさぐり、現代の国家規模の貧困救済や世界規模の福祉政策のありようまでを考察する画期的著作。 ◆森田洋司・矢島正見・進藤雄三・神原文子編著(2009)『新たなる排除にどう立ち向かうか――ソーシャル・インクルージョンの可能性と課題』学文社。292頁、3150円。9月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕私たちが失ったものは何か。今、そして、これから向き合うべき問題は何か。時代をリードする研究者たちが社会問題の最前線に挑む。 福祉国家像の後退、自由主義経済化の進展、そしてグローバリゼーションの世界的拡大のなかで生じた新たな社会的分断。私たちは現代日本社会におけるこの社会的分断と排除に対して、どのような対抗への道筋を描くことができるだろうか。ソーシャル・インクルージョンの可能性とは。 ◆『現代思想』2009年10月号(特集:政権交代――私たちは何を選択したのか)。2009年9月28日刊行。 ◆河合幹雄(2009)『終身刑の死角』洋泉社(新書y)。192頁、777円。9月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「仮釈放なしの終身刑」を導入すれば、刑務所は“究極の福祉施設”と化す! ◆野村拓(2009)『復刻 講座医療政策史』桐書房。2625円。8月刊行。 ◇1968年に医療図書出版より初版刊行。1974年に増補版刊行。 ◆佐々木雅幸・水内俊雄編著(2009)『創造都市と社会包摂』水曜社。316頁、3360円。8月刊行。 ◆権丈善一・権丈英子(2009)『年金改革と積極的社会保障政策――再分配政策の政治経済学U』第2版、慶應義塾大学出版会。336頁、3570円。8月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障の充実と経済成長とを結びつけた「積極的社会保障政策」を提唱! ▼年金制度改革に向け積極的賦課方式支持論を展開しつつ、社会保障の拡充と経済成長論とを結びつけた第2次ケインズ革命を提唱し、近年の社会保障政策の転換を予見した快著の第2版。 ▼第27回(2004年度)労働関係図書優秀賞を受賞した初版に、著者が委員を務め年金財政シミュレーション、医療・介護費用シミュレーションなどを主導した社会保障国民会議での議論や、今日の経済危機を踏まえた追補を加筆。 ◆田中恵美子(2009)『障害者の「自立生活」と生活の資源──多様で個別なその世界』生活書院。443頁、3570。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕】「自立生活」は「強い障害者」だけのものではない! 実際に営まれてきた/いる、10名の全身性障害者の「自立生活」の多様性と個別性を詳述し、「自分にはできない」というあきらめの壁を取り払う。 ◆青柳親房(2009)『社会保障の未来を考える――「改革」の時代を超えて』筒井書房。252頁、2310円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障の第一人者が振り返る「改革」の時代。そこに年金、医療、介護の未来を考えるヒントが! ◆山口二郎(2009)『政治のしくみがわかる本』岩波書店(岩波ジュニア新書)。224頁、777円。7月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の政治はどんなしくみになっているのでしょうか.国会や内閣で政治家たちは何をしているのでしょうか.政治は私たちの暮らしを大きく左右します.どこに注意をして,どういうふうに接したらよいのでしょうか.政治を見たり考えたりするときのヒントがたっぷりな1冊です. ◆濱口桂一郎(2009)『新しい労働社会――雇用システムの再構築へ』岩波書店(岩波新書)。208頁、735円。7月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕正規労働者であることが要件の,現在の日本型雇用システム.その不合理と綻びはもはや覆うべくもない.正規,非正規の別をこえ,合意形成の礎をいかに築き直すか.問われているのは民主主義の本分だ.独自の労働政策論で注目される著者が,混迷する雇用論議に一石を投じる. ◆生活保護手帳編集委員会編(2009)『生活保護手帳 2009年度版』中央法規出版。734頁、2625円。7月10日刊行。 ◆湯浅誠(2009)『どんとこい、貧困!』理論社。294頁、1365円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会の大きな問題となっている<貧困>。メディアで再三取り上げられていても、 なかなかつかみきれない実像、なぜ? どうししたらいい? 未来は? について真摯にわかりやすく、丁寧に語りかけます。 イスとりゲームの話から、努力が足りないんじゃないか! 甘やかすのは本人のためにならない! 自分だけ得してずるいのでは? など、上から目線の「自己責任」論ですますことはやめにしよう!「がんばり地獄」や「ずるさ狩り」「貧困スパイラル」からみんなでぬけだそう! と私たちに勇気と希望あたえてくれます。 だれもが暮らしやすく、幸せに生きられる社会を作る力も権利も私たちみんなのなかにある。そんな当たり前のこともあらためて心に響き、実感できます。 この国に生きるすべての人に読んでほしい一冊です。 ◆孝橋正一(2009)『全訂 社会事業の基本問題』ミネルヴァ書房(ミネルヴァ・アーカイブズ)。352頁、8925円。6月下旬刊行。 ◆稲葉振一郎(2009)『社会学入門』NHK出版(NHKブックス)。288頁、1124円。6月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕 ベーシックな内容から応用まで、この一冊で万全! 社会学はいったい、どんな学問なのか? 人間や社会をどのように眺めるのか? 近代の反省的な自意識とともに社会学は誕生したという見立てのもと、ウェーバー、デュルケムらの考察や、他の近代社会科学との比較を通して、その根本的な問題意識を探る。ダイナミックに変容する現代社会における、社会学の新たな可能性をも提示する、初学者必読の究極の教科書。 ◆K. ポラニー著、野口健彦・栖原学訳(2009)『[新訳]大転換――市場社会の形成と崩壊』東洋経済新報社。632頁、5040円。6月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕リーマン・ショック以降急激に再注目される古典的名著の新訳。共同体的経済から自己調整的近代市場経済への枠組みの変転を描く。読みやすさに加え、訳注等も充実。 ◆二木立(2009)『医療改革と財源選択』勁草書房。240頁、2835円。6月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕加速度的に崩壊する医療制度の立て直しにはいま何をすべきなのか。本書は医療費増加要因、医師数と医療費の関係など実証分析を通じ、制度立て直しには公的医療費を増やさざるを得ないことを論証、その財源についても提言する。小泉・安倍〜福田・麻生政権下の医療政策と論争、路線転換の展望を検討、よりよい制度への道筋を提示する。 ◆松原岩五郎(1988)『最暗黒の東京』岩波書店(岩波文庫)。588円。6月16日重版再開。 ◇〔出版社HPより〕明治中期の東京下層民の生活実態を克明に記録したルポルタージュ.二葉亭四迷の影響で下層社会の探訪を始めた著者(一八六六‐一九三五)が,貧民街に潜入,職業を転々としながら,木賃宿の実情や日雇人夫・見世物師・車夫等の暮らしぶりを描き出したもので,横山源之助『日本の下層社会』とならぶ明治記録文学の傑作.(注・解説 立花雄一) ◆フィリップ・ヴァン・パリース著、後藤 玲子・斎藤拓訳(2009)『ベーシック・インカムの哲学――すべての人にリアルな自由を』 勁草書房。512頁、6300円。6月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉(所得)と就労(労働)は本当に不可分なのだろうか。「万人のリアルな自由」という正義概念が、ベーシック・インカムを要求する。 精緻に規範的論証を行う基本書。 80年代後半からヨーロッパで高まったベーシック・インカム(BI)論議に影響を与えた基本書。自己所有権に拘泥しすぎる者は真のリバタリアンでない。 各人が「社会的財産」の一人当たりのシェア分を専有し、それを不断に最大化できる社会を求めてこそリバタリアンだ。 政策論としてでなく、規範理論の視点からBIの発見的な正当化をめざす。 ◆古川孝順・金子光一編『社会福祉発達史キーワード』有斐閣。252頁、1890円。6月4日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本社会福祉の歴史を学ぶための100のキーワードを,見開き2ページの読みきりスタイルでわかりやすく解説。歴史上重要な意味をもつ出来事,社会に影響を与えた制度や事柄を時系列にそって取り上げ,当時の社会的背景や,後の評価などを明らかにする。 ◆生活保護手帳別冊問答集編集委員会編(2009)『生活保護手帳別冊問答集 2009』中央法規出版。565頁、2310円。6月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕平成5年以来の発行となる「別冊問答集」。本書は、平成21年3月31日事務連絡通知「生活保護問答集について」に、参照条文・参照ページなどを盛り込み、実務に使いやすいよう再編集したものである。巻末資料には、リバースモゲージに関するQ&Aをまとめて収載した。 ◆自治研中央推進委員会編(2009)『月刊自治研』2009年5月号(特集:貧困と社会的排除)、自治労出版センター。800円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕解雇によって住まいを失い、明日の生活すら奪われる人々―。 「年越し派遣村」は、貧困と隣り合わせに生きる労働者の過酷な実態を 目に見えるかたちで指し示す、無言の告発であった。 働けど働けど、生活が楽にならない母子世帯や 生活費を補うために借金を重ね、多重債務に陥る低所得者。 雇用システムからも福祉制度からも排除され、 さまざまな困難を抱えたまま、放置され続けてきた当事者たちが、 いまその全存在をかけて、貧困問題を社会に対し突きつけようとしている。 ◆日本社会保障法学会編(2009)『社会保障のモデルチェンジ』(社会保障法 第24号)、法律文化社。290頁、4095円。5月刊行。 ◆冷水豊編著(2009)『「地域生活の質」に基づく高齢者ケアの推進――フォーマルケアとインフォーマルケアの新たな関係をめざして』有斐閣。388頁、5040円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕新たな局面を迎えた高齢者ケアにおいて,介護保険中心のフォーマルケアと,地域住民やボランティアによるインフォーマルケアの望ましい機能分担とは何か。保健福祉先進地域として知られる茅野市の調査から,「地域生活の質」を重視した福祉のあり方を考える。 ◆田村哲樹(2009)『政治理論とフェミニズムのあいだ――国家・社会・家族』昭和堂。224頁、3150円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、「政治」と「男性ケア」という視点の重要性、つまり、ジェンダー平等は、「女性の問題」としてみるのではなく、「男性のケア」に焦点を当てながら、政治学の中心問題に「フェミニズム」をすえ、考察する。政治学は「政治」をどのように考えるか、と言う問題を真剣に扱うことにより、フェミニズムの理論的考察に新しい知見を提示する。 ◆貧困研究会編(2009)『貧困研究』Vol. 2(特集:流動社会における新しい貧困のかたち)、明石書店。164頁、1890円。5月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本における貧困研究の深化・発展、国内外の研究者の交流、そして貧困問題を様々な人々に認識してもらうことを目的として発刊された、日本初の貧困研究専門誌。第2号は「派遣村」など貧困問題をめぐり激変する状況の先に見える課題をとらえる。(年2回刊) ◆白波瀬佐和子(2009)『日本の不平等を考える――少子高齢社会の国際比較』東京大学出版会。304頁、2940円。5月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕いま,われわれが直面する格差や不平等の問題は,どの程度「日本的」なことなのか.日本社会の不平等を国際的に比較すると,いったい何が見えてくるのか.少子高齢社会という新たな時代の到来を,家族,女性,子ども,高齢者から考える. ◆上野千鶴子(2009)『家父長制と資本制――マルクス主義フェミニズムの地平』岩波書店(岩波現代文庫)。450頁、1260円。5月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕女性への抑圧はいったい何に由来するのか.著者は主婦・家事労働に着目しつつ,階級闘争でも性解放運動でも突破しえなかった,近代資本制社会に特有の女性抑圧構造を,理論的,歴史的に明快に論じてみせた.マルクス主義フェミニズムの立場を打ち出し,研究の新たな地平を拓いた記念碑的著作. ◆森岡孝二(2009)『貧困化するホワイトカラー』筑摩書房(ちくま新書)。256頁、798円。5月7日刊行。 ◆松原隆一郎(2009)『経済学の名著30』筑摩書房(ちくま新書)。304頁、903円。5月7日刊行。 ◆奥山正司(2009)『大都市における高齢者の生活』法政大学出版局。6300円。5月1日刊行。 今や世界一の長寿国となったわが国において、高齢者はどのような生活をしているのか、あるいは、どのような生活を強いられているのか。高齢者の居住移動や社会関係の変化、同居親族との役割関係、健康問題への対処、災害時の介護状況、経済生活の基礎となる所得構造までを明らかにする。農村と都市、日本と外国とを比較し、関連諸科学の成果をも視野に入れた学際的かつ実証的研究。 ◆岡村重夫(2009)『地域福祉論』新装版、光生館。178頁、2625円。4月刊行。 ◆社会政策学会編(2009)『社会政策』第1巻第2号(特集:社会保障改革の政治経済学)、ミネルヴァ書房。160頁、2625円。4月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会政策学会誌の第2号。特集記事として「社会保障改革の政治経済学」を取り上げ、医療・介護・年金などの社会保障が実際に直面する問題と政治の場面で議論される内容の乖離を描き出す。 ◆雨宮処凛・中島岳志・宮本太郎・山口二郎・湯浅誠(2009)『脱「貧困」への政治』岩波書店(岩波ブックレット)。72頁、504円。4月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕底が抜けてしまったかのような不安定さが続く日本社会.生きる基盤すら奪われてしまう状況がある一方で,現実を変革しようという新たな運動が胎動しつつある.ポスト新自由主義の時代に向けて,格差と貧困の現場で格闘する2人と,第一線の研究者3人による骨太の議論が,政治と社会保障の本質を伝える. ◆竹信三恵子(2009)『ルポ 雇用劣化不況』岩波書店(岩波新書)。240頁、735円。4月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大幅な人件費削減で不況を乗り切ろうとする日本企業.規制緩和の後押しも受け,いまや労働現場は激変している.過酷な労働と不安定な生活を強いられる非正規社員,目先のノルマに追われる正社員…….劣化し続ける雇用は企業の力を奪い,さらなる不況をもたらしている.緻密な取材で雇用の実態を浮き彫りにし,解決の糸口を探る. ◆国立社会保障・人口問題研究所編(2009)『社会保障財源の制度分析』東京大学出版会。272頁、5040円。4月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障財源の歴史的展開と社会保険料・税との考察を行うとともに,社会保険料と税財源のバランスについて海外先進諸国の事例を取り上げて考察する.制度分析と実証分析・国際比較を通じて,今後の社会保障財源のあり方に関する議論をまとめる. ◆国立社会保障・人口問題研究所編(2009)『社会保障財源の効果分析』東京大学出版会。256頁、5040円。4月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障財源の効果をみるためには,社会保険料と税の転嫁と帰着および所得分配への影響や年金財政・地方財政との関係等に着目し,多角的な観点から検証を行う.社会保障財源のあり方について,制度とその効果の両方を視野に入れた実証分析である. ◆小西秀樹(2009)『公共選択の経済分析』東京大学出版会。320頁、4725円。4月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕政策の選択・決定のメカニズムを理論的に解明する公共選択論が,新しい展開を迎えている.本書はその先駆けとして,年金・格差・財政再建・地方分権など現在話題のテーマにつき,ゲーム理論など最新の手法を取り入れ系統的に分析する.『経済セミナー』連載の好評講義をもとに大幅改稿した待望の基本書. ◆矢野聡(2009)『保健医療福祉政策の変容――官僚と新政策集団をめぐる攻防』ミネルヴァ書房。296頁、3675円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕誰が主導権を握ったのか。政策的攻防の実際と背景を鮮やかに描き出す。 一九七〇年代までの体制に対し、その後の時代――世界的なネオリベラル体制の出発がわが国の保健医療福祉制度や法体系にどのような影響を与えたのか。政策行動を通じて解明・分析していく。 ◆堀勝洋(2009)『社会保障・社会福祉の原理・法・政策』ミネルヴァ書房。464頁、4200円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年の年金、医療、福祉分野での制度改革を踏まえ、介護保険、育児支援、年金制度等に関する対応策を提案した一冊。 ◆山本隆(2009)『ローカル・ガバナンス――福祉政策と協治の戦略』ミネルヴァ書房。356頁、3990円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ローカル・ガバナンスの概念を整理し、自治のあり方と民主主義の方向性を提示。 政府からガバンンスへと行政改革の焦点が移行する中で、わが国のガバナンスはどうあるべきかを考察した一冊。 ◆杉本貴代栄・森田明美編著(2009)『シングルマザーの暮らしと福祉政策――日本・アメリカ・デンマーク・韓国の比較調査』ミネルヴァ書房。 360頁、3675円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ジェンダーという分析視角から、福祉国家のタイプを異にする4カ国比較調査を行い、各国のひとり親政策の特徴と課題を明らかにする。 ◆野口裕二編(2009)『ナラティヴ・アプローチ』勁草書房。296頁、2940円。4月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕物語/語りという概念を手がかりに、現象に迫り独自の視界を切り開くナラティヴ・アプローチ。多様な学問領域における最新の成果を集約し、新たな地平を展望する。 社会学や文化人類学における新たな研究方法として、医療、看護、臨床心理、社会福祉等の臨床領域における新たな実践方法として、さらには紛争調停や組織経営の新たな手法として分野の壁を超えて注目されるナラティヴ・アプローチ。本書は各分野を代表する研究者の最新成果を集約し、その独自の意義と可能性を明らかにする。 ◆箕浦康子編著(2009)『フィールドワークの技法と実際II――分析・解釈編』ミネルヴァ書房。280頁、2520円。4月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕膨大なフィールドノーツから分析・解釈を模索し、エスノグラフィーを書き上げるまで。 アフリカ、タイ、パラグアイ、日本のさまざまな空間を舞台に、人、土地、文化に彩られたフィールドから紡ぎだされた11人の研究者たちの物語。フィールドに入りエスノグラフィーを書き上げるまでに、現地で、また研究室で、論考を重ねた研究者が、それぞれの経験、試行錯誤を物語る。それ自身が若き日々の興味に満ちたナラティブストーリーだ! ◆細井和喜蔵(1980)『女工哀史』ミネルヴァ書房。987円。4月8日重版再開。 ◇〔出版社HPより〕紡績業は日本の資本主義の発展にあずかった基幹産業の一つである.ヒューマニスト細井は,この産業を底辺で支えた女子労働者たちの苛酷きわまりない生活を自らの体験と調査に基づいて克明に記録した.本書を繙く者は誰しも,近代資本主義の残した傷痕のいかに深く醜いかをしたたかに思い知らされずにいない.(解説 大河内一男) ◆江口英一・川上昌子(2009)『日本における貧困世帯の量的把握』法律文化社。240頁、4830円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困線と社会階層の分析による二つの手法により貧困量を測定した長年の研究の成果。多くの議論を呼んだ1972年の中野区調査とそれ以降の測定結果を収録。貧困の質を強調する社会的排除論を検証し、量的研究に基づいた政策の重要性を示す。 ◆小賀久(2009)『障がいのある人の地域福祉政策と自立支援』法律文化社。242頁、2940頁。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現在進行中の障がい者福祉改革(施設解体と地域生活支援)の諸相と根本問題を取り上げ、その解決にむけてのとば口を提示。労働と生活に着目し、行政や地域住民、家族との関係を考察。研究運動の意義と役割にも論及。 ◆井伊雅子編(2009)『アジアの医療保障制度』東京大学出版会。304頁、5250円。3月下旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕オーストラリア・シンガポール・香港・中国・インド・韓国・台湾・日本の医療保障制度について,公平性や効率性の視点から医療保険制度・提供体制の比較を含め単なる制度紹介ではなく,対象となる制度を分析する.日本の制度改革にも有益である. ◆社会政策研究編集委員会編『社会政策研究』9(特集:貧困化する日本と政策課題)、東信堂。315頁、2940円。3月31日刊行。 ◆年越し派遣村実行委員会編(2009)『派遣村――国を動かした6日間』毎日新聞社。237頁、1575円。3月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕職と住居を失った派遣労働者を支援するために開設された派遣村の実像を内部から伝え、新しい社会的連帯の可能性を明らかにするドキュメント。 ◆石井光太(2009)『絶対貧困――世界最貧民の目線』光文社。286頁、1575円。3月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕スラム、物乞い、ストリートチルドレン、売春婦の生と性……。1日1ドル以下で暮らす人々と寝起きを共にした気鋭のノンフィクション作家が語る。 ◆湯浅誠・福島みずほ(2009)『反貧困と派遣切り――派遣村がめざすもの』七つ森書館。1470円。3月28日刊行。 ◇〔本書帯より〕派遣切りという人間切りを許さない社会への道すじを示す。佐高信 ◆椋野美智子・田中耕太郎(2009)『はじめての社会保障――福祉を学ぶ人へ』第7版、有斐閣。308頁、1890円。3月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕信頼できる最新情報を盛り込み,叙述のわかりやすさにこだわった好評テキストの第7版。「なぜ」「どうして」と考えていくうちに,制度の構造を立体的に理解できるよう工夫。後期高齢者医療制度や年金などについて加筆したほか,統計データも更新し,パワーアップ。 ◆宇都宮健児・湯浅誠編(2009)『派遣村――何が問われているのか』岩波書店。144頁、1260円。3月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕2008年12月31日から翌年1月5日まで日比谷公園で開設された「年越し派遣村」には,「生存」を脅かされている多くの人たちが集まった.全貌を明らかにし,込められた思いを伝え,その意味を社会に問いかける. ◆湯浅誠・雨宮処凛(2009)『反貧困――いま、「反撃」のとき!』東京ボランティア・市民活動センター。 52頁、600円。3月24日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「年越し派遣村」の取り組みも注目を集め、「貧困」をめぐる議論は急速に高まりを見せています。 貧困問題に関わるようになったきっかけ、現場でみた貧困の実態、克服に向けた市民活動の役割etc…いまや貧困問題とその克服運動のシンボルとなったお二人が、ざっくばらんに語り合った貴重な対談の記録。 ◆権丈善一(2009)『社会保障の政策転換――再分配政策の政治経済学X』慶應義塾大学出版会。 336頁、1600円。3月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障重視派こそが、一番の成長重視派に決まっているだろう! 今回の舞台は社会保障国民会議。気づいてみれば、すべての分科会に登場し、「社会保障を充実させて、内需主導型の経済へと体質改善を!」と説いてまわる。 崩壊する医療介護に、不信高まる年金に、疲弊する地方に、そして手付かずの少子化に、この処方箋が効く! ◆岡沢憲芙(2009)『スウェーデンの政治――実験国家の合意形成型政治』東京大学出版会。408頁、4725円。3月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕グローバル化の下で福祉と成長を両立させることはできるのか.豊かな福祉国家として,合意形成型政治を基礎にさまざまな格差・対立を解消しつつ,男女共同参画や積極的な移民・難民政策,分権改革を展開してきたスウェーデン政治の活力をいきいきと描き出す. ◆内藤記念科学振興財団事務局編(2009)『若い研究者のために』東京大学出版会。240頁、1575円。3月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕これから研究に携わろうとしている若い人たちへ,高名な先輩研究者60人が,研究に臨む姿勢やテーマの目の付けどころなどを平易な言葉で語りかけ,創造的な研究をするための指針を示唆する.研究の世界に身を投じようとする若者にとって,またとない羅針盤の役目を果たしてくれる. ◆平山洋介(2009)『住宅政策のどこが問題か――<持家社会>の次を展望する』光文社(光文社新書)。 903円。3月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕借家から持家へ、小さな家から大きな家へ、マンションから一戸建てへ……。戦後日本では、住まいの「梯子」を登ることが標準のライフコースとされ、政府・企業はこのような「普通の家族」を支援し、そこから外れた層には冷淡な保守主義の姿勢をとってきた。ところが、時代が変わり(経済停滞、少子・高齢化、未婚と離婚の増大……)、さまざまな人生のかたちが現れ、「持家社会」は動揺し始めた。 さらに、90年代末から住宅システムが市場化され、住宅資産のリスクは増大した。ローン破綻があいつぐ事態が、これから日本で起こらないとも限らない。 本書は、グローバルな潮流をふまえたうえで、住宅システムの変遷を検証する。そして、日本社会が新自由主義から何処へ向かうべきかを考察する。 ◆堤未果・湯浅誠(2009)『正社員が没落する――「貧困スパイラル」を止めろ!』 角川書店(角川oneテーマ21)。760円。3月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕正規も非正規も関係なく落とされる貧困社会! 「まさか自分がこんな目に遭うとは」。貧困に墜ちたとき、誰もが言う。中間層の衰退と貧困層の拡大はセットだった! 貧困問題を暴いた二人が、日米の「中流の貧困化」という本当の「現実」と「処方箋」を示す!! ◆門倉貴史・雇用クライシス取材班(2009)『リストラされた100人 貧困の証言』宝島社(宝島社新書)。680円。3月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕 雇い止め、内定取り消し、正社員の大量整理…。 待ち受ける衣食住の危機、貧困ビジネスの魔手。 大不況の最底辺でどんな悲劇が起きているのか? 突き落とされた人々、100人の生の声! 雇用崩壊のどん底! 当事者は語る! ◆細野真宏(2009)『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?――世界一わかりやすい経済の本』扶桑社(扶桑社新書)。207頁、735円。3月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕650万部突破のカリスマ講師の“初の新書”が遂に登場! いま1番知りたい「サブプライムローン問題」と「年金問題」が、知識ゼロでも、これ1冊だけで本当にわかる!!! ◆松田亮三編著(2009)『健康と医療の公平に挑む――グローバルな展開と英米の比較政策分析』勁草書房。272頁、3360円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕人の健康は社会格差とどう関連し、どんな対策が効果的なのか。健康格差・医療利用格差についての先進諸国の対応を比較分析、日本の政策形成へのヒントを探る。 80年代以降蓄積されてきた健康格差・医療利用格差についての内外の議論を概観するとともに、イギリス、EU、アメリカ合衆国の実態とその対策を検討する。医療利用格差は各国の制度とどう関わるのか。健康は社会格差とどう関連し、どのような対策が効果的なのか。各国の制度・政策分析を通じ、日本の課題と政策形成へのヒントを提示する。 ◆メリー・デイリー/キャサリン・レイク著、杉本貴代栄監訳(2009)『ジェンダーと福祉国家――欧米におけるケア・労働・福祉』 ミネルヴァ書房。256頁、3675円。2月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ジェンダーの相違と不平等は、福祉国家によってどのように形成されてきたのか。量的研究と質的研究の間の中間的比較研究からジェンダーと福祉国家の関係を理論的・実証的に明らかにする一冊。 ◆池田和彦・砂脇恵(2009)『公的扶助の基礎理論――現代の貧困と生活保護制度』ミネルヴァ書房。272頁、2625円。2月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活保護制度の問題点を提示。ソーシャルワーク実践に役立つ1冊。 ◆下平好博・三重野卓編著(2009)『グローバル化のなかの福祉社会』(講座・福祉社会 12)、ミネルヴァ書房。328頁、3990円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕グローバル資本主義をいかに制御できるか。福祉国家の運営や福祉政策のあり方に今後いかなる影響を及ぼすか。 理論的・実証的にその可能性を提示する。 本書第I部ではグローバル化の理論とその展開、そして第II部はグローバル化の影響の地域的差異について検討し、さらに第III部ではグローバル・ガバナンスのゆくえについて論じる。 ◆山森亮(2009)『ベーシック・インカム入門――無条件給付の基本所得を考える』光文社(光文社新書)。296頁、882円。2月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年におけるグローバリゼーションのなかで、約200年の歴史をもつ「ベーシック・インカム(基本所得)」の概念が世界的に注目を集めている。この新しい仕組みは、現代社会に何をもたらすのか。労働、ジェンダー、グローバリゼーション、所有……の問題を、あらゆる角度から捉え直す。 ◆マルセル・モース著、吉田禎吾・江川純一訳(2009)『贈与論』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 336頁、1260円。2月10日刊行。 ◆福沢諭吉著、齋藤孝訳(2009)『現代語訳 学問のすすめ』筑摩書房(ちくま新書)。 256頁、798円。2月9日刊行。 ◆竹田青嗣(2009)『人間の未来――ヘーゲル哲学と現代資本主義』筑摩書房(ちくま新書)。 320頁、945円。2月9日刊行。 ◆林信吾(2008)『イギリス型「福祉」事情』講談社(講談社現代新書)。735円。1月15日刊行。 ◆駒村康平(2009)『大貧困社会』角川書店(角川SSC新書)。819円。1月10日刊行。 ◆G・エスピン-アンデルセン著,林昌宏訳,2008,『アンデルセン、福祉を語る――女性・子ども・高齢者』NTT出版。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕仕事と育児の両立、格差と貧困、年金と医療の問題……さまざまな問題を抱える日本。そんな問題の解決に向けた、福祉国家論の第一人者による、福祉入門! ◆里見賢治(2008)『新年金宣言――基礎年金を公費負担方式<税方式>へ』山吹書店。308頁、2520円。12月刊行。 ◇出版社からお送りいただいたチラシ ◆古川孝順(2008)『社会福祉研究の新地平――社会福祉研究の新たな時代へ』有斐閣。290頁、4410円。12月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕現在,未曾有の変化のなかにある日本の社会福祉研究は,それに対応した概念の再構築を求められている。さまざまな社会サービスと社会福祉との関係を分析し,常に研究の最前線で理論モデルを構築してきた著者による,新時代の社会福祉研究への提言。 ◆アマルティア=セン・後藤玲子(2008)『福祉と正義』東京大学出版会。328頁、2940円。四六判。12月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕正義論の展開に不可欠なアマルティア・センの未邦訳論文3本とそれに対する後藤論文とで構成.二人の理論的な議論を通じて〈福祉〉と〈正義〉の間に対話(ダイアローグ)が生成し,厚生経済学と福祉の視点,社会的選択理論と民主主義の視点,さらには途上国の貧困と日本の福祉の視点が結びつけられる.センの思想の解説書としても有用. ◆佐藤卓利(2008)『介護サービス市場の管理と調整』ミネルヴァ書房。272頁、4725円。12月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「擬似市場」を理論と事例から検討――経済学の視点から介護福祉分野の市場メカニズムと制度・政策を分析。 介護保険制度は、市区町村などの行政区域の介護サービス市場の管理と、従来の保健・医療・福祉サービスとの調整を自治体がうまく調整できるかにかかっている。 本書は、経済学の視座から介護福祉分野の市場メカニズムと制度、政策を事例・理論の両面から検証し、今後のあり方を展望する。 ◆岩田正美(2008)『社会的排除――参加の欠如・不確かな帰属』有斐閣。210頁、1575円。12月10日刊行。 ◇〔出版社図書目録より〕ホームレスやネットカフェ難民など、現代の社会政策では対応できない社会問題に、「社会的排除」というキーワードで斬り込む。 何が問題なのか、何が見えてくるのか、「貧困」との違いは何か、社会的包摂という対抗策は可能なのかなどの論点を整理して解説する。 社会政策や福祉国家の枠組みそのものへの問い直しを迫る力作。 ◇〔『書斎の窓』2008年12月号89頁より〕ホームレスやネットカフェ難民、長期失業の若者や日雇い派遣など、福祉国家の制度からこぼれ落ち、呻吟する人々。 彼らはなぜ、どのようにその拠り所を失ったのか。貧困研究の第一人者が「社会的排除」概念の意味と役割をクリアに示し、日本のリアリティに鋭く迫る。 ◆日本弁護士連合会生活保護問題緊急対策委員会編(2008)『生活保護法的支援ハンドブック』民事法研究会。350頁、3150円。12月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕 「水際作戦」や辞退届の強要など、生活保護における違法・不当な運用について争い、市民の生存権保障を実現する手法を示した実践のための手引書! 生活保護のしくみについて基本的な解説を施したうえで、違法・不当な運用を争う際に問題となる典型的な論点、さらに、審査請求、抗告訴訟、国家賠償請求訴訟の手続についても詳説! 生活保護開始申請書や審査請求書等の書式(17例)を掲載したほか、裁判例・裁決例(44件)については事案の内容・意義等を解説したうえで収録しており、実務に至便! 生活保護利用の支援に携わる法律・福祉の実務家、自治体関係者等必携! ◆三富紀敬(2008)『イギリスのコミュニティケアと介護者――介護者支援の国際的展開』ミネルヴァ書房。432頁、6825円。11月30日刊行。 ◇〔『ミネルヴァ通信』Nov. 2008より〕介護者支援の国際的展開。イギリスの介護者団体と地方自治体を対象とした調査や一次資料をもとに、支援の現状と課題を検討する。 ◇〔出版社HPより〕介護者のニーズと多様な支援政策調査と一次資料から,非営利団体・自治体・病院や企業による支援を読み解く。 イギリスの介護者団体と地方自治体を対象とした調査や一次資料をもとに,支援の現状と課題を検討する。 また,イギリスの介護者支援の歴史的な展開を検討するとともに国際レベルの議論を視野に収めながら,日本の介護政策に関する代表的な議論に批判的な検討を加える。 ◆根岸隆(2008)『経済学の理論と発展』ミネルヴァ書房。304頁、3675円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕偉大なる先人たちが植えた「経済学の樹」は今も常緑としていつまでも確実に我々と共にある。 アダム・スミス,ジョン・スチュアート・ミル,森嶋通夫――。 理論経済学の大家にして,経済学史にも造詣深い著者が,様々な経済理論や論争を読み解く。歴史のなかの経済学を探訪する最新論文集。 ◆湯浅誠・河添誠編(2008)『「生きづらさ」の臨界――“溜め”のある社会へ』旬報社。192頁、1575円。11月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕“どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ”。ハケン、フリーターなど増える使い捨て労働と低賃金。 拡大する貧困・格差のなかで蔓延する「生きづらさ」。その正体は? 解決の糸口はどこに? いま話題の著者たちが語りあう! ◆金成垣(2008)『後発福祉国家論――比較のなかの韓国と東アジア』東京大学出版会。264頁、5040円。11月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕韓国や日本を含む東アジア諸国は,欧米諸国に比して「後発福祉国家」である.その「遅れ」はどのような意味をもち, また福祉国家の現実にどのような影響を与えてきたのであろうか.主に韓国の事例を検討しながら,東アジアにおける福祉国家論に比較分析の新たな視座を提供する. ◆阿部彩(2008)『子どもの貧困――日本の不公平を考える』岩波書店(岩波新書)。240頁、819円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕学力,健康,親との交流.大人になっても続く,人生のスタートラインの「不利」.OECD諸国の中で第2位という日本の貧困の現実を前に,子どもの貧困の定義,測定方法,そして,さまざまな「不利」と貧困の関係を,豊富なデータをもとに検証する.貧困の世代間連鎖を断つために本当に必要な「子ども対策」とは何か. ◆山口二郎『若者のための政治マニュアル』講談社(講談社現代新書)。228頁、756円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕生きづらい社会は政治で変える。民主主義を使いこなすための10のルールをわかりやすく解説。社会の惨状に悩むあらゆる人々に贈る、 歴史の転換点を乗り切るための必読書。生きづらい社会は「政治に対する意思」で変える! ◆小林英夫『〈満洲〉の歴史』講談社(講談社現代新書)。286頁、798円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕17世紀以降の変遷、20世紀・傀儡国家の壮大な実験と挫折を、第一人者が解く。日本人のためのまったく新しい中国東北史。 13〜19世紀の「清朝封禁の地」から、20世紀の「満洲国」の成立と消滅へ。近代日本が中国東北の地に抱いた野望はなぜ挫折したのか。第一人者によるまったく新しい満洲入門が誕生。 ◆川北稔(2008)『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』岩波書店(岩波現代文庫)。300頁。11月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕17〜18世紀イギリス社会の貧民層にとって,帝国の形成は何を意味したか.落魄し年季奉公の契約をして海を渡った者,兵士,流刑者,農民.植民地アメリカの基盤を造った彼らの出自と体験から,大西洋へと送り出した社会の実像が浮かび上がる.史料を駆使し,人の行き来の側面から大英帝国の姿をヴィヴィッドに描く「帝国」の社会史. ◆武田晴人(2008)『日本人の経済観念――歴史に見る異端と普遍』岩波書店(岩波現代文庫)。330頁、1155円。11月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本人はいつから勤勉になったか.競争の功罪をどう判断するか,日本的経営の源流とは何か.本書は江戸期から現代までの200年間余を辿り,労働と生活の実像と日本人の経済意識の変遷を万巻の書物,膨大な資料から検証する.現代日本の社会システムは,いつどのようにして形成されたのかを解明する最適の書. ◆鈴木大介(2008)『家のない少女たち――10代家出少女18人の壮絶な性と生』宝島社。1365円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕家も地獄、逃げた先も地獄。援交、監禁、虐待、貧困、泊め男、出産置き去り、未成年売春組織・・・。 衝撃のノンフィクション! 奔放な10代少女の逸脱ばかりがクローズアップされたテレビの「プチ家出」報道。だが、その後の家出少女について、誰が何を語っただろう。 親からの虐待や貧困、施設からの脱走など様々な背景を抱えて路頭に迷う「家に帰れない」少女たち。 彼女らは食べるため、そして寝床を確保するための売春を強いられる、いわば日本のストリートチルドレンだ。 そして、皮肉にも行き場を失った少女らの受け皿となったのは、下心を秘めた「泊め男」や、未成年でも雇用する違法売春組織だった。 踏まれ、利用され、社会の生ゴミ扱いされ、それでも立ち上がる! 8年近く続けた取材で見たのは、圧倒的不遇の中でも力強く生き抜く少女たちの姿だ。 ◆ジョン・ケリー著、野中邦子訳(2008)『黒死病――ペストの中世史』中央公論新社。412頁、3360円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕欧州人口の三分の一を奪った史上最悪の疫病。その衝撃を克明に再現し、世界流行病の発現が囁かれる現代に過去からの警鐘を鳴らす。 ◆佐藤郁哉(2008)『実践 質的データ分析入門――QDAソフトを活用する』新曜社。176頁、1890円。11月3日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は『定性データ分析入門』(品切れ・重版予定なし)の改訂新版です。前著『定性データ分析入門』は、質的データ分析において必須となりつつあるQDAソフト三つの使用法を懇切に紹介した日本で初めての本として、好評を博しました。しかし、マニュアル的な部分は頻繁な改訂が必要になることから、本書では前著を全面的に見直して、ソフト使用法のマニュアル部分は新曜社のウェブサイトから自由にダウンロードできるようにし、QDAソフトを活用して文字データから「意味を取り出す」分析作業の原理とエッセンスを、より掘り下げて解説し、タイトルも一新しました。人文科学や文学、医学、看護学まで、幅広い分野の学生、研究者にとって非常に役立つ一冊です。 ◆日本社会福祉学会編(2008)『福祉政策理論の検証と展望』中央法規出版。339頁、3990円。10月刊行。 ◇〔紀伊國屋書店BookWebより〕いま、なぜ政策理論研究か?政策理論研究の視点とは?これからの政策理論研究とは?社会福祉政策理論研究の未来を見据えた一冊。 日本社会福祉学会が開催してきた「政策・理論フォーラム」の活動成果をまとめた。社会福祉政策の課題と今後のあり方を展望する。 ◆新睦人・盛山和夫編(2008)『社会調査ゼミナール――社会情報の〈マイスター〉をめざして』有斐閣。344頁、2940円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会調査の組み立てから実施,分析までの一連の具体的な手続き・方法と意義を,数々の研究事例に即して解説する。 統計的調査と事例的調査の知識と技法を身につけ,より深く社会調査を学びたい人の基本テキストとして,また演習・実習用のテキストとして最適。 ◇目次 ◆長原豊(2008)『われら瑕疵ある者たち――反「資本」論のために』青土社。364頁、2940円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「資本」 をめぐる壮大な物語。マルクスをめぐる広大な知の迷宮を根本から解体し再構成された、最もラディカルな 「資本」 論。 労働力という商品であり、「資本」 という論理におけるノイズでもある我々に示された 「資本」 についての黙示録。 ◆伊藤周平(2008)『後期高齢者医療制度――高齢者からはじまる社会保障の崩壊』平凡社(平凡社新書)。248頁、798円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕もう医者にはかかれない――非情な「うば捨て山制度」に苦しむ高齢者の姿は、来る未来の我々の姿なのか。 現状と問題点、その課題を説き、社会保障制度のあるべき方向を考える。 ◆貧困研究会編(2008)『貧困研究』vol. 1(特集:貧困研究の課題)、明石書店、144頁、1890円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本における貧困研究の深化・発展、国内外の研究者の交流、 そして貧困問題をさまざまな人々に認識してもらうことを目的として2007年12月に発足した貧困研究会(代表:岩田正美)を 母体に発刊されるジャーナル、年2回刊。 ◆社会政策学会編(2008)『社会政策』第1巻第1号(特集:社会政策研究に求められるもの――公正な社会への政策)、 ミネルヴァ書房。176頁、2625円。10月刊行。 ◆湯浅誠・宇都宮健児編著(2008)『反貧困の学校――貧困をどう伝えるか、どう学ぶか』明石書店。248頁、1575円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕広がる貧困に行政は動かず、メディアは真の姿を伝えない。ならば自ら立ち上がろう! 「反貧困フェスタ2008」に集った貧困当事者やジャーナリスト、組合リーダーたちが徹底討論。 当日のルポを通して外国籍、DV、児童虐待と複合化する貧困の実態を伝える。 ◆伊藤周平(2008)『介護保険法と権利保障』法律文化社。480頁、6825円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕高齢者や障害者に負担のみ強いる社会保障改革でよいのか。憲法の生存権規定の法的性格論議にとどまらず、 後期高齢者医療制度等の社会保障改革の内実を権利保障の視点から批判的に検証し、将来を展望する。 ◆伊藤セツ(2008)『生活・女性問題をとらえる視点』法律文化社。300頁、3465円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕約半世紀にわたる著者の研究姿勢と観点、実践の集大成。社会政策・生活科学・ジェンダーの3視点からの研究、 政府統計の批判的加工利用と自前の調査による実証的手法は、現今の風潮への問題提起でもある。 ◆森田ゆり(2008)『子どもへの性的虐待』岩波書店(岩波新書)。224頁、777円。10月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕子どもをめぐる悲惨な事件の報道が後を絶たない.いったい,この種の事件の背景に何があるのか. 本書では,実態を把握し,抱かれがちな誤解を解き,なぜ適切な介入が困難なのか,解決のためにどうすればいいのかを考察していく. 制度改革への緊急提言をも盛り込みつつ,あらゆるいのちに力強いエールを送る,「こころの救急箱」. ◆平野隆之(2008)『地域福祉推進の理論と方法――地域福祉のダイナミズムをとらえる』有斐閣。254頁、3675円。10月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕対象別福祉を含め「地域福祉の推進」が政策課題となったいま, 実践と政策の統合による新しい地域福祉研究が求められている。地域福祉計画と地域ケアをメゾ研究の中心に位置づけ, その空間的累積をとらえるためのモデルを示す。地域福祉推進研究の独自の枠組みを提示。 ◆吉原直樹(2008)『モビリティと場所――21世紀都市空間の転回』東京大学出版会。312頁、5670円。10月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕モダン社会の枠組みを越えてグローバル化するヒト,モノ,カネの移動(モビリティ)は,真に開かれた市民社会の到来を可能にするのか. 流動化し,液状化するポストモダンのフロー社会に,人々の拠って立つべき「場所」とは? アジアのメガシティの実証分析を介して,21世紀都市空間の転回を再審する. ◆ポール・スピッカー著、圷洋一監訳(2008)『貧困の概念──理解と応答のために』生活書院。336頁、2205円。10月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困とは何か。貧困に対して何がなされるべきか? 本書は、貧困の定義と概念をめぐっていかなる理解が可能であり、 それがどのような状況と結びつき、貧しい人々の生活に影響を及ぼすのかを考察する。 これまで福祉政策の領域で実践されてきたさまざまなアプローチを整理・紹介し、その対立点や矛盾点をも指摘することで、 人々がなぜ貧しいままなのか、そして私たちはどう応じるべきかを問う。福祉政策理論の第一人者による、 〈貧困問題を考える〉ための格好の入門書。(巻末に「文献ガイド」収録) ◆外山滋比古(2008)『知的創造のヒント』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。224頁、588円。10月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕『思考の整理学』の先へ。あきらめていたユニークな発想が、あなたにもできます。 著者の実践する知的習慣、個性的なアイデアを生み出す思考トレーニングを紹介! ◆下夷美幸(2008)『養育費政策にみる国家と家族――母子世帯の社会学』勁草書房。232頁、2730円。10月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕離婚した父親は子どもを扶養しなくてよいのか。法律も福祉も放置してきた母子世帯の生活リスク。 家族の自由と子どもの権利を保障するための支援のあり方を問う。なぜ、日本では養育費の不払いが常態化しているのか、今後の解決に向けて何が必要なのか。 民法の「離婚後の子の監護」規定の変遷を検証し、問題の根源にさかのぼるとともに、公権力を強力に行使するアメリカ、 親子の契約化を標榜するイギリスの分析を通して、個人化時代をとらえた、家族問題への公的介入の必要性と危険性を見通す。 ◆メディア総合研究所編(2008)『貧困報道――新自由主義の実像をあばく』花伝社。84頁、840円。10月6日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大反響を呼んだ一連の《貧困報道》は、どのように実現したのか?貧困報道がなぜ一斉に登場したか? 報道が社会をどのように動かしていったか。メディアに課せられた今後の課題は? これまで全くテレビ、新聞に登場しなかった「貧困問題」が、2006年から堰を切ったように取り上げられ、国民の熱い関心を引くようになった。 日本における新自由主義改革=構造改革の現段階を見すえ、国民と社会の要請に深くこたえるメディアのあり方を問う。 ◆五十嵐仁(2008)『労働再規制――反転の構図を読みとく』筑摩書房(ちくま新書)。240頁、777円。10月6日刊行。 ◇〔出版社HPより〕緩和から再規制へ。労働を巡る政治状況は逆流をはじめた。格差と貧困の増大のため…だけでない。 そこにはある勢力の逆襲があったのだ。その転機になったのは――。 ◆上野千鶴子・中西正司編(2008)『ニーズ中心の福祉社会へ――当事者主権の次世代福祉戦略』医学書院。296頁、2310円。10月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「こうあってほしい」という構想力をもったとき、人はニーズを知り、当事者になる。 この《当事者ニーズ》こそが次世代福祉のキーワードだと考える研究者とアクティビストたちが、安心して「おひとりさまの老後」を迎えられる社会を目指して、 具体的シナリオを提示する。時代は次の一歩へ。 ◆大曽根寛・ 金川めぐみ・ 森田慎二郎編(2008)『社会保障法のプロブレマティーク――対立軸と展望』法律文化社。270頁、7350円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障法における対立軸を共通のテーマに、「法的枠組み」「社会保険」「福祉サービス」の3つの領域の主要な争点を明示した問題提起の書。社会保障の基本原則を踏まえ、制度理念や政策意図の変貌を歴史的、構造的に分析。 ◆アンジェラ・デイヴィス著、上杉忍訳(2008)『監獄ビジネス――グローバリズムと産獄複合体』岩波書店。200頁、2415円。9月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年,米国で急拡大する監獄の民営化とその歴史的背景とは何か.劣悪な囚人労働の実態,建設業やハイテク監視機器企業など各種産業と 監獄の利益共同体の形成,輸出される経営モデルまで,矯正とビジネスが結びつく構造を分析する.監獄ビジネスにおいて人種差別や性差別, 貧困はいかに強化されているか.対案はどこにあるか. ◆上野千鶴子・大熊由紀子・大沢真理・神野直彦・副田義也編(2008)『家族のケア 家族へのケア』(ケア その思想と実践 第4巻)、岩波書店。 224頁。2310円。9月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕我が国では高齢者などのケアを家族に,とりわけ女性に担わせてきた.介護保険導入後も,社会的介護サービスの供給量は充分でなく,家族が家族をケアする状況は根本的には変わらず,実子による虐待問題なども現れている.ケアしない権利の確保も含めて,家族が安心してケアし,ケアされるためには何が必要なのかを明らかにする. ◆二村一夫(2008)『労働は神聖なり,結合は勢力なり――高野房太郎とその時代』岩波書店。304頁、2940円。9月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕労働組合,生協運動の先駆者の生涯を,生い立ちから在米時代,運動家時代,運動離脱後まで描いた初の本格的評伝. 実業家を志しながら運動家となった高野房太郎(1869−1904)を巡るさまざまな謎を解き,黎明期日本労働運動史の真実を明らかにする. オンライン版『二村一夫著作集』の連載をもとにした書き下ろし.図版多数. ◆塩見鮮一郎(2008)『貧民の帝都』文藝春秋(文春新書)。256頁、809円。9月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕維新の表の顔が文明開化、富国強兵なら、裏の顔は混乱と貧困だった。新都に流入する窮民、貧民をどうするか。知られざる近代裏面史。 ◆山野良一(2008)『子どもの最貧国・日本――学力・心身・社会におよぶ諸影響』光文社(光文社新書)。861円。9月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕家賃を払えず、児童養護施設に預けられる3歳のミヤと4歳のシン。生活保護の申請を受理してもらえず、 給食の時間までぐっとお腹が鳴るのを堪える小2のタクヤ……今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧困である。 日本は、アメリカと並ぶ最低水準の福祉となってしまった。しかも、日本だけが事実を無視し、対策を取らず、貧困な子どもたちを社会的にネグレクトしている。 本書は、この問題に対して私たちの認識を研ぎ澄ますために書かれたものだ。日米の児童福祉の現場経験をふまえ、理論・歴史・統計などの多角的な視座で実態を検証し、 解決策を考える。 ◆ジョーン・フィッツジェラルド著、筒井美紀・阿部真大・居郷至伸訳(2008)『キャリアラダーとは何か――アメリカにおける地域と企業の戦略転換』 勁草書房。272頁、3885円。9月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕迷走する日本の就業支援政策。打開のヒントは反・新自由主義も根強いアメリカに!労働と福祉のあるべき関係を探究する注目の訳書。 低賃金で働く人々がささやかながらも上昇移動できるような社会の仕組みをいかに創出し、維持・拡大するか。本書はアメリカの就業支援政策における 行政・企業・NPO等の労働力媒介機関の活動を、緻密なインタビューと資料収集をもとに分析し、公正と効率の両立について考察する。 訳者による日本の文脈を踏まえた解説・論点提起付き。 ◆杉村宏・岡部卓・布川日佐史編(2008)『よくわかる公的扶助――低所得者支援と生活保護制度』 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)、ミネルヴァ書房。214頁、2310円。9月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困家庭は近年確実に多くなっている。老人、障害者、一人親家庭の上にフリーターやニート青年が貧困層を分厚いものにしつつある。 この貧困層に直接働きかける生活保護制度と就労支援の現在。 ◆宮本太郎(2008)『福祉政治――日本の生活保障とデモクラシー』有斐閣(有斐閣Insight)。220頁、1575円。9月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家のあり方が問い直される中で,社会保障や福祉が政治的争点の中心にせりあがってきている。 福祉政治は生活保障やデモクラシーのあり方をどう変えるのか。福祉政治分析の理論を整理し, 併せて1960年代以降の日本を中心に福祉政治の展開を考察する。 ◆立岩真也(2008)『良い死』筑摩書房。374頁、2940円。9月5日刊行。 ◇著者ホームページに詳細情報あり。 ◆産経新聞大阪社会部(2008)『生活保護が危ない――「最後のセーフティーネット」はいま』扶桑社(扶桑社新書)。 257頁、798円。9月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕この国の貧困と社会不安はついにここまできてしまった! 給料や年金が下がり続ける中、最後のセーフティーネットである生活保護制度は限界をむかえようとしている。 あらゆる社会矛盾に晒されている生活保護を巡る実態を探る! ◆ジョック・ヤング著、木下ちがや他訳(2008)『後期近代の眩暈――排除から過剰包摂へ』青土社。424頁、2940円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕『排除型社会』 で話題をさらったジョック・ヤングによる新刊です。『排除型社会』 執筆時から約十年を経て、グローバル化はさらに進み、不安定な雇用や生活の不安は広がり、所在なさは眩暈のように私たちをすくませます。本書では、さらに洗練されてゆく排除のあり方を明快に分析、文化的に包摂しながら構造的に排除する現代社会を考え、焦点をあわせるための新たな理論基盤を提示します。 ◆藤村正之(2008)『〈生〉の社会学』東京大学出版会。336頁、2940円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「豊かな社会」の実現が「豊かな生」に結実していない日本社会.人びとの生命・生活・生涯を照らすことで, 現代日本における〈生〉の姿が浮かびあがる.日常生活を普通に生きる人びとの充足感と生きづらさのなかに, 〈生〉のリアリティを探究する社会学の試み. ◆シャンタル・ムフ著、酒井隆史監訳、篠原雅武訳(2008)『闘技的民主主義と多元主義的グローバル秩序の構築』 (ラディカル・デモクラシー 1)、明石書店。224頁、2625円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「左派右派をこえて」「コスモポリタン民主主義」のかけ声の下、時代遅れとして無視される政治的な敵対性。だがそれは今や新自由主義のヘゲモニー下でむしろ激化している。「政治的なもの」の欠乏に抗して多元主義的民主主義の可能性を探究する理論的思考の到達点。 ◆ポール・ラファルグ著、田淵晉也訳(2008)『怠ける権利』(平凡社ライブラリー 647)、平凡社。 236頁、1260円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「労働」の神格化をあざけり倒し、「1日最長3時間労働」を提唱。120年以上も前にマルクスの娘婿が発した批判の矢が、〈今〉を深々と射抜く。「売られた食欲」等収録。プレカリアートも必読! ◆久本憲夫・玉井金五編著(2008)『ワーク・ライフ・バランスと社会政策』(社会政策 T)、法律文化社。336頁、3365円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代の企業社会の諸問題―長期安定雇用、賃金処遇、査定と昇進、労働時間、男女共同参画、職業能力開発−と最賃について、歴史をふまえたうえで今日の到達点と課題を提示。精緻な労働運動史から社会政策の動態を知る。 ◆武川正吾編著(2008)『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』(新しい社会政策の課題と挑戦 第3巻)、法律文化社。 250頁、3465円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ベーシック・インカムは実現できるのか。市民権をめぐる動向をふまえ、経済学・法学・政治学の立場から多面的に分析。 財源を提示し、実現可能性を具体的に検討する。ワークフェアとの関連がわかる座談会も収載。 ◆東海林智(2008)『貧困の現場』毎日新聞社。224頁、1575円。8月29日刊行。 悲しみと怒りを込めて告発する。なぜ貧困は拡大してゆくのか?なぜ労働の尊厳は奪われたのか?なぜ人間らしい生活が蹂躙されているのか? 10年にわたって貧困の現場を伝えてきた新聞記者が、丹念な取材と緻密な分析、そしてこみ上げる思いによって書き上げた入魂のルポルタージュ。 ◆齋藤純一(2008)『政治と複数性――民主的な公共性にむけて』岩波書店。340頁、2730円。8月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕同質性の政治から複数性の政治への転換は,いかにして可能なのか.複数性を消去してしまう「表象の政治」に対し, 表象には還元されない,具体的な「誰か」として,これまで現われることを封じられてきた自己を政治的に提示する 「現われの政治」を擁護し,新たな公共性のありかた,社会的連帯再生の可能性を考える. ◆副田義也(2008)『福祉社会学宣言』岩波書店。320頁、3150円。8月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉のあり方がいま問い直されている.社会福祉を社会学の観点から捉える時,社会の何が見えてくるのか. 社会福祉のドラマとしての面白さを具体的な事例に即して伝えるとともに,現状に対する批判的視点を提示し, 社会の望ましいあるべき姿を示唆.理論的な考察を交えつつ,福祉社会学という新しい学問の全体像と研究のダイナミックな射程を浮彫にする. わが国におけるこの分野のパイオニアにして大きな足跡を残してきた著者の,問題意識が凝縮した野心的著作. ◆上野千鶴子・大熊由紀子・大沢真理・神野直彦・副田義也編(2008)『ケアされること』(ケア その思想と実践 第3巻)、岩波書店。 240頁。2310円。8月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕人格的な相互行為であるにもかかわらず,なぜケアをする側とされる側の間に大きな落差があるのか.ケアを受けるエキスパートである障害者の経験,命がけの試行錯誤を言語化し,高齢者をはじめとする要介護者が当事者,主体者として生きるための思想,またそのための技法,作法の確立を論じる. ◆ジュリアン・ルグラン著、郡司篤晃監訳(2008)『公共政策と人間――社会保障制度の準市場改革』聖学院大学出版会。282頁、5250円。8月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕イギリスでは1980年から90年代に社会保障政策に大きな転機が訪れた。「政策立案者の『動機(motivation)』、つまり何が公的セクターで働く人々の動機となっているかについての信念『エージェンシー(egency)』、つまり個人、特に福祉国家の受益者が独立的に、あるいは自主的に行動できる能力についての信念に変化が生じたのである。そして、これらの変化は、特に行政サービスや福祉国家全体をどう構築すべきかについての見方に、深い転換へと導いた」(まえがきより)。 ◆宇沢弘文(2008)『ケインズ「一般理論」を読む』岩波書店(岩波現代文庫)。370頁、1260円。8月19日刊行。 ◇〔出版社HPより〕『雇用,利子および貨幣の一般理論』は20世紀経済学史で最大の影響力を持つ名著でありながら,その難解さでも知られる. ケインズ経済学の核心が示された同書から何を読み取るべきか.混迷する現代において, 新たな経済学のパラダイムを求める読者にとっての必読書である同書の全体像とは.平明に解読する. ◆橋本努・矢野善郎編(2008)『日本マックス・ウェーバー論争――「プロ倫」読解の現在』ナカニシヤ出版。360頁、4725円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ウェーバーは犯罪を犯したのか? 論争を総括、ウェーバー読解の最前線に迫る。 『マックス・ヴェーバーの犯罪』をめぐって引き起こされた近年の論争を総括、論争によってもたらされたウェーバー研究の新展開を展望し、 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の現代的意義を明らかにする。 ◆ジグムント・バウマン著、澤井敦・菅野博史・鈴木智之訳(2008)『個人化社会』(ソシオロジー選書 1)、青弓社。360頁、5250円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕高度に情報化されて個々人の選択と責任が重視される現代社会を生き抜く人々のありようを「個人化」という視角から読み解き、 家族や宗教、貧困、労働、自由、愛、セックス、暴力など多様な素材をもとに、流動性が高まり不安定で不確実な社会状況を透視する。 ◆パーサ・ダスグプタ著、植田和弘・山口臨太郎・中村裕子訳(2008)『経済学』岩波書店。250頁、1785円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕世界に豊かな地域と貧しい地域が存在し,その途方もない格差が消えないのはなぜなのか. 持続可能な経済発展,自然資源の問題を経済学はどう捉えるのか.最先端の知見ももりこみながら, 経済学が現実世界を解明する理論と分析を平易に解説する.経済学の世界的リーダーが書き下ろした地球環境時代にふさわしい画期的な経済学入門. ◆上野千鶴子・大熊由紀子・大沢真理・神野直彦・副田義也編(2008)『ケアを実践するしかけ』(ケア その思想と実践 第6巻)、岩波書店。 224頁。2520円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕病院,NPO,施設経営者,ワーカー,ボランティア,家族など,関係者の日々の実践により,ケア現場は維持されている.誰でも公平に良質なケアを受けられる社会を実現するためには,関係者の努力と,政府の社会政策とが好適にかみ合う必要がある.現場の様々な実践を紹介するとともに,我が国の福祉のめざすべき方向を提言する. ◆ジグムント・バウマン著、伊藤茂訳(2008)『新しい貧困――労働、消費主義、ニュープア』青土社。252頁、2520円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困はこうしてわたしたちのもとにおとずれる。 働くことよりも消費することに価値と意味が与えられる時代。消費すらできない人たちは、社会的な役割をもちえない自由競争の敗北者として、 福祉からもコミュニティからもそして 「人間の尊厳」 からも排除される・・・・・・ いまもっとも注目をあつめる社会学の権威が、 現代によって作り出された 「ニュープア」 の実像と、それを生みだした現代社会の実態にせまる。 ◆北岡伸一(2008)『自民党――政権党の38年』中央公論新社(中公文庫)。400頁、980円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕鳩山内閣から宮沢内閣まで、三八年にわたって政権を独占した政党の軌跡を、権力基盤としての派閥構造の変遷を軸に辿る。 吉野作造賞受賞。〈解説〉飯尾潤 ◆佐藤彰一・池上俊一(2008)『西ヨーロッパ世界の形成』(世界の歴史 10)、中央公論新社(中公文庫)。496頁、1600円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヨーロッパ社会が形成された中世は暗黒時代ではなかった。民族大移動、権威をたかめるキリスト教、そして十字軍遠征、 百年戦争と、千年の歴史を活写。 ◆ナン・リン著、筒井淳也・石田光規・桜井政成・三輪 哲・土岐智賀子訳(2008)『ソーシャル・キャピタル――社会構造と行為の理論』 ミネルヴァ書房。392頁、3780円。7月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ネットワークを資源として捉える。個人の地位達成から社会構造の創出まで 幅広い現象を科学的に分析したナン・リンの代表的著作。 ◆村上宣寛(2008)『心理テストはウソでした』講談社(講談社+α文庫)。270頁、680円。7月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「A型=真面目」「B型=いい加減」って、全部ウソ! 血液型人間学、クレペリン、ロールシャッハ・テストも全部まったく根拠はありません! 血液型と性格にはまったく関連がなかったことが研究結果から明らかにされた!さらに就職試験、適性検査などで使用される心理(性格)テストは、実はほとんど使い物にならないこともわかった。「血液型人間学」から、「ロールシャッハ・テスト」、就職試験でおなじみ「内田クレペリン検査」、性格テストの定番「YG検査」まで、何とみんな事実無根!!心理テストを受ける必要がある人、それを使う側の人、性格テスト好きの方々、目からウロコの1冊! ◆上野英信(1960)『追われゆく坑夫たち』岩波書店(岩波新書)。819円。7月18日復刊。 ◇〔出版社HPより〕廃坑と眠るボタ山――坑夫たちは失業し,一家は路頭に迷う.筆者は,裸の労働者として生きようという情熱から, 京大を中退して炭鉱にとびこみ,採炭夫や掘進夫として筑豊のヤマを転々とした.大資本のクッションとして, 常に苛酷な奴隷労働と飢餓生活に苦しめられている絶望的な中小炭鉱の極限状況を追究した異色のドキュメント. ◆雨宮処凛・萱野稔人(2008)『「生きづらさ」について――貧困、アイデンティティ、ナショナリズム』光文社(光文社新書)。798円。7月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕いま多くの人が「生きづらさ」を感じています。1998年以降、自殺者数は毎年3万人を超え、 毎日のように練炭自殺や硫化水素自殺のニュースが報じられています。鬱病など、心を病む人も増える一方です。 これらの現象は、現代社会に特有の「生きづらさ」とは無縁ではありません。その背景には、 もちろん経済のグローバル化に伴う労働市場の流動化が生んだ、使い捨て労働や貧困、格差の問題もあるでしょう。 他方で、そういう経済的な問題とは直接関係のない「純粋な生きづらさ」もあるでしょう。 本書では、さまざまな生きづらさの原因を解きほぐしながら、それを生き延びていくためのヒントを探っていきます。 ◆阿部謹也(2008)『中世を旅する人びと――ヨーロッパ庶民生活点描』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。352頁、1260円。7月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕哀愁あふれる遍歴職人の旅路。 西洋中世の庶民の社会史。旅籠が客に課す厳格なルールや、遍歴職人必須の身分証明のための暗号など、興味深い史実を紹介。 【解説: 平野啓一郎】 ◆稲葉振一郎(2008)『増補 経済学という教養』筑摩書房(ちくま文庫)。416頁、882円。7月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕筋金入りの素人になる! 新古典派からマルクス経済学まで、知っておくべき経済学のエッセンスを平易に解説。本書を読めば筋金入りの素人になれる!? 【解説: 小野善康】 ◆米山公啓(2008)『医療格差の時代』筑摩書房(ちくま新書)。208頁、714円。7月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕患者の知らない医療者の惨状。 医療費が支払えない。高齢者は施設から追い出される。医者も過剰労働でダウン寸前だ。今の日本では平等医療がもはや崩壊した。 実態を報告し、課題と展望を語る。 ◆玉井金五・久本憲夫編著(2008)『少子高齢化と社会政策』(社会政策 U)、法律文化社。284頁、3150円。7月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会政策の全体像をバランスよく扱う基本書。社会保障の長い歩みを捉え、その経過を検証、危機的状況を打開する針路を示す。平等な社会がゆらぐなかで、大きな分岐に立たされる社会政策の現在を把握するのに最適。 ◆西澤晃彦・渋谷望(2008)『社会学をつかむ』有斐閣。326頁、2415円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕今自分がいる「社会」を見つめ,地続きの他者や世界を想像するために,必要な力とは何か。 日常の身近な事柄から出発する8ページほどの短い「ユニット」を単位として,現代社会のさまざまな側面に切り込み, 武器としての社会学の力を伝える新しい教科書。 ◆江里口拓(2008)『福祉国家の効率と制御――ウェッブ夫妻の経済思想』昭和堂。256頁、4200円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ウェッブ夫妻の業績を一つの経済思想として描き出す。 その思想は、福祉国家がうまく「制御」されれば最大限の「効率」を発揮するが、 そのための制度デザインの再調整がうまくいくかは大衆民主主義の作用にかかっていると説く。 ◆塩澤修平(2008)『説得の技術としての経済学――政策決定と経済学者』勁草書房。244頁、2520円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学の発想で日本の政策決定メカニズムを眺めてみよう──小泉内閣に参画し、政治の舞台裏を熟知した著者による、 新しい経済学入門。経済学は拝金主義でも格差容認主義でもない。社会をゼロサムで考えてはならないと説き、 意図せざる結果が生まれてしまうメカニズムを考える、知性的「発想法」だ。複雑な日本の政策決定も、経済学的発想法ですっきり理解できる。 経済学者の見た「中央集権」日本──それは「中央分権」だった。経済学理解にむけたトレーニングブック。 ◆羽入辰郎(2008)『学問とは何か――「マックス・ヴェーバーの犯罪」その後』ミネルヴァ書房。 578頁、6300円。6月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕誰もが答え得なかったこの問いに答える。ネットで繰り広げられてきた『羽入―折原論争』に対して、 6年間の沈黙を破り、今初めて鉄槌を下す。 学問とは、それに従事する人間、及び、それに従事しない人間にとって一体何を意味するのか。この大学紛争のきっかけとなった根本的問いに対して、 それに答えるべきであった折原浩氏の学問の惨状を明らかにし、返す刀で、学問とは人間にとって何を意味するのか、という問いへの答えを試みる。 紛争に遅れてきた世代に属する著者による、大学紛争において根本的に問われたラディカルな問いへの解答がここにある。 ◆上野千鶴子・大熊由紀子・大沢真理・神野直彦・副田義也編(2008)『ケアを支えるしくみ』(ケア その思想と実践 第5巻)、岩波書店。 224頁。2310円。6月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕介護保険制度がスタートして8年.高齢者福祉は恩恵から権利へと一変した.しかし,この間に, 介護保険の制度と運用上の問題が浮き彫りになるとともに,制度の恩恵に与れない人の存在もクローズアップされてきている. 十全なケアを可能にする社会的制度をどのように構築していくのかがいま再び問われている.協力原理の観点からケアのビジョンと設計を描きなおし, 安心して暮らせる社会づくりを構想する. ◆前田正子(2008)『福祉がいまできること――横浜市副市長の経験から』岩波書店。224頁、2100円。6月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕子育て支援,虐待される子どもの保護,ニートやフリーターへの就労支援,独居老人のケア──少子高齢化が進む中, 都市部では従来型の福祉政策では対応できないニーズが急増している.横浜市副市長として様々な問題に取り組んできた著者が, 市民やNPO,そして行政それぞれの良さを活かした協働の試みを紹介し,新しい社会的ケアの可能性を提言する. ◆大竹文雄(2008)『格差と希望――誰が損をしているか』筑摩書房。248頁、1890円。6月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕年金問題、ロストジェネレーション、企業の不祥事など、この国の重大事を取り上げ、処方箋を示す。不公平な仕組みを放置させないための、明快な時代診断の書。 ◆也斯・四方田犬彦(2008)『往復書簡 いつも香港を見つめて』岩波書店。224頁、2520円。6月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕返還後十年の香港と東京を焦点に,両都市に住む二人の批評家が,変貌する東アジアを根底から問う往復書簡. 5年にわたる議論は,食やストリート・カルチャーなどの生活空間から文学・映画など表象空間まで,具体的な素材をもとに, 21世紀のアジアがどのような新しい世界をつくりうるのかを論じ合う. ◆二木立代表編者、穂坂光彦・平野隆之・野口定久・木戸利秋・近藤克則編著(2008)『福祉社会開発学――理論・政策・実際』 ミネルヴァ書房。218頁、3150円。6月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕グローバルな視野によるローカルな課題の解決。21世紀の福祉に向け、地域福祉と社会開発を融合させた新たな学問領域を提唱する。 グローバル化とローカル化が同時進行する現代社会に出現している、人口高齢化、貧困と格差拡大、社会的排除などの新たな課題。 これらを解決するためには、地域社会を基盤に社会福祉と社会開発を融合した新たな理論の構築が必要である。 本書は、日本福祉大学21世紀COEプログラムによる5年間の研究成果を踏まえて世に問う、 「福祉社会開発学」の理論・方法・実際を体系的に記述した世界初の教科書である。 ◆スティーヴン・J・グールド著、鈴木善次・森脇靖子訳(2008)『人間の測りまちがい――差別の科学史』上・下、河出書房新社(河出文庫)。 上巻:384頁、1575円。下巻:424頁、1575円。6月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕人種、階級、性別などによる社会的差別を自然の反映とみなす「生物学的決定論」の論拠を、 歴史的展望をふまえつつ全面的に批判したグールド渾身の力作。知能を測ることで、個人や集団の価値を表すという主張はなぜ生まれたのか。 進化論の第一人者にして科学エッセイストであるグールドが科学の名のもとに「人間」を測ることを徹底的に検証しつつ告発した歴史的名著。 下巻は知能が人種・民族によって決定されているとする『ベル・カーブ』への批判など併録。 ◆マルセル・モース著、有地亨編(2008)『贈与論』新装版、勁草書房。336頁、3990円。6月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕レヴィ・ストロースやバタイユをはじめ多くの思想家に影響を与えたモースの代表作。 知的刺激を誘う文化人類学の古典を装い新たに復刊。 ポトラッチ、クラなどの交換体系の分析を通じて、原始社会の贈与の慣行を詳しく考察し、 贈与が経済的な領域を超えた重要な原則として機能していることを明らかにする。 宗教・法・道徳・経済の諸領域に還元できない「全体的社会的事実」の概念を打ち出した本書でのモースの試みは、 世紀を超えた今でも色褪せることなく輝き続けている。 ◆羽原又吉(1963)『漂海民』岩波書店(岩波新書)。777円。2008年6月20日復刊。 ◇〔出版社HPより〕本書は,親・子・孫すべて海に生まれ波にゆられながら,一生を船上に送った漂泊漁民をとりあげ, アジア各地の漂海民と比較しつつ,海に生き漁村を開いてきた彼らの足跡を辿った力作である. 漁業史・漁民史の一側面として興味深いだけでなく,アジア民俗史を考える上で,貴重なデータが盛りこまれている. ◆齋藤孝(2008)『座右のニーチェ――突破力が身につく本』光文社(光文社新書)。777円。6月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ニーチェに触れると、心の垢がみるみる落ちる。克己心に煽られ、一本の矢のように生きてみたくなる。 私にとってニーチェは、体系的に研究すべき対象というわけではない。研究したいと思ったこともない。ニーチェ自身は、思想を理解してもらうことより、 「このことばが僕の今を、明日を、明るく照らしてくれた」と思われることを喜ぶタイプである。 逆に、「あなたの本をいろいろ勉強して、知識を貯めました。だいたい、このようなことですね」と、 ニーチェの思想を愛さず、要約するような人間にニーチェは失望する。 肉体性を以て読む。それが本書のミッションだ。(あとがきより一部改変して抜粋) ◆橋爪大三郎(2008)『橋爪大三郎の政治・経済学講義』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。352頁、1260円。6月10日刊行。 ◆川崎昌平(2008)『若者はなぜ正社員になれないのか』筑摩書房(ちくま新書)。224頁、735円。6月9日刊行。 ◆西川 潤(2008)『データブック 貧困』岩波書店(岩波ブックレット)。72頁、504円。6月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕世界の,アジアの,そして日本の,貧困の実態はどのようなものなのか. グローバル化と共に激変する世界状況の下で貧困はいかにしてつくられているのか.日本に生きるわたしたちに向けて, 世界の「貧困」事情をわかりやすく解説し,それを変えていくための道筋を探る.1983年,94年に刊行された書の改訂版. ◆苅谷剛彦・山口二郎(2008)『格差社会と教育改革』岩波書店(岩波ブックレット)。72頁、504円。6月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦後社会が達成した教育の平等が急速に崩れつつある.学校選択制の広がりや,都市と地方の教育環境の変化は, 現在の格差社会を固定・拡大させるのではないか.私たちはどんな社会を求めているのか? 教育における階層格差をいち早く指摘した教育社会学者と, 小泉時代以降の社会ビジョンを模索する政治学者が熱く語り合う. ◆北澤毅・古賀正義編(2008)『質的調査法を学ぶ人のために』世界思想社。280頁、2310円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「データは集めたけれど、どう分析すればいいの?」――エスノメソドロジーと社会構築主義に依拠し、会話分析、インタビュー、エスノグラフィー、言説研究などの思考法と技法を解説。日常に埋め込まれている社会の構造を読み解く力を磨く。 ◆増淵千保美(2008)『児童養護問題の構造とその対策体系――児童福祉の位置と役割』高菅出版。368頁、8190円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕先行研究を歴史的・実証的に分析し、社会問題として児童養護の問題を捉え、その対策としての社会政策、 社会保障制度の現状と課題を官庁統計・資料、施設・機関へのヒアリング調査などから体系的に考察する。 ◆水内俊雄・加藤政洋・大城直樹(2008)『モダン都市の系譜――地図から読み解く社会と空間』ナカニシヤ出版。342頁、2940円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕都市空間を構築する権力の諸相を、地形図と風景の中に読む。 都市を生産する政治、経済、権力の作用、そこから生み出されるさまざまな社会問題の痕跡を、歴史都市・京阪神を舞台に解読する。 ◆保谷六郎(2008)『社会政策:歴史と課題』御茶の水書房。3780円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦前・戦中・戦後を含む一貫した社会政策史をめざし、 それが読者の社会問題や政策の参考になればと願い執筆をした。 明治維新以降の激動の中で社会政策がどのように変化しどのような課題を抱えているか国民生活の幸福という視点から検討した。 ◆井岡勉監修、牧里毎治・山本隆編(2008)『住民主体の地域福祉論――理論と実践』法律文化社。330頁、3360円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕地域福祉を総合的に検討し、システムづくりとしての新たな「地域福祉」の全体像と課題を提示する。 歴史的経過と今日の到達点をふまえて原論的な基礎研究を解説した「視点」「対象」「実践」「展開」の4部24章構成。 ◆日本社会保障法学会編(2008)『次世代育成を支える社会保障』(社会保障法 第23号)、法律文化社。 220頁、3465円。5月刊行。 ◆加藤淳子(1997)『税制改革と官僚制』東京大学出版会。336頁、6300円。5月下旬復刊(「書物復権」)。 ◇〔出版社HPより〕日本の官僚制は,政策決定にいかにかかわっているのか.本書は,1970年代末から今日に至る税制改革を対象として 官僚の行動原理を分析し,その影響力行使の態様を政党との関連で捉え直す.租税資料館賞受賞. ◆京極高宣(2008)『生活保護改革と地方分権化』(MINERVA社会福祉叢書 24)、ミネルヴァ書房。232頁、4200円。5月30日刊行。 ◇〔『ミネルヴァ通信』2008年3月号より〕 経済学だけでなく、社会学、行政学、法学などの諸科学に精通した政策科学者としての立場から、今後の生活保護制度のあり方について考察。 ◇〔出版社HPより〕21世紀にふさわしい生活保護改革とは。地方分権化の立場から国と地方の新たな役割分担を学際的に分析、かつ提言する。 生活保護研究は学際的であり、社会学、法学、政治学、行政学、統計学などの多方面の知識がなければ、不完全な一面的分析しかできない研究分野である。 本書はその点を踏まえ、社会諸科学の知識を総動員し、地方分権化を推進する立場から、 21世紀にふさわしい生活保護制度改革と福祉事務所の将来方向について問題提起している。 ◆菊池馨実編著(2008)『自立支援と社会保障――主体性を尊重する福祉、医療、所得保障を求めて』日本加除出版。 408頁、3780円。5月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕自立・自立支援を軸に、社会保障体制の現状と課題、あるべき方向性が明らかに! 社会保障法学を専攻する法律学研究者、社会保障政策の立案に携わる実務家で構成された「自立支援研究会」による、自立支援に関する唯一の研究書! ◆武田邦彦(2008)『偽善エコロジー――「環境生活」が地球を破壊する』幻冬舎(幻冬舎新書)。777円。5月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「エコバッグ推進はかえって石油のムダ使い」「割り箸は使ったほうが森に優しい」「家電リサイクルに潜む国家ぐるみの偽装とは」…… 身近なエコの過ちと、「環境」を印籠にした金儲けのカラクリを明らかに! ◆結城康博(2008)『介護――現場からの検証』岩波書店(岩波新書)。240頁、777円。5月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕2000年に発足した介護保険.今,現場からは「介護予防とは?」「サービスを十分受けられない」「地域格差が拡大している」 「介護士では生活できない」といった戸惑いの声が挙がる.サービス利用者,その家族,介護従事者,行政担当者,政治家等, 多勢の関係者へのインタビューを基に,早急に求められる処方箋を考察する. ◆佐藤彰男(2008)『テレワーク――「未来型労働」の現実』岩波書店(岩波新書)。224頁、735円。5月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕自宅のパソコンを使ったり,出先でモバイル機器を利用しながら,オフィス以外の場所で仕事をする ──テレワークとはそうした「柔軟な」働き方をいう.はたしてこれは仕事と生活を調和させた「夢の未来型労働」なのか. それとも働き手の私生活に食い込んでくる歯止めのない労働の安売りなのか.データを駆使して検証するその実像と問題点. ◆岩崎美紀子(2008)『「知」の方法論――論文トレーニング』岩波書店。198頁、1890円。5月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕学生たちは訓練次第で素晴らしい成長を遂げることがある.知る,考える,書く.それぞれの作法を体系的に身につければ, 「知的生産の楽しみ」が分かるようになる.その方法論を,著者が大学のゼミで蓄積してきた論文指導の経験をもとに書き下ろす. 学生のみならず社会人にも必要な「考える力」「伝える力」を鍛えるために. ◆京極高宣(2008)『障害者自立支援法の課題』中央法規出版。170頁、1890円。5月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕障害者自立支援法の成立の過程で社会保障審議会障害者部会長として関わった著者が、施行後の混乱を整理し、 現在の課題とされる「利用者負担」を言及しながら、法本来の意義と考えを示す。そして、今後課題となる介護保険の適用等の見直しについて、 その方向性を論じる。 ◆高林秀明(2008)『障害者・家族の生活問題――社会福祉の取り組む課題とは』ミネルヴァ書房。248頁、2625円。5月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕障害者の生活問題は、働く人とその家族の共通課題である。 12年の生活実態調査から、障害者と家族の生活問題が、働く人とその家族、および地域の共通課題であることを見出し、 実態に応じた社会福祉、地域福祉づくりに向けた提言を行う。 ◆上野千鶴子・大熊由紀子・大沢真理・神野直彦・副田義也編(2008)『ケアすること』(ケア その思想と実践 第2巻)、岩波書店。 240頁。2310円。5月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ケアワーカーの労働や待遇の実態,仕事に対する意識,ケア現場に潜在するジェンダー規範,虐待や身体拘束の問題, ケアワーク特有の感情労働やストレスの問題,認知症ケアの難しさ,コミュニティ・ケアの理想と現実……. 人が人をケアすることに伴う様々な問題を浮き彫りにし,ケアワークにおける専門性とは何かを明らかにする. ◆健康保険組合連合会編(2008)『社会保障年鑑2008年版』東洋経済新報社。402頁、3570円。5月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の社会保障年次レポートとして1951年から続いている唯一の総合年鑑。 年金、医療をめぐる現状紹介など、関係者、研究者のみならず、学生の卒業論文、レポートの必須参考書。 ◆的場昭弘(2008)『超訳『資本論』』祥伝社(祥伝社新書)。352頁、882円。5月1日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今回、待望の『資本論』第1巻の超訳をお届けする。どうか、大著のエッセンスを味わってほしい。 ◆玉野和志(2008)『実践社会調査入門――今すぐ調査を始めたい人へ』世界思想社。236頁、2100円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕〈いつ〉〈どうすれば〉〈何が〉わかるのか ― 聞き取り調査・文書資料・サーベイ調査のノウハウとそれぞれの効果的な 組み合わせ方を、社会調査全体の中に位置づけながらわかりやすく解説。今すぐ調査を始める人に最適な実践的テキスト。 ◆猿田正機編著(2008)『トヨタ企業集団と格差社会――賃金・労働条件にみる格差創造の構図』ミネルヴァ書房。 420頁、5250円。4月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「企業城下町」に潜む格差の実態とは――トヨタグループの下で、好況に沸く西三河地域。 その繁栄を支える重層的な格差構造を描き出す。 大企業とは、労働・賃金等社会自体の流れを左右していく存在である。現在問題とされている「格差社会」などは、大企業によって作り出され利用され、 規制緩和の流れを生み、一般社会に結果として顕れた現象である。 本書は、形態を変えつつも今もなお維持されつづけるトヨタにおける格差構造の実態を分析し、 社会に多大な影響を及ぼすトヨタ支配構造と格差社会との関連を解明する。 ◆佐高 信・雨宮処凛・森岡孝二(2008)『信号機の壊れた「格差社会」』岩波書店(岩波ブックレット)。4月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「信号機」って何? と思われた方も多いことでしょう.信号機とはここでは,社会の約束事を意味します. 「こういうときには,進んではいけません」,「こういうときは安心して渡っていいんですよ」,そういう社会の基本的な約束事がいま, 通用しなくなっているのではないか…….このような問題意識をもって開かれたシンポジウム(立教大学経済学部100周年記念シンポジウム) をまとめたのがこのブックレットです.格差社会,貧困,ワーキング・プア,ネットカフェ難民,若年ホームレス,ロスト・ジェネレーション, 過労死・過労自殺.このような過酷な実態を表現した言葉が時代を映すキーワードとなっています.こんなことでいいのか? 誰がこんな事態をひきおこしたのか? どうすればいいのか? 政治の役割って何だ? などをわかりやすく訴えます. ◆芝 健介(2008)『ホロコースト――ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』中央公論新社(中公新書)。 304頁、903円。4月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヒトラー政権下、ナチ・ドイツによって組織的に行われたユダヤ人大量殺戮=ホロコースト。 「劣等民族」と規定されたユダヤ人は、第二次世界大戦中に六〇〇万人が虐殺される。だが、ヒトラーもナチ党幹部も、 当初から大量殺戮を考えていたわけではなかった。本書は、ナチスのユダヤ人政策が、 戦争の進展によって「追放」からアウシュヴィッツ絶滅収容所に代表される巨大な「殺人工場」に行き着く過程と、その惨劇の実態を描く。 ◆五十嵐武士・福井憲彦(2008)『アメリカとフランスの革命』(世界の歴史 21)、中央公論新社(中公文庫)。 512頁、1600円。4月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕世界に衝撃をあたえ、近代市民社会のゆく手を切り拓いた二つの革命は、どのように完遂されたのか。 思想の推移、社会の激変、ゆれ動く民衆の姿を、新たな視点から克明に描写。 ◆河上肇(1947)『貧乏物語』岩波書店(岩波文庫)。630円。4月24日重版再開。 ◇〔出版社HPより〕第一次世界大戦下の日本で,社会問題化しはじめた.「貧乏」の問題を直視した河上肇(一八七九―一九四六)は, なぜ多数の人が貧乏しているのか,そしていかにして貧乏を根治しうるかを古今東西の典籍を駆使しながら説き明かす, 富者の奢侈廃止こそ貧乏退治の第一策であると.大正五年『大阪朝日新聞』に連載,大きな衝撃を与えた書. ◆山口一男・樋口美雄編(2008)『論争 日本のワーク・ライフ・バランス』日本経済新聞出版社。324頁、2520円。4月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の企業社会に、ワークライフバランスをいかにして根づかせるか。労働市場のあり方、経済優先的発想の功罪、 企業はどこから取り組むべきかなどをテーマに、論争スタイルで第一線の経済学者・社会学者たちが分析。 ◇権丈英子「ワーク・ライフ・バランス――経済的発想の功罪」を収録。 ◆西沢和彦(2008)『年金制度は誰のものか』日本経済新聞出版社。290頁、1890円。4月23日刊行。 ◇〔本書帯より〕年金と生活保護と税制は一体的に改革せよ! ◇〔出版社HPより〕政治家や官僚の都合で複雑怪奇にされた日本の年金制度。巧妙な手法により国民からは実態が見えなくなっている。 本書は諸外国との比較を交え日本の年金問題を解説。少子高齢化にも耐えうる制度改革を提言する。 ◆湯浅誠(2008)『反貧困―― 「すべり台社会」からの脱出』岩波書店(岩波新書)。224頁、777円。4月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕うっかり足をすべらせたら,すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう. 今の日本は,「すべり台社会」になっているのではないか.そんな社会にはノーを言おう.合言葉は「反貧困」だ. その現場で活動する著者が,貧困を自己責任とする風潮を批判し,誰もが人間らしく生ることのできる社会へ向けて,希望と課題を語る. ◆武田晴人(2008)『高度成長』(シリーズ日本近現代史 8)、岩波書店(岩波新書)。272頁、819円。4月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本経済の「後進性」が問題にされ,近代化・合理化の必要性が熱心に叫ばれた時代から, 「経済大国」としての地位を確立する時代まで.「経済成長への神話」はどのように浸透し,また「ゆがみ」を生じさせていったのか. 人々の欲求と政治の思惑はいかに寄り添い,あるいはすれ違い続けたのか.通説に大胆に切り込む意欲作. ◆大澤真幸(2008)『不可能性の時代』岩波書店(岩波新書)。272頁、819円。4月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「現実から逃避」するのではなく,むしろ「現実へと逃避」する者たち──.彼らはいったい何を求めているのか. 戦後の「理想の時代」から,70年代以降の「虚構の時代」を経て,95年を境に迎えた特異な時代を,戦後精神史の中に位置づけ, 現代社会における普遍的な連帯の可能性を理論的に探る.大澤社会学・最新の地平. ◆池内 了(2008)『疑似科学入門』岩波書店(岩波新書)。240頁、735円。4月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕占い,超能力,怪しい健康食品など,社会にまかり通る疑似科学.そのワナにはまらないためにどうしたらよいか. また地球温暖化問題など,「科学が苦手とする問題」で疑似科学に陥らないためにはどうしたらよいか. さまざまな手口と社会的背景を解き明かし,一人ひとりが自ら考えることの大切さを説く. ◆ 大分大学経済学部編(2008)『グローカル化する経済と社会』ミネルヴァ書房。232頁、3675円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「グローカル化(グローカリゼーション)」という用語は「グローバル化」と「ローカル化」の合成語であり、和製英語である。 本書では、グローカル化を「グローバル(地球規模)化とローカル(局地・現地)化が同時並行的に進行する状況」ととらえ、 グローカル化が進展する中での経済構造の変化と政策課題、企業社会・地域社会への影響とそれへの対応など、諸課題を考察する。 ◇〔『ミネルヴァ通信』2008年2月号より〕 グローカル化が進展する中での経済構造の変化と政策課題、企業社会・地域社会への影響とそれへの対応など、諸課題を考察する。 ◇拙稿「グローカル化のなかの社会政策――香港の公的扶助制度の改革と動向」を収録(第10章)。 ◆野村 進(2008)『調べる技術・書く技術』講談社(講談社学術新書)。254頁、777円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕テーマの選び方、資料収集法、取材の実際から原稿完成まで、丁寧に教える。これがプロの「知的生産術」だ! 第一線のジャーナリストは、いかに原稿を仕上げるか。テーマの選び方、資料収集法、取材のコツから推敲のポイントまで、具体的に教える。 レポート執筆にも役立つヒントが満載の入門書。 ◆門倉貴史(2008)『官製不況――なぜ「日本売り」が進むのか』光文社(光文社新書)。777円。4月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕一匹の妖怪が日本を徘徊している――「官製不況」という妖怪が。 アメリカのサブプライムローン問題に端を発する世界同時株安。なぜ、日本の株価が“震源地”アメリカより大幅に低迷しているのか? 欧米の金融機関に比べれば、日本の金融機関が抱えるサブプライム関連商品はそれほど多くない。また、企業収益や国内景気が特別に悪いわけでもない。 本書は、外国人投資家にも広がりつつある「kansei fukyo」という言葉を軸に、様々な角度から日本株だけが「売られる」理由を解説していく。 今のような政策判断ミスが続けば、「失われた10年」が再びやってくる!? ◇第3章「なぜ『ワーキングプア』が増えるのか?」、第4章「なぜ年金財政は破綻寸前なのか?」。 ◆与謝野馨(2008)『堂々たる政治』新潮社(新潮新書)。190頁、714円。4月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕耳障りなことを言う。それが私の仕事である。 この国の土台が揺らいでいる。小泉政権の構造改革を継承し、突如瓦解した安倍政権、停滞し、綻び始めた国家の運営…… いま、政治家に不可欠な判断の要諦とは何か、言葉と行動の重さとはいかなるものか。奇をてらわず、耳障りなことでも堂々と語る。 文人の家系に生まれ、会社員から政治家に転身、度重なる落選やガンとの闘いまで、生涯を省察しながら、国の将来に深い想いをこめた初めての著書。 ◆浅井春夫・松本伊智朗・湯澤直美編(2008)『子どもの貧困――子ども時代のしあわせ平等のために』明石書店。 392頁、2415円。4月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕子ども時代に貧困であるということは、その子の人生にとってどんな意味をもたらすのでしょうか。 貧困・格差問題のなかでも、貧困という視点からの研究がもっとも遅れているのが「子どもの貧困」です。 本書は、福祉現場から「子どもの貧困」の実相をとらえ、家族との関係を解き明かします。世界的な研究を紹介するとともに、政策的提言をめざします。 ◆奥野正寛編著(2008)『ミクロ経済学』東京大学出版会。368頁、3675円。4月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕ミクロ経済学の第一人者による東大講義ノートをベースに編集された,最新のテキスト. 伝統的な理論と新しい展開を踏まえた,中級以上向け.数学解説やコラムも充実し,現実の社会問題への応用にも役立つ内容. 経済学部の学生だけでなく,ビジネスマンなどの経済学的思考の涵養にも最適な一冊. 主要目次 序章:ミクロ経済学の方法と目的 第I部:経済主体の行動と価格理論 第1章 消費者行動/第2章 生産者行動/第3章 市場均衡 第II部:ゲーム理論と情報・インセンティヴ 第4章 ゲーム理論の基礎/第5章 不完全競争/第6章 不確実性と情報の非対称性/第7章 外部性と公共財 リーディング・リスト ◆上野千鶴子・大熊由紀子・大沢真理・神野直彦・副田義也編(2008)『ケアという思想』(ケア その思想と実践 第1巻)、岩波書店。 260頁。2310円。4月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ケアは,する側とされる側との間の相互行為として理解される必要がある.よい関係性を築くための条件は何か. ケアを媒介とする人間関係,社会関係のあり方を具体的に考察.介護保険の導入で浮彫りになったケア問題の本質を浮彫りにしつつ, 「ケアをする」「ケアを受ける」ということの根源的な意味を問う.安心して暮らせる社会を築くための基礎的考察. ◆川渕孝一(2008)『医療再生は可能か』筑摩書房(ちくま新書)。224頁、735円。4月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕いったい、医療にいくら払えばいいのか。 ◆竹内 洋(2008)『社会学の名著30』筑摩書房(ちくま新書)。256頁、777円。4月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ものごとは見かけによらない! ◆大内講一(2008)『やさしい医療経済学』第2版、勁草書房。208頁、2310円。4月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕医療の経済効果とは?審査支払い制度とは?医薬品の製造・流通過程とは?経済学と医療制度の初歩から学ぶ入門書。初学者必携。 医療制度と経済学の知識が十分ではない医療経済学初学者向け入門書。社会保障制度の理解には、医療経済学の知識が不可欠である。 本書は、経済学の知識のない初学者のために、医療経済学が必要とされる背景、および経済学と医療制度の考え方の初歩から説き起こすテキスト。 2005年刊行の旧版に関連法・制度改止など最新情報を加えた第2版。 ◆山本薫子(2008)『横浜・寿町と外国人――グローバル化する大都市インナーエリア』福村出版。240頁、3990円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の三大「寄せ場」として知られる横浜・寿町。グローバル化の波によって80年代以降急増した外国人を対象に、その実態調査と分析を通して変貌を遂げる寿町の現状を描き出す。 ◆中道寿一編(2008)『政策科学と総合政策学――政策科学の挑戦』日本経済評論社。3150円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕北九州市の事例を手がかりに、人口減少や高齢化などについての地域政策の問題から、介護や医療といった福祉政策の問題まで、 政策科学か総合政策かという挑発的なテーマに沿って多面的に考察していく意欲作。 ◆辻 康夫・松浦正孝・宮本太郎編著(2008)『政治学のエッセンシャルズ――視点と争点』北海道大学図書刊行会。259頁、2520円。3月刊行。 ◇〔日販MARCより〕北大法学部政治学講座に属する、各分野の第一線の執筆者が最先端の議論を書き下ろした、新しい形のテキスト。 現代政治と政治学の理解に必須のポイントについて、問題の背景・議論の経緯・今後の展望などを提示。 ◇宮本太郎「福祉政治」を収録。 ◆社会政策学会編(2008)『子育てをめぐる社会政策――その機能と逆機能』(社会政策学会誌 第19号)、法律文化社。 360頁、3150円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕子どもを育てるうえでのニーズや利益を析出し、それらへの対応をめざす諸施策の機能と逆機能を検証。 子育て世帯の経済格差や貧困の現状を分析し、教育や大企業の施策の面から日本の特徴と課題を明らかにする。 ◆森 詩恵(2008)『現代日本の介護保険改革』法律文化社。200頁、3255円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦後から高度成長期を経て介護保険制度成立に至る高齢者介護保障政策の展開過程を描き出し、社会福祉政策のゆくえを探る。 05年改正にも言及し、背景や内容を検証、アンケート調査から介護支援専門員の現状を明らかにする。 ◆園田恭一・西村昌記編著(2008)『ソーシャル・インクルージョンの社会福祉――新しい<つながり>を求めて』ミネルヴァ書房。 280頁、3675円。3月31日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「共に生きる社会」の実現をめざしたこれからの社会福祉の視角と取り組みを紹介。 「ソーシャル・インクルージョン(social inclusion)とは、貧困やホームレス状態に陥った人びと、障害や困難を有する人びと、 制度の谷間にあって社会のサービスの行き届かない人びとを排除し孤立させるのではなく、地域社会への参加と参画を支援し、 社会の構成員として包み込むことである。本書では、社会福祉におけるソーシャル・インクルージョンの取り組みを通して、 新しい<つながり>と共に生きる社会を標榜する「これからの社会福祉」のあり方を提案する。 ◆小國英夫・小笠原慶彰・柴田周二・妻鹿ふみ子編著(2008)『福祉社会の再構築――人と組織と地域を結んで』ミネルヴァ書房。280頁、4725円。 3月31日刊行。 ◇〔出版社HPより〕地域に密着した福祉のあり方とは。大学や企業が、それぞれの地域において、新たな福祉実践の担い手となる道を模索する。 大学や企業が、それぞれの地域において、新たな福祉実践の担い手となる道を模索する。 また、その多様な方法論と事例から、地域に密着した福祉実践とその新しい価値について提案し、その結果として、これからの福祉社会の姿とそれを担う主体を展望する。 ◆椋野美智子・田中耕太郎(2008)『はじめての社会保障――福祉を学ぶ人へ』第6版、有斐閣。302頁、1890円。3月31日刊行。 ◇〔出版社HPより〕信頼できる最新情報を盛り込み,叙述のわかりやすさにこだわった好評テキストの第6版。 「なぜ」「どうして」と考えていくうちに,制度の構造を立体的に理解できるよう工夫。 2008年4月からの新しい高齢者医療制度の内容を盛り込み,「第1章 医療保険」を大幅改訂。統計データも更新した。 ◆平野隆之・宮城 孝・山口 稔編(2008)『コミュニティとソーシャルワーク』(社会福祉基礎シリーズ 9)、新版、有斐閣。 302頁、1995円。3月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉において「コミュニティ」のもつ力や役割にいっそう注目が集まる今,地域福祉の歴史から実践のプロセス, 計画・制度・運営のあり方までを総合的に論じた決定版テキスト。法改正やコミュニティ重視の政策の流れに対応し,福祉の新たな時代を切り開く。 ◆大森正博(2008)『医療経済論』(シリーズ 現代経済の課題)、岩波書店。250頁、3570円。3月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕制度変革が語られる昨今,社会制度の根幹をなす医療制度の問題はどのように理解すべきなのか. 診療報酬,不採算医療,株式会社の病院参入=医療における非営利規制,新しい保険サービス,混合診療等の問題に即し, わが国の医療制度が抱えるさまざまな問題点を社会的公正と効率の観点から経済学的に解明. 社会科学サイドからの本格的議論が待たれる医療制度について一石を投ずる. ◆佐藤郁哉(2008)『質的データ分析法――原理・方法・実践』新曜社。224頁、2205円。3月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕懇切丁寧な質的研究のガイドブック。 質的研究が盛んですが、せっかく現場に出向いてよいデータを得ても、それを質の高い研究論文にまとめるのはなかなかハードルが高いものです。 本書は、日本の質的研究のパイオニアの一人であり、数々の優れた著作を発表してきた著者が、学生を指導してきた経験をフルに活かして、 文字データを中心とする質的データ分析の原理と具体的な技法を詳説し、よい報告にまとめ上げるためのコツやヒントを惜しげなく公開したもので、 実際に資料を整理するうえでの座右の書となるでしょう。著者は一橋大学商学部教授。 ◆堂目卓生(2008)『アダム・スミス――『道徳感情論』と『国富論』の世界』中央公論新社(中公新書)。 320頁、924円。3月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「経済学の祖」のメッセージは果たして本当に理解されてきたのだろうか。格差と貧困の時代に「見えざる手」の真意を問い直す。 ◆カール・マルクス著、今村仁司・三島憲一・鈴木 直・塚原 史・麻生博之訳(2008) 『ドイツ・イデオロギー(抄) 哲学の貧困 コミュニスト宣言』(マルクス・コレクション 2)、筑摩書房。468頁、3780円。3月24日刊行。 ◆阿部 彩・國枝繁樹・鈴木 亘・林 正義(2008)『生活保護の経済分析』東京大学出版会。288頁、3990円。3月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学の観点から生活保護制度にかかわる諸問題に対して理論分析や実態分析を行う. 特に生活保護制度に隣接する各種の社会保障制度や行財政制度とのかかわり合いからも同制度を評価する. 主要目次 序 章 生活保護制度の現状と本書の課題(林 正義) 第I部 貧困の現状と経済理論 第1章 日本の貧困の実態と貧困政策(阿部 彩) 第2章 公的扶助の経済理論I:公的扶助と労働供給(國枝繁樹) 第3章 公的扶助の経済理論II:公的扶助と公的年金(國枝繁樹) 第II部 生活保護制度と関連領域 第4章 国民年金の未加入・未納問題と生活保護(阿部 彩) 第5章 医療と生活保護(鈴木 亘) 第6章 就労支援と生活保護(阿部 彩・國枝繁樹・鈴木 亘・林 正義) 第7章 ホームレス対策と生活保護(鈴木 亘) 第8章 地方財政と生活保護(林 正義) ◆野口定久(2008)『地域福祉論――政策・実践・技術の体系』ミネルヴァ書房。359頁、2730円。3月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕従来、個別に論じられる論じられることが多かった政策・実践・援助技術を理論により体系づけた意欲作。 ◇〔本書帯より〕従来の理論・政策を整理し、バランスのとれた体系化をめざしたこれからの地域福祉の理論書。 ◆舩橋惠子・宮本みち子編著(2008)『雇用流動化のなかの家族』ミネルヴァ書房。208頁、2940円。3月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕なぜ、現代家族は変容するのか。 社会変動に伴う経済・家族システムの相互依存関係の変化を分析し、家族が抱える諸問題の解決への道を探る。 ◆ケインズ著、間宮陽介訳(2008)『雇用、利子および貨幣の一般理論』(下)、岩波書店(岩波文庫)。450頁、735円。3月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕資本主義の根源を分析し,その独創的な閃きを厳密な論理によって体系づけ, 20世紀の世界経済の指針となったケインズ『一般理論』.難解で知られるその思考の道筋を,平明な日本語におき換えた画期的な新訳. 下巻には,第5篇「貨幣賃金と物価」,第6篇「一般理論の示唆するもの」を収録.充実の訳注・索引・文献一覧.(解題=宇沢弘文) ◆直井 優・藤田英典編(2008)『階層』(講座社会学 13)、東京大学出版会。272頁、3990円。3月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕豊かな社会,中流社会,そしていま格差社会といわれている現代日本社会の階層構造とその変動,階層問題をダイナミックに分析する. 多年の実証的研究の成果に基づく時系列データと国際比較データを駆使して,日本の階層構造の特質と変化を浮き彫りにする. ◆柳川 隆・町野和夫・吉野一郎(2008)『ミクロ経済学・入門――ビジネスと政策を読みとく』有斐閣。416頁、2100円。3月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕難しい数式を抜きに経済学的思考の面白さ,応用範囲の広さを実感できるよう工夫。 ビジネスや政府活動に関する応用例,ケース・スタディをふんだんに盛り込んでいます。 学生はもちろん,社会経験を踏まえた上で経済学を初めて学ぶ・学び直したい方にも好適な一冊。 ◆『都市問題研究』第60巻第3号(特集:生活保護行政のあり方)、都市問題研究会。650円。3月10日刊行。 ◇執筆者は、岡部卓、木下秀雄、木村陽子、嵯峨嘉子、八田和子、新藤宗幸、槌田洋、渡辺潤、野田誠の各紙。 ◆唐鎌直義編(2008)『生活保護』(どうする! あなたの社会保障 4)、旬報社。104頁、1365円。3月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕格差社会のもとで、生活保護の受給者数・受給世帯数は増加の一途をたどっています。 どういう制度なのか、どんなときに受けられるのか、問題点は何かについて、図表とイラストをまじえながらわかりやすく語ります。 ◆京極高宣(2008)『新しい社会保障の理論を求めて――社会市場論の提唱』社会保険研究所。176頁、2100円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障の発展はいたずらに財政負担を増やすだけで、経済成長を妨げると、目にあまる社会保障叩きが横行する昨今、 著者は「社会市場論」をもって本書で立ち向かっています。社会保障は、生活安定、所得再分配、雇用創出、生産誘発、 資金循環などの機能をもつものであり、国民経済に大きく寄与すると著者は説いています。そして、市場原理主義、経済至上主義を批判し、 社会保障を中核として「社会市場」の創出と成長を提唱しています。歴史的・学問的視点を織り込みながら、 新しい社会保障の理論の構築をめざす本書は、これからの社会保障の活路を切り開くうえでも、一読に値します。 ◆稲沢公一・岩崎晋也(2008)『社会福祉をつかむ』有斐閣。304頁、2310円。2月下旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕人を援助するとはどういうことか,という身近な問いから始め,援助する現場とそれを支える社会福祉の政策やシステム, 理念について幅広く論じる。「概観する」のではなく,領域をつなぎながら体系的に社会福祉の核心を「つかむ」ための,新しい入門テキスト。 ◆三重野卓編(2008)『共生社会の理念と実際』(シリーズ社会政策研究 4)、東信堂。219頁、2100円。2月29日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「共生」と「経済的効率性」の相互補完をめざして。 男女間、高齢者と他の世代間、あるいは障害者や外国人――こうした差異ある主体が対話し反省しつつ協働する「共生社会」の構築は、 すでに差し迫った現実の課題となっている。現代の産業社会の中におけるその実現のための理念・方途・問題点を、 社会政策の関連の下、包括的に追求・考察したシリーズ第4弾。 ◆吉尾清論文集編集・刊行委員会編、吉尾清著(2008)『社会保障の原点を求めて―― イギリス救貧法・貧民問題(18世紀末〜19世紀半頃)の研究』関西学院大学出版会。358頁、5250円。2月28日刊行。 ◆吉原直毅(2008)『労働搾取の厚生理論序説』岩波書店。272頁、5460円。2月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「格差社会」化やワーキング・プア問題が焦眉の現代において, マルクス『資本論』の労働搾取概念は主流派経済学の理論体系にはない独自性を持つ厚生理論である. 本書では,現代経済学の手法によって,労働搾取概念を厚生経済学における一つの非厚生主義的well−being指標として, その理論的再構成を探求するプレリュードである. ◆森嶋通夫(1984)『無資源国の経済学――新しい経済学入門』岩波書店。334頁、3150円。2008年2月22日重版でき。 ◇〔出版社HPより〕ケインズ的なマクロ経済学の入門書.無資源国,つまり日本のような中型工業国を対象に, 経済学の核心「現実の経済はどのように動いているか,その動きを方向転換させるにはどうすればよいか」の分析に読者を導く. ◆マルクス著、木下半治訳(1952)『フランスの内乱』岩波書店(岩波文庫)。332頁、798円。2008年2月21日重版でき。 ◇〔出版社HPより〕世界史上最初のプロレタリア権力の出現である1871年のパリ・コミューンは,果敢な闘争ののち, ついに悲惨な終結をみなければならなかった.その直後,国際労働者協会の中心的指導者として活躍したマルクスが, これに綿密な分析を加え,力強くその歴史的意義を弁護したのが本書である.特にプロレタリア革命と国家の理論は重要. ◆笹沼弘志(2008)『ホームレスと自立/排除――路上に〈幸福を夢見る権利〉はあるか』大月書店。272頁、2730円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕居場所(ホーム)なき人々を排除する社会の貧困を問う。 社会的排除の極限たるホームレスはなにゆえ看過され、偏見と排除にさらされ続けるのか。 失業や傷病をきっかけに誰もが野宿におちいりかねない社会の異常さと、行政の「自立支援」が強いる矛盾。 常に現場で思考する特異な憲法学者が、支援者のリアリティと思想的・法的考察を通じて、「人権」をアクチュアルに鍛えなおす。 ◆エンゲルス著、松村一人訳(1960)『フォイエルバッハ論』岩波書店(岩波文庫)。483円。2008年2月15日重版でき。 ◇〔出版社HPより〕近代精神史の発展におけるヘーゲルとマルクスの中間項フォイエルバッハ. その唯物論が抽象的観念的人間主義に止まっていることを批判し,ドイツ古典哲学はまさに彼をもって最高点に到達し, 同時に終焉を告げたことを論証した本書こそ,弁証法的唯物論を根本的に把握しようとするに当って最も重要な古典であり必読の文献である. ◆広井良典編(2008)『「環境と福祉」の統合――持続可能な福祉社会の実現に向けて』有斐閣。352頁、2625円。2月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕これまで縦割りだった環境と福祉の二分野を総合的な視座のもとに統合し, 日本・世界がめざすべき新しい社会のビジョンを構想する。国内のみならず海外の政策・事例も紹介され, 問題解決のための魅力的なアイデアが,第一線で活躍する研究者らによって提示される。 ◆唐鎌直義編(2008)『年金』(どうする! あなたの社会保障 3)、旬報社。98頁、1365円。2月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕年金:老後の生活設計に欠かせない年金。どんなときにいくらぐらいもらえるのか、どれくらいの負担をしているのか…。 制度の仕組み、疑問、いま焦点になっている問題について、図表とイラストをまじえながら、わかりやすく語ります。 ◆貫 成人(2008)『真理の哲学』筑摩書房(ちくま新書)。256頁、777円。2月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕<正しさ>は病である。 なぜわれわれは一面的な見方を絶対的なものと思いこんでしまうのか? ニーチェから分析哲学までの現代哲学が明らかにした「真理」生成のメカニズムを平易に説く。 ◆東郷雄二(2008)『打たれ強くなるための読書術』筑摩書房(ちくま新書)。208頁、714円。2月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「大人」の読書とはどういうものか。〈正解のない世界に耐える〉。本書は、その力を養うための読書術指南である。 みずから本に問いかける能動性を高め、物事を複眼的に捉える成熟した読み方とは? ◆齋藤 孝(2008)『読み上手 書き上手』筑摩書房(ちくまプリマー新書)。192頁、798円。2月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕読み流さない! 書き損じない! 入試や就職はもちろん、人生の様々な局面で読み書きの能力は重視される。 本の読み方、問いの立て方、国語の入試問題などを例に、その能力を鍛えるコツを伝授する。 ◆フェルナン・ブローデル著、尾河直哉訳(2008)『地中海の記憶――先史時代と古代』藤原書店。 496頁口絵24頁、5880円。1月刊行。 ◇〔出版社HPより〕名著『地中海』の姉妹版ついに刊行! 20世紀最高の歴史家ブローデルの描いた“地中海の起源”とは? 『地中海』の20年後に一般読者向けに書き下ろされ、未公刊のまま眠っていた幻の書、待望の完訳。 ◆ロバート・R・H・アンホルト著、鈴木炎/イイイン・サンディ・リー訳(2008)『理系のための口頭発表術――聴衆を魅了する20の原則』 講談社(講談社ブルーバックス)。924円。1月刊行。 ◇〔出版社HPより〕面白い発表とダメな発表はどこが違うのか? どんなにすばらしい研究成果をあげても、その発表がつまらなければすべてが台無しである。 あらゆる理系学生や研究者にとって、学会発表や講演で成功するか否かは将来をも左右するのだ。 米国で「講演の名手」として知られる著者がユーモアたっぷりにその経験則を凝縮した本書には、聴衆を魅了する発表のために必要なテクニックがこれでもかと公開されている。 「発表」に悩むすべての人の福音となること間違いなし! ◆宮下忠子(2008)『赤いコートの女――東京女性ホームレス物語』明石書店。332頁、1680円。1月刊行。 ◇〔出版社HPより〕様々な事情を抱え、路上生活に堕ちてゆく女たち。その支援に奔走しながらも一人一人に寄り添い、自分に何ができるのか、 社会には何が必要かを探り続ける。筆者の温かな眼差しと、女性たちの生き様が心に響くノンフィクション。 ◆寺出道雄(2008)『山田盛太郎』(評伝・日本の経済思想)、日本経済新聞社。225頁、2625円。1月下旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦前期マルクス主義の代表作の一つであり、日本における社会科学の展開に大きな影響を与えていった 『日本資本主義分析』を読み直すことを通じて、新たな山田盛太郎像を提示する。評伝シリーズ第一弾!! ◆土田武史・田中耕太郎・府川哲央編著(2008)『社会保障改革――日本とドイツの挑戦』ミネルヴァ書房。 276頁、4200円。1月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕持続可能な社会保障制度とは。医療・介護・年金の3領域からドイツモデルの持続可能性と日本の改革の方向性について考察。 本書は、2005年〜2007年の3年間にわたって日独の研究者グループによって行われた共同研究の成果をまとめたものである。 日独の社会保障制度の共通点・相違点を十分踏まえた上で、医療・介護・年金の3領域からドイツモデルの持続可能性と日本の改革の方向性について 検討を行い、いまだ明確になっていない新しい連帯と競争の形の要素を提示する。 ◆宮坂順子(2008)『「日常的貧困」と社会的排除――多重債務者問題』ミネルヴァ書房。 370頁、5775円。1月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕多重債務は現代消費社会の歪み。 現代日本の「日常的貧困」ともいえる「多重債務者問題」に,著者の多重債務専門相談員の経験も加え,消費者教育と生活福祉の領域から, 独自のジェンダー視点で接近を試みる。また,詳細な実態把握を通して,多様な問題性を明らかにし, 多重債務者問題を「社会的排除」の貧困概念に位置付け,解決に向けた方策を検討する。 ◆『現代思想』2008年2月号(特集:医療崩壊――生命をめぐるエコノミー)、青土社。1300円。1月28日刊行予定。 ◆ウィリアム・H・マクニール著、増田義郎・佐々木昭夫訳(2008)『世界史』上・下、中央公論新社(中公文庫)。 上巻:464頁、1400円。下巻:456頁、1400円。1月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕上巻:世界の各地域を平等な目で眺め、相関関係を分析しながら歴史の歩みを独自の史観で描き出した、定評ある世界史。 ユーラシアの文明誕生から紀元一五〇〇年までを彩る四大文明と周縁部。 下巻:俯瞰的な視座から世界の文明の流れをコンパクトにまとめ、歴史のダイナミズムを描き出した名著。 西欧文明の興隆と変貌から、地球規模でのコスモポリタニズムまで。 ◆早坂 隆(2008)『ルーマニア・マンホール生活者たちの記録』中央公論新社(中公文庫)。 256頁、760円。1月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕チャウシェスク体制崩壊後、行き場のない少年たちは地の底での生活を強いられた。 単身乗り込んだ日本人の若者がそこで見たものは……。〈解説〉鎌田慧。 ◆近藤康史(2008)『個人の連帯――「第三の道」以後の社会民主主義』勁草書房。212頁、2940円。1月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「第三の道」は福祉国家をどう変化させたのか。「アイディアの変化」が政治の変容をうながすという理論的立場をとりつつ、 社会民主主義の生命カの測定をおこなう。 「第三の道」とはなんだったのか。それは世紀転換期における一過性のブーム?だったのか。 「新しい社会民主主義」への期待と、左派の「ネオ・リベラル化」への憂慮の中でブレア労働党のかかげた、政策のではなくアイディアの力を測定する。 「個人の連帯に基づく社会契約の再生」論は、今後も生命力を発揮し政治的に生き残る余地がある。 ◆橋本祐子(2008)『リバタリアニズムと最小福祉国家――制度的ミニマリズムをめざして』勁草書房。296頁、2940円。1月25日刊行。 ◇〔出版社HPよりリバタリアニズムは「市場原理主義」に尽きるものではない。人間にとって必要最小限の法=制度をめざす古典的自由主義の立場から、 あるべき「最小・福祉国家」を描く。市場における自由を重視し政府は不要だとする無政府資本主義と、 分配における平等主義に基き再分配を目的とする拡大福祉国家論の双方を退け、「プロジェクト追求者としての人間」の権利論を対置する。 市場も国家もともに統制しうる、制度的ミニマリズムの理念とは何か。穏健なリバタリアニズムから、原理的に福祉国家論を再構築する。 ◆石 弘光(2008)『税制改革の渦中にあって』岩波書店。238頁、2310円。1月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕危機的な財政状況,少子高齢社会の到来のもとで,社会的インフラストラクチャーたる税制はどうあるべきなのか. 低福祉―低負担/中福祉―中負担/高福祉―高負担という国民のいずれかの選択のなかで, 今後税制改革を新たな視点でどう進めるかを,長年政府税制調査会会長を務めた著者が明確に答える. ◆堤 未果(2008)『ルポ 貧困大国アメリカ』岩波書店(岩波新書)。240頁、735円。1月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困層は最貧困層へ,中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく──. 急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか.人々の苦難の上でいったい誰が暴利をむさぼっているのか. 追いやられる人々の肉声を通して,その現状を報告する.これはもしかしたら日本の近未来図なのかもしれない……. ◆雨宮昭一(2008)『占領と改革』(シリーズ 日本近現代史 7)、岩波書店(岩波新書)。 272頁、735円。1月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕新憲法の制定,女性参政権,教育の民主化,農地改革,財閥解体など一連の戦後改革は,占領政策によるものとされてきたが, 本当にそうなのだろうか.改革の原点は占領政策ではなく,戦前・戦時の社会から継承したものの中にあった. 占領開始からサンフランシスコ講和条約調印までの戦後10年を斬新な視点で描きだす. ◆古川孝順(2008)『福祉ってなんだ』岩波書店(岩波ジュニア新書)。208頁、819円。1月22日刊行。 ◇〔出版社HPより〕高齢化が進み社会格差が深刻化するなかで,福祉に対するニーズはますます高まっています. いま必要とされる社会サービスとしての福祉とはどのようなものか,福祉の現場ではどのような援助が期待されているのか, 福祉の意義やしくみをわかりやすく紹介します.福祉の世界を志す若い世代必読の入門書です. ◆ジグムント・バウマン著、長谷川啓介訳(2008)『リキッド・ライフ――現代における生の諸相』大月書店。 280頁、2940円。1月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕資産であったものが負債に、能力であったものが障害にあっという間に変わってしまう現代社会。 持続ではなくスピード、所有ではなく廃棄が要求される私たちの日常生活の困難を、鮮やかな思考で描き出す。 ◆リチャード・セネット著、森田典正訳(2008)『不安な経済/漂流する個人――新しい資本主義の労働・消費文化』 大月書店。216頁、2415円。1月18日刊行。 ”不安定”という現代社会の病を解き明かす。グローバル化した資本主義経済のもとでは、なぜ労働・経済・政治のすべてが不安定化するのか。 投資家に翻弄される企業、不安定雇用の蔓延、年金制度の崩壊、劇場型政治…など、日本にも共通する現代社会の諸事象を、 組織・能力観・消費文化の三つの変容から読み解き、ポストフォーディズム時代の新たな人間疎外を描き出す。 ◆ケインズ著、間宮陽介訳(2008)『雇用、利子および貨幣の一般理論』(上)、 岩波書店(岩波文庫)。400頁、945円。1月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学の歴史に「ケインズ革命」と呼ばれる一大転機を画した書.新古典派理論の特殊性と決別し, それに代わる包括的な「一般理論」を打ち立てた.資本主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として, 雇用と有効需要,利子率と流動性とを組み合わせた独自の体系を構想.現代経済学の出発点にして,今なお必読の古典の待望の新訳. ◆デカルト著、谷川多佳子訳(2008)『情念論』岩波書店(岩波文庫)。230頁、693円。1月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近代感情論の源泉とされる『情念論』(1649)は伝統のスコラ的見方や情念=悪という見方を否定し, 理性の善悪の判断に従う限り,情念に最も動かされる人間が最も多くの喜びを享受すると主張した. 心身関係の具体的な説明にみるオートマティズムや脳の知見は,優れて現代的な課題を含む.デカルト解釈の可能性を広げる一書. ◆大山典宏(2008)『生活保護vsワーキングプア――若者に広がる貧困』PHP研究所(PHP新書)。756円。1月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「生活保護」の現場から、広がり続ける社会格差についての処方箋を示す。いま注目を集めるワーキングプア問題との根深い関係とは? ◆齋藤 孝(2008)『フロイトで自己管理』角川書店(角川oneテーマ21)。740円。1月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕現実や自分自身と向き合い、悩みや困難を乗り越えていくための実践的な方法を、フロイトの理論や人生から学ぶ。 自分で自分をコントロールし、モチベーションを高めていくための、手法やヒントが満載である。 ◆唐鎌直義編(2008)『介護』(どうする! あなたの社会保障 2)、旬報社。120頁、1365円。1月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕“介護難民”はなぜ生まれるのか? 介護保険の基礎知識、サービスの上手な活用の仕方、介護をめぐっていま起きていること…。 図表とイラストをまじえながら、わかりやすく語ります。 ◆高瀬淳一(2008)『できる大人はこう考える』筑摩書房(ちくま新書)。208頁、714円。1月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕トレーニング42問で常識思考を鍛える! 「非常識な人」と言われないためには、どんな話し方・文章表現が求められているのだろうか? 「社会的に妥当な考え方」が身につく、待望のトレーニングブック。 ◆大竹文雄編(2008)『こんなに使える経済学――肥満から出世まで』筑摩書房(ちくま新書)。 208頁、714円。1月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕肥満もたばこ中毒も、出世も談合も、経済学的な思考を上手に用いれば、問題解決への道筋が見えてくる! 経済学のエッセンスが実感できる、まったく新しい入門書。 ◆武田晴人(2008)『仕事と日本人』筑摩書房(ちくま新書)。304頁、903円。1月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕なぜ残業するのか? 勤勉は人間の美徳なのか? 江戸時代から現代までの仕事のあり方を辿り、 「近代的な」労働観を超える道を探る。「仕事」の日本史200年。 ◆日本経済新聞社編(2007)『経済学――名著と現代』日本経済新聞出版社。288頁、1890円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済・経営・思想に関する古今東西の名著18冊をとりあげ、その現代的意義を解説。 スミス、ケインズ、ハイエクからドラッカー、福沢諭吉まで、名著のエッセンスを個性的な解説者がわかりやすく要約。 ◆堤 修三(2007)『社会保障改革の立法政策的批判』社会保険研究所。288頁、2730円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕大阪大学の堤修三教授(元社会保険庁長官)が社会保険旬報および介護保険情報に執筆した論文をまとめたもの。 2005年の介護保険改正、障害者自立支援法、2006年の医療制度改革について、立法政策的な観点から、論評を加えている。 とくに医療制度改革については、高齢者医療制度や特定健診・保健指導などの改正内容について検討し、医療保険一元化との関係で批判的に分析しているのが特徴で、被用者保険関係者には必読の書である。 ◆水島宏明(2007)『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』日本テレビ放送網。285頁、1000円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕2007年の流行語となった「ネットカフェ難民」の名付け親である「NNNドキュメント」チーフディレクターが語る、貧困ニッポンの真実。 ◆藤藪貴治・尾藤廣喜(2007)『生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す――国のモデルとしての棄民政策』あけび書房。224頁、1680円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「オニギリ食いたい」の日記を残して餓死などなど…。とりわけ、餓死や自殺頻発の北九州市。 国が「優等生」とし、「国の生活保護切り下げ・切り捨ての源流・構造・手本」といわれる北九州市生活保護行政。 その内実と問題点を告発し、生活保護改善の展望を示す。 ◆ピエール・ブルデュー著、丸山茂・小島宏・須田文明訳(2007)『結婚戦略――家族と階級の再生産』藤原書店。 320頁、3780円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕村のダンスパーティーで踊る相手がいない、年輩の男たち。独身者数の増大という悲哀に悩む生まれ故郷ベアルンでの、 結婚市場をめぐる民族誌的農村調査からブルデュー社会学は誕生する。思想家自身の歩みのなかで最も本質的な転機を徴づける論文3本からなる、ひとつの知的形成物語(ビルドゥングスロマーン)。 ◆ウィリアム・H・マクニール著、佐々木昭夫訳(2007)『疫病と世界史』上・下、中央公論新社(中公文庫)。 上巻:280頁、1260円。下巻:304頁、1260円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕上巻:疫病は世界の文明の興亡にどのような影響を与えてきたのか。紀元前500年から紀元1200年まで、人類の歴史を大きく動かした感染症の流行を見る。 下巻:これまで歴史家が着目してこなかった「疫病」に焦点をあて、独自の史観で古代から現代までの歴史を見直す好著。紀元1200年以降の疫病と世界史。 ◆安元稔編著(2007)『近代統計制度の国際比較――ヨーロッパとアジアにおける社会統計の成立と展開』日本経済評論社。280頁、5460円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕近代統計制度はどのように確立されてきたか。 イギリス・ドイツ・スウェーデン、そして日本および日本統治下台湾の人口センサスをもとに比較史的に分析する。 ◆S・カレンバーグ/J・アマリーリォ/D・ルッチオ編、長原 豊監訳(2007)『経済学と知――ポスト/モダン・合理性・フェミニズム・贈与』 御茶の水書房。8400円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学は「他者」となりうるのか? アメリカの「ポストモダン派」マルクス経済学者たちの知の越境と経済学の新地平。 ◆スティーヴン・ジョンソン著、矢野真千子訳(2007)『感染地図――歴史を変えた未知の病原体』河出書房新社。 304頁、2730円。12月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕19世紀、大都市ロンドンに発生したコレラの感染源を画期的な統計調査で発見していくスリリングな物語。 同時に、それが現代社会の公衆衛生の概念だけでなく科学や都市などの諸問題をいかに変えた事件だったかを鮮やかに解く。 ◆東京都板橋区・首都大学東京共編、岡部卓著者代表(2007) 『生活保護自立支援プログラムの構築――官学連携による個別支援プログラムのPlan・Do・See』ぎょうせい。296頁、3200円。12月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年の高齢化、母子世帯や失業者の増加などにより、所得格差が拡大し、 生活困窮による相談や保護申請の件数は上昇傾向にある。 保護率の上昇による保護費増大が緊急課題となっているなか、板橋区と首都大学東京では、官学連携により、 全国初となる生活保護受給者の自立支援プログラムを策定。 本書は、高校進学支援、ひきこもり改善支援、精神障害者在宅生活支援、精神科等受診支援、居住生活移行支援等、 板橋区の生活保護に携わるケースワーカーが中心に取りまとめた16の個別自立支援プログラムを収録するもの。 各実施要領について、ポイントと作業フロー、課題チェックなどの項目を詳細に解説した。 財政負担の軽減に取り組む自治体関係者必読の書である。 ◆パーサ・ダスグプタ著、植田和弘監訳(2007)『サステナビリティの経済学――人間の福祉と自然環境』岩波書店。450頁、7980円。12月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕従来の環境経済学は貧困地域の環境問題を対象とせず,他方開発経済学は自然環境問題を無視してきた. 著者は,開発が求められている貧困な地域でこそ自然環境の貢献は正当に評価されなければならないと指摘し, この問題を解くためには環境・開発の二つの経済学の統合が必要だと考え,その理論的基礎と実証的指針を提示する. ◆ 坂脇昭吉・阿部 誠編著(2007)『現代日本の社会政策』ミネルヴァ書房。344頁、3360円。4月15日刊行。12月20日重版でき。 ◇売れ行き好評のようで、第2刷が刊行されました。 ◇〔出版社HPより〕社会政策とはなにか。労働と生活、福祉とのバランスをとりながら、基本的論点、現状と課題をわかりやすく解説する。 ◇拙稿「現代の貧困と公的扶助制度」を第7章に収録。 ◆根井雅弘(2007)『わかる現代経済学』朝日新聞社(朝日新書)。224頁、756円。12月13日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ケインズ以降の現代(資本主義)経済思想を、経済学の雄と若手執筆陣が懇切丁寧に解説。 ケインズ革命、一般均衡理論・ゲーム理論、ポスト・ケインズ派、ニュー・ケインジアン経済学、さらには反主流の経済学までを、 丁寧にフォローする贅沢ガイドブック。 ◆デーヴィッド・レヴィンソン編、駒井 洋監修、田巻松雄ほか監訳(2007)『世界ホームレス百科事典』明石書店。 804頁、39900円。12月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会政策、保健衛生、法制度、リサーチ方法から歴史、文学にいたるまで、ホームレスに関する様々なトピックを 世界ではじめて体系的にまとめあげた百科事典の待望の日本語訳。アメリカを中心に世界各国のホームレス事情を網羅。 ◆唐鎌直義編(2007)『医療』(どうする! あなたの社会保障 1)、旬報社。124頁、1365円。12月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕制度のしくみがどうなっているのか、いざというときに活用できる制度は何か、 日本の医療はこれからどうなっていくのか、図表とイラストをまじえながら、わかりやすく語ります。 ◆三島亜紀子,2007,『社会福祉学の<科学>性――ソーシャルワーカーは専門職か?』勁草書房。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕 専門職としての認知とそれを保証する学問としての「科学」性を求め、社会福祉学はどのように発展してきたのか、そして今後どうあるべきか。歴史を辿り今後を展望する。 ソーシャルワーカーの専門職化は知識の体系化や援助技術の「科学」化によってもたらされるとされてきた。一途な「科学」化から反専門職主義や「ポストモダニズム」の台頭を経て、社会福祉学はいま「エビデンス」をキーワードに、再び「科学」化を推し進めようとしつつある。迷走する社会福祉学の歴史を辿り、今後を展望する意欲的一書。 ◆C. F. サムス著、竹前栄治編訳(2007)『GHQサムス准将の改革――戦後日本の医療福祉政策の原点』桐書房。329頁、2940円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦後日本の出発点となった占領期の諸改革、なかでも医療福祉、社会保障の分野で実施された”サムスの改革”については、あまり知られていない。 本書はそのプロセスを特徴付けた、改革プログラムが有機的で広範囲にわたったこと、日本人のイニシアチブを生かすやり方に徹したことなどの歴史的証言である。 8400万人の敗戦国民、650万人と見込まれた復員兵・引揚者、疎開先からの人々、帰国を急ぐ在留外国人。 未曾有の”混乱”に直面したサムスらGHQのスタッフは「日本人に受け入れられる方法」を求めて仕事についたのだった〜そして日本はやがて世界一の長寿国になった。 ◆岡澤憲芙・連合総合生活開発研究所編(2007)『福祉ガバナンス宣言――市場と国家を超えて』日本経済評論社。327頁、2730円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕脱「格差・貧困社会」に向けた、日本の戦略とは?! 日本が本当の福祉社会になりうるか、今こそ勝負の時! 従来の福祉国家を超えた「第4の道」としての新しい21世紀型福祉ガバナンスを提示する。 ◆福原宏幸編著(2007)『社会的排除/包摂と社会政策』(シリーズ・新しい社会政策の課題と挑戦 第1巻)、法律文化社。 280頁、3465円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヨーロッパ諸国における社会的排除概念の発展と政策への影響を概観。ホームレス、母子世帯、不安定雇用の若者などの事例を取り上げ、 社会的排除概念の日本への導入と実践を紹介する。格差や貧困などの議論にも言及。 ◆武川正吾・三重野卓編(2007)『公共政策の社会学――社会的現実との格闘』東信堂。288頁、2100円。11月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕高齢化の進行、新たな社会的格差の出現等の現実を前に、今や社会科学の「公共政策からの逃亡」は許されない。 他分野研究者を交えた学際的執筆陣により、社会計画、NPMをはじめ従来の研究の批判的摂取の下、政策科学としての社会学の再興をめざす。 ◆坂田周一(2007)『社会福祉政策』改訂版、有斐閣。300頁、2100円。11月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉原論や社会福祉政策論のスタンダード・テキスト。2000年の初版刊行後の, 行財政改革の一層の進展,市町村合併や三位一体の改革,年金・医療・介護保険制度の改革, そして障害者自立支援法の制定などに対応し,全面的に改訂。統計データも一新。 ◆宮本憲一(2007)『環境経済学』新版、岩波書店。398頁、3990円。11月29日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本で最初の『環境経済学』として刊行されて以来,多くの読者を得た本書が18年ぶりに横組みに一新して全面改訂. 90年代以降の環境問題の本質と経済のグローバル化との関係,また今後環境政策の中で最も重視すべきアメニティ対策を公害と連続した視点で濃密に論じる. 今なお終わらない公害を厳しく追及する著者の環境経済理論の集大成. ◆武川正吾(2007)『連帯と承認――グローバル化と個人化のなかの福祉国家』東京大学出版会。280頁、3990円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家とは何か.それは社会保障による給付や労働政策などによる規制をつうじて市民相互の連帯と承認を実現しようとする場である. グローバル化と個人化にさらされる福祉国家を深く考察するとともに,東アジアを射程に入れた福祉国家論を展開する. ◆ゲッツ・ヴェルナー著、渡辺一男訳(2007)『ベーシック・インカム――基本所得のある社会へ』現代書館。四六判、224頁、2100円。11月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕見せかけの成長論の下、いくら働いても一向に生活が楽にならないワーキングプア大国・日本。 格差社会を根本から改革する最も新鮮な経済社会理論ベーシックインカムの要旨を詳解。生活保障社会を提案。 小沢修司(京都府立大学教授)の解説付き。 ◆杉村 宏編著(2007)『格差・貧困と生活保護――「最後のセーフティネット」の再生に向けて』明石書店。 240頁、1890円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕国民の生活を守る「最後のセーフティネット」生活保護はどのようにしたら利用できるのか、どんな受給条件があるのか。 福祉現場を熟知した執筆者たちが基本的な疑問に応え、改悪の動きが進行している生活保護制度の再生と積極的な活用を訴える入門書。 ◆二木 立(2007)『医療改革――危機から希望へ』勁草書房。240頁、2835円。11月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕主要先進国中で医療費水準最低/患者負担割合最高、という歪んだ制度を持つ国となった日本。 危機のなか見出される希望の芽とは? 医療経済・政策学の視点から小泉・安倍政権の7年間の医療改革の特徴と帰結を検証。 医療危機が叫ばれる中、今年に入り見出され始めた肯定的変化を〈専門職団体の自己規律の強化〉〈マスコミの報道姿勢の変化〉 〈医療・福祉費抑制政策の部分的見直し〉の3つの視点から論じ、よりよい制度への道筋と改革案を示す。敢えていま希望を語る。 ◇目次 第1章 世界の中の日本医療とよりよい医療制度をめざした改革 第2章 後期小泉政権の医療改革 第3章 安倍政権の医療政策 第4章 医療改革と医療ソーシャルワーカー、認知症ケアビジネス 第5章 医療満足度と医療費の常識のウソ ◆埋橋孝文編著(2007)『ワークフェア――排除から包摂へ?』(シリーズ・新しい社会政策の課題と挑戦 第2巻)、法律文化社。 284頁、3465円。11月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕80年代以降、多くの先進諸国が採用した「ワークフェア」に焦点をあて、登場の背景や特徴、波及効果などを分析、検証。 ワーキング・プアや就業困難者など近年大きな問題となっている事例から課題を多面的に論じる。 ◆『週刊東洋経済』2007年11月3日特大号(特集:ニッポンの医者・病院・診療所)。670円。11月3日刊行。 ◇二木立(インタビュー)「日本の医療政策を問う――医療政策転換にかすかな兆し 2つの閣議決定見直しに焦点」など収録。 ◆本郷 亮(2007)『ピグーの思想と経済学――ケンブリッジの知的展開のなかで』名古屋大学出版会。250頁、5985円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ケンブリッジ学派の高峰にして厚生経済学の確立者ピグー―この冷遇されてきた経済学者の人物・思想・経済学を、 文献の精査によって包括的に捉え、その厚生経済学の真の意義を浮き彫りにするとともに、ケインズとの長年にわたる重層的な対立を解き明かすことで、 新たなピグー像を提示した力作。 ◆柴田謙治(2007)『貧困と地域福祉活動――セツルメントと社会福祉協議会の記録』みらい。318頁、3150円。10月刊行。 ◆権丈善一(2007)『医療政策は選挙で変える 増補版――再分配政策の政治経済学W』慶應義塾大学出版会。396頁、1890円。10月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書の初版は、『週刊東洋経済』(2007年9月1日号「書評」)、『週刊エコノミスト』(2007年8月28日号「書評」)、 『週刊文春』(2007年8月9日号/8月16・23日号宮崎哲弥「仏頂面日記」)などで紹介され、大好評! 各地の医師会でも大きな反響! ◎初版刊行時から参院選までの政治・メディアの動向を総括し、不毛な「年金選挙」を演出した彼らを「亡国の民」(!)と断罪した「勿凝学問 99」を追加収録。 ◎本年7月に発行されたOECD Health Data 2007 に基づき関連データを更新。GDPに占める総医療費の割合が、ついに先進7カ国中の最下位に。医療費抑制政策が日本の医療崩壊を招いている現状に、再び警鐘を鳴らす! ◎その他、この間に講演した内容を反映させ、また読者・医療従事者・メディア関係者から寄せられた疑問・質問に答えるべく、初版には収録されなかった図表・コラムなどを復活掲載。 ◆ヨアヒム・ヒルシュ著、表弘一郎・木原滋哉・中村健吾訳(2007)『国家・グローバル化・帝国主義』ミネルヴァ書房。284頁、3990円。10月20日刊行。 ◇〔本書帯より〕ヒルシュ国家理論の集大成――グローバル化に伴う帝国主義の変容を解明し、ネオ・リベラリズムへのオルタナティブを探る。 ◇〔出版社HPより〕国民的競争国家論を昨今の欧州統合の深化、米国の単独行動主義政策、現代帝国論などをふまえ発展させる。 ◆馬場康彦(2007)『生活経済からみる福祉――格差社会の実態に迫る』ミネルヴァ書房。336頁、3570円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活問題としての社会福祉を,生活経済学的な視点でとらえる。そのため家計調査から, 低所得者世帯などの「社会的弱者」世帯の現状と問題点を読み解く。そして市場原理に基づく競争・成長優先の経済政策が, 格差の拡大,必要からの乖離,社会的排除を引き起こしている点を明らかにする。 ◆辰濃和男(2007)『文章のみがき方』岩波書店(岩波新書)。250頁、819円。10月19日刊行。 ◇〔出版社HPより〕いい文章を書くために,作家・文章家たちは何を心がけているか.漱石・鴎外から向田邦子・村上春樹まで 幅広い人びとの明かす知恵を手がかりに,実践的な方策を考える.歩くことの効用,辞書の徹底活用,比喩の工夫……. 執筆中と推敲時だけでなく,日常のなかの留意点もまじえて説く,ロングセラー『文章の書き方』の姉妹編. ◆佐和隆光(1982)『経済学とは何だろうか』岩波書店(岩波新書)。735円。10月19日発売。 ◇〔出版社HPより〕経済学は現実の役に立っているのだろうか.戦後,アメリカを中心に長い間隆盛を誇っていた近代経済学が,今日混迷しているのはなぜか. 〈制度としての経済学〉という斬新な視角から,時代や社会の〈文脈〉と学問との相互作用を明らかにし,経済学のさまざまな潮流の核にある考え方を解説して, 新しい理論創造への道を探る. ◆ロバート・ダーントン著、海保眞夫・鷲見洋一訳(2007)『猫の大虐殺』岩波書店(岩波現代文庫)。368頁、1260円。10月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕18世紀初頭のある日,パリの労働者街の猫がのこらず殺された,ということを記す印刷職人の手記は,何を物語っているのか. 史料の奥底に隠された当時の人びとの心性に,わずかな手がかりをもとに犯人をつきとめる名探偵のような鮮やかな推理で迫る. 社会史研究の先駆的達成と評価される原書から,中核的論文4本を抜粋. ◆水月昭道(2007)『高学歴ワーキングプア――「フリーター生産工場」としての大学院』光文社(光文社新書)。217頁、735円。10月16日刊行。 ◇〔出版社HPより〕非常勤講師とコンビニのバイトで月収15万円。正規雇用の可能性ほぼゼロ。 大学院重点化というのは、文科省と東大法学部が知恵を出し合って練りに練った、成長後退期においてなおパイを失わんと執念を燃やす “既得権維持”のための秘策だったのである。折しも、九〇年代半ばからの若年労働市場の縮小と重なるという運もあった。 就職難で行き場を失った若者を、大学院に釣り上げることなどたやすいことであった。若者への逆風も、ここでは追い風として吹くこととなった。 成長後退期に入った社会が、我が身を守るために斬り捨てた若者たちを、これ幸いとすくい上げ、今度はその背中に「よっこらしょ」とおぶさったのが、 大学市場を支配する者たちだった。 ◆池内 了(2007)『科学者心得帳――科学者の三つの責任とは』みすず書房。200頁、2940円。10月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「本書は、科学をめざしている若者、ジレンマに悩む若い科学者、そして科学研究の内実を知りたいと思っている人、を念頭において書いたものである。科学者のあるべき姿を追求しつつ、科学の今を見つめ直し、科学の未来を考えるための素材を提供したいと考えたのだ」――現場より発せられた、岐路にある若い科学者たちへの最高の手引。 ◆外山滋比古(2007)『「読み」の整理学』筑摩書房(ちくま文庫)。224頁、588円。10月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕読み方には、既知を読むアルファ(おかゆ)読みと、未知を読むベータ(スルメ)読みがある。 リーディングの新しい地平を開く目からウロコの一冊。 ◆阿部謹也(2007)『西洋中世の男と女――聖性の呪縛の下で』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。320頁、1260円。10月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕中世の男と女の関係から西洋史全体を見直した斬新な試み。性愛をめぐる民衆と教会の攻防を通じ庶民の文化を論じる。 ◆B・エーレンライク著、曽田和子訳(2007)『捨てられるホワイトカラー――格差社会アメリカで仕事を探すということ』 東洋経済新報社。312頁、1890円。10月4日刊行。 ◇〔出版社HPより〕『ニッケル・アンド・ダイムド』でワーキングプア問題を世に告発した著者の続編。 グローバル化、格差社会がもたらすホワイトカラー二極化の問題に焦点を当てる。容赦なく弱者を切り捨てる残酷な米国の現実。 ◆フランシス・ウィーン著、中山 元訳(2007)『マルクスの『資本論』』(名著誕生 1)、ポプラ社。215頁、1575円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕さまざまに論じられてきた『資本論』と本をめぐるこれまでの議論を整理し、現代において読み直す意義と可能性を解き明かす。 ◆社会政策学会編(2007)『経済発展と社会政策――東アジアにおける差異と共通性』法律文化社。 265頁、3045円。9月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕国際比較の視点から日本、中国、韓国を中心に東アジアにおける経済発展の歴史的特質や社会政策の特徴を明らかにする。 労使関係、社会保障の各分野について比較を行い、東アジアの社会政策の差異や共通性を検討。 ◆植村博恭・磯谷明徳・海老塚明(2007)『新版 社会経済システムの制度分析――マルクスとケインズを超えて』名古屋大学出版会。 456頁、3780円。9月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕レギュラシオン理論、ポスト・ケインジアン、進化経済学など、非新古典派経済学の諸理論を統合し、 資本主義経済の多様性とダイナミズムを、制度の観点から鋭く分析した好評テキスト。 諸理論の最新の成果を幅広く盛り込んだ本書は、新古典派経済学へのオルタナティヴを提起する。 ◆玉井金五・大森真紀編(2007)『三訂 社会政策を学ぶ人のために』世界思想社。296頁、2205円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕グローバル化と少子高齢化のうねりのなかで仕事と暮らしをいかに創造していくべきか。 二一世紀において社会政策が担うべき役割を「雇用」「社会保障」「生活」の三領域から問い直し、ワーク・ライフ・バランスの近未来像を追求する。 ◆大泉啓一郎(2007)『老いてゆくアジア――繁栄の構図が変わるとき』中央公論新社(中公新書)。224頁、798円。9月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕中国の経済成長率が11%を超えたと報道され、この勢いに引っ張られるかのように、アジア全体の経済も順調に推移している。 だが、これはよく喧伝されるように「21世紀はアジアの世紀」の証明だと考えてよいのだろうか。アジア全体の少子高齢化という現実を見れば楽観は許されない。 いまだ社会保障制度のないアジア各国の10年後、20年後を見据え、アジア全域で豊かな社会を構築するための方途を提言する。 ◆碓井敏正・大西 広編(2007)『格差社会から成熟社会へ』大月書店。256頁、2625円。9月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕格差社会への対抗戦略論をいかに構想するか。グローバリゼーションを背景に進められている日本社会の新自由的再編は、 従来の国民国家的な国家像を変え、貧困層の拡大・格差社会化という新しい矛盾を生み出している。 これに対して、社会変革をめざす対抗戦略は何を基本とすべきか。本書は「成熟社会」をキーワードとして、その理論的諸問題を考察する。 ◆阿部謹也(2007)『自分のなかに歴史を読む』筑摩書房(ちくま文庫)。224頁、630円。9月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本人にとってヨーロッパとは何か。キリスト教に彩られたヨーロッパ中世社会の研究で知られる著者が、 その学問的来歴をたどり直すことを通して描く〈歴史学入門〉。 ◆金子元久(2007)『大学の教育力――何を教え、学ぶか』筑摩書房(ちくま新書)。208頁、714円。9月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕転換期に必要な「教養」とは? 日本の大学が直面する課題を、歴史的かつグローバルな文脈のなかで捉えなおし、 高等教育が確実な「教育力」をもつための方途を考える。大学関係者必読の一冊。 ◆早川和男(2007)『権力に迎合する学者たち――「反骨的学問」のススメ』三五館。192頁、1470円。9月4日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ニッポンをダメにしたのは誰だ? 学者が政治や行政や企業の僕となって真理を追求せず語らず、医師が人のいのちを守らず、 ジャーナリストが真実を歪め、政治家、官僚が権益維持のために国民を犠牲にする社会とはいったいなんであろうか。 ――危険な泥沼の道に踏み込みつつある日本に著者の叫びは届くか!? ◆『週刊東洋経済』2007年9月8日号(小さすぎる福祉国家の現実 老後不安大国)。570円。9月3日刊行。 ◇権丈善一(インタビュー)「問題の本質を直視せぬ与野党、医療政策の転換が最大課題」など収録。 ◆縣公一郎・藤井浩司編(2007)『コレーク政策研究』成文堂。227頁、2625円。9月1日刊行。 ◇〔BOOKデータベースより〕 基盤としての政策段階論を概観し、政策現象の決定要因、関連アクター相互関係、政策の移転・波及の論理を探り、政策段階論を補完する。 ◆『現代思想』2007年9月号(特集:社会の貧困/貧困の社会)。246頁、1300円。9月1日刊行。 ◆ミシェル・フーコー著、石田英敬訳(2007)『◆』(ミシェル・フーコー講義集成 6)、筑摩書房。328頁、5040円。 8月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕<生政治>とファシズム、戦争と国家。フーコー権力論の転回点をなす系譜学的試み。 ナチズムとスターリニズムを経た今日において権力とは何か。〈戦争〉を国家の母胎と見る歴史家の説を検証し、生政治の系譜学を指向する、 フーコー権力論の一大転回点。 ◆ジル・ドゥルーズ著、宇野邦一訳(2007)『フーコー』河出書房新社(河出文庫)。272頁、1050円。8月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ドゥルーズが盟友への敬愛をこめてまとめたフーコー論の決定版。「知」「権力」「主体化」を指標にフーコーの核心を読みときながら 「外」「襞」などドゥルーズ自身の哲学のエッセンスを凝縮させた比類なき名著。 ◆樫村愛子(2007)『ネオリベラリズムの精神分析――なぜ伝統や文化が求められるのか』光文社(光文社新書)。328頁、935円。8月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕市場至上主義、雇用の流動化、社会保障の縮小、ワーキングプア、格差、貧困、自己責任社会――。 グローバル化経済のもと、多くの人々の生活が不安定化(プレカリテ)していくなかで、どのように個人のアイデンティティを保ち、 社会を維持していけばいいのか? 自分探し、心理学、お笑い、オタク文化、メディア・スピリチュアリズム、リアリティ・ショーの隆盛はいったい何を意味するのか? ラカン派社会学の立場から、現代社会、あるいは現代の人々がぶつかっている難問を記述し、処方箋の一端を示す。 ◆野村正實(2007)『日本的雇用慣行――全体像構築の試み』ミネルヴァ書房。472頁、5040円。8月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本的雇用慣行の本質は学歴別・性別に仕切られた経営秩序にある。 本書は、身分制の視角から日本的雇用慣行を全面的に再吟味し、全体像を問う。 ◆石見 徹(2007)『グローバル資本主義を考える』ミネルヴァ書房。248頁、2625円。8月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕資本主義システムの功罪を比較考量し、いかに共生するか、その可能性を探る。論理と問題提起の書。 20世紀末から情報・人・モノ・資本が容易に国境を越え、頻繁に移動するに伴って、文化や生活様式に複雑な変化が生じるようになってきた。 いわゆる経済の「グローバル化」である。本書は、資本主義の本性に根ざすこの現象を、歴史的、包括的に論じる。 単純な二分法で批判したり擁護したりするのではなく、グローバル資本主義に固有な問題点を是正しつつ、いかに共生するか、その可能性を明快に語る。 ◆生田武志(2007)『ルポ最底辺――不安定就労と野宿』筑摩書房(ちくま新書)。256頁、777円。8月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕若者に告ぐ! 野宿者はなぜ増えるのか? フリーターが「若者」ではなくなった時どうなるのか? 野宿と若者の問題を同じ位相で捉え、 社会の暗部で人々が直面する現実を報告する。 ◆京極宣(2007)『社会保障と日本経済――「社会市場」の理論と実証』慶應義塾大学出版会。448頁、3990円。8月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「社会市場」の創造と成長こそ、21世紀日本経済の針路である。 膨大なデータを基に産業連関・シミュレーション分析を行い、社会保障が日本経済に与える影響を総合的に検証。 社会保障制度・政策の研究に指導的役割を果たしてきた著者が、日本経済全体を見渡す視点から、社会保障制度の現状と課題を考察。 社会保障政策を「負担と給付」という狭隘なくびきから解き放ち、日本が目指すべき新たな経済社会像を提示した革新的著作。 ◆岩川直樹・伊田広行編著(2007)『貧困と学力』明石書店。352頁、2730円。8月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕この本には、真摯に子どもたちに向き合い寄り添おうとするおとなこそがとらえることができる子どもたちの姿・声が描かれている。 そのまなざしは、最も困難な教育の課題に希望の灯をともす。今、「貧困と学力」という問題設定こそ社会の価値判断の枠組みを変える。 ◆アントニオ・ネグリ著、上村忠男・堤 康徳・中村勝己訳(2007)『〈帝国〉的ポスト近代の政治哲学』 (アントニオ・ネグリ講演集 下)、筑摩書房(ちくま学芸文庫)。224頁、924円。8月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕新しい政治形態の可能性 スピノザ、フーコー、アガンベンらの思想を読込み、ポスト近代における政治哲学を語る。マルチチュードにおいて生政治はいかに実現されるのか。 ◆アントニオ・ネグリ著、上村忠男・堤 康徳・中村勝己訳(2007)『〈帝国〉とその彼方』(アントニオ・ネグリ講演集 上)、 筑摩書房(ちくま学芸文庫)。224頁、924円。8月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ネグリの最新講演集。 国民国家、市民権、社会主義、ユートピア……グローバル化が進む現代のさまざまな「運動」を横断し、ポスト社会主義の諸政策を展望する。 ◆ピーター・A・ホール&デヴィッド・ソスキス編、遠山弘徳・安孫子誠男・山田鋭夫・宇仁宏幸・藤田菜々子訳(2007) 『資本主義の多様性――比較優位の制度的基礎』ナカニシヤ出版。344頁、3675円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家のミクロ的基礎。グローバル化とイノベーションの競争圧力の下で、 各国の政治と経済は一つの共通のモデルの下に収斂していかざるをえないのか? 「福祉国家」の政治的経済的役割はもはや時代遅れのものとなったのか? 比較制度優位,制度補完性,企業中心的政治経済論を軸に、比較政治経済のための新しい分析視角を提供する「資本主義の多様性」論の基本文献、ついに登場。 ◆宇都宮健児・猪股 正・湯浅 誠編(2007)『もうガマンできない! 広がる貧困――人間らしい生活の再生を求めて』明石書店。200頁、1365円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕2007年3月24日、反貧困を訴える集会が東京で開かれた。 当日の報告も交え、非正規労働者、シングルマザー、障害者、高齢者、多重債務者、在留外国人など、貧困にあえぐ当事者の声を収載。 また湯浅誠、雨宮処凛等の論者が現状分析と解決への展望を語る。 ◆岩田規久男(2007)『経済学への招待』(ライブラリ経済学への招待 1)、新世社。208頁、1890円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学の基本的な仕組みを読みやすい文体と豊富な図版を用いて,誰にでも分かるようコンパクトに解説. 重要語句・概念を本文欄外に配置することにより最重要箇所が一目で分かる構成.ヴィジュアルに学べる3色刷. ◆飯尾 潤(2007)『日本の統治構造――官僚内閣制から議院内閣制へ』中央公論新社(中公新書)。264頁、840円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本独特の政治はなぜ生まれたのか。議会、内閣、首相、政治家、官僚制、政党など議院内閣制の基盤を通し、国家のシステムを解明する。 ◆ニクラス・ルーマン著、徳安 彰訳(2007)『福祉国家における政治理論』勁草書房。192頁、2940円。7月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕補償は補償を求める。福祉国家ははたして自らが作り出してしまう現実に対応できるのだろうか。扶助でも補償でもない問題設定と分析。 社会のありとあらゆる作動には、権力が浸透していると見なされるなら、ことさら「政治」について語る意味はどこにあるというのだろうか。 福祉国家は、自由を保障するものなのか、自由を抑圧するものなのか。二項対立の不毛を乗り越えて、いまなお可能な「反省」する福祉国家を問う。 複数政党制に支えられた政治システムがはたす役割。 ◆古川孝順編(2007)『生活支援の社会福祉学』有斐閣。300頁、2625円。7月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年,生活問題がますます多様化・複雑化・高度化している。生活問題を抱え,生活困難に陥っている人に必要な援助は何か。 社会福祉固有の援助と,生活支援施策との連携が求められている今,これからの社会福祉の可能性を探る,新しい試みのテキスト。 ◆山田 久(2007)『ワーク・フェア――雇用劣化・階層社会からの脱却』東洋経済新報社。288頁、1890円。7月19日刊行。 ◇〔出版社HPより〕雇用問題の深刻化から「社会の階層化」の瀬戸際に立つ日本の実態を分析。欧米で成果をあげたワークフェア改革をもとに、 「格差」を是正し経済成長も達成する就業促進政策を提言する。 ◆権丈善一(2007)『医療政策は選挙で変える――再分配政策の政治経済学W』慶應義塾大学出版会。380頁、1890円。7月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕 参院選を控え、緊急出版。医療制度・年金制度のあるべき姿を説き、「再分配政策の政治経済学」シリーズでコアなファン(?)にお馴染みの気鋭の経済学者が、 ウェブページで掲載したここ1年の学界・政界・メディアウォッチングと自身の社会保障政策論を書籍化。 「医療・介護、保育・教育サービスを、所得・地域・年齢・性別にかかわらず皆が自由に使える『共有地』のようにしよう!」と呼びかける著者が、今日の政治に対して辛口しかしユーモラスに切り込む痛快エッセイ集。 初めてご覧になる方はもちろん、ウェブ連載を愛読されてきた皆さんも、連載マンガが単行本になった時のような楽しみを是非味わってください。・・・なお、本書刊行後も権丈教授のウェブ連載は続いております。年金騒動などなど喧しい昨今、「いま、何が起こっているのか?」を教えてくれること、請け合いです。 ◇〔出版社HPより〕年金制度・医療制度のあるべき姿を説き続ける気鋭の研究者が、参院選を前に今の議論の問題点を明快に論じ、 投票の参考になる材料を提示しようとする意欲作。内閣府の「経済財政諮問会議は素人の集団」と断言してはばからない著者が、 自身のウェブページで連載していたここ1年の政局ウォッチングを書籍化。理路整然とした内容ながら、親しみのもてる筆致で広い読者層に訴える。 ◆パオロ・マッツァリーノ(2007)『反社会学講座』筑摩書房(ちくま文庫)。384頁、798円。7月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕つまらない学問は罪である。恣意的なデータを使用し、権威的な発想で人に説教する困った学問「社会学」の暴走を エンターテイメントな議論で撃つ! 真の啓蒙は笑いから。 ◆ポール・K・ファイヤアーベント著、村上陽一郎訳(2007)『知についての三つの対話』 筑摩書房(ちくま学芸文庫)。352頁、1365円。7月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕解き放たれよ!――「anything goes」、相対主義の立場をとる著者の面目躍如! 麻痺した価値観と硬直した科学知の呪縛から読者を解き放つ、知的営みとしての対話。 ◆湯浅 誠(2007)『貧困襲来――<貧困>は「自己責任」じゃない!』山吹書店。200頁、1575円。 CD(生活保護費自動計算ソフト2007年度版)付。7月1日刊行。 ◆木村和世(2007)『路地裏の社会史――大阪毎日新聞記者 村嶋歸之の軌跡』昭和堂。374頁、3150円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕大正デモクラシーを背景として、「大阪毎日新聞」を中心に大阪や神戸の路地裏に住んでいる人々をレポートし続けた村嶋歸之。 本書では、村嶋の生涯を通して、大正期から昭和にかけて生きた人々の生活を活写する。 ◆安保則夫著、(社)ひょうご部落解放・人権研究所編(2007)『近代日本の社会的差別形成史の研究――増補『ミナト神戸 コレラ・ペスト・スラム』明石書店。 376頁、6090円。6月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕1989年に上梓された、故安保則夫氏の主著『ミナト神戸 コレラ・ペスト・スラム』に新たに補論「明治・大正期の神戸マッチ工業」を 収録した増補版。伝染病を通じた日本の近代化政策とそれに呼応する一般民衆の眼差しから、「社会的差別」の構造を究明する。 ◆熊沢 誠(2007)『格差社会ニッポンで働くということ――雇用と労働のゆくえをみつめて』岩波書店。224頁、1995円。6月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「ふつうに働くひとびと」をみつめつづけてきた著者が,今の日本を「格差社会」にしている決定的な要因としての労働の状況を, 多方面から検証する.急速に進む雇用の多様化といった,働くことをめぐる変化をどう考えればよいのか.これまでの格差論議には抜け落ちていた視角から語られる, 現状分析と格差是正への道行き. ◆盛山和夫(2007)『年金問題の正しい考え方――福祉国家は持続可能か』中央公論新社(中公新書)。288頁、903円。6月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「自分が年をとったときには年金制度はつぶれてなくなっているのではないか」――本来、人々に安心をもたらすはずの年金制度が、 逆に大きな不安材料となっている。年金制度の適切な運営は、国防・治安・教育と並ぶ、政府の重要な機能の一つである。 少子高齢化が進むなか、安心して信頼できる制度を作るにはどうするべきか。基礎年金の消費税化や一元化を検討し、本当の公平さと福祉国家の将来像を提示する。 ◆田栗正章・藤越康祝・柳井晴夫・C=R=ラオ(2007)『やさしい統計入門――視聴率調査から多変量解析まで』講談社(ブルーバックス)。 286頁、1029円。6月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本統計学会75周年記念推薦図書。画期的にわかりやすい! 身近な話題から統計の考え方を理解する! 視聴率はどこまで信頼できるの? テスト成績の偏差値はどうやって計算するの? 要精密検査になった。私はガンの可能性が高い? 何人に出口調査すれば「当落予測」できる? 英語が得意な人は理系である!? 子供の身長を両親の身長から予測できる? など、具体的な実例でわかりやすい「画期的統計入門」。 ◆小松秀樹(2007)『医療の限界』新潮社(新潮新書)。220頁、735円。6月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕医師のミスは「犯罪」か? 患者は消費者か? 『医療崩壊』の現場から鋭く問う! 日本人は死生観を失った。リスクのない治療はない。患者は消費者ではない――。医療の現場を崩壊させる、際限のない社会の「安心・安全」要求、 科学を理解しない刑事司法のレトリック、コストとクオリティを無視した建前ばかりの行政制度など、さまざまな要因を、 具体例とともに思想的見地まで掘り下げて論及する。いったい医療は誰のものか? 日本の医療が直面する重大な選択肢を鋭く問う。 ◆中野雅至(2007)『格差社会の世渡り――努力が報われる人、報われない人』ソフトバンククリエイティブ(ソフトバンク新書)。 256頁、735円。6月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本は努力しても這い上がれない国なのか? 日本では「努力」が評価されなくなる一方で、 「アピール力」だけある者たちが幅をきかせている。本書は、その現状をレポートし、見せかけ社会の行き着く先を示そうとするものである。 ◆塚本一郎・柳澤敏勝・山岸秀雄編著(2007)『イギリス非営利セクターの挑戦――NPO・政府の戦略的パートナーシップ』ミネルヴァ書房。232頁、3360円。6月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕転換期のなかにあるイギリス非営利セクターの現状や非営利・政府関係の変化を検証。 非営利セクターがその持続可能性と自立性を追求しつつ,政府との間で戦略的なパートナーシップを形成していくための可能性を探る。 ◆橘木俊詔編(2007)『政府の大きさと社会保障制度――国民の受益・負担からみた分析と提言』東京大学出版会。 256頁、3990円。6月上旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化時代を迎えた日本では,「大きな政府」に否定的な声が強い一方で,国民の多くは年金や医療・介護など 公的な社会保障制度の充実を望んでいる.どうすればこの「矛盾」を解決し,将来も安心できる制度改革が実現できるのか. 経済学の精緻な計量モデル分析によってその方策を提言する. ◆里見賢治(2007)『現代社会保障論――皆保障体制をめざして』高菅出版。310頁、2520円。6月1日刊行。 ◆イアン・ホリディ/ポール・ワイルディング編、埋橋孝文・小田川華子・木村清美・三宅洋一・矢野裕俊・鷲巣典代訳(2007) 『東アジアの福祉資本主義――教育、保健医療、住宅、社会保障の動き』法律文化社。280頁、4515円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕香港、シンガポール、韓国、台湾の社会政策の全体を見渡し、各制度の基礎的知識を提供する。 特徴は@部門別の各地域の記述と比較分析、A現在進行していること、今後の課題と展望の解明を重視、B4地域の社会政策発展年表を付す。 ◆真田 是・宮田和明・加藤薗子・河合克義編(2007)『図説 日本の社会福祉』第2版、法律文化社。240頁、2625円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕初版(04年)以降の制度の動向、改変をふまえ、加筆修正を施した最新版。 人権としての社会保障の視点から、制度の現実を直視して問題点と課題を整理し、今後の展望を示す。 左頁に本文、右頁に資料を収載したハンドブック。 ◆日本弁護士連合会編(2007)『検証 日本の貧困と格差拡大――大丈夫? ニッポンのセーフティネット』 日本評論社。332頁、3150円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕格差拡大が進み、生活保護を受けられない世地や礎重債務者の増加等歪みが広がっている。実態調査を踏まえ格差拡大の問題点をあぶり出す。 ◆加藤智章・菊池馨実・倉田 聡・前田雅子(2007)『社会保障法』第3版、有斐閣。398頁、2205円。5月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕わが国の社会保障法の概要をコンパクトに解説したテキスト。少子高齢化が進行するなかで,大きく変動する諸制度をわかりやすく紹介する。 2004年年金制度改正,2005年介護保険制度改正・障害者自立支援法,2006年医療制度改正等に対応した最新版。 本格的な少子高齢社会の到来,経済のグローバル化,家族形態の多様化などを背景として,現在のわが国の社会保障制度は大きな転換点にさしかかっている。 本書は,現在の社会保障を取り巻くこうした諸状況を踏まえた,若手研究者の共同作業による新世代の教科書であり, 社会保障法の現在を学ぶための最も信頼できるテキストといえる。 ◆伊藤 修(2007)『日本の経済――歴史・現状・論点』中央公論新社(中公新書)。320頁、945円。5月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の経済はどうなっているのか。本書は、その歴史と現状の両面にわたって、客観的なデータにもとづきつつ、 その全体像を提示するものである。まず明治から今日までの歩みを、各種経済指標や国際比較を使って素描する。 ついで、国際経済関係、産業、企業経営、職場と仕事、財政、金融などの現状を取り上げ、重要な論点を整理。 さらに、アメリカ標準を安易に前提とする議論に対しては警鐘を鳴らし、代替案の可能性を模索する。 ◆日本社会保障法学会編(2007)『「自立」を問う社会保障の将来像』(社会保障法 第22号)、法律文化社。246頁、3675円。5月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕第49回大会「社会保障法と自立」(秋元美世ほか)、第50回大会「社会保障の法と政策:学際的な検討に向けて」(井上英夫ほか) の報告/書評/ほかを収載。 ◆三浦 展(2007)『格差が遺伝する!――子どもの下流化を防ぐには』宝島社(宝島社新書)。224頁、740円。5月19日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大ベストセラー『下流社会』の著者によるタブーの最新調査 。すべての親と教育関係者が震撼する! 衝撃の「格差再生産」最新レポート。料理好きなお母さんの子どもは成績がよい、お父さんの読書量と子どもの成績は比例する、 成績「下」の子ほど親も子も肥満ぎみ、夫婦間の満足度と子どもの成績は比例する。 ◆本田由紀編(2007)『若者の労働と生活世界――彼らはどんな現実を生きているか』大月書店。368頁、2520円。5月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕“変わった”のは若者か、それとも社会か? 混迷する社会に生を模索する若者たち。それぞれの「現場」から見える実像とは? いま最も注目される社会学者・本田由紀のもとに気鋭の研究者が結集。 実証的なフィールドワークと最先端の理論によって同世代の生きる現実と日本社会の矛盾が明らかになる。 つくられる「若者」像に抗して、若き研究者たちの手で編まれた画期的論集。 ◇第9章に、仁平典宏・湯浅誠「若年ホームレス――「意欲の貧困」が提起する問い」を収録。 ◆岡本祥浩(2007)『居住福祉と生活資本の構築――社会と暮らしをつむぐ居住』ミネルヴァ書房。244頁、3675円。5月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕産業・都市・人口・住宅,世帯・暮らし方の変化等の事象と,関連する諸問題をクローズアップする。 本書では,産業・都市・人口・住宅の構造,世帯・暮らし方の変化等の多くの事象を,生活を支える構成要素の総体として「生活資本」と位置づける。 そして,それがどのような影響下で問題化しているのかを探ることから,関連する諸問題をクローズアップし,本当の生活水準向上実現への方途を検討する。 ◆朝日新聞特別報道チーム(2007)『偽装請負――格差社会の労働現場』朝日新聞社(朝日新書)。216頁、735円。5月11日刊行。 ◇〔出版社HPより〕1990年代から一気に産業界に広まった「偽装請負」という雇用形態。グローバル化で飽くなきコストカット、 人員削減を迫られたキヤノン、松下電器産業など超一流企業までもが、率先して安い労働力を求めて、違法行為に手を染めていた! 2006年夏から告発キャンペーン報道を展開し、新聞労連ジャーナリスト大賞優秀賞を受賞した朝日新聞取材チームが、 格差社会の「労働悲劇」を描き尽くす渾身のルポ。 ◆風間直樹(2007)『雇用融解――これが新しい「日本型雇用」なのか』東洋経済新報社。320頁、1680円。5月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代の労働者がいかに過酷な立場に立たされているかを徹底取材。待遇は改善されず、 または悪化する一方で、負うべき責任だけは膨らんでいく。雇用のあり方を問い直す警世の書。 ◆岩田正美(2007)『現代の貧困――ワーキングプア/ホームレス/生活保護』筑摩書房(ちくま新書)。 221頁、735円。5月10日刊行。 ◇〔本書カバー袖より〕格差社会の果てにワーキングプアや生活保護世帯が急増中、と言われる。 しかし本当にそうか?バブルの時代にも貧困問題はあった。ただそれを、この国は「ない」ことにしてきたのだ。 そもそも、貧困をめぐる多様な議論が存在することも、あまり知られていない。貧困問題をどう捉えるか、その実態はどうなっているのか。 ある特定の人たちばかりが貧困に苦しみ、そこから抜け出せずにいる現状を明らかにし、その処方箋を示す。 ◆谷岡一郎(2007)『データはウソをつく――科学的な社会調査の方法』筑摩書房(ちくまプリマー新書)。 176頁、798円。5月10日刊行。 ◆マーティン・コーエン著、榑沼範久訳(2007)『倫理問題101問』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 464頁、1470円。5月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ジレンマに向き合う問題集。 何が正しいことなのか。医療・法律・環境問題等、私たちの周りに溢れる倫理的なジレンマから101の題材を取り上げて、ユーモアも交えて考える。 ◆井上英夫・高野範城編(2007)『実務 社会保障法講義』民事法研究会。604頁、5040円。5月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕▼全体構成を、子ども、障害のある人、高齢者、女性等、対象者別による分類を試み、 判例・事件の実際を通して「生きた法」を学ぶための実践的手引書! ▼第1部では、社会保障をめぐる過去から現代までの状況・課題を明らかにし、法律実務家、福祉関係者等が社会保障法を学ぶ意義を示す! ▼第2部では、法律・制度と事件・判例を有機的に関連させて解説を施し、実際の事件がどのように起こり、 どのような経過をたどったかまでを、実際の事件を受任・担当した弁護士が紹介しており、「社会保障争訟」を体感できる! ▼第3部では、社会保障を実効あるものにするための手続的権利、会計・税務を解説! ▼特論として、「ハンセン病と社会保障」を設け、ハンセン病患者に対する国家的対応の問題・背景を指摘し、解決への取組みが果たした役割を述べる! ▼社会保障法を学ぶ法科大学院生・学生はもちろん、研究者、社会保障実務にかかわる弁護士等の法律実務家、福祉・介護・医療関係者、行政関係者必読! ◆田多英範(2007)『現代日本社会保障論』第2版、光生館。256頁、2520円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、1970年代後半から1980年代の日本の社会保障制度・政策を分析の対象とし、 その社会保障制度改革=福祉見直しはいつ頃から始まり、どのような特徴をもったものであったのか、 さらにそれは福祉国家あるいは福祉国家資本主義にとっていかなる意味をもった改革であったのか等を明らかにし、 そして制度再構築の動向をさぐる。第2版では,1990年以降の社会保障制度の変遷を新たな章として追加し,少子高齢化の急速な進展に伴う制度改革を論考。 ◆川上昌子編著(2007)『新版 公的扶助論』光生館。210頁、2310円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕公的扶助の概念,歴史,法制度を平明に解説し,日本における公的扶助の社会的意義を論じた。 新版においては保護受給者数の変化等,最新のデータに更新するだけでなく,昨今のきびしい貧困状況とそれへの保護行政のあり方を反映した内容を盛り込んだ。 ◆田澤あけみ・橋五江・橋流里子(2007)『社会福祉学の理論と実践』法律文化社。232頁、2835円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕思想、理論、国際類型、制度・政策、各領域、実践と援助技術を簡潔にまとめた、最新の社会福祉原論の教科書。 研究と政策・実践上の課題や争点を盛りこみ、社会福祉を考え、知識・理論を体系化できる力をつけることをめざす。 ◆アルフレッド・フランクラン著、高橋清徳訳(2007)『排出する都市パリ――泥・ごみ・汚臭と疫病の時代』悠書館。 286頁、2310円。4月刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕中世から近世にかけての数百年間、パリの路上には人や動物の糞尿があふれ、腐った食品のくずが散乱し、 セーヌ川には屠殺された牛や豚の臓物や血が途切れることなく流れ込んだ。うっかり道の端を歩こうものなら、頭上から容赦なく屎尿がぶちまけられた。 街は悪臭に満ち、それは王宮にまで及んだ。ひとたび疫病が発生するや、あっという間にパリを席巻し、数千数万の人々の命を奪った ――汚穢と汚臭に満ちていた時代のパリの生活空間を、第一次史料にもとづき、いきいきと再現。 ◆友枝敏雄・山田真茂留編(2007)『Do! ソシオロジー――現代日本を社会学で診る』有斐閣。304頁、1890円。4月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今,ここに起きているさまざまな現象を,社会学はどのようにとらえ,語りうるのか。 格差問題やリスク社会化など21世紀の日本の現実をクリアに浮かび上がらせ, 第一線で活躍するトップランナーが社会学の世界へ誘う「いちばんやさしい」現代社会論入門。 ◇武川正吾「ネオリベラリズムと福祉国家――グローバル化時代の生活保障」を収録。 ◆小峯 敦編(2007)『福祉の経済思想家たち』ナカニシヤ出版。324頁、2520円。4月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「良き社会」とは何か。貧困・失業問題の発見から福祉国家のグランド・デザイン、福祉国家批判から新しい福祉社会の模索まで、 福祉=良き社会のあり方をめぐって格闘した経済学者たちの軌跡をたどる。 ◆木原和美(2007)『医療ソーシャルワーカーのための社会保障論――こころとからだと社会保障』 勁草書房。256頁、2520円。4月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕医療ソーシャルワーカーは、日々の仕事の中で社会保障制度をどのように捉え、活用すべきか。 37年に亘る現場経験を踏まえ、持つべき視点を解説するテキスト。 医療ソーシャルワーカーは、社会保障制度に関する詳細な知識を活用することで患者支援を行うが、 個々のソーシャルワーカーの制度への認識の有様によっては、その対応内容は大きく変わってしまう。 医療・福祉制度が大きく変貌するなか、医療と福祉をつなぐ役割として、どんなスタンスで日々の相談活動にあたるべきかを提示するテキスト。 ◆神野直彦(2007)『財政学』(改訂版)、有斐閣。394頁、3360円。4月25日刊行。 ◆山田昌弘(2007)『少子社会日本――もうひとつの格差のゆくえ』岩波書店(岩波新書)。238頁、777円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子化のスピードが加速している.この30年で出生数は半減,今世紀半ばには現在の約3分の1にまで落ち込むという予測も出された. なぜここまで深刻化したのか.その決定的な理由を探るために,若者の不安定な職業状況,「パラサイト・シングル」の誕生,恋愛・結婚観の変容などを分析. 少子化論議に一石を投じる必読の書. ◆梶田 真・仁平尊明・加藤政洋編(2007)『地域調査ことはじめ――あるく・みる・かく』ナカニシヤ出版。 264頁、2940円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕あるく・みる・かく、地域調査――フィールドの入り口でとまどうあなたへ。 フィールドの入り口でとまどう若い人たちへ。テーマ決定から論文完成までのプロセスを、 分野も手法も多岐にわたる気鋭の研究者たちが自身の試行錯誤をもとにアドバイスする、今日からできる実践のてびき。 ◆倉沢愛子編著(2007)『都市下層の生活構造と移動ネットワーク ――ジャカルタ、東京、大阪、サン・クリストバルのフィールドワークによる実証』明石書店。360頁、5040円。4月19日刊行。 ◇〔出版社HPより〕都市の下層社会の形成と住民の生活構造について、インドネシア、メキシコ、日本の異なる構造をもった3つの国のケースをとりあげ、 開発とともに変容してゆく伝統社会のメカニズム、一方で発生する諸現象、共通する問題を探求しながら生活のありようを実証的に論ずる。 ◇第3章に中川清「都市下層の生活構造と社会的位置の変容――近現代の日本における貧困の性格変化」、 第4章に青木秀男「ひさぐ野宿者、もがく野宿者――地位隔離と意味世界」を収録。 ◆ 坂脇昭吉・阿部 誠編著(2007)『現代日本の社会政策』ミネルヴァ書房。344頁、3360円。4月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会政策とはなにか。労働と生活、福祉とのバランスをとりながら、基本的論点、現状と課題をわかりやすく解説する。 ◇拙稿「現代の貧困と公的扶助制度」を第7章に収録。 ◆大友昌子(2007)『帝国日本の植民地社会事業政策研究――台湾・朝鮮』ミネルヴァ書房。524頁、8400円。4月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕台湾・朝鮮の比較によって、植民地社会事業政策における「抑制された近代化」の共通点と相違点を明らかにした研究。 一番ケ瀬康子氏推薦。 ◆近藤克則編(2007)『検証「健康格差社会」――介護予防に向けた社会疫学的大規模調査』医学書院。200頁、4410円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕話題の「健康格差社会」第2弾、検証編。高齢者約3万3千人の大規模調査を用い、世界一の健康長寿を誇る日本の高齢者の実態を、 そして「健康格差」を検証。介護予防で注目されるうつ、転倒、閉じこもりや、虐待などにも、社会経済的地位による最大約7倍もの格差があった。 なぜ介護予防対策はうまくいかないのか、もう1つの介護予防戦略を探る。ストレス対処能力やソーシャルキャピタルにも注目した実証研究報告集。 ◆久塚純一・山田省三編(2007)『社会保障法解体新書』第2版、法律文化社。240頁、2415円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕年金、医療、介護などの分野で次々と行われる給付削減…。社会保障制度はいったいどこに向かうのか? 親しみやすいイラスト、導入対話、図表をまじえ現行制度を丸ごと解剖する。初版以降の法改正に対応した最新版。 ◆河野正輝・中島 誠・西田和弘編(2007)『社会保障論』法律文化社。350頁、2625円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障の基本を学ぶための入門書。現行制度のしくみを単純に概説するだけではなく、 制度の基礎にある考え方や論理を解き明かすことにより、初学者が基本原則をしっかり学習できるよう工夫。国試受験者にも役立つ書。 ◆富塚良三(2007)『経済原論 簡約版―――資本主義経済の構造と動態』有斐閣。378頁、3150円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済原論のテキストとして長年定評のあった大学双書『経済原論』を,より学生に手に取りやすいように, 高度な議論や講義ではあまり触れられない部分を割愛して,学習に必要な部分に限定することで,ボリュームを減らして提供する。 ◆デイヴィッド・ハーヴェイ著、本橋哲也訳(2007)『ネオリベラリズムとは何か』青土社。206頁、1995円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕新しい自由主義=ネオリベラリズムが世界を席捲するグローバル化によって、 国際格差と新しい階級社会が生まれつつある。それは世界システムそのものを危機に陥れるだろう。 現代を代表する社会科学者・地理経済学者が、ネオリベラリズムの歴史と現状を簡明に総括し、 それを分析・批判するための「地理的不均等発展の理論」を提唱する。 ◆社会政策学会編(2007)『格差社会への視座――貧困と教育機会』(社会政策学会誌第17号)、法律文化社。 282頁、3150円。3月31日刊行。 ◇〔出版社HPより〕豊かさのなかでの不平等の広がりをうけ「格差」をめぐる議論は国民的な関心をよんでいる。 社会政策学会の歴史のなかで中心課題であり続けた格差問題について、教育などの新たな論点を踏まえ、その現代的展開をさぐる。 ◆三井さよ・鈴木智之編(2007)『ケアとサポートの社会学』法政大学出版局。301頁、3360円。3月29日刊行。 ◇〔出版社HPより〕人が人を支えようとすることの意味は何か。その実践はどうあるべきか。 要介護高齢者、病者・障害者、生活保護受給者までを対象に、それを支える家族、職業的サービス提供者、 ボランティアたちに共通する問題群を明らかにする。実地調査と聞き取りにもとづき、ケアとサポートを、 支える側から支えられる側への一方通行としてではなく、両者の相互行為として捉え直す。 ◆大沢真理(2007)『現代日本の生活保障システム――座標とゆくえ』 (シリーズ 現代経済の課題)、岩波書店。240頁、2730円。3月28日刊行。 ◇〔出版社広告より〕新しい社会的リスクが広範に顕在化するなか、福祉のあり方が問い直されている。 日本の生活保障システムを、時系列的・国際的に比較相対化し、ジェンダー視点に基づいて批判的に検証する。 課題解決へのシナリオを描く労作。 ◇〔出版社HPより〕経済の急激なグローバル化とポスト工業化が進行し,「新しい社会的リスク」が顕在化するなかで, いま日本の生活保障のあり方が問われている.本書は,日本の生活保障システムを時系列的・国際的に相対化し, ジェンダー的視点に基づいた分析により,批判的に検証する.「福祉」再構築の条件を提示し,課題解決へのシナリオを描き出す労作. ◆御船美智子・財団法人家計経済研究所編(2007)『家計研究へのアプローチ――家計調査の理論と方法』 ミネルヴァ書房。284頁、4725円。3月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕家計を調べると社会が見えてくる。実践的知識とデータ分析の方法を示し、家計調査の面白さと重要性を伝える。 家計が示すのは単に家族の経済関係だけではない。家計、企業、政府など経済主体の間で貨幣が回っている状況が経済社会全体の様相をつくるのである。 本書は、そうした多様な情報を示す重要かつ興味深い対象としての家計を研究するための理論的・実践的知識、 そしてデータの分析方法を示し、家計調査へとあなたを誘う。 ◆近藤克則(2007)『医療・福祉マネジメント――福祉社会開発に向けて』ミネルヴァ書房。 224頁、2520円。3月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「PDCAサイクルを回せ」「問題指向から目標指向へ」などのマネジメントの原則と方法論は、 医療・福祉の領域にも適応可能である。臨床レベルの「医療・福祉」の統合から、事業体レベルの「サービスの質向上と経営の両立」、 「持続可能な社会」を目指す政策レベルまで、マネジメントを科学する。全体を捉えたい人、10年単位の大きな流れを知りたい人、 新しい研究の視点を求める人に必読の一冊。初学者・実践家向けのコラムも充実。 ◆菊池正治・清水教惠編著(2007)『基礎からはじめる社会福祉論』ミネルヴァ書房。244頁、2520円。3月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉の体系を簡潔に示し、初学者が体系的に理解できるように構成されたテキストである。 制度と技術を統合的にとらえ、真の実践力を身に付けるための基礎固めに最適な一冊。章末に用語解説付き。 ◆椋野美智子・田中耕太郎(2007)『はじめての社会保障――福祉を学ぶ人へ』第5版、有斐閣。290頁、1890円。3月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕徹底的なわかりやすさで好評の入門テキストの第5版。「なぜ」「どうして」と考えていくうちに, 制度の構造を立体的に理解できるよう工夫。医療制度改革に伴い,「第1章医療保険」を全面的に改訂。 最新の統計データと正確な制度解説によりパワーアップ。 ◆岡本英男(2007)『福祉国家の可能性』東京大学出版会。400頁、6720円。3月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕グローバリゼーションの進展によって福祉国家は解体しつつあるのだろうか? 本書では,アメリカやスウェーデンの改革において福祉国家が再編されつつもその枠組みを維持したことを示し, 分権化や民営化などの潮流に対応した福祉国家の新たな姿を描き出す. ◆副田義也(2007)『内務省の社会史』東京大学出版会。696頁、10290円。3月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕大久保利通による創設以来,戦後GHQによる解体まで74年, 内務省は「役所のなかの役所」として,日本の内政に君臨した.政治家や官僚たちの社会的行為の輻輳のうちに, 警察,地方行財政,国土,衛生,労働,宗教の諸領域で,近代国家建設の栄光と悲惨を描く. ◆間宮陽介(2007)『丸山眞男――日本近代における公と私』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 304頁、1155円。3月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕その思想の底にある問い。 その思考に隠された問いとは?「近代主義者」「進歩的文化人」というイメージを覆し、ラディカルな思索者・思想家としての新たな像を提出する。 ◆稲葉一洋(2007)『地域福祉の発展と構造』学文社。260頁、2625円。2月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕わが国で発展を遂げてきた地域福祉を時系列のなかで捉え返し、その発想や枠組み、現状と課題を構造的に再考。 第1部「地域福祉とコミュニティ」では、地域福祉への方向転換を軸に据えつつ、そのあり方や方向性を中心にまとめる。 第2部「地域福祉の展開と構成」では日本における地域福祉を概観し、その理念・概念・内容を論述。 第3部「地域・住民による福祉形成」では住民参加をテーマとし、 第4部「社協・地域ケア・計画」地域福祉における各種の課題を取り上げた。 ◆冨江直子(2007)『救貧のなかの日本近代――生存の義務』ミネルヴァ書房。322頁、5775円。2月23日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「大正デモクラシー」から「戦時体制」へ。社会事業は転向したか? 救貧をめぐる言葉と経験のなかに、日本近代のあり方を読み取る。 戦前日本の救貧は、個人の権利でもなく、国家による恩恵でもなく、シティズンシップにともなう国民の義務、〈全体〉への参加の義務であった。 本書は、1920年代から1940年前後を中心に、救貧をめぐって展開された〈言説実践としての政治過程〉を分析し、 この時期を通じて繰り返された救貧理念 “生存の義務” の構造と、それが時代を超えて再生産されていく過程を明らかにする。 ◆横山源之助(1954)『内地雑居後之日本 他一篇』岩波書店(岩波文庫)。202頁、588円。2月21日重版再開。 ◇〔出版社HPより〕「日本の下層社会」において労働者の実態に深い観察を加えた著者が,わが国近代労働運動の黎明期に, 労働階級解放の道を簡明直截に説いた書.当時の進歩主義者の見解を代表しており,その主張には現代的意義をさえ感じる. 「大阪工場めぐり」は従来未発表のもの.そこに示された日本産業の幼稚な姿にこそすべての問題がある. ◆二木 立(2007)『介護保険制度の総合的研究』勁草書房。296頁、3360円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕1996〜2006年まで10年に亘る介護保険関連の政策研究と実態調査研究を集大成。 公式解説・通史に欠落する重要事実・視点を多数含んだ「もう1つの介護保険史」。 1996年介護保険創設の提唱から、2006年の介護保険法改正実施まで、厚生労働省が時々に発表した 公式・非公式の文書・情報、将来予測の当否、および介護保険制度の弊害軽減のため行われた 改革提案がどのような経緯をたどったか──医療改革の実験場といわれる 介護保険制度の創設から現在までの検証を通じ、医療と福祉の今後を見通す。 ◆青木 紀・杉村 宏編著(2007)『現代の貧困と不平等――日本・アメリカの現実と反貧困戦略』明石書店。 327頁、3150円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「格差論」から「貧困論」へ。格差の存在に関する堂々巡りの議論を超え、もはや無視できない現代の「貧困と不平等」の現実を実証し、 あるべき「社会的公正」を探る。2006年9月に行われたシンポジウムを基に、第一線の研究者たちが日本とアメリカの貧困問題に迫る書。 ◆北場 勉(2007)『入門 社会保障』ミネルヴァ書房。360頁、3675円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕初学者が目に見えない社会保障制度のイメージをつかめるように、まず制度を取り巻くシステム全体を概観し、 さらに制度を要素に分解した上で、その要素を順序立てて解説した1冊。 ◆小峯 敦(2007)『ベヴァリッジの経済思想――ケインズたちとの交流』昭和堂。448頁、4725円。2月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕従来、あまり研究対象にならなかったベヴァリッジの経済思想を取り上げる。 ピグー、ケインズ、ヘンダーソン、ロビンズといった専門的経済学者と比較し、政府公文書などの資料を用いて分析する。 ◆川上昌子(2007)『社会福祉原論読本』学文社。218頁、2415円。2月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉改革、また改革と関連する「福祉サービス」は、社会福祉分野の中でどのように位置づけられてきたのか。 公的扶助、老人福祉、女性・母子福祉、障害者福祉、社会福祉と貧困の5つのフィールドにおける実証的調査をもとに、 社会福祉改革が進みはじめた1980年代以降の日本の社会福祉の実態を、わかりやすく解説している。 社会福祉原論理解のための副読本として最適な一冊。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕社会福祉に関することがらについての考えを述べた、論文や報告書、時評などを集録。 「福祉」の幻想が振りまかれ、公的責任に裏づけられた社会福祉が後退を余儀なくされている中、何が事実か、何が必要かを探る。 ◆阿部謹也(2007)『中世賤民の宇宙――ヨーロッパ原点への旅』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 400頁、1365円。2月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕畏怖から賤視へ。 西洋中世の身分差別と賤民。 阿部史学の代表作。 西洋中世の身分差別と賤視の問題に正面から取り組んだ著作。畏怖が賤視に変わる過程を考察、中世の人々の心的構造の核に迫る。 ◆中山 元(2007)『思考の用語辞典――生きた哲学のために』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 560頁、1365円。2月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕わくわくの哲学が始まる! 新しい意味をになう100の哲学概念。 今日を生きる思考を鍛えるための用語集。時代の変遷とともに永い眠りから覚め、新しい意味をになって冒険の旅に出る哲学概念100の物語。 ◆フィリップ・ヒル著、新宮一成・村田智子訳(2007)『ラカン』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 256頁、1050円。2月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕生の意味は意味の生である。難解なラカンの思想をビジュアルに解明。 フロイトの精神分析学の跡を受け構造主義思想に多大な影響を与えたジャック・ラカン。きわめて難解とされるその思想を読み解く。 ◆佐和隆光(2007)『この国の未来へ――持続可能で「豊か」な社会』筑摩書房(ちくま新書)。208頁、714円。2月5日刊行。 ◆秋元美世(2007)『福祉政策と権利保障――社会福祉学と法律学の接点』法律文化社。220頁、3360円。1月31日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉政策においてともすれば無視される福祉の権利について、 その構造と特質を英米の理論と日本の福祉政策に基づき論究する。 権利か裁量かの二者択一的な従来の議論に対して新しい権利保障の枠組みを提示する。 ◆デイヴィッド・K・シプラー著、森岡孝二・川人 博・肥田美佐子訳(2007)『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』 岩波書店。368頁、2940円。1月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕働いても働いても生活できない,それどころか,貧困の悪循環に陥り,生活がますます苦しくなっていく……. 新自由主義経済の繁栄の片隅で何が進行しているのか.実力派ジャーナリストが低賃金労働者たちへの数年にわたる無数の聞き取りから, 怒りをこめて告発する.出版されるなり,たちどころにベストセラーになった話題の書. ◇『読売新聞』2007年2月18日朝刊に書評掲載。 ◆横田 一(2007)『介護が裁かれるとき』岩波書店。224頁、1680円。1月25日刊行予定。 ◇〔出版社HPより〕約150万人の高齢者が介護施設で「介護・介助」を受けている今,施設での事故等が報道され始めている. 母の死に疑問をもった著者は,施設について調べ,介護裁判の当事者に.全国の介護事故の被害者,施設で働く人への取材を重ねる……. よりよい高齢社会のために,何ができるのかを問いかける,渾身のルポルタージュ! ◆カール・マルクス著、今村仁司・村岡晋一訳(2007)『時局論(下)――芸術・文学論 手紙』(マルクス・コレクション Z)、筑摩書房。 472頁、3465円。1月25日刊行。 ◆田中 滋・二木 立編著(2007)『医療制度改革の国際比較』(講座 医療経済・政策学 第6巻)、勁草書房。192頁、2730円。1月24日刊行。 ◇〔出版社HPより〕岐路に立つ日本医療の改革を目指す新たな分析視点「医療経済・政策学」シリーズ第6巻。 改革の手法を国際的に比較することにより、日本医療の行くべき道を探る。 経済のグローバル化は各国の医療政策にも大きな影響を与えている。増大する国民医療費に各国はどのように対処し、医療制度を改革してきているのか。 先進諸国の医療保障・提供制度の類型論から、民間保険や患者負担、プライマリーケアの国際比較、英米の医療政策評価などの分析を通じ、 今後日本医療がなすべき改革を示唆する。 ◆日本ソーシャルインクルージョン推進会議編(2007) 『ソーシャル・インクルージョン――格差社会の処方箋』中央法規出版。3150円。1月20日刊行。 ◆ジョージ・オーウェル著、小野寺健訳(2007)『パリ・ロンドン放浪記』岩波書店(岩波文庫)。693円。1月16日ごろ重版でき。初版は1989年。 ◇〔出版社HPより〕インド帝国の警察官としてビルマに勤務したあとオーウェルは一九二七年から三年にわたって自らに窮乏生活を課す. その体験をもとにパリ貧民街のさまざまな人間模様やロンドンの浮浪者の世界を描いたのがこのデビュー作である. 人間らしさとは何かと生涯問いつづけた作家の出発にふさわしいルポルタージュ文学の傑作. ◆日野秀逸(2007)『医療構造改革と地域医療――医師不足から日本の医療を考える』自治体研究社。93頁、1260円。1月16日刊行。 ◆伊藤周平(2007)『権利・市場・社会保障――生存権の危機から再構築へ』青木書店。373頁、3780円。1月10日刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕貧困の拡大のなかで増加する餓死、孤独死、介護疲れによる無理心中…。 構造改革の名のもとに進行する社会保障の市場化の現状を検証し、基本理念としての生存権を基軸に、 真の社会保障とは何かをあらためて問う一冊。 ◆トム・ルッツ著、小澤英実・篠儀直子訳(2006)『働かない――「怠けもの」と呼ばれた人たち』青土社。520頁、3360円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕いつまで経ってもカウチから起き上がってこない息子を前にして、とうとう私はキレた。 と同時に、人類と労働に関する歴史を遡る決意をしたのだった。私たちは、なぜ働かない人たちに対して怒りを感じるのか。 パウロの書簡「働きたくない者は、食べてはならない」から、情報社会の怠け者まで――。 数々の文学・映画作品、社会学・心理学のデータを駆使して綴られた、壮大なる「労働文化誌」。 ◆野口定久編(2006)『福祉国家の形成・再編と社会福祉政策』(日本・韓国――福祉国家の再編と福祉社会の開発 第1巻)、 中央法規出版。257頁、2730円。12月刊行。 ◆OECD編著、高木郁朗監訳、麻生裕子訳(2006)『図表でみる世界の社会問題 OECD社会政策指標――貧困・不平等・社会的排除の国際比較』 明石書店。116頁、2625円。12月刊行。 ◆萩原康生・松村祥子・宇佐見耕一・後藤玲子 編集代表(2006)『世界の社会福祉年鑑 2006』旬報社。555頁、15750円。12月刊行。 ◆新 睦人編(2006)『新しい社会学のあゆみ』有斐閣。353頁、2205円。12月刊行。 ◆志賀志那人研究会代表・右田紀久惠編(2006)『都市福祉のパイオニア 志賀志那人 思想と実践』(大阪叢書 3)、和泉書院。327頁、5250円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の社会福祉は「西高東低」といわれるが、その歴史的背景に志賀志那人(しが・しなと)の存在があった。 近代大阪として発展するかげに資本主義の波にのまれた底辺住民の存在は無視できなかった。志賀はそれらの人々を対等な人間関係のなかで、 自立と協同を促す施策を大阪(北)市民館を中心に展開した。公吏としての志賀はその信仰に裏づけられた使命感と社会学的思想を駆使して 山積する諸課題に挑戦した。その足跡はまさに先駆者の道であった。 本書は、大阪文化の育成や子供の福祉を追求した志賀の近代社会福祉の構築を、今日的視点から検証するために新たな史料と研究視角から アプローチしたもので、大阪市社会福祉研修・情報センター所長右田紀久惠先生を中心とした研究成果である。 このほか大正期の興味深い志賀の『軍隊日誌』や『書誌』『年譜』も掲載されている。 ◆尾藤廣喜・吉永 純・松崎喜良(2006)『これが生活保護だ――福祉最前線からの検証』改訂新版、高菅出版。 445頁、2900円。12月30日刊行。 ◇初版は2004年4月刊行。 ◆牧原憲夫(2006)『民権と憲法』(シリーズ 日本近現代史 2)、岩波書店(岩波新書)。256頁、777円。12月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕1877(明治10)年の西南戦争終結後,議会開設の要求が強まり,自由民権運動が全国各地でまきおこった. そして1889(明治22)年には,大日本帝国憲法が発布される.国民国家と競争社会が確立した現代の原点ともいえる時代を, 政府・民権派・民衆の三極対立という新しい視点で描きだす.シリーズ第2冊. ◆佐藤郁哉(2006)『フィールドワーク――書を持って街に出よう』増訂版、新曜社。 320頁、2310円。12月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ついに強力大改訂! 本書はまさにフィールドワークが日本で脚光をあびる駆動力となり、 ロングセラーとして版を重ねてきました(22刷)。刊行以来十年、当時は考えられなかったような多くの学生が、 この研究法を習得したいと考えています。また道具や機器も発展しました。そこでこのたびこのような状況の変化に添って大幅に書き改め、 新項目も追加して、待望の改訂版として生まれ変わりました。類似の本も刊行されるようになりましたが、 フィールドワークを志す学生がまず第一に読むべき本として、これからも読み継がれていくでしょう。 西欧的な思考法や研究法の解体とともに改めて注目をあびているフィールドワーク。その論理とは? 暴走族の研究で知られるフィールドワーカーが,その基本的発想から方法・技法・情報整理のツールまで, すべてを語り尽くした大好評の入門書。(旧版の紹介記事より) ◆武田 宏(2006)『高齢者福祉の財政課題――分権型福祉の財源を展望する』増補版、あけび書房。287頁、2520円。12月15日刊行。 ◆阿部謹也(2006)『ヨーロッパを見る視角』岩波書店(岩波現代文庫)。350頁、1155円。12月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヨーロッパは個人を重視する社会へといかに転換したか.11世紀以前には,贈与互酬, 長幼の序を重んじて日本と同様な「世間」が存在していた中から,国家と教会の介入の下に個人が誕生していく背景を探る. 恋愛の成立,市民意識の形成,都市と文化等,ドイツ中世史研究と日本の「世間」論を結合させ考察する. ◆伊藤 誠(2006)『『資本論』を読む』講談社(講談社学術文庫)。 478頁、1470円。12月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学の最高の古典ともいえる『資本論』は、夥しい人々に読み継がれ、世界を大きく動かしてきた。 マルクスは当時の社会の現状と人々の生活を見据え、資本主義経済の原理とその運動を体系的に分析した。 本書では、厖大かつ難解な叙述の続くこの名著の講読を長年行ってきた著者が、エッセンスとなる章句を選び出し、 懇切な解説を施し、その魅力と豊かな内容を引き出す。 社会科学のなかで最高の古典のひとつとされる『資本論』は、豊かな魅力にみちた名著である。 しかしまた、読み通すのに骨がおれる規模と深さを有している。初学者にもそのエッセンスと魅力をじかに 味わってもらえる小著はできないものであろうか。(略)多年にわたる継続的な講読の経験を活かして、 『資本論』のエッセンスを本書にわかりやすく凝縮してみたい。――<本書「まえがき」より> ◆医療政策学校編集委員会編(2006)『医療政策学校』No. 3、本の泉社。40頁、721円。12月10日刊行。 【巻頭言】 自分史を考える 野村 拓 事務労働への「管理労働」論的アプローチ 川口啓子 ウィルヒョウとフランス臨床学派――病理概念の変遷を考える 後藤幸一 社会調査との出会い――調査入門当時の思い出 垣田裕介 現場・研究・自分史 新谷恵美 看護系大学院での教育の実情と研究に対しての私的方向性 ――看護系大学院生の立場から 野口宣人 児童養護問題研究の意義と自分史 堀場純矢 看護師として大学院に学ぶ 天野敬子 社会福祉を学ぶにあたって――怒りと希望と思考の自分史 北村香織 介護福祉士養成制度の見直しとその課題 坂本毅啓 海外・新刊紹介 (6)〜(9) 医療政策学校のあゆみ ◆阿部謹也(2006)『近代化と世間――私が見たヨーロッパと日本』朝日新聞社(朝日新書)。200頁、735円。12月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「私はこれまでほぼ五十年にわたってヨーロッパ中世史の研究をしてきた」 という一文から始まるこの新書は、著者がさる9月、急逝の日の朝まで朱を入れていた。 西洋と日本、それぞれの近代化について論じる総決算の書。著者は、ドイツ中世の研究で名をなすかたわら、 日本社会を、「世間」というキーワードを使って分析してきた。 『ハーメルンの笛吹き男』『中世の窓から』『「世間」とは何か』などのベストセラーでも知られる。 ◆神野直彦・宮本太郎編(2006)『脱「格差社会」への戦略』岩波書店。224頁、1680円。12月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕格差社会がさまざまに論じられ,情報が氾濫するなか,一体この問題をどのように捉え,考えたらよいのか. 税制は格差を助長していないか.雇用,社会保障,教育の現場で何が起きていて,どうすればよいのか. 各界の第一人者16人による討論および論考が,多くの示唆を与えてくれる.『世界』好評連載プラス書き下ろし. ◆金 智美(2006)『福祉国家体制確立期における自治体福祉政策過程』公人社。257頁、3675円。11月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕1960・70年代に出現した日本の福祉国家現象を取り上げて、 日本の福祉国家拡大の要因やその帰結についての社会学的分析を行い、日本型福祉国家をめぐる新たな知見を提示。 川崎市のフィールドワークから生まれた実証分析。 ◇目次: 第1章「日本型福祉国家の社会学的分析」、第2章「『福祉政策形成レジーム』の事例としての川崎市」、 第3章「『保育政策レジーム』の『社会階層化構造』」、第4章「『障害者福祉政策レジーム』の『家族依存的構造』」、 第5章「『高齢者保健福祉政策レジーム』の『非対称的構造』」、第6章「『日本型福祉国家レジーム』の外延と内包」 ◆福祉臨床シリーズ編集委員会編、伊藤秀一責任編集(2006)『臨床に必要な公的扶助』 (福祉臨床シリーズ 5)、弘文堂。224頁、2625円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「現場」で役立つ!! 生存権保障の原点であり、基礎である公的扶助の権利性を高めるための提案。 公的扶助分野における権利擁護のあり方に重点をおき、改めて権利実現をめざす公的扶助のあり方を追求します。 ◆阿部謹也(2006)『歴史家の自画像――私の学問と読書』日本エディタースクール出版部。200頁、1680円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕著者は,ヨーロッパ中世社会を独自の視点で描き出し,名著『ハーメルンの笛吹き男』などで多くの読者を魅了してきましたが, 2006年9月急逝しました. 本書は著者の歴史観の形成を,「読書」と「学問」を軸にあらためてたどったものであり,格好の「阿部社会史」入門書になっています. ◆仲正昌樹(2006)『集中講義! 日本の現代思想――ポストモダンとは何だったのか』 日本放送出版協会(NHKブックス)。 269頁、1071円。11月30日刊行。 ◆平松貞実(2006)『社会調査で何が見えるか――歴史と実例による社会調査入門』新曜社。304頁、2520円。11月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕前著『世論調査で社会が読めるか』(2310円)の姉妹編。前著では、世論調査のおもしろさを身近な話題を手がかりにわかりやすく説き、 さいわい好評を得ました。本書では、年々、実施が難しくなっている社会・世論調査の現状をいかに乗り越えるかという問題意識で、 調査のやり方を具体的に解説しながら、歴史的視点を交えた方法論として、社会調査の重要性を提示します。 「社会調査を学ぶことは社会の見方を学ぶことである」、「頭で見、足で考えよ」という著者のメッセージは、 これから調査にたずさわろうという若い人、調査の読み方に関心のある一般の読者にも、多くの示唆を与えるでしょう。 ◆門倉貴史(2006)『ワーキングプア――いくら働いても報われない時代が来る』宝島社(宝島社新書)。 222頁、756円。11月24日刊行。 ◆狩谷あゆみ編著(2006)『不埒な希望――ホームレス/寄せ場をめぐる社会学』松籟社。320頁、2310円。11月21日刊行。 ◆井上勝生(2006)『幕末・維新』(シリーズ 日本近現代史 1)、岩波書店(岩波新書)。819円。11月21日刊行。 ◇〔出版社HPより〕黒船来航から,明治維新へ──激しく揺れ動いた幕末・維新とはどういう時代だったのか. 東アジア世界に視点をすえ,開国から西南戦争までを最新の研究成果に基づいて描く新しい通史. 従来から「屈服」したと言われてきた幕末外交システムを再評価し,それが維新政府に継承されていく過程を明らかにする. シリーズ第1冊. ◇第2巻:牧原憲夫『民権と憲法』、第3巻:原田敬一『日清・日露戦争』、第4巻:成田龍一『大正デモクラシー』、 第5巻:加藤陽子『満州事変から日中戦争へ』、第6巻:吉田 裕『対英米開戦と総力戦』、第7巻:雨宮昭一『占領と改革』、 第8巻:武田晴人『高度成長』、第9巻:吉見俊哉『ポスト戦後社会』、第10巻:宮地正人編『日本の近現代史をどう見るか』 ◆六波羅詩朗編著、長友祐三・須藤昌寛著(2006)『ケアマネ業務のための生活保護Q&A』中央法規出版。138頁、1470円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活保護は難解だ…。生活保護受給者が増え続けるなか、ケアマネジャーとしてどんな知識を持っていればよいのだろう? 本書では、ケアマネに必要な生活保護の知識を、給付管理・ケアマネジメントの両面からわかりやすく解説。Q&Aによって複雑な事務手続きをサポートする。 ◆二木 立(2006)『医療経済・政策学の研究視点と方法』勁草書房。224頁、2520円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕医療の未来を見通すには適切な技法が要る。医療経済・政策学研究をめざす学生・若手研究者・職業人に向けた、 資料整理から研究方法論までのハウツーがわかる必読書。 「講座 医療経済・政策学」シリーズ関連書として、この分野の研究技法を解説した入門書。 資料検索のコツやディベートの技法、統計の読み方から独自調査の方法までを解説。 必読書籍リストも付し、分野の基礎知識と学習方法が身につく構成となっている。 社会福祉士国家試験に驚異の合格率を誇る二木ゼミの教育方法論としても必読の1冊。 ◆小倉襄二・浅野 仁編(2006)『新版 老後保障を学ぶ人のために』世界思想社。 356頁、2625円。11月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕〈老い〉の実相に対する多面的な視点からの考察と課題提起の試み―― 制度、政策、サービスの局面への理解とともに、その心性の変容、高齢社会と老いの局面に出現する イメージや意識・老いと死生への問いなどについての論考を重視した新版。 ◆池上直己(2006)『ベーシック 医療問題』第3版、日本経済新聞社(日経文庫)。 192頁、1050円。11月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕患者の負担は? 医療の質の維持は? 今年成立した医療制度改革法によってどう変わるかがわかる最新版。 医療保険、診療報酬体系など日本の医療制度の仕組み、医療改革の現状と問題点をやさしく解説する。 ◇初版刊行は1998年、第2版刊行は2002年。 ◆岩田正美・小林良二・中谷陽明・稲葉昭英編(2006)『社会福祉研究法』有斐閣(有斐閣アルマ)。 350頁、2100円。11月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉の卒業論文やレポートを書く前に読んでほしい研究案内。 第1・2部で,援助実践と研究の関係,社会科学全体の中での社会福祉学の独自性,研究の倫理と手続などをわかりやすく解説し, 第3部では様々な研究事例を,研究方法から解説する。 目次:第1部 社会福祉研究とは何か=第1章「なぜ,何を研究するのか」(岩田正美)、第2章「現場の視点と研究の視点」(小林良二)、 第3章「先人に学ぶ――研究レビューの進め方とレビュー論文の書き方」(平岡公一)、第4章「研究の倫理」(米本秀仁)。 第2部 研究の設計と手順=第5章「研究をどう設計するか」(稲葉昭英・岩田正美・小林良二)、第6章「仮説の構築と検証の手続き」(稲葉昭英)、 第7章「研究資料の収集と分析」(中谷陽明)。 第3部 研究事例に学ぶ=第8章「量的調査データの実証分析」(石川久展)、第9章「高齢者介護のフィールド(現場から)」(田川佳代子)、 第10章「ミクロレベルの評価分析」(三原博光)、第11章「メゾレベルの評価分析」(高山恵理子)、第12章「計画研究」(平野隆之)、 第13章「問題を政策と結ぶ研究」(岩田正美)、第14章「外国研究・国際比較研究」(所 道彦)。 ◆小塩隆士・田近栄治・府川哲夫編(2006)『日本の所得分配――格差拡大と政策の役割』東京大学出版会。 256頁、3990円。11月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕拡大する所得格差に対し政策はいかに対応できるのだろうか? 社会保障制度や税制といった再分配政策の機能と限界を明らかにするとともに, 世帯構成の変化が所得分配に与える影響を分析することで,制度改革の方向性を描き出す. ◇第5章に、「貧困の現状とその要因――1980−2000年代の貧困率上昇の要因分析」(阿部 彩)を収録。 ◆間宮陽介(2006)『増補 ケインズとハイエク――〈自由〉の変容』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。 240頁、998円。11月8日刊行。 ◇〔出版社HPより〕真の自由主義とは? 市場原理主義と新自由主義への歴史的警鐘! 真の自由主義とは何か。20世紀を代表する思想家が突き当たった「自由」の探求を通して、二人の思想の本質を明らかにする。新たに補論を増補。 ◆G・A・コーエン著、渡辺雅男・佐山圭司訳(2006)『あなたが平等主義者なら、どうしてそんなにお金持ちなのですか』 こぶし書房。409頁、4830円。10月刊行。 〔「MARC」データベースより重引〕格差社会は「正義」か? ロールズの「正義論」−格差原理擁護論と対決し、 ネオ・リベラリズムの不平等容認イデオロギーを撃つ、アナリティカル・マルクス主義の第一人者からの挑戦状。 ◆I・ウオーラーステイン著、山下範久訳(2006)『入門・世界システム分析』藤原書店。261頁、2625円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕創始者自身が初めて語る、その全体像! 地球規模の「近代世界」を位置づける最も包括的なツールの、来歴、分析枠組み、そして、その可能性。 初学者から、既にこの理論に触れた読者にも応える、待望の書がついに登場。 ◆社会政策学会編(2006)『東アジアにおける社会政策学の展開』法律文化社。290頁、3990円。10月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「生産的福祉」のもと社会改革を進める韓国、市場経済に対応した社会保障制度整備を行う中国、 そして日本の具体的政策を明らかにし、社会政策学確立の可能性をさぐる。 ◆京極宣(2006)『生活保護改革の視点――三位一体と生活保護制度の見直し』全国社会福祉協議会出版部。 160頁、1890円。10月27日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今、生活保護改革に求められている課題を10のポイントに整理し、課題と改革の方向をわかりやすく解説。 ◇「序」の対談相手は、岩田正美氏。 ◆市野川容孝(2006)『社会』(思考のフロンティアII 6)、岩波書店。252頁、1680円。10月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今日の社会科学にとって重要な問いは,「社会とは何か,それはいかにして可能か」という抽象的な問いではない. ある歴史性をもって誕生し,この問い自身が不可視にする「社会的」という概念を問題化することである. この概念の形成過程をたどり直し,福祉国家の現在を照射することで,「社会的なもの」の再編を試みる. ◆I・ウォーラーステイン著、川北 稔訳(2006)『近代世界システム――農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立』T・U、 岩波書店(岩波モダンクラシックス)。T:330頁、2835円。U:310頁、2730円。10月24日刊行。 ◆乾 彰夫編著(2006)『不安定を生きる若者たち――日英比較 フリーター・ニート・失業』大月書店。168頁、2100円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕フリーター・ニート議論の新局面へ――フリーター、「ニート」、失業、ワーキングプア…… 不安定な生を強いられ、希望を失っていく若者たち。「学校から仕事への移行」の不安定化と若者の社会的排除=貧困層化が各国で深刻化するなか、 先行するイギリスの経験から日本は何を学ぶべきか。日英両国の第一線研究者による分析と討論が、議論を国際的視野へとひらく。 ◆中野麻美(2006)『労働ダンピング――雇用の多様化の果てに』岩波書店(岩波新書)。240頁、819円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕人間の労働が物件費に組み込まれ,商品以上に買い叩かれる.競争に競り勝って仕事を得ても,正社員とのポスト争いで泥沼. 働く現場がダンピング攻勢にさらされている.派遣社員,パート・アルバイト,偽装請負……雇用の液状化現象が働き手を襲う生々しい現状報告. 一人ひとりが人間として働き生きるためのオルタナティブを考える. ◆大庭 健(2006)『善と悪――倫理学への招待』岩波書店(岩波新書)。224頁、777円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕道徳的にみて「善い」「悪い」という判断には,客観的な基準はあるのか? 「赤い」「青い」などの知覚的判断や,「酸性」「アルカリ性」などの科学的判断とはどう違うか. その基準となる「道徳原理」とは? 気鋭の倫理学者がソクラテス以来の大問題を, 最新の分析哲学の手法を用いて根本から論じ,倫理学の基本を解き明かす. ◆湯川秀樹(1963)『本の中の世界』岩波書店(岩波新書)。735円。10月20日復刊。 ◇〔出版社HPより〕読者はこの本で湯川博士のくつろいだ姿に接することができる. 読者とともに散歩しつつ,読書の思い出を述べ,あるときはエラスムス,アインシュタインにふれて世界観を語り, あるときは荘子,墨子,ドストエフスキーに説き及んで人生を語る.科学的思索を支える教養の広くゆたかな裾野が峰の高さをしのばせる. ◆佐藤 望編著(2006)『アカデミック・スキルズ――大学生のための知的技法入門』慶應義塾大学出版会。 164頁、1050円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕研究テーマの決め方は? レポート・論文の書き方は? アカデミック・スキルズとは、大学生のための学びの技法。 研究テーマの決め方、情報の探し方、まとめ方、文章の書き方、プレゼンテーションのやり方などを具体的かつわかりやすく伝授する。 ◆加藤榮一(2006)『現代資本主義と福祉国家』ミネルヴァ書房。368頁、6300円。10月20日刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕本書は、故加藤榮一論文集全2巻のうちの第1巻であり、 著者の「資本主義理解の枠組み」の形成・発展過程を辿るとともに、加藤現代資本主義論=福祉国家論の理論編にあたる。 本書において、現代資本主義の歴史的位置、資本主義と国家の関係、資本主義発展史に占める福祉国家の位置づけ、 福祉国家と社会主義との関係、民営化の歴史的意義、資本主義の発展構造仮説、20世紀福祉国家システムの解体など、 オリジナリティの高い議論が展開されている。 ◆ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ著、宇野邦一訳(2006)『アンチ・オイディプス――資本主義と分裂症』上、 河出書房新社(河出文庫)。416頁、1260円。10月20日刊行。 ◆ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ著、宇野邦一訳(2006)『アンチ・オイディプス――資本主義と分裂症』下、 河出書房新社(河出文庫)。416頁、1260円。10月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕最初の訳から二十年目にして“新訳”で送るドゥルーズ=ガタリの歴史的名著。 「器官なき身体」から、国家と資本主義をラディカルに批判しつつ、分裂分析へ向かう本書は、いまこそ読みなおされなければならない。 ◆ガルブレイス著、鈴木哲太郎訳(2006)『ゆたかな社会』決定版、岩波書店(岩波現代文庫)。 448頁、1365円。10月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「ゆたかさ」の増大と普及は私達に何をもたらしたか. 現代資本主義の特質を明らかにした著作として古典的位置を占める本書(第4版)では, マネタリズムの金融政策,環境問題,軍事支出などを既に批判的に考察, ゆたかな社会が政治的に保守化していくという陥穽が解明される.世界を掴む必読書の名に恥じない. ◆室住眞麻子(2006)『日本の貧困――家計とジェンダーからの考察』法律文化社。214頁、3255円。10月12日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ジェンダー視点から家計研究の歴史をたどり、低所得世帯の家計を分析。 これまで見逃されてきた日本における女性や子どもの貧困の実態を明らかにし、福祉国家のあり方を検討する。 ◆本間照光・白井邦彦・松尾孝一・加藤光一・石畑良太郎(2006)『階層化する労働と生活』日本経済評論社。 364頁、4800円。10月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕格差拡大のもとで、労働と生活の総合性と相互関連が問われている。 雇用、生産システム、職業教育、家族と社会的排除について、 日本、英国、中国の比較をふまえ検証。 ◇第6章に、「社会的排除とホームレス問題の研究動向」(石畑良太郎)を収録。 ◆竹下義樹・吉永 純編著(2006)『死にたくない!――いま、生活保護が生きるとき』青木書店。1995円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕利用者増加の一方で、保護費削減を推し進めようとする国。その現状をえぐりだし、改革の手がかりをさぐる。 最後のセーフティーネット=生活保護を必要としているすべての人に。 ◆小峯 敦編(2006)『福祉国家の経済思想――自由と統制の統合』ナカニシヤ出版。288頁、2520円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家の時代は終わったのか? マーシャルやケインズ、ベヴァリッジからブレアの「第三の道」まで、 福祉国家のデザインに人生を捧げた経済学者たちのドラマを振り返りながら、その意義と展望を考察。来るべき福祉社会のあり方を構想する。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕経済学は福祉をどう扱ってきたのか。マーシャル、ピグー、ベヴァリッジなど、 福祉国家をデザインした経済学者たちの思想を振り返り、その現代的意義を考察。未完のプロジェクトとしての福祉国家の完成像を探る。 ◆社会政策学会編(2006)『社会政策における福祉と就労』(社会政策学会誌第16号)、 法律文化社。308頁、3150円。9月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉と就労のあり方が再検討されるなかで、「ワークフェア」という考え方が注目されている。 国際比較やシティズンシップの観点から現状をとらえ、貧困層や若年層への福祉施策、就労支援の具体策を検討する。 ◆宮本太郎編(2006)『比較福祉政治――制度転換のアクターと戦略』早稲田大学出版部。278頁、3360円。9月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本を初め先進工業国では、社会保障や福祉が政治的争点として急速に注目され始めている。 右肩上がりの経済成長が望めなくなった現在、福祉国家はどこへ向かうのか。 日本、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン等の取り組みを分析し、福祉政治の動向を明らかにする。 ◆孫 暁冬(2006)『中国型ワークフェアの形成と展開――福祉資本主義と市場社会主義における福祉レジームの可能性』 昭和堂。368頁、5985円。9月26日刊行。 ◇〔出版社HPより〕先進資本主義諸国において共通にみられるワークフェアと呼ばれる動向を理論的・経験的に分析し、 その経験を踏まえて、市場経済移行以前および以後の中国におけるワークフェアの特質を明らかにする。 ◆山崎克明・奥田知志・稲月 正・藤村 修・森松長生(2006) 『ホームレス自立支援――NPO・市民・行政協働による「ホームの回復」』 明石書店。424頁、4725円。9月25日刊行。 ◆橘木俊詔(2006)『格差社会――何が問題なのか』岩波書店(岩波新書)。 212頁、735円。9月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕 低所得労働者の増大,新しい貧困層の出現,奪われる機会の平等……. 教育や雇用などあらゆる場で格差が拡大するなか,いま日本社会に何が起きているのか. 格差問題の第一人者である著者が,様々な統計データによって,格差拡大の現状を詳細に検証し, 不平等化する社会のゆくえを問う.格差論の決定版. ◆村上陽一郎(1983)『ペスト大流行――ヨーロッパ中世の崩壊』岩波書店(岩波新書)。 735円。9月20日ごろ重版でき。 ◇〔出版社HPより〕十四世紀中葉,黒死病とよばれたペストの大流行によって,ヨーロッパでは三千万近くの人びとが死に, 中世封建社会は根底からゆり動かされることになった.記録に残された古代いらいのペスト禍をたどり, ペスト流行のおそるべき実態,人心の動揺とそれが生み出すパニック,また病因をめぐる神学上・医学上の論争を克明に描く. ◆宇沢弘文(1992)『「成田」とは何か――戦後日本の悲劇』岩波書店(岩波新書)。 819円。9月20日ごろ重版でき。 ◇〔出版社HPより〕25年の対決の後に,はじめて国と反対派との会合が開かれた. 学識経験者として公開シンポジウムに参加した著者は,社会的費用の観点から空港の欠陥性を明らかにし, 自らの苦悩の体験を通して成田問題の本質に肉迫する.そこに民主主義の未成熟と工業化・開発至上主義に由来する 戦後日本の悲劇の本質がくっきりと浮彫りされる. ◆吉川 徹(2006)『学歴と格差・不平等――成熟する日本型学歴社会』東京大学出版会。 288頁、2730円。9月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕子どもたちの学歴が親の学歴を上回っていく高学歴化の時代が終焉し, 大卒学歴が世代間で継承されはじめている.社会調査データから導きだした「新しい学歴社会論」によって, 格差・不平等問題の不安にゆれる日本社会に潜在するメカニズムを解き明かす. ◆加藤政洋・大城直樹編著(2006)『都市空間の地理学』ミネルヴァ書房。320頁、3150円。9月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕人文・社会科学の都市論・都市研究の展開のなかで「空間」が分野の枠組みを超えて知のトポスとなっている現在、 新たな都市地理学を構想するために必要な伝統と理論を紹介し、都市の社会‐空間を考えるための視座と方法を概説する。 ◆山田昌弘(2006)『新平等社会――「希望格差」を超えて』文藝春秋。288頁、1500円。9月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕『希望格差社会』がベストセラーとなり、一大論争をまき起こした著者が放つ新たなる提案。いまや格差問題は政治問題化し、 この秋の総裁選の最大論点とまで言われるようになった。いま実質的な格差以上に格差拡大感が大きいのはなぜか、格差拡大の真の原因は何か? 新たな局面を迎えた「底抜け」のリスク増大と生涯格差の問題に切り込みつつ、経済格差、家族格差が希望の格差に結びつかない社会のあり方を提案する刮目の書。 混迷する格差論争に終止符を打ち、真の希望を提示する! ◆I・イリイチ著、玉野井芳郎・栗原 彬訳(2006)『シャドウ・ワーク――生活のあり方を問う』 岩波書店(岩波現代文庫)。352頁、1260円。9月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕家事などの人間の本来的な生活の諸活動は,市場経済に埋め込まれ, 単なる無払い労働としての〈シャドウ・ワーク〉に変質している.そのような現在の生活からの脱却を企て, 人間の生き方として,言語・知的活動から,平和の問題までを縦横に論じる.鋭い現代文明批判で知られるイリイチの思想理解への格好の書. ◆都留重人(2006)『近代経済学の群像』岩波書店(岩波現代文庫)260頁、1050円。9月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕メンガー,ケインズ,ワルラス,フィッシャー,シュンペーター,ウィックセル…… 近代経済学を代表する6人の人生と学問を辿り,偉業の陰の辛苦をも活き活きと描き出した1冊. 1930年代のハーヴァード黄金時代を経験した著者自身の回想も叙述を豊かにしている.近代経済学への関心を育む最適な書といえる. ◆都留重人(2006)『現代経済学の群像』岩波書店(岩波現代文庫)。290頁、1050円。9月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヴェブレン,ロビンソン,カレツキー,ハンセン,カップ,安井琢磨,柴田敬……, 著者自身も関わりを持ち,現代経済学に大きく寄与したことで著明な7人の経済学者の学問と人生を描く好著. 具体的な人間像と学問の形成過程への関心から出発し,学説の意義を的確に紹介する叙述は,広範な読者を経済学へと誘う. ◆田中 滋・二木 立編著(2006)『保健・医療提供制度』(講座医療経済・政策学 第3巻)、勁草書房。208頁、2730円。9月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕岐路に立つ日本医療の改革を目指す新たな分析視点「医療経済・政策学」シリーズ第3巻。 わが国の保健・医療提供体制の特徴とその課題を抽出し、未来への展望を拓く。 保健・医療提供体制は地域主体の医療計画を中心に、再編が目指されている。 皆保険制、自由開業制、フリーアクセスといった特徴を持ちつつ発展してきたわが国の保健・医療提供体制の歴史をふまえ、 より良い制度を実現するには何が問題であり、どんな指標が必要となるのか。質評価、効率測定等、個々の手法を解説、今後の課題を抽出する。 ◆橘木俊詔・浦川邦夫(2006)『日本の貧困研究』東京大学出版会。368頁、3360円。9月13日刊行。 ◇〔出版社HPより〕人口減少と高齢化が進み,先行き不透明感が漂う中で「自己責任」が叫ばれる時代. 日本に住む人すべてに,貧困転落の危機が迫ろうとしている.貧困は,もはや豊かな国のごくごく小さな問題, では済まされない.格差論議の中でも見落とされがちな現実に,経済分析を通じて迫る. ◆厚生労働省編(2006)『厚生労働白書 平成18年版 持続可能な社会保障制度と支え合いの循環――「地域」への参加と「働き方」の見直し』 ぎょうせい。535頁、2900円。9月11日刊行。 ◆橋本健二(2006)『階級社会――現代日本の格差を問う』講談社(選書メチエ)。226頁、1575円。9月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今や日本は世界的にみても不平等度が高く貧困者の多い国である――<本書第4章より> 一握りの富裕層が富を独占する一方で、職のない若者たちはアンダークラス化し、貧困層は増大し続ける。 日本は今や階級格差の超大国であり、階級格差は今もなお拡大し続けている。衝撃的現実を客観的データに基づいてレポートし、 現代日本に警鐘を鳴らす。 ◆川喜田愛郎(1977)『近代医学の史的基盤』全2巻、岩波書店。2006年9月7日復刊。 ◇〔出版社HPより〕医学・生物学,医療とその社会的背景に対する優れた視座と洞察をもって, 近代西欧医学の成立に至る無数の試行錯誤,誤謬と解明の過程を,内外の原典に照らして描く. 上巻は太古から19世紀初頭まで,下巻は現代を扱う. ◇〔全巻の構成〕上巻:702頁、7,560円。下巻:822頁、8,610円。計:16,170円。 ◆三谷 博(2006)『明治維新を考える』有志舎。256頁、2940円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕明治維新は、日本国内だけでなくアジア・太平洋地域の国際秩序を一変させた。 しかし、それがどんな変革であったのかは実は今でもよく分かっていない。農民・町人は武士の支配に異議を唱えなかったし、 欧米からの開国要求も国内体制の激変を説明できない。原因らしい原因が見あたらないにもかかわらず、 世界的にも稀な巨大変動が生じたそのメカニズムを、複雑系という新しい理論を応用して理解することを提唱し、 近代化とナショナリズムについても論じていく。 ◆阿部謹也(2006)『北の街にて――ある歴史家の原点』洋泉社(新書 Modern Classics)。299頁、1575円。8月刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕多くの読者を魅了し続ける著者の学問研究の原点には、小樽での研究と思索、留学先だったドイツ生活、 そして西順蔵氏との出会いと別れがあった。12年にわたる北の街での生活から、代表作『ハーメルンの笛吹き男』が生まれ、 「自分の内面に深く関わる課題が学問の出発点」と語る著者の研究姿勢も生み出された。その後、著者は、世間、個人、差別と賎視などの テーマを日本の諸問題として捉え、多くの著作を通じて世に問う。本書は、その原点を、著者自らが吐露した名著である。 ◆大田一廣・鈴木信雄・高哲男・八木紀一郎編(2006)『新版 経済思想史――社会認識の諸類型』名古屋大学出版会。354頁、2940円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヒュームからサミュエルソン、ガルブレイス、センまで、25人の代表的経済学者の経済・社会認識の歩みを その人物・思想・理論から平易に解説した好評テキストの新版。 限界革命以前・以後の展開をたどるとともに、 経済学における社会認識・思想の規定的役割に迫った最良の経済思想入門。 ◆藤村正之編著(2006)『福祉化と成熟社会』(講座・社会変動 9)、ミネルヴァ書房。 346頁、3675円。8月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕産業化・近代化がもたらした社会問題への解決の模索たる福祉化を、 家族・地域社会や労働・雇用の変貌、貧困や不平等問題、社会保障政策の展開から把握するとともに、 逆に福祉化がもたらす問題点を専門性、身体とジェンダー、障害認識、体制比較の視点から再照射していく。 ◆ 稲葉振一郎・立岩真也(2006)『所有と国家のゆくえ』日本放送出版協会(NHKブックス)。 304頁、1176円。8月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕気鋭の論客二人による希望の国家論! 不平等の原点には、「自分で作ったものは自分のもの」という利己的な所有の考え方と、「市場は万能」という前提がある。 しかし富の配分を変え、市場に一定の制限を設けることで、人びとの働く意欲を損なわず、労働弱者も生きやすい国がつくれるのではないか。 格差社会に抗し、来るべき国家像を論ずる注目の書。 ◆吉岡友治(2006)『だまされない<議論力>』講談社(講談社現代新書)。238頁、756円。8月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕権威・新聞・数字……もっともらしさの裏側をのぞくと、あれっ??どこかヘンだぞ? ツボさえわかれば、誰でもできる。世にはびこる「不毛な議論」はこう叩け! ◆文春新書編集部編(2006)『論争 格差社会』文藝春秋(文春新書)。256頁、788円。8月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧富の差は広がるか、ニートは誰の責任か、格差社会を生き抜くには。『文藝春秋』から『世界』まで、重要論文・対談が一冊に。 この5年間、「小泉政治」について議論されるなか、とりわけ「格差社会」や「ニート問題」への国民の関心は高く、様々な有識者が激論を戦わせてきた。 「貧富差は広がるか」、「ニートは誰の責任か」、「格差社会を生き抜くには」……。『文藝春秋』から『世界』まで、 総合雑誌に掲載された重要な論文や対談を精選。これさえ読めば、「格差社会」論のすべてが掴める。 「ポスト小泉」を考えるための材料として、あるいは就職・入試論文対策にも、大いに役立つ一冊。 ◆川上憲人・小林廉毅・橋本英樹編(2006)『社会格差と健康――社会疫学からのアプローチ』東京大学出版会。 256頁、3570円。8月中旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕拡大する所得格差や進む階層化を背景として,社会構造と人の行動,健康そして疾病との関連を理解する必要性が高まっている. 社会のありようと健康の関わりを解明する「社会疫学」という新しいアプローチによって,その現状と課題を示す. ◆川崎二三彦(2006)『児童虐待――現場からの提言』岩波書店(岩波新書)。228頁、777円。8月18日刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕なぜ、わが子を自ら危険に陥れてしまうのか。深刻化する背景は、単に親を責めるだけでは捉えきれない。 そこには、日本の貧困な福祉行政、親を取り巻く社会の急速な変容など、根本的な問題が潜んでいる。 児童相談所に勤務し数々の相談に対応してきた著者が、その実態や解決の手がかりを、自らの体験をもとに語る。 ◆マルクス著、武田隆夫・遠藤湘吉・大内 力・加藤俊彦訳(1956)『経済学批判』岩波書店(岩波文庫)。945円。8月17日重版。 ◇〔出版社HPより〕『資本論』『共産党宣言』とならんでマルクスの代表的著作のひとつ. マルクスは序説でその方法論を組織的に述べ,本文では価値,貨幣に関する理論の歴史が,一種の経済学説を形づくりながら展開される. 『資本論』読解の手引きとされているこの書は,訳者の共同研究によってここにはじめて文体の平明と用語の厳密を備えるに至った. ◆丸山眞男(2006)『現代政治の思想と行動』新装版、未来社。586頁、3990円。8月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕<戦後民主主義>はここから始まった――。 日本ファシズム、天皇制の分析、コミュニズムのイデオロギーをめぐる問題等を論じた諸論考を所収、 「抑圧の移譲」(「超国家主義の論理と心理」)、「無責任の体系」(「軍国支配者の精神形態」)などの重要概念を提出し、 発表より半世紀たった現在にいたるまで繰り返し読まれ、言及され、論じられる、戦後最深・最長のロングセラー、 著者の没後十年を記念して、満を持しての新組・新装カバー装で登場! ◆権丈善一(2006)『医療年金問題の考え方』(再分配政策の政治経済学V)、慶應義塾大学出版会。 650頁、3990円。8月12日刊行。 ◇〔出版社HPより〕2004年年金国会以降約2年にわたってマスコミ・国会・学界の動きを分析、 ホームページに連載して官僚・研究者・メディア・与野党の政治家等々の間で話題となった好評エッセイ37編に医療年金関連論文4本を加え書籍化。 年金論議の錯綜ぶりとその要因を指摘しつつ、世代間格差、保険料と税、少子高齢化など広範な論点に答える。 さらに、保険者機能強化、医療給付費総枠規制、混合診療問題などを含め、今後の医療制度改革の主要論点と考え方を提示する。 「再分配政策の政治経済学」という独自の枠組みから日本の社会保障を論じた権丈善一教授の著作第3弾。 医療年金論のみならず、ひろく経済学評、政治評、メディア評をも積み重ねた俯瞰的視野から論じる未来志向の社会保障論。 政治家はもちろん、政策担当者・メディア関係者、さらに今回は医療関係者の方々にも「どうしても」読んでもらいたい一冊。 ◆B・エーレンライク著、曽田和子訳(2006)『ニッケル・アンド・ダイムド――アメリカ下流社会の現実』 東洋経済新報社。300頁、1890円。8月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕米ベストセラーの翻訳。社会派ジャーナリストが、時給6ドルで働く非熟練労働者の生活を綴る。 必死に働いてもけっして這い上がれない下流社会の実態を描いた衝撃のルポ。 ◆橘木俊詔(2006)『アメリカ型不安社会でいいのか――格差・年金・失業・少子化問題への処方せん』朝日新聞社(朝日選書)。 216頁、1155円。8月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕景気回復というが、この不安感はなんだろうか。現代日本は様々な問題を抱えている。 お金持ち研究で名高い著者は、根源はアメリカ型社会を標榜したひずみにあるとする。 格差・若年雇用・年金問題等への解決策を明示し、どういう社会を目指すべきかを突きつける。 ◆中島隆信(2006)『これも経済学だ!』筑摩書房(ちくま新書)。240頁、756円。8月9日刊行。 ◇〔出版社HPより〕各種の伝統文化、宗教活動、さらには障害者などの「弱者」などについて「うまいしくみ」を作るには、 「経済学」を使うのが一番だ! 社会を見る目が一変する本。 ◆金子 勝(2006)『戦後の終わり』筑摩書房。250頁、1890円。8月7日刊行。 ◇〔出版社HPより〕“戦後という仕組み”は、もはや崩れ去った。安全・平等な社会は再建できるのか? 財政危機から脱出できるのか?当代きっての論客が日本と世界の難問に正面から切り込む! 朝日新聞論壇時評(2004年4月〜2006年3月)収録。 ◆『現代思想』2006年8月号。特集=ホームレス。8月1日刊行。 ◆井上 真編(2006)『躍動するフィールドワーク――研究と実践をつなぐ』世界思想社。 272頁、1995円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕歩く、見る、聞く、話す。読む、書く、考える ― 研究と実践をどう橋渡しするのか。 開発と環境をどう調和させるのか。若いフィールドワーカーたちが、七転び八起きの舞台裏を披露。 現場に学びたい人、実践を志す人を熱い議論に誘う。 ◆足立浩平(2006)『多変量データ解析法――心理・教育・社会系のための入門』ナカニシヤ出版。 176頁、2730円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕@できるだけ数式を使わない,A原理のエッセンスを伝える、B必要最小限の記述で効率よく学ぶ、 3つの基本方針により因子分析や構造方程式モデリングなど多変量解析を使いこなすためのガイダンスを集約。各章90分の講義を想定しています。 ◆岩井克人(2006)『資本主義から市民主義へ』新書館。277頁、1575円。7月刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕貨幣は貨幣だから貨幣なのだ。貨幣を根拠づけるものはただ貨幣だけ。 社会と人間を貫く自己循環論法が恐慌をも生めば、自由をももたらす――いまもっとも注目すべき思想家・岩井克人の思想の核心を明かす。 ◆福井県青年司法書士協議会(2006)『法律実務家のための生活保護制度活用ガイドブック』日本加除出版。 253頁、2730円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活保護制度についての、実務家の立場にたったガイドブック。少しでも多くの方が生活保護問題に関心を持ち、 また、実際のケースに取り組む際の一助となるように、法律や法律や通達をふまえ、できるだけ実務に即して解説する。 ◆武川正吾(2006)『地域福祉の主流化』(福祉国家と市民社会V)、法律文化社。210頁、2415円。7月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉法成立(2000年)により位置づけられた、地域が基軸となって社会福祉を推進していく状況を 「地域福祉の主流化」ととらえ、その背景や概念をさぐる。統合化と住民参加の理念をもとに地域福祉計画の具体策を示す。 ◆根井雅弘(2006)『物語 現代経済学――多様な経済思想の世界へ』中央公論新社(中公新書)。 216頁、777円。7月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕アメリカ型の経済学教育の導入により、経済学の一元化が進み、自由な思考にとって最も貴重な多様性が失われている。 本書は、主流派が真剣に読まなくなった、マーシャル、ケインズ、サムエルソン、ガルブレイスらの経済学を再検討し、 今日的視点から彼らの問題意識や問いかけの持つ意味を考察するものである。 異端派を排除してきた「ノーベル経済学賞」の問題点をも指摘しつつ、相対化を忘却した現代の経済学に警鐘を鳴らす。 ◆ヒラリー・パトナム著、藤田晋吾・中村正利訳(2006)『事実/価値二分法の崩壊』法政大学出版局。 2940円。7月18日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大衆文化や哲学思想・社会科学などにおいて、歴史的にさまざまな形で展開され擁護されてきた 「事実/価値二分法」に対して論争を挑むパトナム哲学の批判的考察。 その「事実認識は客観的でありうるが、価値判断は主観的である」という根底的思考を D. ヒュームに始まりカント、デューイ、A. セン、ハーバーマスらを検証して斬新かつ独創的反論を提示し、問題の把握と理解に導く。 ◆藤松素子編(2006)『現代地域福祉論』高菅出版。424頁、2650円。7月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕自治体の社会保障をいかに充実させるかが問われる現在、60年代の地域社会・コミュニティの概念形成から 住民主体の「地域福祉」への発展を総合的にとらえ、その本質に迫る。 ◆丸山健夫(2006)『「風が吹けば桶屋が儲かる」のは0.8%!?――身近なケースで学ぶ確率・統計』 PHP研究所(PHP新書)。202頁、735円。7月15日刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕「宝くじはT・Kさんがよく当たる」「マークシート式の試験では、鉛筆転がしで平均点が取れる」 というの本当?一見、不確実そうな事柄でも、統計的にデータを集めたり、確率を導き出すモデルを考えてみると、 「原因と結果」のつながりが見え、実現性の目安がわかる。本書は、くじやゲームなど「遊び」の中にある確率から、 視聴率や偏差値で使われる統計のしくみ、そして「文化」や「好み」といった数値化しにくいものの検証法まで、 難解な数式を使わず紹介。数学が苦手でも楽しく学べる「確率・統計」的思考法。 ◆渋谷博史・C.ウェザーズ編(2006)『アメリカの貧困と福祉』 (アメリカの財政と福祉国家 第4巻)、日本経済評論社。273頁、3570円。7月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「豊かな社会」に広汎に存在する貧困の分析と、その対象としての公的扶助、医療、住宅など福祉政策の全体像を構築する。 「福祉依存症」は過剰な福祉から生み出されたのか。 ◆エンゲルス著、戸原四郎訳(1965)『家族・私有財産・国家の起源』岩波書店(岩波文庫)。 798円。7月14日ごろ重版でき。 ◇〔出版社HPより〕本書はエンゲルスがマルクスの遺志を継いで完成したもの. 人類の歴史の発展をモルガンの名著『古代社会』の研究成果に照して,史的唯物論の立場から究明した労作. 私有財産の発生と家族形態の変遷,国家の成立およびその将来への展望を論じ, マルクス主義の国家論・婦人論・家族論として,もっとも重要な古典的著作である. ◆シャンタル・ムフ著、葛西弘隆訳(2006)『民主主義の逆説』以文社。232頁、2625円。7月13日刊行。 ◇〔出版社HPより〕スペクタクルな議会政治が横行し、民主主義が危機に瀕している今日、 〈政治的なもの〉とは何かを問う、ラディカル・デモクラシー論の展開。 ロールズ、ハーバマス、ギデンズなどの「合意形成」の政治学を批判的に検討し、 シュミットの政治論、ウィトゲンシュタインの哲学から「抗争性」の政治を提唱する ――民主主義を鍛え直す画期的な政治思想。 ◆岩井克人(2006)『二十一世紀の資本主義論』筑摩書房(ちくま学芸文庫)。368頁、1050円。7月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕市場経済にとっての真の危機、それは「ハイパー・インフレーション」である。 21世紀の資本主義のゆくえ、市民社会のありかたを問う先鋭的論考。 ◆広井良典(2006)『持続可能な福祉社会――「もうひとつの日本」の構想』筑摩書房(ちくま新書)。 272頁、819円。7月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕誰もが共通のスタートラインに立つにはどんな制度が必要か。 個人の生活保障や分配の公正が実現され環境制約とも両立する、持続可能な福祉社会を具体的に構想する。 ◆立岩真也(2006)『希望について』青土社。320頁、2310円。7月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕考えられるところまで考えてみよう。過剰労働、ニート、少子高齢化社会、安楽死、私的所有、愛国心、新自由主義・・・ さまざまな局面で、国家や組織を駆り立て、私たちを容赦なく追い込む近年の社会状況。はたしてそこにはどれだけの閉塞的前提があるのだろうか? 現状を見えなくさせている原因を、柔軟な思考で丹念に解きほぐし、一人ひとりがより生きやすい社会に向けて構想する。 ◆宮武 剛(2006)『介護保険の再出発――医療を変える・福祉も変わる』保健同人社。239頁、2000円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕大幅な変更となった05年改正を総点検し、それと密接に絡む医療や福祉の動向を報告。介護保険の過去・現在・近未来を俯瞰する一冊。 ◆西村周三・田中 滋・遠藤久夫編(2006)『医療経済学の基礎理論と論点』(講座 医療経済・政策学 第1巻)、勁草書房。 224頁、2835円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本医療の現状分析と改革のための基本的情報と視点。 医療経済・政策に関するアクチュアルな問題を論じ、基本から最新の知見まで網羅する。 90年代後半以降、医療制度は改革の波に翻弄されている。本シリーズは、これからの医療従事者には、 経済学や政策学に関する基礎知識に裏づけされた発言力が必要であるという意識の下、 「医療経済・政策学」の確立を目指し全6巻を刊行する。第1巻は、初学者に向けこの分野の理論と論点を解説する。 ◆慎 斗範・坂本光徳(2006)『福祉国家――そのパラダイムとガヴァナンス』ブレーン出版。262頁、2625円。6月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕未だ統一的な見解がなされていない「福祉国家」のコンセプトに関し、 歴史的背景と国家の本質を論じながら、意義と類型、源流とパラダイム、政策過程や行政管理等をまとめる。 ◆伊藤善典(2006)『ブレア政権の医療福祉改革――市場機能の活用と社会的排除への取組み』ミネルヴァ書房。 300頁、3990円。6月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ブレア政権下の英国の医療福祉政策について、医療・高齢者福祉・児童福祉等のサービス分野ごとに、 現状と課題および政策の動向をわかりやすく紹介。また、官民の関係、外国人労働力などサービス提供主体の課題を、 分野横断的に解説。特に、日本と共通した課題と考えられるものについては詳述する。 ◆岩本康志・太田 誠・二神孝一・松井彰彦編(2006)『現代経済学の潮流 2006』東洋経済新報社。240頁、2520円。6月29日刊行。 ◇〔出版社HPより〕2005年秋季大会の会長講演・中原賞講演等を基とする論文5本とパネル・ディスカッション2本 (経済学と社会的正義、環境税導入は必要か)を収録。日本経済学会の日本語版機関誌。 ◇第1章に「日本の不平等と貧困」を収録。 ◆真野俊樹(2006)『入門 医療経済学――「いのち」と効率の両立を求めて』中央公論新社(中公新書)。 240頁、861円。6月25日刊行。 ◇〔出版社HPより〕よい病院とわるい病院を見分けるにはどうすればよいだろう。 レストランや車なら、高い値段のものが質もよいと考えればほぼ間違いはない。 しかし医療では名医でも新米の医者でも値段は一緒であり、経済法則は働いていないように思える。 では、なぜ医療の値段は同じなのか。本書は、医療が持つこのような特徴を、 「情報の非対称性」「市場の失敗」等の視点から経済学的に分析し、今後の医療制度改革の方向性を提示する。 ◆石原千秋(2006)『大学生の論文執筆法』筑摩書房(ちくま新書)。256頁、777円。6月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕大学生にとって、論文を書くとはどういうことか。誰のために書くのか。何のために書くのか。 大学での授業の受け方や大学院レベルでの研究報告書の作法、社会に出てからの書き方まで、論文執筆の秘伝を公開する。 かつて流行った決め言葉の歴史や、カルチュラル・スタディーズが隆盛となったここ最近の学問の流れをも視野に入れた、 実用書でもあり、読み物でもある新しい論文入門。 ◇〔本書帯より〕「書くことは、生きること」。 ◆小田中直樹(2006)『日本の個人主義』筑摩書房(ちくま新書)。208頁、714円。6月5日刊行。 ◇〔出版社HPより〕今日、自らの責任において従うべきルールを選びとり、行動するよう促す圧力は増すばかりだ。 だが、そもそも「自律」を他人に強制するなんて可能だろうか。また、日本人が個人として自律していないとする評価は正当なのか。 「個人主義」は近代の幻想にすぎないのか。本書では、「個人の自律」を切実な課題とした大塚久雄ら戦後啓蒙の知的遺産を手がかりに、 こうしたアクチュアルな難問を考え抜く。社会経済史、ポスト近代思想、認知科学などの成果を縦横に使いこなす刺激的論考。 ◆麦倉 哲(2006)『ホームレス自立支援システムの研究』第一書林。629頁、3800円。5月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕東京山谷地区において、18年間にわたりボランティアサークル「ふるさとの会」と共に ホームレスの調査と分析に関わってきた著者による自立支援システム論。今後のソーシャルワークの実践を提唱する。 ◆医療政策学校編集委員会編(2006)『医療政策学校』No. 2、本の泉社。40頁、721円。5月刊行。 ◇目 次 【巻頭言】 文献・ウェートトレーニング 野村 拓 フランス臨床学派の動向――臨床医学史を考える 後藤幸一 生き生きと健康に暮らす可能性を阻む社会のシステム 高木和美 児童養護研究の現状と課題 堀場純矢 伝統医学あるいは補完代替医療の現状 棟居(椎野)徳子 *** 現場からの (研究) ノート *** <介護> 介護支援専門員はどのような存在か 長尾拓裕 <看護> 講義計画をつくる若手研究者に望むこと 天野敬子 <社会政策> 社会政策史の講義にあたって 北村香織 <福祉> 社会福祉の歴史を学ぶ意義について 和田修治 <学習史> 社会科学的認識との出会い――学生時代の読書の思い出 垣田裕介 ****** ≪話題≫ 日本の医療・福祉はどう見られているか(2)――海外からの目線 野村 拓 <コラム> 古書遍歴 (1)〜(7) ◆小松秀樹(2006)『医療崩壊――「立ち去り型サボタージュ」とは何か』朝日新聞社。295頁、1680円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の医療は、今、崩壊の危機にさらされている。現職の虎の門病院泌尿器科部長がついに声を上げた。 医療の最前線に立つ大病院の現場で起きる「医師の立ち去り」の実態と理由と、その対策について、具体的に報告し、提言する。 医療現場で日々、診断、治療、手術などの日常業務を行いながらも、「発言する医者」として、日本医療を崩壊から守るために務める著者の熱い思いが伝わってくる。 ◆友野典男(2006)『行動経済学――経済は「感情」で動いている』光文社(光文社新書)。397頁、998円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「経済人」という特別の人々をご存じだろうか? 禁煙や禁酒やダイエットに失敗するなんてことはありえない。 しょっちゅう電車の中に傘を忘れたり、ダブルブッキングをして友人を不愉快な気持ちにさせたり、 当たるはずのない宝くじに大金を投じたりはしない。経済活動を行なっている人、つまりわれわれすべてがこのような人物であるという想定の下で、 標準的経済学は構築されている。(本文より一部改変して抜粋) 感情などに振り回されない、超合理的な経済人を扱う経済学は、どこか現実にそぐわない。 感情、直感、記憶など、心のはたらきを重視し、私たちの現実により即した経済学を再構築しようとする新しい学問、「行動経済学」の基礎を、詳しく解説。 ◆ピエール・ロザンヴァロン著、北垣 徹訳(2006)『連帯の新たなる哲学――福祉国家再考』勁草書房。 264頁、3465円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕搾取が問題ではなく、排除が問題だ。危機に瀕した「国民の連帯」を再創造すべく、 社会契約の原理にまで遡って、民主主義を考える。 いま危機に瀕しているのは、「国民の連帯」という考え方それ自体である。 階級やイデオロギーの対立でも、財政危機や環境問題などでもない、哲学的次元を問わねばならない。 公正や共生のルールを討議する民主主義と福祉・社会的な権利との密接なつながりを捉えなおす、社会哲学の新しいかたち。 ◆秋元美世・一圓光彌・栃本一三郎・椋野美智子編(2006)『社会保障の制度と行財政』第2版 (社会福祉基礎シリーズ11)、有斐閣。320頁、2100円。5月刊行。 ◇初版刊行は、2002年12月。 ◇〔出版社HPより〕社会保障制度全体の体系と,制度を支える行財政の仕組みを解説し, 生活保障システムとしての社会保障の機能を明らかにする。 社会福祉の各分野に共通する制度を整理して学べるよう工夫した。 年金制度改革,介護保険法改正,障害者自立支援法制定等に対応した第2版。 ◆橋爪大三郎(2006)『世界がわかる宗教社会学入門』筑摩書房(ちくま文庫)。308頁、819円。5月刊行。 ◇初版刊行は、2001年(筑摩書房)。 ◆森岡正博(2006)『自分と向きあう「知」の方法』筑摩書房(ちくま文庫)。242頁、672円。5月刊行。 ◇初版刊行は、1997年(PHP研究所)。 ◆今村仁司(2006)『増補 現代思想のキイ・ワード』筑摩書房(ちくま文庫)。272頁、756円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕80年代のニューアカ、ポストモダン・ブームとは何だったのか? 世界を席巻した現代思想のキイ・ワードが、20年の歳月を経た今、増補版で蘇る。 ◆檜垣立哉(2006)『生と権力の哲学』筑摩書房(ちくま新書)。252頁、777円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕見えない権力、人々を殺すのではなく「生かす」権力が、現代世界を覆っている。 フーコー、ドゥルーズ、ネグリらの思想を読み解きながら、抵抗の可能性を探る。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕権力とはわれわれの外にあって、人々を押さえつけるようにだけ働くものではない。 それは、「見えない」かたちで動き、われわれを「殺す」よりも「生かす」ものとして働く不気味なシステムなのだ。 厳密な実証的研究を踏まえながら、権力論に新たな位相をひらいた知の巨人、フーコーの思想を中心に、 その課題を現代的な場面で捉えなおすべく苦闘するドゥルーズ、アガンベン、ネグリらの問題意識とその論理を丁寧に読み解くことによって、 グローバル化し、収容所化する現代世界の中で、「ポジティヴ」に戦い続ける希望を提示する。 ◆仲正昌樹(2006)『ラディカリズムの果てに』イプシロン出版企画。238頁、1890円。5月刊行。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕 サヨクへの積もり積もった恨みを饒舌に語った著者初の単独語り下ろし。サヨク的発想の不毛と限界を衝く。 附録に、なぜ18才の仲正青年は統一教会に入信し、なぜ29才で脱会したか、その間の新左翼やオウムとのあれこれ等々。 著者が自ら全てを語った小阪修平氏との対談「全共闘と新興宗教」(『宗教を読む』情況出版、2000年)を特別再録。 ◆仲正昌樹(2006)『「分かりやすさ」の罠――アイロニカルな批評宣言』 筑摩書房(ちくま新書)。235頁、756円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「分かりやすさ」という名の思考停止が蔓延している。 敵/味方で「世界」を線引きする二項対立がかくも蔓延しているのはなぜか。「批評」の可能性を問う渾身の一冊。 ◇〔「BOOK」データベースより重引〕「分かりやすさ」という名の思考停止が蔓延している。 知識人ですら、敵か味方かで「世界」を線引きする二項対立図式にハマり込んでいる。 悪くすると、お互い対立する中で「敵」の思考法が分かるようになり、「敵」に似てきてしまう。 こうした硬直した状況を捉え直す上で、アイロニカルな思考は役に立つ。アイロニーは、敵/味方で対峙する。 “前線”から距離を置き、そこに潜む非合理な思い込みを明らかにする。 本書はソクラテスやドイツ・ロマン派、デリダなどアイロニカルな思考の系譜を取り出し、「批評」の可能性を探る刺激的な一書である。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕「分かりやすさ」のみを求める読者に合わせようとする批評家がウケている。 それは単に下劣であり「批評」と呼ぶに値しない…。「難しい=NG」という思考停止から抜け出し、アイロニカルな思考による「批評」の可能性を探る。 ◆ミシェル・フーコー著、小林康夫・石田英敬・松浦寿輝編(2006)『狂気・理性』(フーコー・コレクション 1)、 筑摩書房(ちくま学芸文庫)。442頁、1470円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕20世紀最大の思想家フーコーの活動を網羅した『ミシェル・フーコー思考集成』。その真髄をテーマ別に集約。第一巻は狂気を巡る論考。 ◆水岡不二雄(2006)『グローバリズム』(21世紀の若者たちへ 5)八朔社。241頁、1890円。5月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕グローバリズムとはなにか。冷戦崩壊以来頭をもたげたグローバリズムという現実が、 われわれにしかけた知的チャレンジに挑む、ひとつの試み。現代のグローバリズムの実態と問題点、新しいグローバリズムのあり方までを解説。 ◆社会政策研究編集委員会編(2006)『社会保障改革のホットイシュー』(社会政策研究6)、東信堂。 282頁、2730円。5月刊行。 ◆日本社会保障法学会編(2006)『ホームレス施策と社会保険の現代的課題』 (社会保障法第21号)、法律文化社。260頁、3675円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕第47回大会「現代のホームレス施策の動向と公的扶助法の課題」(笛木俊一ほか)、 第48回大会「社会保険の変容と社会保障法」(阿部和光ほか)の報告を収載。 ◆室田保夫編著(2006)『人物でよむ近代日本社会福祉のあゆみ』ミネルヴァ書房。274頁、2940円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕慈善家、社会事業家、ソーシャルワーカーなど30人の先駆者達の生き様から社会福祉の現在とこれからを探る。 ◆筒井淳也(2006)『制度と再帰性の社会学』ハーベスト社。196頁、1890円。5月30日刊行。 ◆堀越孝一(2006)『中世ヨーロッパの歴史』講談社(講談社学術文庫)。459頁、1418頁。5月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヨーロッパとは何か。その成立にキリスト教が果たした役割とは――。 ケルト的なるもの、ローマ的なるものに加えゲルマン的、東方的、ノルマン的、イスラム的等々、多様な要素を混和してヨーロッパは形成された。 地中海古代世界を脱けだし、森林と原野の内陸部に繰り広げられたヨーロッパ世界創造のドラマを「中世人」の視点で鮮やかに描く中世通史。 ◆八木紀一郎(2006)『社会経済学――資本主義を知る』名古屋大学出版会。 256頁、2940円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕絶えざる変化を示す資本主義の中心的メカニズムとは何か。再生産システムとしての資本主義を基本的しくみから解説、 現代の社会編成のあり方を考える。経済学に社会的・歴史的視野を回復するとともに、マルクス経済学から社会経済学への大きな展開を示した新しいテキスト。 ◆ジェームズ・コールマン著、久慈利武監訳(2006)『社会理論の基礎』(下)、青木書店。7875円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕諸個人のミクロな相互行為の集積・連鎖としてマクロな社会現象を捉え,多彩な事例の丹念な検討を とおして,そのプロセスのモデル化をめざした先駆的な試み。 多方面に大きな影響を与えた,数理社会学・合理的選択理論の主導者コールマンの主著,初邦訳完結。 ◆足立正樹(2006)『高齢社会と福祉社会』高菅出版。206頁、2520円。4月刊行。 ◆菅原和孝編(2006)『フィールドワークへの挑戦――〈実践〉人類学入門』世界思想社。323頁、2415円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕仕事・社会・コミュニケーション・宗教・異文化の5ジャンルを網羅し、40人の初々しいフィールドワークを一挙公開。 技術的なノウハウから理論的な設問まで、実践的な助言を満載。フィールドワーカーのセンスを体得できる最良の指南書! ◆デヴィッド・ハーヴェイ著、大城直樹・遠城明雄訳(2006)『パリ――モダニティの首都』青土社。462頁、5040円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕1848年2月から1871年パリ・コミューンへ。〈近代〉を創ったとされる「断絶」の神話。 この「断絶」がどのような「連続」のなかで実現したかを、経済、社会、地理、都市計画、文学、芸術などあらゆる分野の文献を渉猟しつつ検証。 豊富な図版を駆使し、詳細かつ壮大なヴィジョンを提示する。ポストモダン社会科学、都市論の第一人者がついに完成させた決定版モノグラフィ。 ◆栃本一三郎・連合総合生活開発研究所編(2006) 『積極的な最低生活保障の確立――国際比較と展望』第一法規。306頁、2835円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活保護受給者だけが格差社会に苦しんでいるわけではない。 イギリス・ドイツ・オランダ・スウェーデン・アメリカの最低生活保障と比較したとき、明らかとなる日本の問題とは? ◆酒井邦嘉(2006)『科学者という仕事――独創性はどのように生まれるか』 中央公論新社(中公新書)。288頁、819円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕科学者たちが残してくれた真理を鋭く突くことばを手がかりに、科学研究、そして科学者について考えてみよう。 サイエンスの現場からの招待状。 ◇〔本書帯より〕「研究者は、人のやらないことをやり、人の考えないことを考える、特殊な仕事である。 偉業を成し遂げた科学者たちの言葉を手がかりに科学の世界を案内し、その本質に迫る。」 ◆柄谷行人(2006)『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』 岩波書店(岩波新書)。228頁、777円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕資本=ネーション=国家という結合体に覆われた現在の世界からは, それを超えるための理念も想像力も失われてしまった.資本制,ネーション,国家を それぞれ3つの基礎的な交換様式から解明し,その結合体から抜け出す方法を「世界共和国」への道 という形で探ってゆく.21世紀の世界を変える大胆な社会構想. ◆見田宗介(2006)『社会学入門――人間と社会の未来』岩波書店(岩波新書)。216頁、819円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「人間のつくる社会は,千年という単位の,巨きな曲り角にさしかかっている」 ──転換の時代にあって,社会学という学問は,いかに〈未来〉を構想しうるか. 現代社会の絶望と希望を見すえ,その可能性をひらいてゆくための,探求の〈魂〉とは何か. 分野の第一人者から初学者への講義として語られる,必読の1冊. ◆倉沢愛子・杉原 達・成田龍一・テッサ=モーリス=スズキ・油井大三郎・吉田 裕編(2006) 『日常生活の中の総力戦』(岩波講座アジア・太平洋戦争第6巻)岩波書店。426頁、3570円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕総力戦においては「前線」と「銃後」の区別は消滅し,日常生活の中にも戦争が侵入してくる. また,戦局の進行にともなう経済状況の悪化や空襲,疎開は,日本本土だけでなく, 植民地・占領地においても地域秩序の解体・再構成を促した. 様々な地域の様々な経験を通して,民衆にとっての戦争の意味を問い直す. ◆岡 敏弘(2006)『環境経済学』岩波書店。326頁、3990円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕既存の経済学(新古典派・制度派・エコロジー経済学……)がどのように環境問題を捉えるかを示し, その処方箋について分析する.そして現実の環境問題を,公害・地球温暖化・有害化学物質・自然生態系破壊に分け, これらの問題に取り組むのに,諸学派の体系をどのように使えばよいのかを明らかにする画期的な教科書. ◆田中美知太郎(1957)『ソクラテス』岩波書店(岩波新書)。819円。2006年4月復刊。 ◇〔出版社HPより〕ソクラテスはなぜ毒杯を仰がねばならなかったか.この問いは,知を愛するとはどういうことか, 人間はいかに生くべきかという問題につながっている.著者は,最新の研究にもとづき,ソクラテスの生活, その啓蒙思想,ダイモン,哲学を検討するとともに,アテナイの情報を明らかにすることにより,この問題に肉薄する. ◆吉野源三郎(2006)『君たちはどう生きるか』岩波書店(ワイド版岩波文庫)。 340頁、1365円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕著者は物語を通して語る――いかに生くべきかという問いは, 常に社会認識の問題と切り離すことなく問われねばならない.「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載. ◆武川正吾・イ=ヘギョン編(2006)『福祉レジームの日韓比較――社会保障・ジェンダー・労働市場』 東京大学出版会。304頁、5460円。4月刊行。 ◆田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男編著(2006)『現代の経済政策』第3版、有斐閣。 400頁、3045円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代日本の経済政策を,歴史的,国際比較的,国際関係論的視点でとらえ 「経済政策論のスタンダード・テキスト」として好評の[新版]を,グローバル化の進展, 長期停滞による日本の経済構造・政策体系の変化など,新版刊行後の経済の実態に合わせて改訂。 ◇第14章に「福祉政策」(菅沼 隆)を収録。 ◆林 博幸・安井喜行編著(2006)『社会福祉の基礎理論』改訂版、ミネルヴァ書房。272頁、2625円。4月30日刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉を生存権保障(生活問題対策)の一環として発展させる立場から、その歴史的社会的な性格、 行財政制度・各種領域の仕組みと実態、現場の実践に求められる課題・展望を総合的に学べるテキスト。 ◆阿部 實編著(2006)『新 公的扶助論――利用者(国民)の視点から記述された全体像』 (社会福祉士・介護福祉士養成テキスト)、川島書店。 176頁、2520円。4月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、筆者らのこれまでの研究成果をベースに、利用者(国民)の視点から構成し記述した「公的扶助論」である。 内容としては、@公的扶助の対象と視点(貧困をどうとらえるか)、A公的扶助の意義と概念および原理(公的扶助とは何か)、 B公的扶助の歴史(現代の公的扶助はいかに形成されてきたか)、C公的扶助の制度と運営(生活保護制度とは何か)、 D公的扶助の関連制度(公的扶助はどのような制度とかかわるか)、E公的扶助ソーシャルワークの日本的展開(生活保護利用者をどう援助するか)、 F公的扶助の現代的潮流(岐路に立つ公的扶助)で構成され、平易に理解できるようになっている。 大学や短大、指定養成施設での「公的扶助論」のテキストとして好適の書。 ◆佐口 卓・土田武史(2006)『社会保障概説』第5版、光生館。257頁、2415円。4月20日刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕国民の生活を保障し、最低限の生活を営むために必要な社会保障について、 その概略と今後の展開について考察する。第11章を大幅に書き換えたのを始め、年金、医療、介護、保健福祉、 児童手当に関する叙述を加筆、修正。 ◆厚生労働省編(2006)『世界の厚生労働2006――2004〜2005年 海外情勢報告』TKC出版。289頁、3045円。4月17日刊行。 ◇〔出版社HPより〕世界各国の最新データ(雇用・賃金・社会保障)を徹底収集し分析。最も信頼性の高い国内唯一のオフィシャルガイドブック! ◆酒井聡樹(2006)『これから論文を書く若者のために』大改訂増補版、共立出版。326頁、2730円。4月10日刊行。 ◇〔出版社HPより〕初版では弱かった「論文をいかに書き上げるか」の説明を充実させた。論文で書くべきことを知っただけでは, 論文を書き上げることはできない。どうすれば効率よく執筆できるのか,挫けずに論文を完成させることができるのか。 こうしたことを知ることは,論文を書き上げる上で非常に大切である。また,初版出版以降に考えたことを数多く書き加え, 説明不足だったところも書き直した。特にイントロの書き方・考察の書き方・文献集めの方法・レフリーコメントへの対応法・ わかりやすい論文を書くコツ等を大改訂した。 ◆長谷川敏彦・松本邦愛編(2006)『医療を経済する――質・効率・お金の最適バランスをめぐって』医学書院。 344頁、3360円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年、医療の現場でも経済学的な思考が一層求められている。本書は、なぜ医療に「効率」が必要なのか、 なぜ医療保険がなくてはならないのか、どうして医療「制度」や「政策」が必要なのかという点から解き明かし、 とかく敬遠しがちな医療経済をできるだけ分かりやすく解説した、すべての医療者と医療系学生への格好の入門書である。 ◆佐橋克彦(2006)『福祉サービスの準市場化――保育・介護・支援費制度の比較から』 ミネルヴァ書房(MINERVA 社会福祉叢書 17)。264頁、6300円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現代の日本における福祉サービスの「市場化」の特徴とは何か。 「準市場」の考え方を用いて保育・介護・障害者福祉サービスの供給体制の変化に焦点を当て、 わが国の福祉サービスの「市場化」の特徴を探る。 ◆小池隆生(2006)『現代アメリカにおけるホームレス対策の成立と展開』 専修大学出版局。270頁、3990円。3月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕アメリカのホームレス問題が社会問題としてどのように構築されたのかについて、 同時代の貧困認識の内実を吟味し、全米ホームレス支援法の成立過程の実際と、ホームレス支援の種々の現場の実態等を明らかにする。 ◆大森 彌・松村祥子編著(2006)『改訂版 福祉政策T――福祉政策の形成と実施』 放送大学教育振興会。290頁、3045円。3月刊行。 ◆武川正吾・大曽根寛編著(2006)『新訂 福祉政策U―― 福祉国家と福祉社会のゆくえ』 放送大学教育振興会。288頁、2730円。3月刊行。 ◆社会政策学会編(2006)『働きすぎ――労働・生活時間の社会政策』 (社会政策学会誌第15号)、法律文化社。289頁、3150円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本人は経済発展のなかで労働時間と生活時間のバランスをどうとってきたのか。 歴史・ジェンダー関係・国際比較・政策の視点から労働・生活時間を再検討し、 これからの働き方と社会政策のあり方を展望する。第110回大会での議論を収載。 ◆『思想』No. 983(特集:福祉社会の未来)、岩波書店。2006年3月。 204頁、1700円。 ◇岩田正美論文や宮元太郎論文などを収録。 ◆西部 邁(2006)『ソシオ・エコノミックス』イプシロン出版企画。346頁、2940円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕超学的研究の必要性がしばしば取り沙汰される昨今。 しかし、安易な思いつきによって学問の垣根を越えてしまう前に、本著で繰り広げられる若き西部の知的格闘に触れておくべきである。 自らの思考によって言葉を紡ぎ出したいという野心と学問的誠実さと、どちらが欠けても超学的研究の豊かさを得ることはできない。 三十一年前に発表されたこの経済学をめぐる超学的接近の試みは既にそれを証明していた。 ◆椋野美智子・田中耕太郎(2006)『はじめての社会保障――福祉を学ぶ人へ』第4版、 有斐閣(有斐閣アルマ)。294頁、1890円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕徹底的なわかりやすさで好評の入門テキストの第4版。 「なぜ」「どうして」と考えていくうちに,制度の構造を立体的に理解できるよう工夫。 介護保険法改正や障害者自立支援法制定などに対応し,全面的に改訂。 最新の統計データと正確な制度解説によりパワーアップ。 ◆南山浩二(2006)『精神障害者――家族の相互関係とストレス』ミネルヴァ書房。362頁、6300円。2月28日刊行。 ◇〔出版社HPより〕家族社会学研究における「家族」「家族問題」の議論に依拠し、精神障害者・家族を対象とした量的および質的データの分析を行う。そのなかで障害者・家族の双方にとっての好ましい関係性とはなにかを模索する。 ◆P・ブルデュー著、山田鋭夫・渡辺純子訳(2006)『住宅市場の社会経済学』藤原書店。334頁、3990円。2月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕生活の基盤であり、最も高価で象徴的な買い物でもある「家」の信頼と価値は何に由来し、 買い手はいかに購入を決定するのか。住宅市場の現場に働く重層的なメカニズムを徹底分析、人間社会における経済行為の原理を解明する。 ◆相野谷安孝(2006)『医療保障が壊れる』旬報社。226頁、1680円。2月刊行。 ◇〔「MARC」データベースより重引〕社会保障制度の切り捨て政策を柱に、構造改革が引き起こした国民生活の実態、 医療「構造改革」案についての分析と改革にいたる背景、国民健康保険や介護保険制度の実態など、2006年医療制度改革を読み解く。 ◆財団法人保健福祉広報協会編(2006)『英国の医療・福祉制度の歩みと展望――ベバレッジ報告から60年、今後の方向とは』 財団法人保健福祉広報協会。101頁、2000円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕各国の21世紀の共通課題である高齢化への対応において、医療福祉制度のめざすところは「ノーマライゼーション」の理念の実現である。 わが国の社会保障制度の手本となった英国では国民が無料でヘルスケアのサービスを受けることができる NHS( ナショナルヘルスサービス;保健医療 ) が実施されているが、開始から半世紀を経た現在、「地域に密着した医療体制の整備」、「患者の自己選択機会の拡大」、「地域間格差の是正」などを 柱とした改革がおこなわれている。 本書は、オックスフォード大学高齢者研究所の所長サラ・ハーパー博士と研究員ジョージ・リースン博士の説明を中心に、 英国の医療・福祉制度の変遷、今後の課題と社会保障の方向性について、わかりやすく解説している。 ◆白波瀬佐和子編(2006)『変化する社会の不平等――少子高齢化にひそむ格差』東京大学出版会。 256頁、2625円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化という社会の変化に注目して,機会・雇用・教育・健康といった 不平等に関する諸問題を実証データをもとに明らかにする.不平等論,格差論における 勝ち組み・負け組みといった短絡的評価・風潮にたいして警告を発する. ◆武川正吾編(2006)『福祉社会の価値意識――社会政策と社会意識の計量分析』東京大学出版会。 344頁、5250円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕年金・医療・福祉など,社会政策・社会保障は人びとの暮らしと密接に関係している. 人びとはどのような規範意識や価値観を通して,福祉国家,福祉社会のあり方を意識しているのであろうか. 全国調査(SPSC調査)のデータをもとに,様々な視点からの分析を行なう. 〈担当編集者から〉 年金や医療の制度の問題は,新聞や雑誌などでも盛んに取りあげられ, 私たちの生活に非常に大きな影響を与える身近な問題です.現代日本社会の社会意識を調べてゆくことで, 人びとがどのような生活と思考のうえで社会を見ているのか,そしてそれに社会政策がどのように関係しているのか, 納得できる発見,少し意外な発見など,見えてくるものがあります. ◆小竹雅子(2006)『こう変わる! 介護保険』岩波書店(岩波ブックレット)。 64頁、504円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕介護予防サービスの開始,施設サービスを利用するときの負担の増加……. 介護保険の大幅な改正が行われる.何が具体的に変わるのか,利用者はどこに注目すべきかを, Q&A方式でわかりやすく解説する. ◆岡田春恵(2006)『感染症は世界史を動かす』筑摩書房(ちくま新書)。 288頁、861円。2月刊行。 ◆熊沢 誠(2006)『若者が働くとき――「使いすてられ」も「燃えつき」もせず』 ミネルヴァ書房。232頁、2100円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕近年ニート、フリーターに象徴される若者労働に関する類書は多いが、 社会学や心理学に論点をずらすものが目立つ。本書は、ニート、フリーター、正社員を 相互に無関係ではない地続きの存在として、若者労働をとりまく厳しい状況(=労働問題)に注視し、 どの雇用形態でも働く若者が労働条件を改善できるような発言の仕組みを獲得すること、 すなわち経営者や労働組合が何を変えうるか、既存の労使関係の再構築を提言する。 労働問題屈指の論客が、漂流する現代若者労働を多面的に考察し提言する「気づきへの促し」の書。 ◆田中拓道(2006)『貧困と共和国――社会的連帯の誕生』人文書院。 280頁、3990円。1月下旬刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困、不平等から社会的連帯と公共性へ!フランス福祉国家形成にいたる思想史的過程の研究。 フランス革命初期に「近代社会」の秩序原理が提唱されて以降、そこに内在する平等主義と事実的に存在する 不平等との乖離がどのように思想的に問い直され、七月王政期の「社会問題」認識の成立に至ったのか。 さらに「社会問題」への対応策として、自由放任主義と社会主義との間に唱えられた支配層の諸思想を、 「政治経済学」「社会経済学」「社会的共和主義」「連帯主義」の四潮流に区分し、 十九世紀を通じたこれらの対抗関係を叙述することで、二十世紀に成立するフランス福祉国家を準備した 思想史的過程を包括的に解明しようとする意欲的な試み。 ◆遠藤興一監修・文献情報研究会編著(2006)『福祉文献大事典』全2巻、日本図書センター。 総約1200頁、31500円。1月刊行。 ◇〔出版社広告より〕戦後から現代までの福祉に関する文献を網羅。1945年から2004年末までに 刊行された文献約8,600点の書誌データと概要を示す略目次を、刊行年ごとの五十音順に掲載し た福祉文献事典の決定版。 ◆甲田純正(2006)『「星の王子さま」を哲学する』ミネルヴァ書房。 224頁、2100円。1月刊行。 ◇〔出版社HPより〕世にも哀しく美しい物語――それが『星の王子さま』の世界。 その世界から哲学的叡智を読み解いていく。 ◆福井憲彦(2006)『歴史学入門』岩波書店。174頁、1680円。1月24日刊行。 ◇〔出版社HPより〕これから歴史を学ぼうとする人にとって格好の新しい「史学概論」.社会史,史料論,地域,ネットワーク, 身体,家族史,ソシアビリテ,記憶…….変貌を遂げた現代の歴史学が,どのような考え方にもとづいて研究され, どのような成果を生み出してきたのかを,1章ごとの読みきりの形で簡略に,かつ分かりやすく説明する. ◆結城康博(2006)『医療の値段――診療報酬と政治』岩波書店(岩波新書)。 240頁、735円。1月20日刊行。 ◇〔出版社HPより〕多くの人が,病院の窓口で請求される金額について特に疑問も抱かずに 支払っているのではないか.医療の値段はどのように決定されているのか.医師会をはじめ, 各関連団体は,どのようにかかわっているのか.歴史的な経緯をたどり,複雑な仕組みを解きほぐし, 公正で誰もが納得できる有り様を考える,医療政策論の試み. ◆アマルティア・セン著、東郷えりか訳『人間の安全保障』集英社(集英社新書)、 2006年1月。205頁、714円。 ◇〔出版社HPより〕安全が脅かされるこの時代、最も求められている「人間の安全保障」。 これは、紛争や災害、人権侵害や貧困など、さまざまな地球的規模の課題から、 人々の生命、身体、安全、財産を守ることを意味している。著者・セン博士は、二〇〇一年に設置された 「人間の安全保障委員会」の議長を緒方貞子氏と共に務め、アジアで初めてのノーベル経済学賞受賞者でもある。 本書は、今や流行語のようにもなっている「人間の安全保障」について、セン博士が、人間的発展、人権と 対比しながら、その本質を語る小論集。グローバル化や、インドの核武装についての論考も必読である。 ◆森岡清美(2005)『発展する家族社会学――継承・摂取・創造』有斐閣。349頁、4935円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕大きな変貌を遂げてきた戦後日本の家族。その諸相の解明に努めてきた家族社会学研究の第一人者が, 問題意識,研究テーマ,方法論の検討を軸とし,海外との交流,自身の研究の総括も交えて明らかにする家族社会学の歩み。 家族研究を志す人々の必読の研究史。 ◆入江幸二(2005)『スウェーデン絶対王政研究――財政・軍事・バルト海帝国』知泉書館。 286頁、5670円。12月刊行。 ◇〔Amazon HPより〕本書はスウェーデンが軍事国家として強大化していくプロセスを財政と軍事の両面から考察し、 その背景にある貴族、聖職者、市民、農民など諸身分間の複雑な利害関係を通して、 絶対王政がそれら諸勢力のバランスの上に成り立っていたことを明らかにする。 従来のスウェーデン史研究はバイキング時代と現代に関するものが圧倒的に多い。 高度な福祉国家として知られるスウェーデンが近代の初期に軍事国家としての経験をもち、 農民をふくむ多くの社会階層の政治参加を早くから実現させていたことを明らかにした本書は、 他のヨーロッパ諸国との比較研究の素材を提供するとともに、 北欧をはじめとする新たなヨーロッパ理解のための貴重な一書となろう。 ◆市原宏一(2005)『中世前期北西スラヴ人の定住と社会』九州大学出版会。 244頁、4725円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書はドイツ人東方植民以前のバルト海南岸における初期社会の形成を扱った研究書である。 文献史料と,ドイツ,ポーランド,スカンディナヴィアの考古学研究の成果を総合的に検討し, 近隣勢力との交流が侯家門あるいは祭司支配など,この北西スラヴ社会の地域的個性化に重要な影響を 与えていたことを明らかにした。 ◆三重野卓・平岡公一編(2005)『福祉政策の理論と実際――福祉社会学研究入門』 改訂版、東信堂。267頁、2625円。12月刊行。 ◆武川正吾・金 淵明編(2005)『韓国の福祉国家・日本の福祉国家』東信堂。 308頁、3360円。12月刊行。 ◇〔本書帯より〕福祉国家をめぐる韓国・日本・東アジア 金大中政権以後急速に福祉国家化しつつある韓国――未だ知られざるその実態を詳細に報告・考察するとともに、 日本また欧米との類似点、相違点を的確に分析し、「儒教福祉国家」論にみるような一面的な類型化を排して、 日本をはじめ東アジア福祉国家化の未来への展望を拓く。 ◆『クォータリー あっと』2号、太田出版。 156頁、998円。2005年12月刊行。 ◇吉原直毅「『新自由主義』に対する科学的オールタナティブ構想に向けて」(76-88頁)を収録。 ◇0号(101頁、735円)は2005年5月、1号(153頁、998円)は2005年9月に刊行。 ◆山口二郎・宮本太郎・小川有美編(2005) 『市民社会民主主義への挑戦――ポスト「第三の道」のヨーロッパ政治』 日本経済評論社。320頁、3200円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ヨーロッパ政治に新しいヴィジョンはあるのか?! ヨーロッパの社会民主主義は試練の時を迎えている。 成熟のメルクマールである「市民社会」を接点として 新たに創出した「市民社会民主主義」という言葉を手がかりに、 これからの社会民主主義の可能性を探る意欲作。 ◆菅沼 隆(2005)『被占領期社会福祉分析』ミネルヴァ書房。 320頁、4725円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、戦後社会福祉の原点であるアメリカの対日福祉政策、SCAPIN775、 生活保護法、保護請求権の成立過程を膨大な一次資料を発掘して描き出した歴史研究である。 戦後日本の社会福祉を回顧する際に必要不可欠な書。 ◆伊藤周平(2005)『「改正」介護保険と社会保障改革』山吹書店。 202頁、2100円。12月刊行。 ◇〔本書帯より〕介護保険制度の全体も「改正」の詳細も社会保障の動向もこの一冊でわかる! 改革を先駆ける介護保険は社会保障をどこへ導くのか? ◆東京大学社会科学研究所編(2005)『「失われた10年」を超えて T――経済危機の教訓』東京大学出版会。 288頁、3360円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済の停滞と政治の迷走とによって特徴づけられる1990年代. その時期の日本では実際に何が起き,何が起きなかったのか.長期の相対的高成長の終焉をもたらした本質的要因を検証し, 改革の展開を冷静に見定め,山積する課題を克服するためのシナリオを明示する. ◇〔出版社HPより〕『20世紀システム』(全6巻)につづく,東京大学社会科学研究所の全所的プロジェクトの成果です. 声高に「改革」が叫ばれる昨今ですが,私たちが立つ「いま」と,そして将来を見据えるために,「失われた10年」と 呼ばれる日本の1990年代の展開を逆照射し,クールに今後の選択肢の方向性を見定める試みです. ◇第5章に「雇用システムの継続と変化:知的熟練と成果主義」(中村圭介)、 第6章に「逆機能に陥った日本型生活保障システム」(大沢真理)を収録。 ◆国立社会保障・人口問題研究所編(2005) 『社会保障制度改革――日本と諸外国の選択』東京大学出版会。280頁、3990円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕急速に高齢化が進む日本のなかで年金・医療・介護・障害福祉などの 社会保障制度をどう改革していくのか.欧米諸国が直面している問題点とそれへの新たな 改革の試みから学び,国民に支持される持続可能な日本の社会保障制度を探るため, 制度横断的な視点で論じる. ◆金子光一(2005)『社会福祉のあゆみ――社会福祉思想の軌跡』有斐閣(有斐閣アルマ)。 309頁、予価1995円。12月刊行。 ◇〔出版社目録より〕日本の社会福祉制度に影響を与えた、外国の社会福祉の歴史を中心に解説する、 新しい入門テキスト。歴史の流れの中で、各国の特殊性と相互関連性を描き出す。 ◆ケインズ著、宮崎義一・中内恒夫訳(2005)『貨幣改革論 若き日の信条』中央公論新社(中公クラシックス)。 504頁、1733円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ここに収めたものは、主著『一般理論』以外のさまざまな時論(パンフレット)である。 「時代の問題」にたいして積極的に発言しつづけた行動する経済学者≠フ真骨頂が発揮される。 ◆宇佐見耕一編(2005)『新興工業国の社会福祉――最低生活保障と家族福祉』 アジア経済研究所(研究叢書 No. 548)。421頁、4830円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕新興工業諸国等における社会福祉制度はどのような特色を有し、いかなる背景で形成されていったのか。 特に対象を最低生活保障と家族の社会福祉に絞り分析を加える。 ◇第4章に「香港における貧困層の拡大と社会扶助政策」(澤田ゆかり)を収録。 ◆松島静雄監修、石川晃弘・川喜多喬・田所豊策編(2005) 『東京に働く人々――労働現場調査20年の成果から』法政大学出版局。276頁、3675円。11月刊行。 ◆三富紀敬(2005)『欧米のケアワーカー ――福祉国家の忘れられた人々』 ミネルヴァ書房(MINERVA 社会福祉叢書14)。378頁、6825円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕これまで欧米の介護や保育事情に関する日本人による調査研究は少なくない。 またそれらが、日本の政策動向に与えた影響も多い。しかし、それらの先行研究は、ケアワーカーと その労働条件に関する限り、ごく断片的な事例紹介にとどまっている。 本書は、イギリスとアメリカのケアワーカーを対象に、その賃金と労働条件および介護や保育のサービスの質について、 カナダや北欧諸国との国際比較も視野に収めながら検討を加える。 ◆塚原康博(2005)『高齢社会と医療・福祉政策』東京大学出版会。 248頁、5040円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕高齢化が進む現代日本社会では,年金・医療・福祉の社会保障支出も増大を続けている. 国民経済にも大きな影響を与えるこれらの社会保障政策についてデータを用いて統計的に分析し, その存在意義,政策効果を検証し,今後の望ましい制度のあり方を展望する. ◆医療政策学校編集委員会編(2005)『医療政策学校』No. 1、本の泉社。 56頁、721円。11月刊行。 <目 次> 創刊のことば 野村 拓 社会福祉・その歴史的再構築 野村 拓 戦争と健康・医療――イラク戦争とアメリカ医療 高山一夫 福祉供給の根拠について――福祉政策研究のための予備的作業 垣田裕介 「占領期」の社会福祉行政――「社会保障綜合基礎調査(生計調査)」を手がかりに 湯川順子 占領期における社会福祉政策の位置づけ――衛生統計と社会福祉統計の関係に着目して 北村香織 *** 現場からの (研究) ノート *** <看護> 病院看護の変質 天野敬子 <地域福祉> 地域福祉における施設の役割を考える 松木宏史 <養護> 養護学級介助員の記録 藤井 渉 <病院> ISO9001による病院管理 道端達也 <リクルート> 私がこれから取り組みたいこと――学生時代の学びを活かして 野口宣人 <調査> 北九州市の国保資格証明書 飯田富士雄 ****** ≪話題≫ 日本の医療・福祉はどうみられているか(1)――海外からの目線 野村 拓 ◆池上直己・西村周三編著(2005)『医療技術・医薬品』(講座 医療経済・政策学第4巻)、 勁草書房。192頁、2730円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕岐路に立つ日本医療の改革を目指す新たな分析視点「医療経済・政策学」 シリーズ第4巻。医薬品、医療機器など個々の技術を評価する方法論。 医療技術の効果と費用をそれぞれ評価する方法は国際的に確立されてきたが、医療提供体制、 医療従事者の技術水準などの違いにより、その分析結果は国によって異なる。 本巻は医療技術を経済評価する個々の方法論を述べた上で、 わが国の医療の効率性を追求するにあたっての論争点や課題を抽出する。 ◆倉沢愛子・杉原 達・成田龍一・テッサ=モーリス-スズキ・油井大三郎・吉田 裕編(2005) 『なぜ、いまアジア太平洋戦争か』(岩波講座 アジア・太平洋戦争 第1巻)、岩波書店。 350頁、3570円。11月刊行。 ◇〔出版社HPより〕かつて「慰安婦」とされた人々が長い沈黙を破って重い口を開く一方で, 歴史修正主義的な戦争観が台頭するいま,戦争研究に何が求められているのだろうか. 戦後の戦争研究の変遷を辿りながら論点を整理するとともに, 1945年で区切ることなく戦前・戦中・戦後をトータルに把握する視点から戦争や帝国の問題をとらえ直す. <全巻の構成> 第1巻 なぜ、いまアジア太平洋戦争か 第2巻 戦争の政治学 第3巻 動員・抵抗・翼賛 第4巻 帝国の戦争経験 第5巻 戦場の諸相 第6巻 日常生活の中の総力戦 第7巻 支配と暴力 第8巻 20世紀の中のアジア・太平洋戦争 ◆渡邉洋一(2005)『コミュニティケアと社会福祉の展望』相川書房。288頁、3675円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕知的障害のコミュニティケアを中核に考察してきた、旧『コミュニティケア研究』の改訂版として一部修正し、加筆を試みた。 本書では、一般的な援護者のコミュニティケアを考察し、その発達段階に‘community based social work’を構想した。 ◆『季刊ナースアイ』Vol. 18, No. 3(特集:市場化の進行と看護)、 桐書房。120頁、1890円。10月刊行。 ◇尾形裕也「日本における医療の規制改革と市場化の動向」(6-17頁)を収録。 ◆安保則夫著、井野瀬久美惠・高田 実編(2005) 『イギリス労働者の貧困と救済――救貧法と工場法』明石書店(明石ライブラリー81)。 456頁、4800円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕底辺の差別された労働者の姿を描くことに一貫してこだわり続けた、 実践的社会科学者であり社会労働史家である安保則夫の学問的軌跡を辿って編まれた研究書。 1830年代から20世紀初頭のイギリスにおける労働者の労働・生活状態と貧困問題を追究している。 ◆マーサ・C.ヌスバウム著、池本幸生・田口さつき・坪井ひろみ訳(2005) 『女性と人間開発――潜在能力アプローチ』岩波書店。400頁、5040円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕地球上で,どれだけの女性が人間らしい生活をする自由を 持っているのだろうか――アマルティア・センと共に「生活の質」の研究に従事してきた著者が, 主に南アジアの女性たちを対象にした綿密なフィールドワークを基にして, 開発問題の根底に存在する「人間の善き生き方とは何か」という哲学的課題に真正面から答える. ◆山谷哲夫(2005)『じゃぱゆきさん』岩波書店(岩波現代文庫)。320頁、1260円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本は人身売買大国だ.著者は新宿歌舞伎町などのホテルに泊まりこみ, 全国のストリップ小屋を取材,「じゃぱゆきさん」の故国,フィリピン,タイ,ベトナムの 人身売買機構に潜入し,どうにもならぬ無知と金と欲望と貧困渦巻く地獄絵を描き出した. この実態を直視して,「自由と民主主義」の下に生きる日本人は何をなすべきか. ◆入江 昭(2005)『歴史を学ぶということ』講談社(講談社現代新書)。222頁、756円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕過去と向きあい、現在を俯瞰する 軍国少年として終戦を迎え、高校卒業後、渡米――シカゴ大学、ハーヴァード大学で長年教鞭を とってきた歴史家は、いかにして歴史と出会ったか? ◆中村健吾(2005)『欧州統合と近代国家の変貌――EUの多次元的ネットワークガバナンス』 昭和堂。406頁、3570円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は「多次元的ガバナンス」のアプローチに依拠して EUの意志決定過程と政策執行過程とを分析した日本初めての著作。 EU研究の専門書としてだけでなく、国家理論、ガバナンス論、 官僚制に関する社会学、制度の経済学、ひいては市民社会論といった分野において、 近代国家という次元を超えて考察し、分析することの必要性を示唆する。 ◆竹内章郎・中西新太郎・後藤道夫・小池直人・吉崎祥司(2005) 『平等主義が福祉をすくう――脱<自己責任=格差社会>の理論』青木書店。251頁、2940円。10月刊行。 ◆山口二郎・宮本太郎・坪郷 實編著(2005)『ポスト福祉国家とソーシャル・ガバナンス』 (ガヴァナンス叢書2)、ミネルヴァ書房。368頁、3675円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕今日、グローバル化のなかで、20世紀の先進工業国を方向づけた福祉国家と 社会民主主義に代わって、ソーシャル・ガヴァナンスともいうべき新しい制度と理念への転換が 生じている。本書は、その転換の多様な側面を鮮やかに照射し、福祉・雇用政策の領域を中心に 国際比較を交えつつ多角的に論じる。 ◆宇山勝儀編著(2005)『福祉事務所運営論』 ミネルヴァ書房。200頁、2100円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉事務所の法的な性格と機能、組織と各職種の業務内容、関係機関との 連携を理解させることを目的に編集されたテキスト。社会福祉主事の指定科目として、国が示 したシラバスをほぼ網羅。用語解説付き。 ◆高橋伸彰(2005)『少子高齢化の死角――本当の危機とは何か』(シリーズ・現代経済学3)、 ミネルヴァ書房。224頁、2625円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化や人口減少あるいは社会保障をめぐる本は多数出版されている。 しかし、それらの本では日本経済論にとって肝心の点が欠落している。 本書は、現在日本が直面している少子高齢化問題に関して、一体何が本当の問題であり、 それらにどう対処すればいいのか、年金・医療・介護等、日本の焦眉の課題が著者の専門とする 日本経済論の視点から鋭く実証的に考察されている。 ◆新井光吉(2005)『勤労福祉政策の国際展開――アメリカからイギリス、カナダへ』 九州大学出版会。226頁、2940円。10月刊行。 ◆立正大学社会福祉学部編(2005)『福祉文化の創造――福祉学の思想と現代的課題』 ミネルヴァ書房。355頁、5250円。10月刊行。 ◇第4章に、「貧困と社会的不正義」(金子 充)を収録。 ◆西村健一郎・岩村正彦・菊池馨実編(2005)『社会保障法――Cases and Materials』有斐閣。 590頁、5145円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕判例や関連分野の文献などを読みつつ,知識の確認から制度設計に関する高度な内容まで, 3段階の質問の配置により,多面的に考えさせることで,制度や概念の基本を理解させる工夫がなされている。 法科大学院,政策大学院,学部ゼミでも広く使える最高の教材。 ◆中野育男(2006)『米国統治下沖縄の社会と法』専修大学出版局。312頁、3360円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕沖縄の人々が「アメリカ世」と呼んだ1945年から72年まで、沖縄は特別な法システム下にあった。 公的扶助の形成、住民福祉の制度、医療保障の沿革と財政など、社会・福祉法令の形成過程と特質、実際の機能を検討、解明する。 ◆日野秀逸編著、国民医療研究所監修(2005) 『市場化の中の「医療改革」――国民皆保険制の行方』 新日本出版社。294頁、2205円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕医療を市場原理に委ねる「危険な願望」の全容―― 「構造改革」が狙う医療制度の市場化・営利化。財界が、2007年までを「ラストチャンス」と認識する 抜本改革は、日本の優れた特質である国民皆保険制を、どのように壊そうとしているか。 規制緩和や診療報酬政策の現段階、さらに根底にある労働市場構造の転換も視野に入れて解明。 憲法の理念に立つ対抗の展望を示す。 ◆市村弘正・杉田 敦(2005)『社会の喪失――現代日本をめぐる対話』 中央公論新社(中公新書)。248頁、819円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕高度成長、バブル経済を経るなかで、日本は貧困を駆逐し、 「豊かな社会」を実現したかに見える。しかし一方で、さまざまな不安が日常を侵食し、 〈成功〉という病が人々疲弊させるようになっている。 本書は、現代日本のいくつかの断面を手がかりに、時代や社会のあり様について、 根底から考え抜こうとした対話である。戦争をどう考えるか。 いま私たちの社会から何が失われつつあるのか。危機のありかとその根深さを探る。 ◆香山リカ(2005)『いまどきの「常識」』岩波書店(岩波新書)。 224頁、735円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「反戦・平和は野暮」「お金は万能」「世の中すべて自己責任」……. 身も蓋もない「現実主義」が横行し,理想を語ることは忌避される. 心の余裕が失われ,どこか息苦しい現代のなかで, 世間の「常識」が大きく変りつつある.様々な事象や言説から, いまどきの「常識」を浮き彫りにし, それらを形作る日本社会を鋭く考察する. ◆小林英夫(2005) 『満鉄調査部――「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊』平凡社(平凡社新書)。 208頁、735円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕満鉄調査部は、ロシア革命から戦争期を通して、 それぞれの時代に対応して調査活動の最前線に立ち、 日本の国策決定に重要な役割を演じた。 満鉄の一機関に収まらなかった調査部とは一体いかなる組織だったのか? 調査部の面々は、戦後日本の中でどのように生きたのか? 「元祖シンクタンク」の40年の軌跡を辿り、新史料を基に、「満鉄調査部事件」の真相を炙り出す。 ◆カール・マルクス著、辰巳伸知・細見和之・村岡晋一・小須田健・吉田 達訳(2005) 『フランスの内乱/ゴータ綱領批判/時局論(上)』 (マルクス・コレクションVI)、筑摩書房。 456頁、3150円。9月刊行。 ◆後藤道夫ほか(2005)『ポリティーク』 第10号(特集「現代日本のワーキング・プア」)、旬報社。223頁、2310円。9月刊行 ◆近藤克則(2005)『健康格差社会――何が心と健康を蝕むのか』医学書院。 208頁、2625円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕豊かな日本でなぜ? 健康社会実現のヒントに満ちた1冊 心と社会と健康はつながっている。近年、そんなエビデンスが蓄積されている。 本書では、わが国でも広がる「健康格差」に注目。ゆき過ぎた経済格差社会は「負け組」だけでなく 「勝ち組」の健康までも悪化させること、また人間同士の温かなつながりや信頼、 安心感が健康を促進させる事実を、社会疫学の理論と実証データで示した。 心の病いが増加する現代において、健康社会実現のヒントに満ちた1冊。 ◆北川正恭・縣公一郎・総合研究開発機構編(2005)『政策研究のメソドロジー』 法律文化社。336頁、3465円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕政策研究の方法論を学ぶための入門テキスト。 政策研究の理論と手法、政策に関わる主体を取り上げ、まちづくり、環境政策、消費者政策など 7つの具体的政策からその現状と動向を分析する。 ◇第7章に「福祉分野における政策評価の標準的手法」(鈴木 亘)を収録。 ◆平井一臣編(2005)『かかわりの政治学』法律文化社。198頁、2415円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「かかわり」「かかわる」という視点から、 政治哲学、政治理論、地方自治、福祉国家、現代日本の社会運動など様々な領域について考察し、 市民が政治に「かかわる」主体として新しい可能性を展望する。 ◆社会政策学会編(2005)『少子化・家族・社会政策』(社会政策学会誌第14号)、 法律文化社。290頁、3045円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕とまらない少子化。その原因を男女の就業のあり方、家族のゆらぎ、 生活の変化などをふまえて分析し、今後の社会政策の方向性を示す。 社会政策学会第109回大会での議論を収載。 ◆右田紀久惠(2005)『自治型地域福祉の理論』(社会福祉研究叢書 2)、 ミネルヴァ書房。328頁、4725円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕鳥の目・虫の目を持つことで、自治型地域福祉を提唱するに至った右田・地域福祉論。 分権化時代の地域福祉の推進と理論構築のために必読の1冊。 現在まで発表された論文19本を体系的にまとめ、学生・助手時代の話も座談形式の文章で収録。 各部に著者書き下ろしのリード解説付き。 ◆川渕孝一(2005)『日本の医療が危ない』筑摩書房(ちくま新書)。 240頁、756円。9月刊行。 ◆稲葉振一郎(2005)『「資本」論――取引する身体/取引される身体』 筑摩書房(ちくま新書)。304頁、903円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕資本主義は不平等や疎外をも生む。だが所有も市場も捨て去ってはならない――。社会思想の重要概念を深く考察し、「セーフティーネット論」を鍛え直す卓抜な論考。 ◆井村圭壯(2005)『日本の養老院史――「救護法」期の個別施設史を基盤に』 学文社。192頁、2310円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕戦前・戦中期のいくつかの養老院(地域の中で生活する実践者によって形成された養老院)の 個別施設史をもとに、厚生事業政策が強化されていく、「救護法」(1929年)、「社会事業法」(1938年) 下の養老院の実態に焦点をあて、実践の展開によって生まれてくる生活者の場の矛盾、葛藤、問題性などに関して 施設の内実を分析・実証した。 ◆権丈善一(2005)『再分配政策の政治経済学 I――日本の社会保障と医療』 (第2版)、慶應義塾大学出版会。416頁。3570円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化、看護労働力不足、平均医療費などの問題を取り上げながら、 公共政策のもつ「所得の再分配」という側面に着目し、 民主主義社会における統治者と有権者の間の権力の作用や 価値判断の問題を明示的に扱った政治経済学的分析を行う。 医療市場の特性が理解されないまま合理化・民営化論が 展開されがちな昨今の医療改革論議を、じっくり考え直すための1冊。 ◇初版は2001年12月刊→〔出版社HPより〕 「政策は、所詮、力が作るのであって正しさが作るのではない。」 公共政策のもつ「所得の再分配」という側面に着目し、 民主主義社会における統治者と有権者の間の権力の作用や 価値判断の問題を明示的に扱った政治経済学的分析を行う。 医療をはじめ社会保障の経済研究に新たな視点で切り込む。 ◆角田修一(2005)『「資本」の方法とヘーゲル論理学』 大月書店。288頁、3675円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕『資本論』の原草稿にもとづくヘーゲル=マルクス関係の解明。 マルクスの経済学研究の方法は、いかにヘーゲルに依拠しつつ、 その批判をとおして独自なものとして確立されたか。 本書は、ヘーゲル論理学の各論にそって、『資本論』と その原草稿である「経済学批判要綱」の論理を検証する。 同時に、現代経済学批判におけるマルクス理論の可能性と課題を示す。 ◆川本隆史編(2005)『ケアの社会倫理学――生命倫理の組換えのために』有斐閣(有斐閣選書)。 374頁、2100円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕医療・看護・介護の営みを《ケア》という視角から 批判的かつ統一的に把握し、新しい論点を提示する待望の書。 さらに従来の「生命倫理」の教育を反省するパートを設け、 従来の生命倫理学の枠組みを超える、「ケアの社会倫理学」を提起する。 ◆盛山和夫・土場 学・野宮大志郎・織田輝哉編著(2005) 『<社会>への知/現代社会学の理論と方法(下)――経験知の現在』勁草書房。 217頁、3675円。8月刊行。 ◆盛山和夫・土場 学・野宮大志郎・織田輝哉編著(2005) 『<社会>への知/現代社会学の理論と方法(上)――理論知の現在』勁草書房。 201頁、3675円。8月刊行。 ◆森岡孝二(2005)『働きすぎの時代』岩波書店(岩波新書)。 240頁、819円。8月刊行。 ◇〔出版社HPより〕いたるところから働きすぎの悲鳴が上がっている。 労働時間が1日10時間を超えるほどに長ければ、 疲労とストレスがたまり、最悪の場合は死に至ることになる。 本書では、グローバリゼーション、情報技術、消費社会、規制緩和などに 着目して今日の過重労働の原因に迫る。 まっとうな働き方ができる社会を作っていくために、いま何が必要なのか。 ◆湯浅 誠(2005) 『あなたにもできる!本当に困った人のための生活保護申請マニュアル―― 「生活保護」の申請の仕方から受給までのすべてがわかる』 同文舘出版。211頁、1260円。8月刊行。 ◆厚生労働省編(2005)『厚生労働白書(平成17年版)』 ぎょうせい。561頁、2900円。8月刊行。 ◆川上 武(2005)『私の戦後』ドメス出版。317頁、3360円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕医師であり医事評論家の著者が、新聞・雑誌等に執筆した書評や追悼文、医療や釣りに関する随筆等を収録。 もくじ:自然弁証法研究会の頃/国崎定洞のこと/書評『胃X線診断の実際』/書評『がん細胞の誕生』/ 日患・タバコ・女性/朝日訴訟と三池災害/銚子の釣り先生他。 ◆ジェレミー・シーブルック著、渡辺景子訳(2005) 『世界の貧困――1日1ドルで暮らす人びと』青土社。201頁、1995円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕一握りの大金持と、 毎日の食にも窮する圧倒的多数の貧者とが共存する現代社会の歪み。 自由・平等を標榜するグローバリゼーションがもたらした、 この全世界的な不公正を如何にして打破すべきか。 経済開発のみでは解決しえない、お金より安全・安心を願う民衆の切なる欲求に応答し、 大胆な構想をラディカルに提言する――。 ◆OECD編、井原辰雄訳(2005) 『世界の社会政策の動向――能動的な社会政策による機会の拡大に向けて』 (OECD社会保障大臣会合報告)、明石書店。222頁、3990円。7月刊行。 ◆水内俊雄編(2005)『空間の政治地理』(シリーズ人文地理学4)、 朝倉書店。232頁、3990円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕空間の広がりやスケールの現代政治・経済への関わりを地理学的視点から見直す。 〔内容〕地政学と言説/グローバル(ローカル)なスケールと政治/ 国土空間の生産と日本型政治システム/社会運動論と政治地理学/「自然」の地理学/他 ◆岡本裕一朗(2005) 『ポストモダンの思想的根拠――9・11と管理社会』ナカニシヤ出版。 278頁、2520円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕第二段階のポストモダンがもたらす「自由な管理社会」とは? 「差異の戯れ」をも取り込む複雑で不可視な「管理」に、 「思想」という唯一の武器で挑む、明快な現代思想入門。 ◆伊勢田哲治(2005)『哲学思考トレーニング』 筑摩書房(ちくま新書)。267頁、780+税円。7月刊行。 ◆C. レヴィ=ストロース著、川田順造・渡辺公三訳(2005) 『レヴィ=ストロース講義――現代世界と人類学』平凡社(平凡社ライブラリー)。 259頁、1260円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕20世紀最良の思潮「構造主義」を拓いた碩学が、 性・開発・神話的思考をキーワードに、 21世紀世界が直面する諸問題を論じ、文化人類学の可能性をさし示した 東京講演の全記録。解説=佐藤仁 ◆新川敏光(2005)『日本型福祉レジームの発展と変容』 (シリーズ・現代の福祉国家 1)、ミネルヴァ書房。450頁、4200円。7月刊行。 ◇〔本書帯より〕日本の福祉レジームの実像に迫る―― 権力資源動員論、歴史的制度論、高齢化、グローバル化など、多様な視角から、 日本の福祉政治を分析する。 ◇〔出版社HPより〕戦後日本における福祉レジームの発展と変容を、 労資の権力資源動員と政治的リーダーシップ、 官僚のイニシアティヴという異なる政治のダイナミズム、 およびそれらが作動する制度的諸条件に着目し、 国際比較の観点から分析したものである。 ◆生活保護手帳編集委員会編(2005) 『生活保護手帳(2005年度版)』中央法規出版。 594頁、2625円。7月刊行。 ◇なぜか今年度版になって、タイトルが元号から西暦に変更され、カバー付きに。 ◆佐藤 清編(2005)『フランス――経済・社会・文化の位相』 (中央大学経済研究所研究叢書 39)、中央大学出版部。 286頁、3675円。7月刊行。 ◆森岡正博(2005)『生命学をひらく――自分と向きあう「いのち」の思想』 トランスビュー。194頁、1680円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕脳死臓器移植、出生前診断などをめぐり 従来の生命倫理に抗して全く新しく展開してきた、森岡生命学。 その全体像とエッセンスが誰にもよく判る講義集。自分を棚上げにした思想や、 旧来の学問の枠組みを打ち破る森岡正博の魅力が全開する、本物の「知の教科書」。 ◆河合香織(2005)『セックスボランティア』新潮社。 238頁、1575円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕障害者だってやっぱり、恋愛したい。性欲もある。 不自由さをかかえた障害者であっても性欲があるのはごく自然のこと。しかしそれは、 見てはいけない、触れてはいけないこととされてきた。障害者は“性的存在”ではいられないのか? 障害者の欲求や思いを満たすための「性の介助」はどのようになされるものなのか? 彼らの愛と性の現実に迫るノンフィクションの意欲作。 ◆池上 惇・二宮厚美編(2005) 『人間発達と公共性の経済学』桜井書店。272頁、2730円。7月刊行。 ◆福井憲彦(2005)『ヨーロッパ近代の社会史――工業化と国民形成』 岩波書店。336頁。2940円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕イギリス産業革命に始まる工業化の進展と、 「同質性」を基礎に置く国民国家の創出。 19世紀ヨーロッパの歴史展開を決定づけた2つのうねりは、 人びとの生き方や感じ方、アイデンティティに いかなる変容をもたらしたのか。 西欧近代の大変動を社会史の視点からとらえ、 さらに社会史的方法への考察をおこなう、待望の論文集。 ◆岡田章宏(2005)『近代イギリス地方自治制度の形成』桜井書店。 292頁。6090円。7月刊行。 ◇第3章「近代的地方政府の始動――『自発性の原則』に基づく自治的活動」の構成は、 第1節「1848年公衆保健法の成立とそれに対する批判――「地方の自己統治」対中央集権」、 第2節「1858年以降の改革動向――「自発性の原則」の成立」、 第3節「王立衛生委員会と1875年公衆保健法――「自発性の原則」の制度的定着」、 となっている。 ◆名古忠行(2005)『ウェッブ夫妻の生涯と思想――イギリス社会民主主義の源流』 法律文化社。346頁。6300円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕イギリス福祉国家のプランナーとも称される シドニーとビアトリス・ウェッブ夫妻の生涯と思想、 その歴史的意義を研究対象とし、彼らの独自な思想の イギリス政治思想史上における正当な位置づけを行う。 ◆中村政則(2005)『戦後史』岩波書店(岩波新書)。 256頁、882円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕1945年8月15日の敗戦から60年.戦後を否定的にとらえる論調や歴史意識が強まり, いま戦後最大の岐路に立っている.戦後とはいったい何だったのか. 戦争とグローバルな視点を重視する貫戦史という方法を用い, アジアとの関係や戦争の記憶の問題に留意しながら,戦後60年の歴史を総括する. ◆武川正吾編(2005)『地域福祉計画――ガバナンス時代の社会福祉計画』 有斐閣(有斐閣アルマ)。265頁、1995円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕地域福祉の推進を図り、地方自治体が「地域福祉計画」を策定することが、 社会福祉法に定められた。 本書は地域福祉計画の考え方をわかりやすく解説する、初めてのスタンダード・テキスト。 総合化、分権化、住民参加などの基本的な考え方に焦点を当てて解説する。 ◆『島崎稔・美代子著作集』(全10巻+別巻)、礼文出版。 → 2005年9月に完結。 ◇〔第5巻帯より〕一人ひとりの住民に、若き学生に、そして研究者にいつも問いかけた“真実は常に具体的である”。 社会学者・経済学者が都市と農村の幾多の社会調査を通して、戦後日本社会の仕組みと動向を明らかにする。 ◇第1巻 戦後日本資本主義分析 安原 茂編 2005年9月 6,300円。 ◆第2巻 日本農村社会の構造と論理 蓮見音彦編 2004年4月 6,300円。 ◆第3巻 戦後日本の農村支配機構 安原 茂編 2004年5月 5,250円。 ◆第4巻 戦後日本の都市分析 倉沢 進編 2004年11月 4,200円。 ◆第5巻 社会科学としての社会調査 川合隆男編 2004年4月 3,150円。 ◆第6巻 調査報告1 安中調査と鉱害裁判 安原 茂編 2004年12月 6,300円。 ◆第7巻 調査報告2 ダム建設と地域社会 高橋明善編 2004年12月 6,300円。 ◆第8巻 調査報告3 都市調査と構造分析 大野 晃編 2004年12月 5,250円。 ◇第9巻 ボルゴの民:イタリアの都市と農村 古城利明編 2004年4月 4,200円。 ◇第10巻 能楽社会の構造 倉沢 進編 2004年5月 5,250円。 ◇別 巻 小論文・時評 安原 茂編 2005年9月 6,300円。 ◆日向 康(2005)『松川事件――謎の累積』新風舎(新風舎文庫)。672頁、1190円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕占領軍関係者による謀略犯罪なのか? いったい誰が何のために―― 1949(昭和24)年8月17日午前3時9分、福島県松川町の東北本線で、突如列車が転覆、機関士ら3名が死亡するという事件が起こった。 この事件で20名が逮捕されたが、1963(昭和38)年、全員無罪が確定した。だが、今日にいたっても真犯人は挙がっていない。 本書では、著者が保線係長の証言に出会ったことが契機となり、事件の深層を急速に解明していく――。 解説は戦後思想界を先導した鶴見俊輔氏。冷戦の進行と大量の人員整理が背景にある鉄道三大事件がついに完結。 「下山事件」「三鷹事件」、そして「松川事件」はいまだ謎につつまれる。 ◆川上昌子編著(2005)『日本におけるホームレスの実態』 学文社。394頁、3570円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ホームレスとして表れている貧困の社会的性格を1980年代以前からの高度経済成長との 関連において分析、また川崎市において実施したホームレス調査を基にホームレスである人々の実態を示した。 またホームレス問題の背景の究明から、実態・政策の問題に迫る多角的な視点からの諸論考を収録。 ◆林 博史(2005)『BC級戦犯裁判』岩波書店(岩波新書)。 238頁、777円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕アジア太平洋戦争における残虐行為の命令者から実行者まで, およそ5700人が裁かれたBC級戦犯裁判. 7カ国に設置されたその法廷では何が明らかにされ,どんな戦争犯罪が問われたのか. 被告はどんな人たちだったのか. 裁判所の創設から戦犯の釈放までを辿りつつ,裁判の全貌とその現代的意義を考察する. ◆年報編集委員会編(2005) 『寄せ場』(日本寄せ場学会年報第17・18合併号)、れんが書房新社。 247頁、2625円。6月刊行。 ◆佐口和郎・中川 清編著(2005) 『福祉社会の歴史――伝統と変容』(講座・福祉社会2)、 ミネルヴァ書房。412頁。3990円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕日本の福祉社会を歴史的に振り返ることで、 これまでの発達史の文脈を相対化し、 東アジアを含む国際比較可能な枠組みを提示する。 そのために、雇われて働く生活との関係という観点を組み込みながら、 福祉社会の諸制度および福祉対象の生活像の展開、 という二つの視角から接近する。 ◆ポリー・トインビー著、椋田直子訳(2005) 『ハードワーク――低賃金で働くということ』東洋経済新報社。305頁、1890円。6月刊行。 ◆倉本智明編(2005)『セクシュアリティの障害学』明石書店。301頁、2940円。6月刊行。 ◆森嶋通夫(2005)『森嶋通夫著作集 別巻 自伝・年譜・著作目録』岩波書店。500頁、8820円。6月刊行。 ◇「自伝」として収録されているのは、朝日新聞社から刊行された「ある人生の記録」三巻本(下記参照)。 以前に、第2巻がおもしろくて何度も読み返したのを思い出す。 森嶋通夫(1997)『血にコクリコの花咲けば――ある人生の記録』朝日新聞社。279頁、1890円 森嶋通夫(1999)『智にはたらけば角が立つ――ある人生の記録』朝日新聞社。328頁、1890円 森嶋通夫(2001)『終わりよければすべてよし――ある人生の記録』朝日新聞社。381頁、1890円 ◆中山 元(2005)『高校生のための評論文キーワード100』 筑摩書房(ちくま新書)。223+vii頁、756円。6月刊行。 ◆カール・マルクス著、中山元・三島憲一・徳永恂・今村仁司・村岡晋一訳(2005) 『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異/ヘーゲル法哲学批判序説/ユダヤ人問題によせて/ 経済学・哲学草稿』(マルクス・コレクション I)、筑摩書房。448頁、3150円。6月刊行。 ◆中村圭介・石田光男編(2005)『ホワイトカラーの仕事と成果――人事管理のフロンティア』 東洋経済新報社。296頁、2730円。6月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「成果主義」は、ホワイトカラー生産性向上の決定打なのか。 デパート、電機メーカーなど、5つの企業への聞きとり調査をもとに、 ホワイトカラーの仕事管理の実態を明らかにする。 ◆樫原 朗(2005) 『イギリス社会保障の史的研究 V――20世紀末から21世紀へ』法律文化社。 724頁、13650円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕ブレア政権下の社会保障制度の実際とその背景・思想を丹念に解明。 「福祉から就労へ」という新労働党の福祉政策のもとに進められる 国民保健サービス、コミュニティ・ケア、年金改革、家族・就労政策を展開。 社会的排除にも論及。 ◆トニー・フィッツパトリック著、武川正吾・菊地英明訳(2005) 『自由と保障――ベーシック・インカム論争』勁草書房。 265頁、3780円。5月刊行。 ◆東京ソーシャルワーク編(2005) 『How to 生活保護――暮らしに困ったときの生活保護のすすめ【「自立支援」対応版】』 現代書館。223頁、1890円。5月刊行。 ◆中垣陽子(2005)『社会保障を問いなおす――年金・医療・少子化対策』 筑摩書房(ちくま新書)。256頁。777円。5月刊行。 ◆駒村康平(2005)『福祉の総合政策』新訂三版、創成社。 299頁、2940円。5月刊行。 ◆今村仁司(2005)『マルクス入門』筑摩書房(ちくま新書)。 240頁、756円。5月刊行。 ◆三島憲一(1987)『ニーチェ』岩波書店(岩波新書)。 777円。2005年5月復刊。 ◇〔出版社HPより〕西洋の理性中心主義とキリスト教道徳を容赦なく批判し, 力への意志,神の死,永遠回帰を説き,生は認識を通じて美となるべきことを 主張したニーチェ.ハイデガーからドゥルーズ=ガタリまで,彼なくして二十世紀思想は語りえない. 『ツァラトゥストラ』など深い孤独の思想を読み解き,彼の批判が現在の状況とどう関わるかを考える. ◆同志社大学大学院総合政策科学研究科編(2005)『総合政策科学入門』第2版、成文堂。303頁、3150円。4月刊行。 ◆山脇直司(2005)『社会福祉思想の革新――福祉国家・セン・公共哲学』 (かわさき市民アカデミー講座ブックレット No. 21)、 川崎市生涯学習振興事業団かわさき市民アカデミー出版部。77頁、525円。4月刊行。 ◆J.アイスランド著、上野正安訳(2005)『アメリカの貧困問題』 シュプリンガー・フェアラーク東京。320頁、2940円。4月刊行。 ◆小松秀和(2005)『日本の医療保険制度と費用負担』(MINERVA社会福祉叢書 13)、 ミネルヴァ書房。146頁、3675円。4月刊行。 ◆アジット・S・バラ/フレデリック・ラペール著、 福原宏幸・中村健吾監訳(2005:原著第2版2004) 『グローバル化と社会的排除――貧困と社会問題への新しいアプローチ』 昭和堂。304頁、2940円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現在進行しているグローバリゼーションや規制緩和、 福祉国家の危機のもとで広がりつつある社会的排除を 多角的に分析する。社会的排除は、グローバルな市場の圧力によって 創りだされた今日の開発パターンに対して提起されるべき 基本的問題である。 ◆日本福祉大学COE推進委員編(2005)『福祉社会開発学の構築』ミネルヴァ書房。 236頁、2940円。4月刊行。 ◇〔日本福祉大学ホームページより〕福祉と開発の融合を目指して―― 社会福祉分野の政策科学・評価研究と貧困地域の参加型社会開発研究統合の試み グローバル化とローカル化が同時進行している現代社会では、 人口高齢化、貧困と格差拡大、社会的排除などの新しい福祉問題が出現している。 本書は、それらの新たな問題を解決するための、地域社会を基盤にした社会福祉と社会開発を融合した 新しい「福祉社会開発学」構築への世界初の野心的試みである。 ◆野村秀和編(2005) 『高齢社会の医療・福祉経営――非営利事業の可能性』 桜井書店。213頁、2520円。4月刊行。 ◆J. E. スティグリッツ/C. E. ウォルシュ著、藪下史郎ほか訳(2005) 『スティグリッツ入門経済学』第3版、東洋経済新報社。537頁、3675円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕もはや「経済学の入門書」ではグローバルスタンダードとして定評のある テキストの第3版。不完全市場についての新たな章と7種類のコラム、書き下ろしの4章分でますます魅力的に。 ◆マジェラー・キルキー著、渡辺千壽子監訳(2005:原著2000) 『雇用労働とケアのはざまで――20カ国母子ひとり親政策の国際比較』 ミネルヴァ書房。338頁、3675円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家はどのように女性の社会的権利を形づくり、 とりわけ女性の雇用労働とケア提供との関係をいかに 構築しているか。本書は、20カ国の雇用労働とケアをめぐる母子家庭に対する 政策環境の構造と成果を比較分析するとともに、 フェミニストの比較福祉国家研究への新たな方向を示唆する。 ◆山田 誠編著(2005)『介護保険と21世紀型地域福祉』 ミネルヴァ書房。248頁、2940円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕介護保険認定率が日本で一番高い鹿児島県の実情から介護保険の実態を把握し、 地方(非都市域)におけるこれからの高齢者介護システムづくりを探究。 今次の制度改革によりますます混迷する介護保険制度の行方を見据え、 持続可能な高齢者介護システムを再構築することによって、真の「21世紀型地域福祉」を提言する。 ◆エドワード・ソジャ著、加藤政洋訳(2005:原著1996) 『第三空間――ポストモダンの空間論的展開』青土社。 422頁、4410円。4月刊行。 ◆高橋哲哉(2005)『靖国問題』筑摩書房(ちくま新書)。 240頁、756円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕21世紀の今も、なお「問題」であり続ける「靖国」。 「A級戦犯合祀」「政教分離」「首相参拝」など諸点について多くの意見が対立し、 その議論は多くの激しい「思い」を引き起こす。だが、その「思い」に共感するだけでは、 あるいは「政治的決着」を図るだけでは、なんの解決にもならないだろう。 一体何が「問題」なのかきちんと知りたい、 そして自分の考えを持ちたい、そう願う読者へ。 「靖国」を思想の問題として、哲学の視点から正確な論理で読み解く。 きわめて明快な決定的論考! ◆星 浩(2005)『自民党と戦後――政権党の50年』 講談社(講談社現代新書)。190頁、735円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕敗戦から立ち上がるときのたくましさ、高度経済成長を支える勤勉さ、 冷戦構造の枠内で、できることなら血を流したくないという平和志向。 その一方で、冷戦とバブル経済が崩壊した後の激動に十分対応しきれない保守性。 自民党は、日本人そのものといってもよい特性を持っている。 その自民党も、結党から半世紀を経て多くの点で限界を見せるようになってきた。 それは、戦後半世紀余にわたり成功体験を重ねてきた日本の限界とも重なる。 この機会に自民党という巨象を、さまざまな角度から眺めてみようというのが 本書の狙いである。――<本書より> ◆北場 勉(2005)『戦後「措置制度」の成立と変容』法律文化社。318頁、6615円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉(基礎構造)改革により変化したといわれる社会福祉サービス供給体制。 「措置制度」の概念・範囲を明らかにし、基本理念を抽出することで、 その本質的部分のどこがどのように変わったのかをさぐる。 ◆村上宣寛(2005)『「心理テスト」はウソでした。受けたみんなが馬鹿を見た』 日経BP社。228頁、1575円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕就職試験、もろもろの適性検査、あるいは、臨床場面で多用されている心理(性格) テストは、実はほとんど使い物にならない、詐欺同然の代物であることを痛快に暴露する。 キリは「血液型人間学」から、心理臨床家の使う「ロールシャッハ・テスト」、 就職試験の常連「内田クレペリン検査」、性格テストの定番「YG検査」まで、何とみんな事実無根。 信じがたいほどズサンな基礎データの収集と解析、及び外国からの移植時の統計的処理への無知などを 剔抉(てっけつ)。心理テストの第一人者が、実体験=研究団体とのやり取り、実際のテスト開発の経緯、 噴飯物の学会・シンポジウム記録等々=を踏まえて、ユーモアと皮肉を交えて語り下ろす。 血液型性格診断、占い、種々の心理・性格テスト好き、あるいは、それらを受ける必要のある人、 使う側の人必読。面白くて、ためになる心理テストの正体!読んで損はさせません。 ◆アンソニー・ギデンズ著,秋吉美都訳,2005,『モダニティと自己アイデンティティ――後期近代における自己と社会』ハーベスト社。3月刊行。 ◆原 純輔・浅川達人(2005)『社会調査』放送大学教育振興会。246頁、2730円。3月刊行。 ◆片島紀男(2005)『三鷹事件――1949年夏に何が起きたのか』新風舎(新風舎文庫)。 992頁、1489円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕1949(昭和24)年7月15日夜9時20分頃、国鉄中央線三鷹駅構内に滞留していた無人の電車が突然動き出した。 ホームに突っ込み車止めを破砕し、さらに道路を横切り駅前運送店に飛び込みようやく停止した。この事故でホームの乗客ら6名が即死、 20名が重軽傷を負った。この年は全国で怪奇な鉄道事故が勃発し、とくに、7月から8月にかけては、「下山事件」「松川事件」と惨殺な事件が相次いでいた。 本書は、いまだ謎に包まれた「三鷹事件」の全貌を、関係者インタビューと膨大な公判資料、新発見のGHQ資料などを駆使して解明。解説は森達也。 ◆池上直己・遠藤久夫編著(2005)『医療保険・診療報酬制度』 (講座 医療経済・政策学第2巻)、勁草書房。272頁、3045円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕これからの医療従事者に必要な経済学と政策学の基礎知識と視点を提供し、 「医療経済・政策学」の確立を目指すシリーズ第2巻。医療費問題は先進諸国に共通する国内問題だが、 医療保険制度は国によって異なるため、医療費問題に適切な解を見出すためには自国の医療制度に関する 正しい理解が必要となる。医療保険制度を多様な視点と最新の知見から研究する本書は、 医療経済、医療政策を研究する上で有益な手引きとなる。 ◆小野哲郎(2005)『新・ケースワーク要論――構造・主体の理論的統合化』 ミネルヴァ書房。284頁、3675円。3月刊行。 ◇〔本書カバー袖より〕社会福祉実践方法(社会福祉援助技術論)の直接的援助法としてのケースワークをベースにおきながら、 ソーシャルワークの目的・視点の再検討と、ケースワークの内在的機能を確定する。 同時に、現代社会の生活問題(貧困・低所得・差別・抑圧)の解決に求められる社会科学的ソーシャルワークの枠組みと ケースワーク論の再編を追求する。 ◆森 靖雄(2005) 『新版 やさしい調査のコツ』大月書店。251頁、2100円。3月刊行。 ◆カール・マルクス著、横張 誠・木前利秋・今村仁司訳(2005) 『ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日/経済学批判要綱[序説][資本制生産に先行する諸形態]/経済学批判[序言]/ 資本論第一巻初版[第一章]』(マルクス・コレクション V)、筑摩書房。384頁、2940円。3月刊行。 ◆堀田祐三子(2005)『イギリス住宅政策と非営利組織』日本経済評論社。 226頁、4200円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕地方自治体による公営住宅供給から、ボランタリー組織による住宅供給・支援へ、 ドラスチックな政策転換の実態と意義を詳細に分析・解明。今後の展開を探る。 【おもな内容】 第1章 非営利組織による住宅供給の起源、 第2章 公営住宅モノポリー期と非営利組織、 第3章 ハウジング・アソシエーションの胎動期、 第4章 公営住宅から社会住宅へ、 第5章 ハウジング・アソシエーションの活動の多様化、 第6章 公営住宅移管とハウジング・アソシエーション、 第7章 フォイヤーの取り組み、 第8章 ブレア政権の住宅政策とハウジング・アソシエーション ◆岩崎晋也・池本美和子・稲沢公一(2005) 『資料で読み解く社会福祉』有斐閣。282頁、2625円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会福祉学を学ぶ際に必ず出会う,最も重要な概念である現代福祉国家,ニーズ,おおやけ(公), 社会連帯,社会事業,ソーシャルワークについて,その出発点,発展,現在における意味などを, 原典資料を読みながら学ぶ,社会福祉のさまざまな講義に役立つ副読本。 ◆松村高夫(2005)『イギリスの鉄道争議と裁判――タフ・ヴェイル判決の労働史』 ミネルヴァ書房。300頁、6300円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕会社、労働組合、裁判所などが残した史料をもとに、 そのストライキと裁判の過程をミクロ・ヒストリーとして再現し、 同時代のイギリスにおけるソーシャリズムとリベラリズムの対立・相克が 個別労働組合に凝縮して現れた、その複雑な諸相を具体的に明らかにする。 同時に、労働争議法(1906年)によりタフ・ヴェイル判決が廃止されるまでの鉄道労働組合の運動の過程を、 同判決の廃止あるいは受容を求める全国的な労働運動・政治運動と関連させてマクロ・ヒストリーとして辿り、 ここでもソーシャリズムとリベラリズムの対立・相克の諸相を明らかにする。 ◆廣澤孝之(2005)『フランス「福祉国家」体制の形成』法律文化社。 242頁、4935円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕社会保障に関しては独自の道を歩んできたフランス。 共和政国家の統合原理のなかに福祉の領域をどう取り込むかという、 19世紀以来の議論の歴史的展開をふり返り、 フランス福祉国家の構造的特性の一断面を解明する。 ◆社会政策学会編(2005) 『若者――長期化する移行期と社会政策』(社会政策学会誌第13号)、法律文化社。 290頁、3045円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕若者の長期化する移行期問題の枠組みをとらえ、 日本および諸外国の実態と政策課題を 家族、学校教育、労働市場、社会保障に焦点をあてて検証する。 共通論題4本、テーマ別分科会9本、国際シンポジウムほか。 ◆玄田有史(2005)『仕事のなかの曖昧な不安――揺れる若年の現在』 中央公論新社(中公文庫)。277頁、620円。3月刊行。初版刊行は2001年。 ◆EDP編(2005)『英辞郎 第二版』アルク。166頁、2500円。3月刊行。 ◇〔本書表紙より〕130万項目突破!進化を続ける英和・和英データベース。 日常会話フレーズから政治、経済、時事、理工、医学、文学、映画まで あらゆる分野を網羅。検索ソフトもさらに使いやすく! (付録 Win / Mac CD-ROM) ◆白波瀬佐和子(2005)『少子高齢社会のみえない格差――ジェンダー・世代・階層のゆくえ』東京大学出版会。 224頁、3990円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕少子高齢化をキーワードとして,3つの問題設定をし,それらについて高学歴化,未婚化・晩婚化, 経済的格差というマクロな変化を結婚・役割分担・同居形態・支援提供という個人の行為の側面に注目して, ジェンダーと世代,階層論の立場から分析する.急速な人口変動による少子高齢社会の到来への視座をしめす. ◆ロイドン・ハリスン著、大前 眞訳(2005:原著2000) 『ウェッブ夫妻の生涯と時代――1858〜1905年:生誕から共同事業の形成まで』 ミネルヴァ書房。444頁、6825円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕Royden J. Harrison, The Life and Times of Sidney and Beatrice Webb:1858-1905, Macmillan Press, 2000 の邦訳。 シドニーとビアトリスの二人は1892年に結婚し、力を合わせて社会主義と労働組合運動に生涯をささげ、 多くの論考を世に出した。 またシドニーは、労働党内閣で商務大臣、植民省大臣などを歴任した。 本書は波乱に満ちた二人の前半生を追う。 ◆岩田正美・西澤晃彦編著(2005) 『貧困と社会的排除――福祉社会を蝕むもの』(講座・福祉社会9)、ミネルヴァ書房。 336頁、3675円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕貧困と社会的排除は、21世紀福祉社会の「中心」にある課題である。 福祉の「発展」の中で隠蔽されてきたこの課題に迫るために、 第一部で現代日本の貧困と排除を検討する視点をまず論じ、 第二部では貧困の実態についてのさまざまな角度や方法による実証研究を収録するとともに、 第三部は、戦後日本の具体的福祉政策が貧困をどのように対象化し、 具体的プログラムを展開していったのかを多様な角度から検討する。 さらに第四部において、貧困や社会的排除からの出口を模索する。 ◆小塩隆士(2005)『社会保障の経済学』第3版、 日本評論社。277頁、3150円。2月刊行。 ◆大内講一(2005)『やさしい医療経済学』勁草書房。 184頁、2310円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕医療制度と経済学の知識が十分ではない医療経済学初学者向け入門書。 医療福祉系学生必携テキスト。医療経済学が必要とされる背景、および経済学と医療制度 の初歩から説き起こし、医療経済学の考え方を解説するテキスト。日本の医療・介護保険制度改革年表を付す。 ◆村上文司(2005)『近代ドイツ社会調査史研究――経験的社会学の生成と脈動』 ミネルヴァ書房。356頁、5775円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕近代ドイツにおける社会調査の歴史を、 その多様な展開をうながした時代的文脈に留意しつつ整序する。 そして、アカデミズムの内外で展開された多種多様な社会調査と、 その周辺で生じた種々の「出来事」に関与した 同時代人の「社会的営為」から、経験的社会学の生成にむけた軌跡を素描する。 ◆廣松 渉(1988)『新哲学入門』岩波書店(岩波新書)。 777円。2005年2月復刊。 ◇〔出版社HPより〕哲学とはなにを解明しようとする学問なのか. 近代哲学の行きづまり状況はいかにして打破さるべきか. 従来の物的世界像から事的世界観への転回をはかって 独自の哲学体系を構想し各方面に波紋を投じている著者が, 認識,存在,実践の三つの側面から,私たちを捉えている 近代的世界観の根底的批判を展開し,新しい知の枠組への案内を試みる. ◆OECD編著、阿萬哲也訳(2005) 『世界の医療制度改革――質の良い効率的な医療システムに向けて』明石書店。 151頁、2625円。1月刊行。 ◆杉沢秀博・杉原陽子・中谷陽明(2005) 『介護保険制度の評価――高齢者・家族の視点から』 三和書籍。198頁、3570円。1月刊行。 ◆本橋哲也(2005)『ポストコロニアリズム』岩波書店(岩波新書)。 254頁、777円。1月刊行。 ◇〔出版社HPより〕植民地主義のすさまじい暴力にさらされてきた人々の視点から西欧近代の歴史をとらえかえし, 現在に及ぶその影響について批判的に考察する思想,ポストコロニアリズム. ファノン,サイード,スピヴァクの議論を丹念に紹介しながら, 〈日本〉という場で「植民地以後」の課題に向き合うことの意味を考える,最良の入門書. ◆芹沢一也(2005) 『狂気と犯罪――なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか』講談社(講談社+α新書)。 222頁。840円。1月刊行。 ◆カール・マルクス著、今村仁司・三島憲一・鈴木直訳(2005:底本1962) 『資本論 第一巻 上』(マルクス・コレクション W)、筑摩書房。545頁、3360円。1月刊行。 ◆カール・マルクス著、今村仁司・三島憲一・鈴木直訳(2005:底本1962) 『資本論 第一巻 下』(マルクス・コレクション X)、筑摩書房。614頁、3675円。1月刊行。 ◇〔出版社HPより〕マルクスの予見どおり、近代世界は世界資本主義として完成しつつある。 それは富める者と貧しい者の格差がますます広がっていく世界である。 はたして資本主義は豊かで公正な社会を実現しうるのか。 新たな読解をとおして蘇生をまつ、魅惑にみちたマルクスの精髄! 新たな読みの可能性を求めて全篇を新訳。既訳にとらわれない清新かつ平明な訳語・表現。 『資本論』が小説のように読める! ◆谷沢弘毅(2004)『近代日本の所得分布と家族経済――高格差社会の個人計量経済史学』 日本図書センター。605頁、6825円。12月刊行。 ◇社会政策学会学術賞を受賞。 ◆橘木俊詔編(2004)『リスク社会を生きる』岩波書店。306頁、3045円。12月刊行。 ◆アンソニー・ギデンズ著、松尾精文ほか訳(2004) 『社会学』第4版、而立書房。869頁、3780円。12月刊行。 ◆B・マックペイク/L・クマラナヤケ/C・ノルマンド著、大日康史・近藤正英訳(2004) 『国際的視点から学ぶ医療経済学入門』東京大学出版会。420頁、4200円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕経済学の基礎知識から世界各国の最新事例まで, 初学者がバランスよく学べる「世界標準」のテキスト.保健医療の問題に対して, 経済学の枠組みがいかに有用な洞察を与え得るかを説き起こし,人びとの生活の質を高め, 医療サービスへの衡平なアクセスに貢献するための方策を考える. ◆宮島 喬(2004)『ヨーロッパ市民の誕生――開かれたシティズンシップへ』 岩波書店(岩波新書)。230頁、777円。12月刊行。 ◇〔出版社HPより〕地域統合と分権化が深まり,外国人労働者や難民の定住もすすむヨーロッパ. 国民国家のありようが問い直される中で,国籍や社会的諸権利の考え方も大きく変わりつつある. この動きは日本社会にどんな意味があるのか.長らくヨーロッパ社会を観察してきた社会学者が, 多層化するシティズンシップの行方を探る. ◆赤川 学(2004)『子どもが減って何が悪いか!』 筑摩書房(ちくま新書)。217頁、735円。12月刊行。 ◆『現代思想』第32巻第15号(緊急特集 ジャック・デリダ)、青土社。 270頁、1300円。12月刊行。 ◆絵所秀紀・穂坂光彦・野上裕生編著(2004) 『貧困と開発』(シリーズ国際開発第1巻)、 日本評論社。218頁、2800円。11月刊行。 ◇各章のタイトルを列記すると次の通り。貧困と開発、経済成長と貧困・雇用、開発援助と貧困削減の経済学、 農村の貧困と開発の課題、都市貧困と居住福祉、貧困と教育、ジェンダーと貧困、マイクロ・ファイナンスの金融メカニズム、 ソーシャル・キャピタル、アフリカの貧困、「貧困と開発」からみた日本の経験。 ◆佐伯啓思(2004)『自由とは何か――「自己責任論」から「理由なき殺人」まで』 講談社(講談社現代新書)。286頁、777円。11月刊行。 ◆齋藤孝(2004)『座右の諭吉――才能より決断』光文社(光文社新書)。735円。11月12日刊行。 ◇〔出版社HPより〕「まず相場を知る」「浮世を軽く視る」「血に交わりて赤くならぬ」「極端を想像す」 ――福沢諭吉に学ぶ「生きる指針」。 私は、世に出るまで長い修業時代を送った。そのときに『福翁自伝』を手にとって以来、何かの折りに開いている。 私の勝手な思いこみではあろうが、自分と福沢には非常に似通った部分がある気がして、とても他人とは思えない。 事を処すに当たっての福沢独自の原則に、私は非常に共感できる。 『福翁自伝』には、福沢の人生訓や、転機からチャンスをつかんだときのエピソード、いわゆる「生きる指針」が詰まっている。 本書ではその『福翁自伝』をはじめ、彼のいくつかの著書をテキストとして、私たちがいま福沢の生き方から何を学べるかをクリアにしていく。(「まえがき」より) ◆結城康博(2004)『これからの介護保険を考える――制度改正にあたっての政策論と福祉援助技術論』 本の泉社。120頁、1260円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、現在審議されている制度改正のポイントを中心に、 ケアマネジメントシステムの内容と合わせて明らかにしたものである。 ――(中略)――本書を目にしていただければ、どのような議論の過程で 制度改正がなされていったかを理解できるのではないだろうか。 執筆にあたっては、審議会の議事録や新聞記事などを参考にしながらも作業にとりかかった。 本書が福祉にあまり関心の無い方々にも、目にすることによって 介護保険の理解につながれば幸いである。――「はじめに」より ◆結城康博(2004)『福祉社会における医療と政治――診療報酬をめぐる関係団体の動き』 本の泉社。263頁、2675円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現役・ケアマネージャーが客観的な立場で医療問題の真髄に挑む―― 社会保険制度が基軸となっている日本の医療では、 診療報酬の動向によって医療政策の方向性が大きく影響される。 特に、診療報酬の問題は、利益団体が絡み政治化される傾向にある。 いわば、医療問題の真髄は、診療報酬をめぐる政治の動向に あるといっても過言ではない。――「はじめに」より ◆ジェラード・デランティ著、佐藤康行訳(2004) 『グローバル時代のシティズンシップ――新しい社会理論の地平』日本経済評論社。344頁、3150円。10月刊行。 ◆ノーマン・バリー著、斎藤俊明ほか訳(2004) 『福祉――政治哲学からのアプローチ』昭和堂。256頁、2835円。10月刊行。 ◇〔出版社HPより〕国家は国民のよき生活に責任を負うべきか。 そういった政治論争や福祉対策が引き起こした問題から 「福祉」概念の特徴を浮彫りにする。 ◆ジェームズ・コールマン著、久慈利武監訳(2006)『社会理論の基礎』(上)、青木書店。7350円。9月刊行。 ◇〔出版社HPより〕数理社会学,合理的選択理論の主導者の一人であるコールマンの主著。 諸個人のミクロな相互行為の集積・連鎖としてマクロな社会現象を捉え,多彩な事例の丹念な検討をとおして, そのプロセスのモデル化を目指した先駆的な試みとして,広い分野に影響を与える。 ◆OECD編著、岡部史信訳(2004) 『図表でみる世界の障害者政策――障害をもつ人の不可能を可能に変えるOECDの挑戦』明石書店。 231頁、3990円。9月刊行。 ◆中井健一(2004)『社会福祉原論』 文理閣。249頁、2100円。9月刊行。 ◇他の原論テキストにありがちな構成とは一線を画しており、興味深い。 福祉労働論や歴史、論争史などにページを割いている。 ただ、人名の誤字が目立つのが難点。 ◆柳谷 晃(2004)『手にとるように統計学がわかる本―― 身近にちらばる数値のカラクリ』かんき出版。255頁、1575円。8月刊行。 ◆加藤秀一(2004)『恋愛結婚は何をもたらしたか――性道徳と優性思想の百年間』 筑摩書房(ちくま新書)。238頁、756円。8月刊行。 ◇〔Amazon HPより〕夫婦別姓論議や少子化、不倫、熟年離婚など「結婚=家族」という主題が、 ここ十数年メディアを賑わしてきた。だが、こうした話題の前提として、 「一夫一婦制」自体が論議されることがなかったのはなぜか? そもそも明治期に唱導された一夫一婦制は、単なる精神論や道徳談義ではなく、 「総体日本人」の、改良という国家戦略と共存していた。 本書では、一夫一婦制と恋愛結婚をめぐる言説が、優生学という危険な部分と 表裏一体であったことを検証し、恋愛・結婚・家族という制度の「近代性」の複雑さを明らかにする。 ◆小板橋次郎(2004)『ふるさとは貧民窟(スラム)なりき』 筑摩書房(ちくま文庫)。264頁、777円。8月刊行。 ◇同書は風媒社から1993年に刊行されている。 ◆水内俊雄編(2004)『空間の社会地理』(シリーズ人文地理学5)、 朝倉書店。192頁、3990円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕人間の生活・労働の諸場面で影響を及ぼし合う「空間」と「社会」―その相互関係を実例で考察。 〔内容〕社会地理学の系譜/都市インナーリング/ジェンダー研究と地理/エスニシティと地理 /民俗研究と地理/寄せ場という空間/モダニティと空間 ◆崎山政毅(2004)『資本』(思考のフロンティアU)、 岩波書店。152頁、1365円。7月刊行。 ◇〔出版社HPより〕グローバルな資本制の勝利は、我々に何をもたらしたのか。 社会主義体制の崩壊とともに失効したかに見えるマルクスの思考がもつ可能性―― その理論的鉱脈をアクチュアルな問題群に連結し、現代資本制批判のための新たな領野に解き放つ。 『資本論』価値形態論の読解を通して、資本の支配に対抗する、変革のための条件を探る。 ◆金子 勝(2004)『粉飾国家』 講談社(講談社現代新書)。196頁、735円。7月刊行。 ◆中山 元(2004)『〈ぼく〉と世界をつなぐ哲学』 筑摩書房(ちくま新書)。233頁、756円。6月刊行。 ◇〔Amazon HPより〕グローバリゼーション、IT革命、ボーダーレス化によって、 私たちの社会は深刻で劇的な変化を遂げつつある。 これまでの枠組みはほとんど無効になりつつあるが、新たな座標軸はまだ見出せていない。 本書では、「アイデンティティ」「言語」「他者」「共同体」など身近な問題意識に沿って 哲学者たちの仕事の軌跡とその到達点を整理し、不透明な時代の〈ぼく〉について考える。 哲学史の中のさまざまな試みを手がかりに、素朴で根源的な問いにこたえる異色の入門書。 ◆大沢真理編著(2004)『アジア諸国の福祉戦略』 (講座・福祉国家のゆくえ 4)、ミネルヴァ書房。363頁、3675円。6月刊行。 ◇これにて全5巻完結。 ◆金澤誠一編著(2004)『公的扶助論』高菅出版。313頁、2600円。6月刊行。 ◇〔本書「はじめに」より〕本書の原本は、佛教大学通信教育部のテキストとして開発されたもの。 ◆全国公的扶助研究会 季刊『公的扶助研究』編集委員会編(2004) 『どうする? 生活保護「改正」――今、現場から』(公扶研叢書 1)、みずのわ出版。254頁、2415円。6月刊行。 ◇〔本書帯より〕社会福祉基礎構造改革の総仕上げとして、厚生労働省が検討する生活保護「改革」。 セーフティーネットをどうすべきか、ソーシャルケースワーカー、研究者、そして生活保護利用者の本音。 ◆近藤克則(2004)『「医療費抑制の時代」を超えて――イギリスの医療・福祉改革』 医学書院。336頁、2940円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕英国の医療改革をモデルに日本の将来への提言 人手不足による過重労働を日々実感している医療者にとって,昨今の医療費抑制政策への不安は 現実問題になりつつある。本書は厳しい医療費抑制政策により荒廃した英国の医療現場を生々しく伝え, ブレア政権以降の医療費拡大を前提とした「評価と説明責任」を核とする改革をモデルに, わが国の今後の医療・福祉像を鮮やかに提示する。 ◆日本寄せ場学会編(2004) 『寄せ場文献精読306選――近代日本の下層社会』れんが書房新社。483頁、3150円。5月刊行。 ◇〔本書カバーより〕精読306冊、紹介1000点! 寄せ場・下層底辺に視座をすえ日本近現代史の再構築を志す人々への画期的な文献案内。 ◆堀 勝洋(2004) 『社会保障法総論』(第2版)、東京大学出版会。352頁、4830円。5月刊行。 ◇〔出版社HPより〕初版刊行後10年。その間の相次ぐ改正を経た社会保障制度について、最新の判例や学説を踏まえて、 全面改定する。社会保障法を学ぶ学生、社会保障法学を講ずる教育者、法曹・公務員などの実務家にとって必携の書。 ◆駒村康平(2004)『福祉の総合政策』(新訂2版)、創成社。 301頁、2940円。5月刊行。 ◆絵所秀紀・山崎幸治編著(2004)『アマルティア・センの世界――経済学と開発研究の架橋』 晃洋書房。243頁、2625円。5月刊行。 ◆山脇直司(2004)『公共哲学とは何か』 筑摩書房(ちくま新書)。238頁、756円。5月刊行。 ◇〔Amazon HPより〕人びとの間に広まるシニシズムや無力感、モラルなき政治家や経済人、 やたらと軍事力を行使したがる大国―こうした大小さまざまの事態に直面して、 いま「公共性」の回復が切実に希求されている。 だがそれは、個人を犠牲にして国家に尽くした滅私奉公の時代に逆戻りすることなく、 実現可能なものだろうか?本書は、「個人を活かしつつ公共性を開花させる道筋」を 根源から問う公共哲学の世界に読者をいざなう試みである。 近年とみに注目を集める「知の実践」への入門書決定版。 ◆齋藤孝(2004)『座右のゲーテ――壁に突き当たったとき開く本』光文社(光文社新書)。735円。5月14日刊行。 ◇〔出版社HPより〕私は、研究者として歩み始めた二十代のころ、本質的なものを求めるあまり、抽象的思考に嵌り込んでしまい、 身動きがとれない状態に陥っていた。そういう精神的にどん底のとき、ゲーテの言葉が目に飛び込んできた。 (中略)自分の立ち位置が分からなくなったとき、何か壁に突き当たったとき、本書を開いてほしい。 何かのヒントがきっと見つかるはずだ(「まえがき」より)。 「小さな対象だけを扱う」「日付を書いておく」「完成まで胸にしまっておく」 「自分だけの師匠をもつ」――ゲーテのことばをヒントに、知的で豊かな生活を送るための「発想の技法」を学ぶ。 ◆樋口美雄・太田 清・家計経済研究所編(2004) 『女性たちの平成不況――デフレで働き方・暮らしはどう変わったか』 日本経済新聞社。311頁、1890円。4月刊行。 ◇〔家計経済研究所HPより〕(財)家計経済研究所が実施している「消費生活に関するパネル調査」は、 1993年の調査開始から既に10年のデータを蓄積しています。このたび、毎年公刊している報告書とは別に、 この10年のデータについての研究成果として、『女性たちの平成不況』が日本経済新聞社から公刊されました。 ◇岩田正美「デフレ不況下の『貧困の経験』」を収録(第8章)。 ◆小笠原浩一・平野方紹(2004) 『社会福祉政策研究の課題――三浦理論の検証』中央法規出版。206頁、3150円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕本書は、戦後わが国における代表的な社会福祉政策理論である三浦文夫の 『社会福祉経営論』を取り上げ、その理論構成の特徴と政策理論としての射程を分析・検討することを通じて、 『社会福祉経営論』の今日的意義と同時に、その批判的検討から得られる社会福祉政策研究の今後の方向性について、 明らかにしようとするものである。 ◆ポール・スピッカー著、阿部 實・圷 洋一・金子 充訳(2004:原著2000年) 『福祉国家の一般理論――福祉哲学論考』勁草書房。268頁、3675円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家発展の理由やそれに期待 できる活動の種類をより一般的に記述する理論の構想。 イギリス社会政策学の大家による福祉入門。 イギリス社会政策学の大家が福祉国家研究の基礎概念と主要論点を集成した、 独創的な福祉研究入門。日本とスウェーデンなど諸々の福祉国家の違いを 類型化する比較枠組みや施策としての社会福祉ではなく、 「社会のなかの福祉」それ自体にこだわる。 差異と連帯の緊張=福祉研究からの社会や国家の再定義。 ◆久野国夫編(2004)『産業と労働のニューストーリー ――IT・グローバル化としごとの未来』 法律文化社。280頁、2625円。4月刊行。 ◆尾藤廣喜・松崎喜良・吉永 純編著(2004) 『これが生活保護だ――福祉最前線からの検証』高菅出版。378頁、2701円。4月刊行。 ◇旧著『誰も書かなかった生活保護法』(1991年)の全面リニューアル。 ◆竹下義樹編集代表(2004) 『いのち くらし 生活保護Q&A 50プラス1――あきらめる前にこの一冊』 高菅出版。189頁、2200円。4月刊行。 ◆竹下義樹・大友信勝・布川日佐史・吉永 純(2004) 『生活保護「改革」の焦点は何か――誰もが安心して暮らせる日本のために』 あけび書房。111頁、1470円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕生活保護制度がますます厳しい制度に「改革」されようとしている。 最低賃金や年金額など社会保障全体に影響する生活保護制度。何がどう改革されようとしているのか? むしろ何をどう改革すべきなのか? 政府の検討会委員も含めた筆者陣が明らかにする。 ◆堀 勝洋編(2004)『社会保障読本』第3版、東洋経済新報社。378頁、2520円。4月刊行。 ◆二木 立(2004)『医療改革と病院――幻想の「抜本改革」から着実な部分改革へ』勁草書房。 259頁、2835円。4月刊行。 ◇〔出版社HPより〕1997〜03年の7年間に亘る医療制度改革論議を総括し、今後の方向性を予測する。 病院が、医療者が、いま果たすべき課題とは? 97年に始まる医療制度改革論議の流れを確認するとともに、 小泉政権の医療改革の中間総括を行い、今後の改革を大局的に予測する。 ◆柿原浩明(2004)『入門医療経済学』日本評論社。304頁、2940円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕年間30数兆円、GDPの6〜7%を占める日本の医療費。本書は、 この「巨大経済分野」の分析に必要となる経済学の基礎理論および医療制度の現状をバランスよく、 平易に解説したテキスト。各章練習問題・解答解説付き。 ◆斎藤純一編著(2004)『福祉国家/社会的連帯の理由』(講座・福祉国家のゆくえ5)、 ミネルヴァ書房。328頁、3675円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕福祉国家の存在理由を問う―― なぜ、人びとは社会的に連帯し、互いの生の保障をはかるのか。 従来の枠組みを再検討するとともに、今後のあり方を展望する。 20世紀において福祉国家と国民国家は一体のものであった。 本書は、社会的連帯の基盤をもっぱら国民統合に求めてきた従来の枠組みを問い直しながら、 人びとが互いの生命/生活を保障し合う社会的連帯の理由を再考する。 ◆中村健吾・中山 徹・岡本祥浩・都留民子・平川 茂編著(2004) 『欧米のホームレス問題(下)――支援の実例』法律文化社。327頁、4410円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「ホームレス問題は現代における貧困の極限的な形態」との認識のもと、 各国の事情に即して試みられている象徴的かつ具体的な支援策を紹介、検証する。 多様な考え方、形態から日本の支援策のあり方を考える。 ◇垣田裕介「ボランタリー組織によるホームレス支援の実例」(第T編「イギリス」第4章)を収録。 ◇関連書:小玉 徹・中村健吾・都留民子・平川 茂編著(2004) 『欧米のホームレス問題(上)――実態と政策』法律文化社。361頁、4500円。 ◆植田浩史(2004)『現代日本の中小企業』 岩波書店。240頁、2520円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕長年の企業調査の具体的成果を基に、 経済再生の鍵を握る中小企業のさまざまな課題を浮彫りにし、 今後の企業政策と事業展開について考察。バランスのよい叙述で、 多様な顔をもつ中小企業の本質に迫る示唆的な論考。 ◆川合隆男(2004)『近代日本における社会調査の軌跡』 恒星社厚生閣。461頁、6720円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕とかく「貧弱」と言われる第二次世界大戦終戦までの我が国の近代社会調査史を再考察する。 明治初年から、試行錯誤を繰返しつつ展開しやがて帝国主義化によって国家権力主導の色が濃くなる展開を、 その発展のため尽力した個々の人物の業績・生涯にまで焦点をあて掘り下げる。『近代日本社会学の展開』の姉妹本。 ◆芝田英昭編著(2004)『社会保障の基本原理と将来像』 法律文化社。210頁、2415円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「誰の、何のための社会保障か」――社会保障の原理を歴史から問い直し、 国民的立場から年金・医療保障、社会保障の将来像とその財源のあり方の基本原則を示す。 今日の動向と政策課題を盛りこみ、運動の指針となる書。 ◆山本 潔(2004)『日本の労働調査――1945〜2000年』 東京大学出版会。632頁、13650円。3月刊行。 ◇〔出版社HP、および『UP』377、2004年3月より〕戦後半世紀を「戦後動乱期」「高度成長期」「転換期」の三篇に分けて、 各時期ごとに日本資本主義が直面していた労働問題をテーマとした労働調査(主要調査10)を取上げ分析したものである。 日本労働調査史をたどるための縦走路を拓く初めての書。 (担当編集者から)筆者曰く、大河内・氏原先生はじめ大家のイメージを壊すのではないか?と。調査研究の裏話なども 取り入れた筆者ならではの表現方法と緻密な分析。若い世代の研究者に読んでもらいたい学術書。 ◇関連書:労働調査論研究会編(1970)『戦後日本の労働調査』東京大学出版会、436頁。6400円。 ◆市瀬幸平(2004)『イギリス社会福祉運動史――ボランティア活動の源流』 川島書店。286頁、3465円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕イギリス近代社会の成立(18世紀初頭)から現代(20世紀末)までの三世紀の歴史のなかで、 それぞれの世紀のおよそ前期、中期、後期に典型的な福祉運動となって展開され、社会福祉の歴史に大きな足跡を 残している個人や団体の福祉活動を取り上げ、民間福祉活動の継起や変遷の跡をたどることにより、 その歴史的役割の検討を試みる。 ◆日本社会福祉実践理論学会監修、米本秀仁・高橋信行・志村健一編著(2004) 『事例研究・教育法――理論と実践力の向上を目指して』川島書店。223頁、2940円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕 事例研究と事例教育の方法を概観したものとして5部構成を採用。T部・U部ではその基礎理論と具体的手法を、 V部では事例の教育法を、W部では記録法やプレゼンテーション法を、X部では事例研究の実際として5事例を収録。 事例の意味・事例研究の意味と方法、手法、事例の蓄積等が多角的に学ぶことができるようになっている。 ◆中川健太朗・成清美治編(2004)『公的扶助概論』第2版、 学文社。191頁、2310円。3月刊行。 ◆真田 是・宮田和明・加藤薗子・河合克義編(2004) 『図説 日本の社会福祉』法律文化社。223頁、2520円。3月刊行。 ◇〔出版社HPより〕「福祉」を国民のサイドから図表と解説の見開きでやさしく解説。 財政緊迫の状況のなかで私たちの暮らしをいかに護っていくべきかを、将来展望を視野に入れながら展開する。 ◆矢田喜美雄(2004)『謀殺 下山事件』新風舎(新風舎文庫)。488頁、829円。3月5日刊行。 初版刊行は、講談社、1973年7月。 ◇〔出版社HPより〕 1949年(昭和24)7月6日、午前零時20分ころ、東京郊外の常磐線の下り線レールで中年男性が列車に轢断された。 初代国鉄総裁・下山定則氏であった。下山氏は5日朝、車で自宅を出て、日本橋・三越に立ち寄ったあと消息を断っていた。 その日は、国鉄従業員十万の大量首切りが発表された翌日であった。様々な憶測が飛び交う中、捜査はまったく進展せず、迷宮入りとなる。 総裁は自殺したのか? 殺されたのか? ◆朴 光駿(2004)『社会福祉の思想と歴史――魔女裁判から福祉国家の選択まで』 ミネルヴァ書房。336頁、2940円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕各時代の複合的要因を読み解き、社会福祉の発展過程を明らかにする。 社会福祉はどのように「発展」してきたのか。本書では、社会経済的背景、文化的背景をふまえながら、 各時代の思想や代表的人物をとりあげ、社会福祉発展の過程、要因を考察する。 ◆玉井金五・久本憲夫編著(2004) 『高度成長のなかの社会政策――日本における労働家族システムの誕生』 ミネルヴァ書房。250頁、4200円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕家族を含む労働世界を中心に、20世紀における日本社会政策の構造的特質を照射する。 少子高齢化と高失業が並存する現代にあって、社会政策の課題は広範に及んでいる。 本書では、現代社会政策の原点を高度成長において検討し、社会政策のなかでも家族を含む労働世界を中心に論じる。 ◆小山進次郎(2004)『生活保護法の解釈と運用』(改訂増補)、 全国社会福祉協議会出版部。948頁、7350円。2月刊行。 ◇〔出版社HPより〕現行の生活保護法制定時に初版刊行され、まさしく“古典”でありながら、 今日でも関係者が制度の解釈と運用を考える上での座右の書・「バイブル」。 ◇〔月刊誌『生活と福祉』2004年4月号掲載の出版社広告より〕本書は、昭和26年刊行の 改訂増補版を一部修正・復刻した昭和50年版を完全再復刻したものです。 ◆ミシェル・フーコー著、田村 俶・雲 和子訳(2004) 『自己のテクノロジー ――フーコー・セミナーの記録』岩波書店(岩波現代文庫)。300頁、1155円。1月刊行。 初版は1990年(岩波書店)。 ◇〔出版社HPより〕死によって中断された新しい研究構想の原型は,このセミナーの記録に見出される. 哲学的思考を駆使して多分野の歴史を書きかえてきたフーコーは,最後は自己の問題へと向かった. 〈自己の統制〉の歴史を追いながら,どのような倫理に至ろうとしていたのか. フーコーの提起に触発されたセミナー参加者の議論も熱い貴重な講義緑. ◆橘木俊詔(2004)『家計からみる日本経済』岩波書店(岩波新書)。 213頁、735円。1月刊行。 ◇第25回石橋湛山賞を受賞。ちなみに第24回の受賞作は、神野直彦『地域再生の経済学』 (中公新書、2002年9月)。 ◇〔財団法人石橋湛山記念財団HPより〕受賞作は、経済3主体の1つ「家計」の視点から、 戦後経済の分析と、 バブル期およびそれ以降の問題点の解析を行い、 社会保障制度についての改革案ならびに対応策を提示したものであります。 個人ないし家計に軸足をおいた著者の最近の研究執筆活動は、 我が国経済の分析と政策提言にとって重要な方向性を与えるものであり、 また、 終生「有髪の僧」として「人」に着目し続けた石橋湛山の考え方にも通じるものがあるとして、 高く評価されました。 ◆小田中直樹(2004)『歴史学ってなんだ?』PHP研究所(PHP新書)。714円。1月15日刊行。 ◇〔出版社HPより〕過去を知ることは役に立つのか? 史実は明らかにできるのか? 「歴史」をめぐるさまざまな疑問に真っ向勝負、歴史学の裏舞台を覗く。 |