垣田裕介の研究室

文献情報: 西村賢太作品

2011年に芥川賞を受賞した西村賢太氏の作品に関する文献情報を寄せ集めたコーナーです。
※価格は税抜価格。内容紹介は、特記のない場合はamazonより転載。

◇更新:20150426


出典)2014年07月14日付けブログ記事「新刊を購入:西村賢太『随筆集 一私小説書きの独語』」

『どうで死ぬ身の一踊り』講談社、1,500円、2006年1月29日。
  • 唯一の憧憬にすがって生きる男の、無様で惨めな「一踊り」を描いた、あまりに暗くて、惨めで、だから可笑しくて、稲光が目の前に閃く創作集。表題作のほか、「墓前生活」「一夜」の2篇を収録。
  • 講談社HPより:第134回芥川賞候補作品。話題沸騰・衝撃の文学!
    久世光彦氏評(「週刊新潮」05年9月22日号)西村賢太という人の「どうで死ぬ身の一踊り」という小説を読んだ。凄い小説だった。私の体の揺れが止まらないのは、この小説の後遺症もあるのかもしれない。……貧困に喘ぎ、同棲している女に暴力を揮(ふる)い、愛想を尽かした女が逃げ出すと、その前に土下座して涙を零(こぼ)して復縁を哀願する――西村のその姿は「根津権現裏」の藤澤清造に瓜二つである。つまり、西村は<現代>の実人生で、藤澤と同一化しようとしているとしか思えない。西村の文学は、身も世もなく悶える文学であり、その魂の姿勢は、いまは忘れ去られた<文芸の核>なのではないかと思われる。……何はともあれ、欺されたと思って読んでもらいたい。あまりに暗くて、惨めで、だから可笑しくて、稲光が目の前に閃く。
  • 【文庫化】講談社文庫、524円、2009年1月15日。講談社HPより:こんなくだらない男でも生きている。平成の世にいきなり出現した衝撃の私小説!大正時代に極貧の生活を赤裸々に描いた長篇小説『根津權現裏』が賞賛されながら、無頼ゆえに非業の死を遂げた藤澤清造。その生き方に相通じるものを感じ、歿後弟子を名乗って全集刊行を心に誓いつつ、一緒に暮らす女に暴力を振るう男の、捨て身とひらき直りの日々。平成の世に突如現れた純粋無垢の私小説。
  • 【文庫化】新潮文庫、490円、2012年10月1日。新潮社HPより:便座上げとけって言ってんだろがっ! 現代私小説の旗手の八方破れな文学的出発点。同人誌時代作を含む第一創作集!非運の最期に散った、大正期の私小説家・藤澤清造。その作品と人物像に魅かれ、すがりつく男の現世における魂の彷徨は、惨めながらも強靱な捨て身の意志を伴うものであった。──同人誌時代の処女作「墓前生活」、商業誌初登場作の「一夜」を併録した、問題の第一創作集。賛否と好悪が明確に分かれる本書には、現代私小説の旗手・西村賢太の文学的原点があまねく指し示されている。
『暗渠の宿』新潮社、1,400円、2006年12月21日。
  • 2007(平成19)『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を受賞。
  • 新潮社HPより:「身も世もなく悶える文学」と評された、新・私小説作家待望の新作。しみじみ女が欲しい、ごく普通の恋人が欲しい――。切望して手酷く裏切られ、ついに手に入れた女と念願の同棲を始めるが……。貧困に喘ぎ、酒に溺れ、嫉妬に狂って暴力をふるい、大正期の作家藤澤清造に熱烈に傾倒する男の、過剰な欲望渦巻く過激な恋愛譚。いま最も注目される作家のデビュー作「けがれなき酒のへど」を併録。
  • 【文庫化】新潮文庫、362円、2010年2月1日。新潮社HPより:この女は、もっと私に従順であるべきだと思う。貧困、暴言、暴力、嫉妬。地の底から現れた型破りの私小説。貧困に喘ぎ、暴言をまき散らし、女性のぬくもりを求め街を彷徨えば手酷く裏切られる。屈辱にまみれた小心を、酒の力で奮い立たせても、またやり場ない怒りに身を焼かれるばかり。路上に果てた大正期の小説家・藤澤清造に熱烈に傾倒し、破滅のふちで喘ぐ男の内面を、異様な迫力で描く劇薬のような私小説二篇。デビュー作「けがれなき酒のへど」を併録した野間文芸新人賞受賞作。
『二度はゆけぬ町の地図』角川書店、1,400円、2007年10月31日。
  • 夢想と買淫、逆恨みと後悔の青春の日々……。デビュー作『どうで死ぬ身の一踊り』が「本の雑誌」が選ぶ文庫ベストテンで1位!注目の著者の最新文庫化作品!
    夢想と買淫、逆恨みと後悔の青春の日々―読んだ者を爆発的な共感と笑いの渦に落とす、現代文学に彗星のごとく現れた、私小説の救世主。
  • 角川書店HPより:いまもっとも瞠目すべき異能な私小説作家の短編集。
    十六歳。越してきたのは雑司ヶ谷の鬼子母神にほど近い四畳半。大家が老夫婦なのをいいことに家賃滞納を目論むが、激しい催促に遭い殺意を覚える・・・。(「潰走」より)
  • 【文庫化】角川文庫、438円、2010年10月23日。角川書店HPより:孤高の私小説家が描く、人間の本性! 日雇い仕事で糊口を凌ぐ17歳の北町貫多は、彼の前に現れた一人の女性のために勤労に励むが……夢想と買淫、逆恨みと後悔の青春の日々とは? 『苦役列車』の著者が描く、渾身の私小説集。
『小銭をかぞえる』文藝春秋、1,650円、2008年9月25日。
  • 金欠、妄想、愛憎、暴力。救いようもない最底辺男の壮絶な魂の彷徨は、悲惨を通り越し爆笑を誘う。新芥川賞作家の傑作私小説2篇。
    男女の間にある深い溝が、これほどまでに強烈に描き出されたことがあっただろうか?爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。“私小説の救世主”が贈る、心に突きささる傑作。女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は緊張をはらんだものになっていく。金をめぐる女との掛け合いが絶妙な芥川賞候補作「小銭をかぞえる」、女が溺愛するぬいぐるみが悲惨な結末をむかえる「焼却炉行き赤ん坊」の二篇を収録。
  • 文藝春秋HPより:凄絶で目がそらせない、男のどうしようもなさ。同棲相手との金をめぐる喧嘩が悲喜劇的な表題作と、女が偏愛するぬいぐるみが悲惨な結末を迎える「焼却炉行き赤ん坊」の2篇を収録。
    骨太な私小説作家として注目される新鋭によるこの最新小説集では、男女の間にある深い溝が、強烈な、ときに笑いすら誘う文体でこれでもかと描き出されます。女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。しかし同棲生活を送るうち、「私」の生来の暴言、暴力によって女との関係は一触即発の緊張をはらんだものになっていきます。金をめぐる「私」と女との掛け合いが絶妙な芥川賞候補作「小銭をかぞえる」、女が溺愛する犬の縫いぐるみが、「私」とのふとしたいさかいから悲惨な結末をむかえる「焼却炉行き赤ん坊」の2篇を収録。(NK)
  • 【文庫化】文春文庫、476円、2011年3月10日。文藝春秋HPより:芥川賞作家の、壮絶・爆笑の傑作私小説。金欠、妄想、愛憎、暴力。救いようもない最底辺男の壮絶な魂の彷徨は、悲惨を通り越し爆笑を誘う。新芥川賞作家の傑作私小説2篇。女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は緊張をはらんだものになっていく。金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、女が溺愛するぬいぐるみが悲惨な結末をむかえる「焼却炉行き赤ん坊」を併録。新しい私小説の誕生。解説・町田康。
『瘡瘢旅行』講談社、2009年8月26日。
  • 現代人の臓腑を震撼させる、渾身の私小説。ようやく巡り会った女との同棲。手放したくない女に邪推と怒りをぶつける男。もはやこれは宿痾というべきものなのか。野間文芸新人賞受賞作家の最新作品集。
  • 講談社HPより:こういう風にしか生きていけない。平成の破滅型私小説作家・西村賢太の第5創作集。表題作「瘡瘢旅行」の他に、川端康成文学賞候補作「廃疾かかえて」、「膿汁の流れ」収録。
    何故その私小説家のみ尊しであるのかと云う質問を、誰かから気まぐれに投げつけられたとしても、彼には、「知るか」と答えるより他はない。(中略)当事者が本気で行ない、身銭を切り、人生を棒に振るつもりでやっているのならば、たとえそんな理由なぞ皆目分からなくとも、自身では一向にかまわぬことである。――<本文より>
  • 【文庫化】『廃疾かかえて』新潮文庫、400円。2011年5月1日。新潮社HPより:怪し気な女ともだちに多額の金を貸していた同棲相手の秋恵。その人の好さに暴力的な衝動をつのらせていく、身勝手な男・北町貫多を描く表題作。大正期の無頼派作家・藤澤清造の歿後弟子を任ずる金欠の貫多がその稀覯雑誌を求め、同行を渋る女と地方へ買い出しに行く「瘡瘢旅行」他、敗残意識と狂的な自己愛に翻弄される男の歪んだ殉情を描く、全く新しい私小説。単行本『瘡瘢旅行』改題。
『随筆集 一私小説書きの弁』講談社、1,600円、2010年1月29日。
  • 私小説一筋の原点がここに。初の随筆集。西村賢太が師と仰ぎ全集刊行に全力を傾ける作家・藤澤清造への思い。異端作家・倉田啓明。平成の破滅型私小説作家を形づくったもの、すべてが込められた随筆集。
  • 講談社HPより:なにゆえに私小説なのか。なぜ藤澤清造なのか。平成の破滅型私小説作家・西村賢太の原点とデビュー以前から現在に至る軌跡をあますところ無く伝える初随筆集。
  • 【文庫化】新潮文庫、438円、2011年5月1日。新潮社HPより:落魄の半生を経て、貧窮と性病の果てに凍死した大正時代の私小説家・藤澤清造。その代表作「根津權現裏」に、真の同類を認めた衝撃から歿後弟子を名乗った著者。爾来、清造の偏見払拭と全集の刊行を生涯の努めと決意し、いつしか自身も時流に背いた私小説を書くに至った、その「師弟」関係の始まりからの関連エッセイを集成した。「なぜ清造だったのか」、その答えがここにある。
『人もいない春』角川書店、1,600円、2010年6月29日。
  • 現代私小説の最高峰!誰もが共感する、この孤独…平成の私小説家・西村賢太の渾身作。
  • 角川書店HPより:最新破滅型私小説集!誰もが共感する、この孤独……。09年度「おすすめ文庫王国」1位(『どうで死ぬ身の一踊り』)に輝いた、平成の私小説家・西村賢太が放つ渾身作!
  • 【文庫化】角川文庫、450円、2012年1月25日。カドカワHPより:親類を捨て、友人もなく、孤独を抱える北町貫多17歳。製本所でバイトを始めた貫多は、持ち前の短気と喧嘩っぱやさでまたしても独りに……『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集。
『苦役列車』新潮社、1,200円、2011年1月26日。
  • 昭和の終わりの青春に渦巻く孤独と窮乏、労働と因業を渾身の筆で描き尽くす表題作と「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を収録。第144回芥川賞受賞。
  • 新潮社HPより:どれだけ慊かろうとも仕方がない。すべては自業自得のなせる業なのだ。友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫多。或る日彼の生活に変化が訪れたが……。こんな生活とも云えぬような生活は、一体いつまで続くのであろうか――。青春に渦巻く孤独と窮乏、労働と痛飲、そして怨嗟と因業を渾身の筆で描き尽くす、平成の私小説家の新境地。
  • 【文庫化】新潮文庫、432円、2012年4月20日。新潮社HPより:劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。解説・石原慎太郎。
『寒灯』新潮社、1,404円、2011年6月30日。
  • 新潮社HPより:「その了見が慊いよ。大きに、慊いよ」貫多の忿懣爆発する、芥川賞受賞後第一作品集。
    「ぼく、おまえをずっと大切にするから、今後ともひとつよろしく頼むよ」ようやく手に入れることが叶った恋人との同棲生活。仲睦まじく二人で迎える初めての正月に、貫多の期待は高まるが、些細な事柄に癇の虫を刺激され、ついには暴言を吐いてしまう。あやうく垂れ込める暗雲の行方は――。待望の〈秋恵〉シリーズ最新作。
  • 【文庫化】『寒灯・腐泥の果実』新潮文庫、432円、2013年12月1日。新潮社HPより:受け入れてもらいたいが故の暴言、いとおしさ故の暴力。同棲生活を日々破壊してゆく北町貫多を描いた私小説集。
    初めて恋人との正月を迎える貫多。だが些細な行き違いから険悪な雰囲気になり、大晦日の夜ついに爆発する。二人の新生活に垂れ込める暗雲の行方は──『寒灯』。いくら邪険に扱っていようと、秋恵への気持ちは微塵も変わっていなかった。しかし暴言や暴力は続き、ついに彼女は去ってゆく。そのあとに残されたものは──『腐泥の果実』。他二篇を収録する私小説集、待望の文庫化。
『西村賢太対話集』新潮社、1,620円、2012年4月19日。
  • 新潮社HPより:「あなたにはどっこい生きてきた人間の強さがある」──石原慎太郎氏との対談より。
    『苦役列車』での芥川賞受賞について。小説家であり続けるには? 私小説への偏愛。創作の舞台裏。女性観。そして慊い生き方について──。受賞後の一年間に対話した石原慎太郎、町田康、高田文夫、坪内祐三、高橋三千綱、上原善広、島田雅彦、朝吹真理子の各氏に心情を吐露し、本音を語った貴重な対談九篇を収録。
『随筆集 一日』文藝春秋、1,450円、2012年5月25日。
  • 文藝春秋HPより:私小説の一本道を行く無頼派作家の一年を凝縮
    芥川賞受賞の弁から、赤裸々な性体験を書いて話題を呼んだ「東スポ」連載まで。「私小説の救世主」が世相に、政治に、文学にもの申す!
『一私小説書きの日乗』文藝春秋、1,450円、2013年3月1日。
  • 文藝春秋HPより:常識外れの芥川賞作家の一年
    2011年3月から一年余の日々の記録。徹底的に自己からの眺めに徹した一人の作家の生活と意見がここにある。静謐で刺激的な一冊。
  • 【文庫化】角川文庫、600円、2014年10月25日。角川書店HPより:新時代の無頼派作家、西村賢太の生活と意見。2011年3月から2012年5月までを綴った、無頼の私小説家・西村賢太の虚飾無き日々の記録。賢太氏は何を書き、何を飲み食いし、何に怒っているのか。あけすけな筆致で綴るファン待望の異色の日記文学第一弾。
『棺に跨がる』文藝春秋、1,300円、2013年4月20日。
  • 文藝春秋HPより:私小説を再生させた著者による非道の連作集。貫多こそ人間の生の姿だ!哄笑、破裂する文学
    この傑作連作集こそが、私小説の究極の姿なのか。私小説の救世主として純文学界に躍り出た著者の連作小説。同棲相手の秋恵と繰り広げる人間模様。人間存在の情なさと愛おしさに迫る。
『歪んだ忌日』新潮社、1,404円、2013年6月28日。
  • 新潮社HPより:芥川賞受賞作『苦役列車』の主人公・貫多が抱く身内への思い、憤懣と怨念。
    同棲する女に怒罵と暴言を浴びせかける貫多。人生の先行きに不安と畏れを抱く15歳の貫多。没交渉だった母親からの手紙に心揺らされる貫多。大切な師の〈清造忌〉を陰鬱な気持ちで挙行する貫多。出ていった女への後悔と幻影に涙滲ませる貫多。43歳で芥川賞を受賞した故の悩ましき日々と、不穏な苛立ちを炙り出す私小説六篇。
『けがれなき酒のへど 西村賢太自選短篇集』幻冬舎(幻冬舎文庫)、600円、2013年9月24日。
  • 十代半ばにして人生に躓き、二十代で本格的に路頭に迷い、三十代では風格さえ漂う底辺人間となった北町貫多。酒を飲めば嫌われる。女への情愛は狂気に化ける。だが、彼が望んでいたのは人並みのささやかな幸せだけだった―。十六歳で初の馘首を経験して以降三十年余りにわたる、刮目すべき全力の迷走。持て余す自意識の蠢動を描く、私小説六篇。
『一私小説書きの日乗 憤怒の章』角川書店、1,600円、2013年12月24日。
  • 角川書店HPより:怒り、一閃! 行きつけの飲み屋で酒を呑み、編集者と打ち合わせ、新作の執筆にいそしむ。あこがれの人との邂逅に心ときめかせ、そして愚昧な人々に怒りを爆発させる。現代の私小説家、西村賢太の虚飾無き怒りの日々の記録。
『薄明鬼語 西村賢太対談集』扶桑社、1,500円、2014年5月22日。
  • 扶桑社HPより:作家、俳優、タレント、ミュージシャン…。中卒、無頼の私小説作家が文学の枠を超えて語り合った、ここだけの話。率直過ぎる芥川賞作家が引き出し、晒した作家の覚悟、女性関係、テレビ業界と文芸界etc.
『随筆集 一私小説書きの独語』角川書店、1,600円、2014年6月30日。
  • 角川書店HPより:静謐のなか、日々を綴る。新無頼派の第三エッセイ集。韓国の書店で受けた衝撃。地震から一年後の決意。敗北感を抱いた、同年の漫画家。私小説や藤澤清造への思い。横溝正史原作の映画について。そして、自らの半生。静謐のなか、日々を綴った第三エッセイ集。
『やまいだれの歌』新潮社、1,620円、2014年7月31日。
  • 新潮社HPより:十代にして人生列車のレールを外れた貫多の、労働と悪態、片恋と小説の日々。
    中卒で家出しその日暮らしを繰り返していた北町貫多は、十九歳にして心機一転を図ろうとした。横浜で新しい仕事を得、片恋する相手も見つけ、人生の軌道修正も図れるかと思いきや、ほどなく激しい失意が訪れる。そのとき彼の心の援軍となったのは、或る私小説家の本だった──。暗い青春の軌道を描く待望の長篇私小説。
  • 麻木久仁子「貫多! これからどこへいくんだ!」(『波』2014年8月号より)
『下手に居丈高』徳間書店、1,000円、2014年9月10日。
  • 徳間書店HPより:不快なマラソンランナーたち、最終学歴「中卒」に込められた思い、某テレビ番組の怒りの降板劇、友人との取っ組み合い――。地味で孤独で、しかしながらどこまでも激しい日々。頑固者、偏屈者を自認する当代きっての無頼作家が、軽快な語り口で世の不徳義を斬り、返す刀でみずからの恥部をえぐる痛快エッセイ集。異色の芥川賞作家の知られざる素顔が明らかに。
『一私小説書きの日乗 野性の章』角川書店、1,600円、2014年12月1日。
  • 角川書店HPより:日々、書き、呑み、買う。芥川賞作家、虚飾なき日々の記録。レギュラーのテレビ番組を怒りをもて降板。悪友との決別と和解。憧れの元プロ野球選手との邂逅。稲垣潤一の音楽。藤澤清造の書き入れ本。そして日々、書き、呑み、買う。平成無頼の私小説家西村賢太の異色日記文学。
『無銭横町』文藝春秋、1,300円、2015年2月25日。
  • 文藝春秋HPより:デビュー10年、愈々充実の最新短篇集! 田中英光の作に出会い、人生が変わりゆく10代最後の日々。優れた小説が甦えらしめた少年の日の追憶。花冷えの夜道を歩いてひとときの幻影を追い、原稿用紙の束を前に呻吟する――。私小説への殉情、無頼派の矜持。平成の無頼派、筆色冴えわたる最新6短篇。

垣田裕介の研究室