垣田裕介の研究室
中川 清 『日本都市の生活変動』
勁草書房、2000年5月。457+21頁、本体6,500円
※ 社会政策学会賞(学術賞)受賞。
◇更新:20060714
序 章 日本の生活変動の経験――過剰対応と自己変容
第1章 生活変動の巨視的構図
1 生活をめぐる言説状況
2 生活変動の歴史的構図
3 国際比較による巨視的構図
4 生協勝変動の現地点
第2章 社会階層と生活変動
1 階層変動への視点
2 「下層社会」からの離脱と交差
3 社会階層の同時形成と展開
4 低位水準化と社会階層の再生
5 社会階層の同質化と「中流社会」
6 消費の同質化と生活単位
7 生活単位の自己変容
第3章 生活変動の社会政策像
1 転換期の社会政策研究
2 政策対策からの視点
3 生活政策としての社会政策の領域
4 生活政策の時期区分
5 生活促進政策の意義
6 生活保障政策の性格
7 生活関係政策への動き
第4章 生活変動と生活構造論
1 生活構造論の姿勢
2 生活が構造として把握される
3 近代を生活変動として振り返る
4 生活変動の新たな局面
5 生活構造論の課題
補論T 生活構造の軌跡
1 生活構造論と社会像
2 戦前の生活研究と社会像
3 戦後変動と生活構造論
4 国民生活像と生活研究との対比
5 ポスト成長期の生活像
第5章 都市家族の形成と変容
1 都市と家族
2 都市家族のイメージ
3 未明の都市家族
4 都市家族の形成
5 都市家族の変容
第6章 近代における貧困の性格変化
1 貧困の輪郭の不明確さ
2 都市下層の職業変動
3 生活構造の変動
4 家族の形成と展開
5 都市社会への組み込み
6 貧困認識の変化
7 日本の貧困の特徴
第7章 世帯の形成と生活構造
1 東京の近代
2 世帯を形成することの困難
3 東京における世帯の形成
4 生活構造の展開
第8章 日常生活における戦後性―1950年の人工妊娠中絶
1 生活にとっての戦後
2 出生行動の戦後的変容
3 マジョリティの経験としての中絶
4 中絶の社会的文脈
5 日常の生活変動と中絶
補論U 近代東京における二つの画期―人口の自然動態をめぐって
1 二つの画期
2 近代都市への関心―生活という視点から
3 生きられる空間―近代都市像の成立
4 近代都市空間の変容―出生率低下の意味
5 残された課題と含意
第9章 <貧困>への関心がもたらしたもの―近代の社会調査と生活認識
1 貧困という主題
2 どのように生活することが可能になったのか、どのように生活せねばならなくなったのか
3 都市社会の認識構図はどのように変容したのか
4 個別的な生活の記述はどのように構成されてきたのか
5 <貧困>への関心がもたらしたもの
第10章 静かなる社会観察者―横山源之助
1 「生活社会」の暗黒への旅立ち
2 日本の産業化と「下層社会」
3 「静か」なる立場の高揚―初期労働運動へのかかわり
4 「労働問題」から「生活問題」へ
5 「下層社会」へのまなざし
第11章 異質な風俗としての貧困―近代初頭の生活認識
1 「貧民窟踏査」資料について
2 「貧民窟踏査」の系譜
3 異質さへの関心―初発の貧困言説
4 固有の生活世界と『日本の下層社会』
5 社会批判の介在と描写力の低下
6 下層社会の変容と「貧民窟踏査」の終焉
第12章 標準生活の模索と新中間層―安東政吉論
1 あるべき生活態度―「道徳統計」
2 「標準最低生活」の担い手―「標準家族」
3 「標準最低生活費」の算定と性格
4 新中間層の現像
補論V 近代の自己認識を振り返る―1870年から1970年の社会調査
1 社会調査の「後退」
2 社会調査とは何か
3 日本の社会調査の特徴
4 社会の自己認識を振り返る
5 外部へのまなざし―明治前期
6 内部の異質さにむかって
7 都市の貧困への集約―大正から昭和
8 つかの間の労働者像
9 労働者像の困難と国民生活論―戦時にむかって
10 戦後社会調査の水脈
11 社会調査の困難
日本の労働・生活調査――資料一覧
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